隊長のブログ

元商社マン。趣味:ヒップホップダンス、ジャズダンス、日舞(新舞踊)、旅行、映画、スポーツ観戦。阪神タイガースのファン。

映画 Film270 『グラン・トリノ』

2023年07月10日 | 映画

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第270作品目は、『グラン・トリノ』をお送りします。

 

 


『グラン・トリノ』(原題: Gran Torino)は、2008年12月12日公開(日本公開:2009年4月25日)のアメリカ映画。配給:ワーナー・ブラザース(Warner Bros. Entertainment Inc.)。上映時間:117分。


当時73歳のクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)が、監督・主演・製作を務めた話題作です。


尚、「隊長のブログ」では、クリント・イーストウッドの映画作品を、これで12本を紹介したことになります。詳細は、こちらをご参照下さい


脚本:ニック・シェンク(Nick Schenk)


ニック・シェンクは、2019年日本公開の  『運び屋』  でも、イーストウッドとタッグを組み、脚本を担当しています。


タイトルの「グラン・トリノ」とは、フォードの車種:フォード・トリノのうち、 1972年から1976年に生産されたものを指し、イーストウッド演じる主人公:ウォルト・コワルスキーの愛車で、映画の中でも、重要な位置付けとして描かれています。


共演者:ビー・ヴァン(Bee Vang)*、アーニー・ハー(Ahney Her)*、クリストファー・カーリー(Christopher Carley)、ドゥア・モーア(Doua Moua)*、ブライアン・ヘイリー(Brian Haley)、ほか。

 

 

あらすじ:物語の舞台は、「自動車の街」とも呼ばれる、ミシガン州デトロイト。フォードの自動車組立工を、50年勤めあげたポーランド系米国人:ウォルト・コワルスキー(イーストウッド)は、妻に先立たれ、一人暮らしの頑固な老人として、息子・孫たちから疎まれる存在でした。


モン族の少年タオ(ビー・ヴァン)は、仕事もなく自分の進むべき道が分からず、悶々と暮らしていました。二人は隣同士ですが、挨拶を交わすことすらありませんでした。


ある日、スパイダー(ドゥア・モーア)をリーダーとする、モン族の不良グループにそそのかされて、タオはウォルトの愛車「グラン・トリノ」を盗もうと車庫に忍び込みます。しかし、ウォルトの構えた銃の前に逃げ去ります。


その後、街の中で絡まれていたモンの姉:スー(アーニー・ハー)を助けたことから、ウォルトは隣家から、毎日の様にプレゼントを贈られたり、隣家のパーティーに招待されます。最初は、面倒くさそうな態度をしていたウォルトですが、根負けして、隣家を訪れ、モン族式のパーティーに参加します。


そこで、モン族(Hmong)の伝統や祖先を重んじる文化に触れ、彼らと打ち解けていきましたが。。。

 

 

感想:2004年以降にイーストウッドが、監督・出演した 『ミリオンダラー・ベイビー』  、『運び屋』  、『クライ・マッチョ』  に共通しているテーマ「他民族国家・アメリカの光りと影」が、本作の根底にも流れています。


本作では、一時は「自動車の街」とも呼ばれ栄華を謳歌したデトロイトも、日本車などの輸入車の台頭で、地位を脅かされ、ウォルトが住むデトロイト郊外でも、治安が悪化し、少年ギャングが銃をぶっ放す、寂れた街になっています。


頑固な性格が災いして、家族とも不仲で、心配して訪れてくれるヤノビッチ神父(クリストファー・カーリー)にも、頑なに接するウォルト。


若いタオやスーは別として、英語を喋れない、隣人家族。奇妙な習慣も、気になります。まさに、「光りと影」ですね。


『ミリオンダラー・ベイビー』では、ケルト民族のアイデンティティに、スポットライトを当てましたが、本作では、モン族のアイデンティティに迫っています。


『グラン・トリノ』を観るまでは、モン族に関して聞いたことのあるかないか程度でしたが、米国内に深く根を張って生きていることを、認識させられました。


リアリティを出すためでしょう。主要キャスト(共演者覧の * 印)だけでなく、モン族に出自を持つと思われる出演者を、多く起用しています。


そのため、ビー・ヴァンたちは、演技経験も少ない状態でしたが、イーストウッドを始めとするスタッフが、彼らの生き生きとした演技を引き出しています。

 

 

 

 


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