みちのくの山野草

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声聞のふりをする

2018-07-01 10:00:00 | 法華経と賢治
《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》

 では次は、第八章「五百弟子受記品」についてであり、この章では富楼那に対して授記<*1>がなされるという。
 まず植木氏は、
 釈尊は富楼那が過去、未来、現在を通じて説法第一だと語ります。「この富楼那は四衆に対して、教えを示し、教化し、励まし、喜ばせる人」であり、「修行の仲間を慈しむ人として適切である」と言って賛嘆するのです。
              〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)53p〉
ということを、そしてこのことに関して釈尊は次のように語ったということをそれぞれ紹介し、

「富楼那は、寿命の続く限り純潔な行いを実践し、あらゆる場合に人々から声聞と思われたのだ。実にその富楼那は、〔自分のことを声聞であると思わせるという〕この方便によって、無量の数えることもできない幾百・千・コオーティ・ナユタもの衆生に利益を与え無量の数えることもできない衆生をこの上ない正しく完全な覚りに向けて成熟させた。…(投稿者略)…」

 つまり富楼那は、声聞のふりをして、あるいは周りをそう思わせることによって、実はすでにブッダのやるべき仕事をやっていたのです。ということは、富楼那は菩薩なのです。…(投稿者略)…
 こうして富楼那に対して授記がなされ、そのあと阿若憍陳如をはじめとする五百人の声聞たちにも未来成仏の予言がなされます。
             〈〃54p~〉
と解説していた。
 私からすれば、富楼那がふりをしていたか、そう思わせていたかはしかとわからぬが、実質的には富楼那は既に菩薩になっていたということは言えそうだ。それは、釈尊が「富楼那は四衆に対して、教えを示し、教化し、励まし、喜ばせる人」であると言ったわけだから。 

<*1:投稿者註> 広辞苑によれば、
【授記・受記】
仏が弟子の未来の成仏について予言すること。
           〈『電子辞書PW-M800』(シャープ)所収の広辞苑より〉

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