花歩る木

山と旅がすきです

林芙美子記念館

2010-12-19 10:45:34 | いろいろ

12月17日 新宿区立 「林芙美子記念館」 に行ってきました。

   友達から回ってきた小説 「ナニカアル」 を読んで、
   林芙美子に興味をもちました。
   この小説は 直木賞作家・桐野夏生(なつお 金沢生まれの女性です) が
   林芙美子を主人公にして書いた大胆な、おそろしく「ナニカアル」小説でした。
   昭和18年、従軍ペン部隊の一員として現地のルポを新聞に書くため、
   南方に赴いた芙美子のことを書いたもの。
   「どこまで本当なの?」 「芙美子さん怒こらないかな?」・・・と
   いぶかりながらも、一気に読みました。

   林芙美子は放浪記の冒頭で
   「私は宿命的に放浪者である。旅が故郷であった。」と書いています。
   その芙美子が家を建てたのです。
   
   念願の家つくり、
   建てたいきさつを記入したプレートが置かれていました。
   「私の生涯で家を建てるなどとは、考えてもみなかったのだけれども、
   幸い300坪の地所を求めることが出来た。
   東西南北 風の吹きぬける家、客間には金をかけないこと、
   茶の間と風呂と厠と台所には、十二分に金をかけるというのが、
   私の考えであった。生涯を住む家となれば、
   何よりも愛らしい家をつくりたいと思った。」

    
   玄関 ここから入館はできません。   10m程先が記念館入り口。

  
   庭からみた茶の間、堀こたつ、釣りとだな、収納式神棚、などを備えて、
   暮らしやすさを考えた一家団欒の場でした。
            ↓
    
   茶の間                    書斎

     
    イチギョウジ(一行寺)の散紅葉   庭の片隅の侘び助

          
  アトリエ  画家であった夫緑敏のために     緑敏が育てていたバラ。
  つくられた。ピアノは息子(出生不明の
  養子・・・というけど、芙美子の子)のため
  買ったが練習嫌いだったらしい。


   芙美子は 「生きるためだけでなく、有名になるためには、何でも踏みつけにする。
   品がない、異端、ノーモラル、ノールール」 と言われていたらしい。
   それなのに新築した家はおそろしく趣味がいい・・・と言われています。
   庭はもとより、玄関、敷地内の裏山にも四季の花が咲くようで、
   都心にいながら、森にいるような気分でした。
    
   とその時、係りの人が「あ!狸!」 というので裏山を見たら、
   何と狸が塀の上をつたって、隣の家の庭に消えました。
   新宿区に狸とは驚きました。

   
   「花のいのちは短くて、苦しきことのみ多かりき」
   昭和26年心臓病で倒れて、47歳の生涯を閉じたのです。

   今は新宿区が管理しています。入館料150円 月曜日休み。
                      


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