はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

歩き納めの小笠山-2

2012-02-01 15:27:35 | 低山歩き
小笠神社-犬戻り

 小笠神社の参道の急な階段を下って行くと時折小笠池が左下に見えていた。
今はこうしてコンクリの階段で容易に歩けるが、ここに砦があった時はどうだろう?きっと武者は馬から降りて一頭づつ注意深く降りただろう。となると攻撃の時はこの道は使えなかったのだろうな、など考えながら下ったせいか小笠池に行く道に気が付かないまま駐車場のある車道の所まだ下ってしまった。
地図で確認するが細かい場所は分からない。古くて塗装も剥げかかった案内板を見ても分岐はあるがその場所は明確でない。
小笠池には一度行った事はあるが車道を歩いた記憶が無い。仕方ない階段のある所まで戻って確認しようと道を戻ることに。
だが下に降りる分岐は無い。と言うか下に向かう道などとても作れる状態な場所は無く、結局階段まで行き、また駐車場へ戻ってしまった。
こうなれば車道を歩いた覚えは無くても車道を行くしかない。

  
 小笠池の分岐                         小笠池

 車道を下り始めると直に右に下る分岐が現れた。分岐点には大きな案内板も立っている。もう間違いはない、ここが小笠池に行く道だろう。なんて不確かな記憶なのだ。少々自信が揺らいでしまった。
舗装のされていない太い道を下り出すとすぐ小笠池に到着。池には浮橋や吊橋があったが余り人が来ている気配はない。今は季節は外れだが行楽期に果たして人はくるか? 少々疑問を感じる所だった。
橋の上の尾根には小笠神社の建物が見えている。こうして見る限りでは急斜面には見えないのにな。

  
  一つ目のトンネル                      三つ目のトンネルと山道

 小笠池の堤防かな?そんな真っ直ぐな道を進むとトンネルが見えてくる。蔓草が垂れ下がったりしているが頑丈そうなトンネルだ。中は当然明かりは無く真っ暗。用意してある懐中電灯を取り出して中に入る。中の道は溝ができていて、かなりでこぼこしている。
前回歩いた時は蝙蝠が飛んでいて気味が悪かったが、今は季節が冬のせいか蝙蝠などの生き物がいないのがありがたい。
一つ、二つとトンネルを過ぎ三つ目のトンネルの入り口から山道に入る。ここからが地図で「危険注意!」の山道になる。
しかし登って行っても危険そうな所は出てこない。坂には擬木で階段を作り歩きやすくしてくれてあるし、これなら朝歩いた板沢コースより手入れが行き届いている。
それに前回この道を歩いた時の事を考えても”急な道だった”事ぐらいしか思い出せない。きっと地図は大袈裟なのだ。

  
  今日一番の痩尾根                      通り過ぎて後ろ見たら
       
 一寸待て!前の道は何だ! 
道の右側は断崖絶壁で左も急斜面になっている。しかも右は今も崩壊が進んでいるようで、とても右寄りには歩けない。
かと言って、左側も近づいてみたら、決して単なる急斜面ではなく絶壁には変わりない。ウーン!
迷っていれば余計怖さが増してくる。もう思い切って行くしかない。痩せ尾根の道は平均台よりよっぽど太いし長さも短い。
四つん這いになれば時間がかかり余計怖くなるだろう。エイ!ヤー! 足に震えてくる前に歩きだした。

 何とか通過。後ろを振り返ると----- アー!怖かった。

しかし何故なんだ。前に歩いた時は怖い思いをした覚えがない。この場所は歩かなかった?そんな馬鹿な、三つ目のトンネルから山に入ったのだから、この道に間違いない。
そうか今日は六枚屏風で怖い思いをしたので、その恐怖感が体に染み付いて取れないのだ。きっとそうに違いない。
 遊園地の絶叫マシンは最初に一番怖い物に乗った方のが、後の乗り物は怖く感じないのか? それと恐怖度の低い物から乗った方のが怖くないのか?
今日の感じでは最初に怖い経験をすると、その恐怖感を引きずって、その後もズート怖くなるようだった。

     
  手入れされている山道              笠原中継所

 怖い瘠尾根を通り過ぎると道は整備されている。結局あの場所一ケ所が「危険注意!」の場所だった。
確かに前回は恐怖を感じなかったが、この道は一般道では危険すぎるだろう。ハイキングコースと紹介して、もし事故が起きた時は責任の取りようがない。やはり「危険注意!」「この先危険です!」の表示は当然だろう。
だが、なぜ途中の道が整備されているのか? これはきっと以前はあの瘠尾根の右側の崩壊が少なく、もっと太い道だったのだろう。それが徐々に崩壊が進んであんなに細くなってしまったのだ。そのうちあそこは崩壊してしまい通行止めになってしまうのだろう。

 やっと尾根道に合流した所から少し南に向かい笠原中継所に到着。しかし景色は残念ながら見えない。仕方ないここでUターンだ。
中継所から今朝歩いた赤樫のある四辻までの道は比較的平坦で道幅もある。この道なら馬に乗ったまま走ることもできるだろう。なら高天神城の攻撃はこの道を使ったのだろう。と、さっきの疑問は解決した。
 四辻からは朝来た道を小笠山の三角点を過ぎ、板沢コースの分岐まで戻ることになる。その先は久保コースとなり休日ともなれば一番ハイカーの多い道となる。
今日は今までハイカーとは一人も会っていないが、この道で親子連れ、いや違う爺孫連れに出会った。
さすがメイン通路と言うべきか、暇人が揃ったと言うべきか------ しかし羨ましいな

 三角点から15分ほど行った所に橋がある。気なしに渡ってしまえばそれまでだが、橋から下を覗くとそこも痩尾根になっていた。
さっきの小笠池の上の痩尾根と同じように一度怖さを感じたら、とても渡ることの出来そうもない。それが橋があるお蔭でいとも簡単に渡る事ができる。
マップを見ると「犬戻り」危険注意!の表示がある所が多分ここだろう。それにしても池の上の痩尾根も、このような橋を渡してくれると嬉しいな。痩尾根の前後は整備されているので誰でも歩ける周遊コースになるのだが。

 
  犬戻り?