みちのくの山野草

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宮澤賢治終焉前日の肥料相談はたしてありや?

2022-02-05 14:00:00 | 一から出直す
《三輪の白い片栗(種山高原、令和3年4月27日撮影)》

 さて、昭和19年9月20日に行われた谷川徹三の講演「今日の心がまえ」における、賢治の「生活」や「実践」については、谷川は佐藤隆房の著作の記述内容をそのまま事実であったと決めつけていて、谷川自身はその裏付けを取っているわけでもなく、まして検証もせずに鵜呑みにして講演をしたのではなかろうか、という危惧の念を私は抱いてしまう。つまり、あやかしの「生活」や「実践」を元にして言説を述べていることになり、その結論は一見立派でも、結果的には戦時下における一種のプロパガンダであったということになりかねない。
 そこで今回は、講演で谷川が述べていた、
 その(投稿者註:昭和8年9月20日のこと)夕方七時頃、近くの村の人が一人、賢治を訪ねて来ました。肥料のことでお聞きしたいことがあると言うのであります。重態の病人でありますから家人は躊躇しましたが、とにかく、その旨を賢治に伝えますと、そういう人ならばどうしても会わなければならないと、直ぐ床から起きて、着物を着替えて玄関に出て、そうとは知らぬ村の人のゆっくりした話を、少しも厭な顔をしないで聞いて、そうして肥料の設計に就いての詳しい指示を与えてかえした。〈『宮沢賢治の世界』(谷川徹三著、法政大学出版局、昭和45年)16p〉
に注目し、まずは、「宮澤賢治終焉前日の肥料相談はたしてありや?」という疑問について、答を探ってみたい。それは、普通、人が亡くなる前日にこんな対応は出来ないし、また家族だってそうさせるはずがないからである。

 ついては、他の人たちはこの「終焉前日の肥料相談」について、どう述べているか、そしてそもそもその記述をしているかいないかを以下に調べてみよう。
【1p】

【2p】

【3p】

【4p】

【5p】

【6p】

【7p】

【8p】

 そこでこのリストを概観してみるとあることに気づく。それは、肥料相談は賢治終焉前日ではなくて、前々日であったり、はては明記していない場合もあることに、だ。

 さて、宮澤賢治の終焉前日の肥料相談はたしてありやなしや?

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