《『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)の表紙》
では今度は「過去との結びつき」という項についてである。植木氏は、 第六章は「授記品」で、四大声聞に対する授記がなされます 。声聞たちへの授記の特徴についてはのちほどまとめて述べることにして、
〈『100分de名著『法華経』』(植木雅俊著、NHK出版)50p〉ということなので、ここではこれ以降の解説は割愛し、次は第七章についてである。
同氏は、まず、
第七章「仮城譬品」では、過去との結びつきがテーマになります。釈尊はここで、男性出家者たちに…(投稿者略)…私はかつて大通智勝仏という十六人の王子の末っ子だったが、その時以来、あなたたちは、菩薩であった私とともに何度も何度も生まれ変わっては、私から法を聞いたのだ、と語ったのです。…(投稿者略)…
この「仮城譬品」では、「あなたたちは私と昔からの仲でしょう」といったような人間関係のつながりから迫っています。ですから、法を説く、譬喩を説く、因縁を明かすという三段階で、授記がなされているのです。
〈〃51p~〉この「仮城譬品」では、「あなたたちは私と昔からの仲でしょう」といったような人間関係のつながりから迫っています。ですから、法を説く、譬喩を説く、因縁を明かすという三段階で、授記がなされているのです。
と解説していた。そしてさらに、釈尊がこれまで衆生をどのように導いてきたのかの譬喩、「仮城宝処の譬え」については次のようにテキストには述べられていた。
宝の島を目指してキャラバン隊が歩いているが、険難な土地を歩いて皆疲れてしまった。「もう帰る」と弱音を吐く人に、蜃気楼のような幻の城作って見せて(化作)して、「ほら、あそこに目的地が見えてきた。元気を出して行こう」と言って勇気づけ、そこで少し休ませる。すると目的地に到着したと思って安心し、みんなの疲れは吹き飛んでしまう。そこで幻の城をパッと消し、本当に目指すべき宝の山は近いと言って改めて出発し、無事に宝処に到達した
〈〃53p〉という譬え話が「仮城宝処の譬え」だと。
この譬えについては、私のような者でもよくわかる。高い山に登らせる場合に、まずはある高みまで登ることを目指し、そこに着いたならばさらに次の高みを目指し、そのことを繰り返しながら、ついには最終的な高みに到達させるという指導法をかつてしばしば用いたからだ。私の場合は化作をしたつもりではなかったが、このような方法論は現実には登山の場合に限らずあることでもある。そして、たしかにこの方法論は便法<*1>でもある。
そして、最後に植木氏は、
これは方便による導きの譬えです。休息のために見せた幻の化城が、声聞・独覚・菩薩の三乗を表します。方便としてそれらの三乗を説いてはいるが、本当に説きたいのは宝処である一仏乗の教えなのです。
〈〃53p〉とまとめていた。
ただし、この前段階までは私なりにこの譬えはよく理解できたのだが、「休息のために見せた幻の化城が、声聞・独覚・菩薩の三乗を表します」という表現がでてきた途端、私の理解が怪しかったのかなと不安になってしまった。
<*1:投稿者註> 広辞苑によれば、
【方便】
①〔仏〕衆生を教え導く巧みな手段。真理に誘い入れるために仮に設けた教え。
〈『電子辞書PW-M800』(シャープ)所収の広辞苑より〉①〔仏〕衆生を教え導く巧みな手段。真理に誘い入れるために仮に設けた教え。
ということである。
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