みちのくの山野草

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賢治にも責任の一端が少なからずある

2018-12-28 12:00:00 | 検証「Wikipediaの高瀬露」
《『宮澤賢治幻の恋人』(澤村修治著、河出書房新社)》

鈴木 では今度はこれだが、


困り果てた賢治に対し、父の政次郎は「その苦しみはお前の不注意から求めたことだ。初めて会った時にその人にさあおかけなさいと言っただろう。そこにすでに間違いのもとがあったのだ。女の人に対する時は、歯を出して笑ったり、胸を拡げていたりすべきものではない」と叱責した[13:p.152-158]。

これについては既に一度引用しているし、色付けして塗りつぶしているところもないし、しかも、高橋慶吾も、関登久也もそして小倉豊文も父政次郎はこんなことを言ったと証言しているから、この個所はほぼ限りなく事実だと言えるだろう、ということを確認して次に進みたい。
荒木 ならば実質的に事実だということだから、この賢治と露の関係に関しては、当時の時代背景も考えれば、賢治は男としての責任を殆ど果たしておらず、もっともっと責任を問われねばならぬはずなのに、現実は全く逆で、露の方だけが悪し様に扱われているというあまりものアンフェアな実態に、俺は怒りがどんどん増してきた。
鈴木 もちろん、それは賢治自身が仕組んだアンフェアではないはずで、周りに何者かたちが仕組んだことだとは思うけどな。
吉田 いや、例えば、手のひら返しをしたということは現に否めないのだから、賢治にだってそのアンフェアである実態については責任の一端はあることは自明だ。
荒木 当然、賢治には責任の一端がある。それも少なからずだべ。
吉田 だから極めて変なんだな、賢治研究家の誰一人として、この件に関して賢治の方にかなりの責任や問題があったということを指摘したいないことが。
鈴木 まあ、いろいろなしがらみがあってのことだと私は忖度はできるので……。
荒木 狡いよ鈴木。そんな、かばうことはもうないよ。言ってしまえば、現状の〈悪女 高瀬露〉の全国的流布はいじめそのものだべ。これはかなりの人権問題なのだから、賢治に関してもこれからは堂々と「悪いところは悪い」とはっきり言うべきだよ。
吉田 この実態に対して等閑視していることは、そのいじめに荷担していることと同じだ。それは鈴木だって、今までそれに似たことを何度か指摘していたではないか。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

             〈平成30年6月28日付『岩手日報』一面〉
を先頃出版いたしましたのでご案内申し上げます。
 その約一ヶ月後に、著者の実名「鈴木守」が使われている、個人攻撃ともとれそうな内容の「賢治学会代表理事名の文書」が全学会員に送付されました
 そこで、本当の賢治が明らかにされてしまったので賢治学会は困ってしまい、慌ててこのようなことをしたのではないか、と今話題になっている本です。
 現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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