はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

駿河一国33ヶ所巡り1-3

2010-01-17 17:35:38 | 寺社遍路
 7番補陀落寺から千葉山までの道は、まず今来た道を八幡神社まで戻り、そこから県道32号を目指して西に向かう。32号に出たら北上して途中の瀬戸谷で県道81号に入り島田方面にと向かう。
その81号から千葉山に向かう道が地図上では3本ある。
一番手前は千葉山の下の方に出てしまうのでパス。
二番目は直接千葉山に向かっている。
そして三番目の道は島田側へ奥深く回り込むので距離が長くなり過ぎるてしまう。
よって二番目の道で行くのだが、その出発点は81号から県道215号が分岐する橋の袂で十字路になっているようだ。そこからは農道が千葉山まで続いている(はずだ)。
補陀落寺から千葉山智満寺まで距離にして約13k程(余り当にはならないが)ある。今11時20分なので千葉山に2時頃までには着くだろうと判断して出発。

 12時50分県道215号の分岐点に到着。昭和橋の手前から右手に215号が延びている。そして農道は ----- 無い!。橋の手前も先も左への道は無い。サー困った。少し戻ったり、前に行ったりしたが道は無い。困った、どうしよう。
10分ほど悩んでいただろうか、すると橋の袂の家に軽トラックが入ってきた。これ幸いとばかりに
「千葉山に歩いて行きたいのですが、道が分からなくて」
「もうこの先には千葉山に行く道は無いよ。昔はあったけど今は廃道になってしまったから。もう少し戻った所から行けばいい」と20mほど下にある内蔵橋の袂から出ている農道を教えてくれた。
吃驚したな。「もう千葉山に行く道は無い」なんて最初に言うので焦ってしまった。しかしこれで一安心。後は農道を千葉山まで歩けばいい。
少し戻り橋の袂を農道に入る。標識や案内板など何も無いが石仏が小屋の中に一体。きっとこれが千葉山の入口を示しているのだろ。
道が分かったことで腹が減っていることに気づき昼食を摂る。ここまで5時間で19k歩いた計算になる。チョット予定より遅れ気味だ。

          
          橋の袂より農道が、石仏も見える

 農道はぐんぐん高度を上げて、さっき居た橋が見えてきた。県道を歩いていたとき感じた風もここでは余り吹いていない。農道と言っても殆ど走る車はなさそうで、とても自分の車で走りたいとは思えないような細い道だ。だがこんな道の脇にも電柱が建っていて電線が走っている。
林を抜け明るくなった辺りで道が別れていた。どちらも同じ位の太さで簡易舗装されている。右折する道は斜面を横切って平らな道。正面の道は登り坂。その脇には電柱が立っている。迷わず登り道を直進。
みかん畑になり、その畑の中に何と三角点が。そこは頂上でなくまだ斜面の途中だ。三角点が山頂以外にもある?疑問を感じたが、確か三角点は”見晴らしの良い山頂などに設置する”事になっているはずだ。ならここは見晴らしが良くて選ばれたのだろう。
後ろを振り返ると富士山が見える。大崩山塊も駿河湾も伊豆半島も。朝清水山から見たのと同じような風景が広がっている。違うのは富士山の手前に山が広がっている事だ。

          
               ミカン畑の中に三角点が

 三角点を過ぎると、また道が分離していた。今度は正面の道は舗装されていなかったので、舗装されている右手の道に進む。少しいくと頂に。だがそこで道は終わってしまっている。分岐点に戻り直進の道を歩いてみると直に林になり道はない。
オイオイ三角点まであったのだから、この道で間違い無い筈なのに変だな。と自問自答しながら再度頂に。下を見ると茶畑の間の先に電柱が立っている。更にそのずっと先には農道らしきものも見える。何故ここで農道が中断しているのか疑問が残るが、ともかく茶畑の間を電柱まで行くと、そこから舗装されていない道が。その道を少し進むと農道に。
アー良かった。きっと最初にあった分岐を右に曲ればこの道に来たのだろうと、強引に自分を納得させる。

 その先も何ヶ所か分岐はあったが電線の走っている方をが道が太くなっていたので迷う事はなかった。若しかしてこの電線は茶畑の扇風機用だけでなく、智満寺の電気の2ルー化のためなのかも知れないと思った。
そして又分岐が。今度の分岐は両方とも道が太い。正面の道は平らな道で林の中に進んでいる。左折する道は登り坂で電線が走っている。分岐点の崖には何やら標識らしき物があるが腐っていて何も見えない。
マー電線が上に伸びているのだから間違いは無いだろうと左手の道を歩き出した。
また富士山が見え出した、さっきの三角点より見晴らしがいい。

           
               間違った農道からの富士山

このルートを掛川歩こう会で歩いたらどうだろう。きっと評判は良いだろう。
農道開始点にあったような石仏がある。「南無大師遍照金剛」を3回唱えて通過。さっきの分岐は間違いはなかった。

 左の上のほうで作業をしている人が見える。黙って通り過ぎるのも何なので
「千葉山に行くのは、この道でいいですか」と大声で叫ぶが、声は風に飛ばされ聞こえないらしい。相手の声も聞こえない。少し近づいて叫ぶが矢張り駄目。そのうち一人の人が背負子を背負って、こっちに降りて来てくれた。そして
「この道は、そこで行き止まりだから、ひき返した方がいい」と言う。
「千葉山に行きたいのですが、何所で間違えたのですかね?」と聞くと
「この下で真っ直ぐ森の中に入る道があったらぁー。その道を行けば千葉山だ」と教えてくれた。
「この電線は千葉山に続いているのではないですか?」
「いや、その上で終わっている」疑問に感じていた事を矢継ぎ早に聞いた。
「すぐ下にお地蔵さんがあったけど、あれは千葉山に関係あるお地蔵さんではないですか」
「昔はこの道も千葉山に続いていたらしいが、今では道なぞありゃしない」
と言う事でまたもや引き返すことに。
この人に会っていなければ、どうなっていたかと思うとゾーとした。

 森の中の道は少し下り加減で快調に進む。無駄な時間ばかりとってしまい予定より大分遅れてしまい、とうに2時はすぎてしまった。自然に急ぎ足なるのを抑えようがない。
そしてまた分岐が。今度は山の中なのに6本の農道が交差している珍しいくらいの交差点だ。
道路の案内図の標識が出ている(写真)。1本は藤枝市滝沢、これは今来た道だろう。
1本は今日最後に打つ予定の東光寺の名前が。
2本は行き止まり、1本は赤字で×マーク。
最後の1本は何も書いてない。
こう書けば分かりやすく感じるが実際はどの道がどれに当てはまるかが分からない。今度間違えたら困った事になりそうなので何度も考え無印の道と思われる所から案内板を見てみた。すると案内図と地形がどうやら一致した。この何も書いてない道が千葉山に行く道で、この標識は千葉山から来た車の案内なので何も書いてないのだと、やっと納得した。

 そんなとき今日始めて農道で聞く車の音が聞こえてきた。
そして軽トラックが私の横に停まり
「ここの標識は見にくいからな。千葉山はこっちの道だ」となんとさっき山で作業をしていた人が教えてくれた。そして軽トラはUターンをして引き返して行った。
有難うございます。わざわざ私の為に遠回りをして道を教えに来てくれたのだ。

 交差点を下り始めると道の状態が急に良くなってきた。簡易舗装が普通のアサファルトに。カーブミラーも出始めて、それには島田市と書かれている。もう智満寺は近い。
智満寺の駐車場に出た。そして”本堂→”のマークに導かれていくと巨木の陰にお寺が見えた。

          
               巨木の陰から智満寺が

午後3時やっと智満寺に到着。1時間遅れだった。