桑の海 光る雲

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2回目の紅白歌合戦観覧

2020-01-11 18:23:21 | 日記
本年もよろしくお願い致します。
昨年の大晦日には、5年ぶり2回目の紅白歌合戦を観覧してきました。今回も2回目とは言いながら最高のひとときを過ごすことができました。今年から観覧応募ハガキを出したい人もいるようなので、その辺りからのいきさつや要領も併せて書きます。
・10月頭
NHKホームページに応募要領が出ます。今回も年賀状の失敗したのと使い残りを郵便局に持っていき、お金を追加して往復ハガキ100枚に交換、プリンタで印刷して、前回当たったときと同様に何カ所かのポストから日を分けて少しずつ発送しました。返送されてくるハガキには、当落に関係なく1枚ずつ番号が振られており、いっぺんに発送するとそのまとまりごとに近い番号、あるいは連続した番号が振られ、当選の確率が下がるように思えるからです。
私は初めて応募した7年前から毎年100枚出していますが、嵐ファンの中には今年1,000枚出して当選した人もいるとか。しかし、後述する隣の席の人や電車で一緒になった方々は10枚くらいしか出していないそうです。でも倍率が年々上昇し、前回(6年前)は700倍、今回(昨年)は1,000倍で、今年(2020年)は嵐の活動休止と重なるので、さらに倍率が上がることは必至です。また、来年(2021年)はNHKホールが改修のため、東京国際フォーラムで開催されることが決まっています。ここはNHKホールに比べてキャパが多く、嵐が活動休止後であるため、来年の当選確率は今年よりも下がると思われます。
・12月頭
当選通知及び落選したハガキが届き始めます。前回当たったときは当選ハガキが封筒に入れられて普通郵便で届きましたが、チケット転売が法律で禁止されたためでしょうか、今回は当選ハガキと、偽造防止を施した別の当選通知が一緒に封筒に入れられて、簡易書留で届きました。当選通知は必ず返信ハガキが届き始める初日に届きます。当選通知が届かずいきなり落選ハガキが届いたときは間違いなく落選です。今回は当選通知が届いた日に不在にしており、不在通知に「NHK」とあったことで当選を知りました。
当選したらすぐしなくてはいけないのが、ホテルの手配です。都内の人は問題ないと思いますが、何しろ終了が23:45、ホールを出るのは0時過ぎになるので、遠方の人はその日のうちに帰れません。都内ではカウントダウンライブも多く開催されており、特に渋谷周辺でのホテルの確保は至難の業です。しかし、大晦日の夜は山手線や中央線は終夜運転をしています。私はそれを知っていたので、2回とも渋谷でなく池袋に泊まりました。渋谷や東京駅近辺を外せばホテルは比較的楽に確保できますし、25日以降は一気にキャンセルが出るので、そこを狙うのも方法です。私は1回目の時はこれで池袋のホテルを確保しました。当日隣の席に座った安中のご夫婦も、この方法で渋谷のホテルを確保したそうです。遠方の方は飛行機や新幹線も押さえないといけませんね。当日反対隣の席のご婦人方は北海道から見に来ていましたし、帰りの電車で一緒になったご夫婦は新潟から見に来ていました。
・当日
15時から渋谷のNHK前の引換所で座席指定の入場券が配られます。NHKの敷地に入る際には当選通知を見せなくてはいけません。また、1枚の当選で2人入場できるのですが、前回は1人で引換所に入場し、もう1人の分の入場券も一緒に交換してもらうことができたのですが、今回は2人一緒でないと交換できないことになっています。早く並ぶと良い席が当たると信じられているのか、15:10頃到着した頃には既に大行列ができていました。ここで前述の安中のご夫婦と列が前後になり(なんと偶然にも会場での席も隣り合わせになりました)、いろいろ話をしました。そのご夫婦は火曜日夜に放映されているうたコンに何度も当選されているそうで、紅白当選は初めてとのことでした。列は順調にはけていき、7つあるブースに順番に振り分けられていきます。ここで当選ハガキを渡し、写真入り身分証明書を提示します。すると、パソコンがランダムに選んだ席番号がチケットに印字されたものを渡されます。前回は3階席の一番後ろの方でしたが、今回は2階席の2列目。歌手の顔も見えるし、ステージ全体も見渡せるかなり良い席のようです。チケットを渡されると手首にリストバンドが巻かれ(終わった後これが外れなくて、結局はさみで切って外した)、手の甲にスタンプを押されます。これで受け付け終了。17:45の入場まで時間を潰すのですが、私はホテルに戻ってチェックインし、駅のレストラン街で夕食を済ませました。大晦日はどこもレストランが早じまいし、もちろん終了後に食事ができるところはどこもなく、入場前の早い段階で食事を済ませておくのが良いと思います。
・19:15番組開始
本番直前、暗いステージ上に出場するアーティスト達が並びます。前回より人数が明らかに少ない。セットも中央の階段状のセットと、両脇の石柱のセットだけで殺風景なので、なおのこと寂しく見えます。実際の放映ではプロジェクションマッピングで華やかな映像が出るのだろうと思われました。
新国立競技場からの録画映像が流れ、いよいよ番組開始です。前回は中央の階段をアーティスト達が一斉に下りてきて、ステージ上に居並んでスタートしたので、これから始まるというわくわく感がたまらなかったのですが、今回の最初からステージ上に並んだ形でのスタートはちょっともの足らなかったです。
なお、ステージ上方には、テレビの放映では映らないように大きなモニターが設置されており、三階席後方の観客はこちらを中心に見ることになります。また、遠い席の人のためにオペラグラスのレンタルもあります。

◎印象に残ったアーティスト
以下、印象に残ったアーティストについて感想を書きます。批判的なコメントも書きますが、そのアーティストのファンの方ごめんなさい。取り上げられていないアーティストについては特に印象に残ったことはなかったということであしからずご了承下さい。

*郷ひろみ:トップバッターでしたが、ステージ上が出場者で雑然としているうちに歌が始まってしまい、前回の時のような観客も含めた「億千万!」コールも抑え気味で、ちょっとかわいそうでした。
*島津亜矢:名曲「糸」を歌いましたが、本当なら自分の歌を歌いたかっただろうに、これまたちょっとかわいそうでした。何とか中島みゆきを引っ張り出して歌わせたいですね。
*天童よしみ:今回はアーティストの衣装の色と照明やプロジェクションマッピングの映像の色がかぶってしまうケースが多く、中でも天童よしみは一番かわいそうでした。
*AKB48
例のグループの中で唯一知っている曲を歌ったところは良かったのですが、いろんなグループのメンバーが大量にステージ上に登場したので、ほとんどカオス状態。テレビでは一部だけ映し出されていたのでしょうが、ステージ全体を見るとはっきり言ってわけがわからず、この演出は失敗だと思いました。
*LiSA
この人を見たのも歌を聴いたのも初めて。アニメの主題歌とのことですが、私個人としては今回の紅白でベスト5に入る熱唱でした。
*坂本冬美
こういう懐かしい名曲を、しみじみとそして力を込めて熱唱してくれると、20世紀の頃までの紅白を思い出しますね。あの頃観覧に行きたかったです。
*King Gnu
このグループを見たのも歌を聴いたのも初めて。これまた熱唱で、特に声量と声の高さに圧倒されました。こういう一般にはあまり知られていない、けれど一部の人には強く支持されているアーティストを探し出してきて出演させるのは、最近の紅白の一つの方向性ですね。この紅白を機会に顔と名前と曲が知られ、さらにメジャーになっていくことでしょう。
*福山雅治
事前にパシフィコ横浜からの中継ということがわかっていたので、トイレに立つ観客多数。はっきり言って全出場者の中で会場が最も”盛り下がって”いました。内村光良から「来年こそは是非来て下さいね~!」と言われて「は~い!」と答えていましたが、多分口約束でしょう。歌の前のコントは面白かったですが(聞くところによると、今年の大晦日、福山雅治はライブ等の予定はないそうです。ひょっとして。。。)。
*Little Glee Monster
NHKのラグビーで何度も耳にした曲ですが、本物を聞くとやはり良いですね。
*DA PUMP
メドレーということでしたが、実際は2曲だけ。でも「U.S.A.」を実際に聞くことができたのは良かったです。会場も盛り上がりました。
*Official髭男dism
これも初めて聞きました。ボーカルの声がよく響き、透明感もあって胸に響きました。このまま一発屋で消えてしまわないことを願うばかりです。でも、グループ名、もう少し普通の名前にできなかったのかな?私も初めて名前を聞いたときはコミックバンドか芸人か何かかと思ってしまいました。
*水森かおり
歌よりも“イリュージョン”ばかりが先立って、失敗の演出。演歌歌手なのだから、じっくり歌を聴かせて欲しい。小林幸子が出場しなくなった今、巨大衣装でアピールする方がずっと良いと思いました。
*椎名林檎
昔はあの歌いっぷりがあまり好きでなかったのですが、昔の荒々しさが穏やかになってずいぶん聞きやすくなったように思います。
*三山ひろし
けん玉は途中で失敗して新記録達成ならず。でも、けん玉挑戦シリーズはもう飽きました。普通にじっくり歌を聴かせて下さい。
*Perfume
ステージと映像と照明が一番凝っていたのがこのグループ。前半はほとんど音とダンスばかりで、後半で歌が入りました。でも不思議な迫力と魅力を感じました。
*星野源
歌は悪くなかったのですがやはり中継(録画)だったので魅力は半減。中継とわかるや、福山雅治の時と同様、多くの観客が席を立ちトイレに向かいました。
*石川さゆり
本人は新曲を歌いたいのでしょうが、恐らく「津軽海峡冬景色」か「天城越え」のいずれかを歌うという条件付きで紅白に出させてもらっているのでしょう。いずれにしてもキーの高さも声量も歌い方も40年前と全く変わらないのは驚異的です。これこそ本物のプロの歌手と言えるでしょう。
*RADWINPS
これもステージでなく別のスタジオで歌っている中継でした。私も生演奏が聴けるかと期待していただけに残念。中継とわかったときの会場のがっかり感は、竹内まりやの時とこのRADWIMPSの時が特に大きかったように思います。
*Superfly
Lisa、MISIAと並んで熱唱に圧倒されたうちの1人。ただ、歌に合わせてオレンジ色の衣装を着てきたのに、照明までオレンジ色にしてしまったものだから、せっかくの衣装が映えずかわいそうでした。
*菅田将暉
この人の歌を聴いたのも初めて。でもなかなか良い声をしているし、米津玄師の歌もよくできているので、両者が上手くマッチして聞く人の心に響いたのだと思います。
*いきものがかり・ゆず
いずれも名曲を歌いました。安心して聞けます。
*松田聖子
始めと終わりのところで「聖子~!」と叫びましたが、どちらも目立たなかったようで残念。前回見たときの「赤いスイートピー」というバラードと異なり、今回のメドレーは「夏の扉」のようなアップテンポの曲も入っていたので、聖子自身も大きく体を動かしノリノリでした。1階席は途中から総立ち。1階席の最後列に座っていたラグビー日本代表は必然的に全員立たないわけにはいかず、一般の観客と一緒になって曲に合わせて体を動かしていました。
*氷川きよし
龍に乗ったパフォーマンスは、実は今から30年以上前にユーミンが自分のコンサートで行っており、私は以前DVDでそれを見たことがあったので、真っ先にそれを思い出してしまいました。龍は1階席の前の方までせり出し、1階席の観客は結構怖かったかも知れません。歌は男性歌手の中ではKing Gnuと並んで熱唱で圧倒されました。
*MISIA
今回最高の歌唱を見せたのがMISIA。ネットでも絶賛されていました。LBGTに関わる演出もされていましたが、とにかく「Into the light」がすごかった!単なるがなり声を上げているのではなく、ホール全体にマイクなしでも届くようなまさに“熱唱”の言葉がぴったりでした。前回見に来たときはナミビアからの中継だったので、生歌を聴けて本当に幸せでした。本来の“歌唱”という点では、今回の紅白では明らかに女性歌手の方が勝っていたと思います。

◎特別コーナー編
最近特別コーナーが増えてきました。今年は多すぎたと思います。1組か2組登場してこそ“特別”なのであって、こうまで続けて登場しては価値がありません。

*ディズニー映画と夢のステージ
前回見に来たときは「アニメ紅白」というコーナーがあり、私はそのコーナー全部をトイレ・休憩タイムにしました。こう言ってはなんですが、こういう子ども向けコーナーは紅白には全く不要なものだと思います。
*YOSHIKISS
まさかKISSがステージに登場するはずもなく、もちろん録画でちょっとがっかり。わざわざ特別コーナーにする意義はあったのでしょうか?
*美空ひばり「あれから」
テレビで2度、既に見ていたので何の感興も湧きませんでした。美空ひばりを実際に見ている世代には、何だか気味悪く感じたし、故人への冒涜に思えてなりませんでした。歌そのものは悪くないのですが。
*ビートたけし「浅草キッド」
前回見に来たときは美輪明宏が「ヨイトマケの歌」を歌い、3階席でも思わず涙してしまったのを覚えています。正直言ってあまり期待していなかったのですが、今のビートたけしとして精一杯の“熱唱”であり、しみじみと胸に響き、いい歌を聞けて良かったと、最後には思いました。
*竹内まりや
今回一番がっかりしました。ステージで歌うものばかりと思っていたからです。「中継」という言葉が聞こえた瞬間、観客席全体が落胆ムードに包まれました。紅白初登場と謳っておいて結局スタジオからの中継。まぁ、中島みゆきも2回とも中継なので致し方ないとは思うのですが、大規模なオーケストラやバンドを従えているわけでもないのに、なぜステージでなくスタジオからの中継になったのか知りたいところです。歌そのものは良い歌だったのですが、落胆の方が先に立ってしまって、あまり感動できませんでした。
*松任谷由実「ノーサイド」
今回の紅白で最も楽しみにしていた曲。この歌を聞くために会場に来たと言っても過言ではありません。もちろんこの歌を挿入歌にしたNHKのラグビー日本代表の活躍を取り上げた番組の焼き直しということはわかっているのですが、私自身ユーミンの曲の中でベスト10に数えている名曲中の名曲を、生で聞けるのが楽しみでなりませんでした(今まで見た2回のユーミンのコンサートでは聞くことができませんでした)。
ステージ上に、昨年同様に地味な衣装のユーミンが現れただけで、すっかり舞い上がってしまいました。そして松任谷正隆の演奏する、おなじみのエレピの前奏が流れ始めた途端、一気に歌に引き込まれます。もちろん往時よりキーは下がっていますが、そんなことは関係ありません。昨今生歌が“痛い”と評判で、今回も心配していたサビの部分の高音も、キーを下げたおかげで無事切り抜けました。バックには日本代表がベスト8を決めた試合と、準々決勝で敗れた試合の映像が次々と流れていきます。もちろんラグビーの試合もテレビで見て感動したわけですが、何より大好きなこの曲が紅白という特別な舞台で歌われているのを直に聞くことができたことに感動し、思わず涙してしまいました。
背景に流れる映像を見ながら、私は今回のラグビーワールドカップ日本大会を目前にして亡くなったミスターラグビー・平尾誠二のことを思い出しました。歌詞に出てくる「あなた」「彼」にそのまま平尾誠二のことが当てはまるような気がしてなりませんでした。
幸いなことにユーミンはフルコーラスを歌い、前奏も間奏も後奏も原曲通り全部入り、まさにフル演奏でした。この一曲を聞いただけで、本当に来て良かったと心から思いました。

嵐の出番が終わり、今年はそれぞれの面が白と赤に塗り分けられたうちわの一方を掲げて、紅組白組どちらが良かったかを示します。前回見に来たときは、このときだけペンライトを赤か白か好きな方に点灯させることができ、それによって結果を集計していましたが、今回はうちわでした。麻布大の野鳥観察サークルの学生が大活躍でした。
中継の多かった白組に対し、紅組はMISIAを初めとして熱唱した歌手が多く、歌だけなら紅組が断然優位でした。実際にゲスト審査員は紅組勝利でしたが、嵐ファンが多くを占める観客と視聴者は白組勝利となり、結果白組の勝利となりました。
表彰が終わり「蛍の光」を合唱し、最後に例年通り紅白のテープが観客席に噴射されて番組は終了。たまたま赤いテープが一本目の前に飛んできたので、たぐり寄せて持って帰ることにしました。前回は終了後に、その会で紅白を卒業した森進一に花束が贈呈されるなどのイベントもあったのですが、今回は最後に司会者達が挨拶をして終了となりました。
ロビーでペンライトを返却し、アンケートを渡してホールを後にしました。外では「青の洞窟」というライトアップイベントが行われており、大きな鐘も設置されています。ちょうど日付が変わる直前だったので、除夜の鐘のつもりでロープを引いて鐘を鳴らしました。
隣の代々木第一体育館では浜崎あゆみのカウントダウンライブがまだ開催中。原宿駅から終夜運転の山手線に乗りました。リストバンドが取れないと話していたら、たまたま横にいたご夫婦も観覧帰りで、同じように困っていました。新潟から見えたというご夫婦と、紅白の感想などを話しているうちに池袋に着きました。
翌朝は前回同様ホテルの和食レストランでおせち料理のバイキングの朝食を頂いて群馬に戻ってきました。

2回目の紅白観覧でしたが、2回目でも最高でした。前にも書きましたが、これだけの数のアーティストのコンサートやライブを全部見るとなると、数百万円はかかるところ、紅白だとハガキ代と1泊分の交通費、宿泊費しかかからないわけで、とてもお値打ちです。
今年の紅白は嵐祭りなので、当選確率はさらに下がると思われますが、例年通り応募はするつもり。それより来年の紅白は、嵐祭りも終わり、改修されるNHKホールに替わって、NHKホールよりもキャパの大きい東京国際フォーラムで開催されるので、当選確率も少し上がると思います。
今年は例年以上に中継が多く、またAKB系及びジャニーズ系のグループが出演者の多くを占めていたことに対する批判が例年以上に多かったと思います。また、特別企画として竹内まりや・ビートたけし・松任谷由実・AIによる美空ひばりは、いずれも歌をじっくり聞かせるもので許容できるものの、それ以外の企画は紅白に必要だったのか、首をかしげずにはおれませんでした。
視聴率過去最低を記録した今回の紅白を受けて、東京オリンピックと嵐の活動休止を前面に出した今年の紅白がどうなるのか、今から楽しみにしておきましょう。
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