桑の海 光る雲

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10連休は北海道へ③

2019-05-13 22:08:43 | 旅行記
4/30(火)
いよいよ平成最後の日。この日は風は前日ほどではなく、空も晴れていたので、利尻を見ながら島の南を歩こうと決めました。ちなみにこの時期にコースを歩くのは、GW3回目にして初めてです。

ますバスで知床に向かい、一路元地灯台へ。この時期は花は少なく、エゾエンゴサクとキバナノアマナが中心です。また、ギョウジャニンニクもたくさん生えており、しかも今まで採取されたことがないためかどれも株が大きく茎も太く、これを採取して醤油漬けにしたら最高に美味いだろうなと思いました(ギョウジャニンニクの醤油漬けは札幌のふくろう亭でいただいていましたが、なかなか美味しく、確かにこの調理法にするなら茎が太い方が良いなと思いました)。地元のおばさんが遠くで袋いっぱいに採取しているのが見え、うらやましく思いました。

いつもなら花を見ながらのんびり歩いて時間もかかるところ、今回はすぐに灯台に着いてしまいました。利尻山はきれいに見えますが、背景の空がもやっていて今ひとつきれいではないのが残念でした。桃岩展望台まで、利尻山を眺めながら歩き、十数人の人とすれ違いましたが、花の時期に比べればはるかに少なかったです。それでも、初めてここを歩いた29年前の7月中旬は、なんとライダーとおぼしき男性1人としかすれ違いませんでした。途中、笹を広く刈り払ったところが何カ所もあったのは、どういう意図があるのでしょうか。また、クロユリやレブンコザクラ、エゾノハクサンイチゲやレブンキンバイなどの株がいくつも見られ、既に花々は花を咲かせる準備をしているのが見て取れました。これらの花を次に見に来るのはいつのことになるのでしょうか?

思ったより早く歩けてしまったので(しかも今回は普通のスニーカーで歩いています)、レブン林道からハイジの谷、礼文滝まで足を伸ばすことにしました。礼文林道も、初めて星観荘に泊まった27年前に歩いた頃に比べ、道の両側の木々がずいぶん伸びて、見える景色も変わりました。また、ここでも立ち入り禁止の場所が増えました。致し方のないことですが、かつて毎年星観荘に2ヶ月ほど滞在し、自分の足で山深く分け入って、珍しい花を見つけては写真に収めてアルバムにまとめていた故・Hさんなら、今の島の状況をどう思うでしょうか。
ハイジの谷もまだ冬枯れのままでした。礼文滝は雪解け水が流れ込んでいるのか、今まで見た中で最も水量が多く立派に見えました。しかし、昔のように滝の上の岩に上がることはできず、その岩の上に立った姿を、恐怖心に駆られながら写真に撮ってもらったときのことが懐かしく思われます。

ここから引き返して元地に移動し、今年オープンしたカフェUMIでホッケバーガーとキウイのスムージーを頂きました。ホッケバーガーとエビコロバーガーは島産のホッケとボタンエビを使用しているとのこと。店には地元民とおぼしき人が来ていましたが、一様に「ちゃんとホッケの味がする」と言っていたので、間違いないのでしょう。揚げたて熱々、とても美味しかったです。次はエビコロバーガーにしよう!

そのまま元地トンネルをくぐってうすゆきの湯に入り、その後、最終便でやってくる十数年ぶりに再会するTさんご一家を出迎えました。Tさんに初めて会ったのはもう21年も前ですが、その後18人で島を32時間かけて一周したときにご一緒して以来の再会なのです。

平成最後の日の星観荘の夕食は何になるのか。1900年代最後の日は手巻き寿司パーティーでした。私はタコカレーになってほしいなと思っていました。

94年のGW、宿主夫妻が礼文岳山頂で婚姻届にサインし、船泊支所に提出して入籍した日の夕食は、皆の熱烈なリクエストにより、ギョウジャニンニク入りジンギスカン(しかも今のような陶板焼きスタイルでなく、大きな鉄板でたくさん焼くスタイル)とタコカレーとにんじんサラダになったのを思い出します。前々日から「明日はタコカレーだよ。」との声に期待は高まります。前日に双葉食堂の帰りに談で拾ってもらった時、港に出迎えに向かう途中で立ち寄った先でタコを入手したのを見て、これでタコカレーが食べられると確信しました。

平成最後の日の夕食は、写真に示したとおり、タコカレーとにんじんサラダ。そして実は初めて食べる焼き糠ホッケでした。タコカレーを食べるのはいつ以来でしょうか?もう忘れてしまいましたが、星観荘が今の場所の移ってから食べた記憶があるので、恐らく大人数で24時間コースを歩いた時以来だろうと、勝手にしておきます。ともかく懐かしい味。おかわりもしてしまいました。にんじんサラダも自分で作ったことがありますが、星観荘で食べると何かが違う感じです。

そうこうするうちに、雲が出て全く望み薄だった平成最後の夕陽が、水平線際にほんの少しだけ切れた雲の間から顔をのぞかせました。星観荘から見た平成最後の夕陽は、まるで四角い太陽のような形でした。1900年代最後の、スコトン岬で見た夕陽は、写真はありませんが、雲一つないきれいな夕陽でした。1900年代最後と平成最後の夕陽を、ともに星観荘で見られて、なんだかとても感慨深い思いでいっぱいでした。

普段の星観荘の夜は、だいたい11時頃に消灯となるのですが、この日は平成から令和に替わる瞬間に立ち会おうと、10人が起きていました。T一家、U母子、宿主妻子、私とKさん。テレビでカウントダウンが始まると、なんだか気持ちも沸き立ってきます。12時を迎えた瞬間は、皆でジャンプしました。

令和元年5月1日となったので、用意しておいた帙を開き、「令和」の文字を書いた色紙を出しました。Tさんが写真を撮りたいということで、恥ずかしながら色紙を手にしてカメラに収まりました。令和おじさん@星観荘という趣向でしょうか?さらに宿主夫人の発案で、普段食事のメニューを掲示する掲示板の上に色紙を立てかけました。この色紙の前で10人で記念撮影をして就寝しました。(ちなみにこの色紙は今シーズンずっとここに掲げてもらえるそうです。)

















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