《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》
続けて「『法華経』を広める者は侮辱される」という項についてである。
植木氏は次のように解説していた。
さて、いろいろな人たちが弘教に名乗りを上げましたが、それに対して釈尊はここまでノーコメントです。ここで釈尊は、八百万・コーティ・ナユタ<*1>もの菩薩たちをじっと見つめます。見つめられた菩薩たちは…(投稿者略)…「では、私たちも教えを広めましょう」と、半ば催促に応える形で弘教を申し出ます。この菩薩たちも、弘教の場は指定していません。
そして菩薩たちは、まず滅後の弘教の困難さを語ります。これは「勧持品の二十行の偈」と呼ばれる個所です。…(投稿者略)…こうした困難さが二十偈(行)にわたって列挙されます。たとえそのようなことがあっても、「私たちは身体も、生命も実に惜しむことはありません」と彼らは述べます。…(投稿者略)…
さらに「眉をしかめられたり、集会においてしばしば座席の割当がなかったり、精舎から追放されたり、悪口されたりすることを、私たちはすべて絶え忍ぶべきであります」と彼らは語ります。
〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)77p~〉そして菩薩たちは、まず滅後の弘教の困難さを語ります。これは「勧持品の二十行の偈」と呼ばれる個所です。…(投稿者略)…こうした困難さが二十偈(行)にわたって列挙されます。たとえそのようなことがあっても、「私たちは身体も、生命も実に惜しむことはありません」と彼らは述べます。…(投稿者略)…
さらに「眉をしかめられたり、集会においてしばしば座席の割当がなかったり、精舎から追放されたり、悪口されたりすることを、私たちはすべて絶え忍ぶべきであります」と彼らは語ります。
さて、これで弘教がいかに大変なことであり、それも娑婆世界に於けるそれはなおさらにであることが私にも大体理解できた。同時に、植木氏がこの項で指摘しているとおり、『法華経』編纂の苦労が偲ばれる。ただし、「『法華経』を広める者は侮辱される」というタイトルの項ではあるものの、このことについては今一つ私には理解できなかった。弘教の大変さについては容易に理解できたのものの、弘教する者は侮辱されたということの具体的な記述等があまりなかったからである。
<*1> 「コーティ」「ナユタ」ろいう用語は非常に大きな数を意味しているという。
〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)30p〉
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〈平成30年6月28日付『岩手日報』一面〉〈平成30年6月28日付『岩手日報』一面〉
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