みちのくの山野草

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大人が事実であるかの如く教えてはいないか

2021-10-30 18:00:00 | 子どもたちに嘘の賢治はもう教えたくない
〈『国語⑥』(光村図書、令和3年発行)、小学6年生用の国語の教科書〉

 前回私は
 しかしなが、私には次のことが気になる。それは目次にもあるような、「資料 イーハトーヴの夢」が続けて載っているからである。
と述べた。それはどういうことかというと、例えばその資料の中には、
【115p】

【116p】


 賢治が中学に入学した年も、自然災害のために農作物がとれず、農民たちは大変な苦しみを味わった。その次の年も、また洪水。
 「なんとかして、農作物の被害を少なくし、人々が安心して田畑を耕せるようにできないものか。」
 賢治は必死になって考えた。
 「そのために一生をささげたい。それにはまず、最新の農業技術をまなぶことだ。」
 そう思った賢治は、盛岡高等農林学校に入学する。

というようなことが述べられているからだ。
 もう少し丁寧に説明すれば、私の管見ゆえにだろうか、
    ……賢治は必死になって考えた。
とか、
    ……そう思った賢治は、盛岡高等農林学校に入学する。
ということが事実であったということを裏付ける資料や確たる証言はないはずだからだ。逆に、畑山博氏は何を典拠としてこう断言できたのか、教えてもらいたい。そしてまた、光村図書はこれらのことを検証をした上でこの教科書を出版したのだろうか、と私は不安になってしまう。
 言い換えれば、あたかも事実であるかの如く大人が教えていることはないだろうか。ひいては、嘘の賢治を子供たちに教えていることはないだろうかという不安が湧いてくる。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』
 本書は、「仮説検証型研究」という手法によって、「羅須地人協会時代」を中心にして、この約10年間をかけて研究し続けてきたことをまとめたものである。そして本書出版の主な狙いは次の二つである。
 1 創られた賢治ではなくて本統(本当)の賢治を、もうそろそろ私たちの手に取り戻すこと。
 例えば、賢治は「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」し「寒サノ夏ニオロオロ歩ケナカッタ」ことを実証できた。だからこそ、賢治はそのようなことを悔い、「サウイフモノニワタシハナリタイ」と手帳に書いたのだと言える。
2 高瀬露に着せられた濡れ衣を少しでも晴らすこと。
 賢治がいろいろと助けてもらった女性・高瀬露が、客観的な根拠もなしに〈悪女〉の濡れ衣を着せられているということを実証できた。そこで、その理不尽な実態を読者に知ってもらうこと(賢治もまたそれをひたすら願っているはずだ)によって露の濡れ衣を晴らし、尊厳を回復したい。

〈はじめに〉




 ………………………(省略)………………………………

〈おわりに〉





〈資料一〉 「羅須地人協会時代」の花巻の天候(稲作期間)   143
〈資料二〉 賢治に関連して新たにわかったこと   146
〈資料三〉 あまり世に知られていない証言等   152
《註》   159
《参考図書等》   168
《さくいん》   175

 現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,650円(本体価格1,500円+税150円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813
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