気の向くままに

山、花、人生を讃える

読書と抜き書き

2009年06月18日 | 読書
今日は図書館で借りていた増山たづ子さんの写真集の返却日。
わが町の蔵書ではなく、他の市町村から借りたものなので、もう見る機会もないだろうと、返却前に「まえがき」や「あとがき」を全文抜き書きさせてもらいました。
パソコンはこういう点は非常に便利だと思う。手書きではとてもそんな気は起こらないに違いない。
それを思うと、昔の人は実にえらいものだと感心させられます。

勝海舟などは貧乏旗本で、正月の餅も買えないぐらいだったそうで、若かりし頃、せっせと本屋へ通い立ち読みしていると、その熱心さに心打たれた店の主が、「貸してあげるから好きな本を持って行きなさい」と声をかけてくれた。

勝海舟は喜んで持って帰り、そのオランダ語辞書を、なんと二冊分を紙に写し取り、それを綴じて本にし、一冊は自分のもの、後一冊は人に売り、その得た金をまた本代にしたとのこと。
日本海軍の礎がここに始まっていることを思うと、ひとしお、その偉大さに心打たれます。

吉田松陰は、読書の1/3だったか半分だったか、その数字ははっきり覚えていないが、抜き書きに費やすべしと教えています。

それを見習って、わたしも抜き書きするように心がけているのですが、なかなか思うようには進みません。以前、ずいぶん抜き書きしていたのに、パーにしてしまった時には、本当にがかっかりしました。

さて、増山たづ子さんの故郷 わたしの徳山村写真日記  (発行1983年9月23日)≪あとがき≫からの抜き書き。

○生まれ育った大事な故郷が水の中に沈んでしまうと思うと、写しても写しても限りない愛情が沸いて来まして言葉では表現できませんが、また写しまた写しする中に、今は2万枚を超えるほどになりました。これからも足腰が動く限り大事な故郷のお葬式を最後まで見届けて死にたいと思います。

○わたしたちの大事な故郷の山や川、皆共同体の生活で仲の良かった人々、また不思議なご縁でそれぞれ遠くから徳山村に来て下さった心優しい人たち。たとえ、もうその人たちとお逢い出来ることがなくとも、その人その人の面影が故郷と共に心から消えることはありません。本当によき人たちとめぐり逢えましてわたしの人生は幸せで有難うございます。皆様のお幸せをお祈りいたします。本当にありがとうございます。

文章から、故郷を追われる悲しみを超えた、深い思いがにじみ出ていて、ジーンとさせられます。
増山たづ子さんのことを多少なりともを知ることができ、またこのような心情に触れることができて有難く思います。

図書館へ返却に行くと、うれしいことに、頼んであったもう1冊、同じく増山たづ子さんの娘時代のこと、かつての村の生活、風習、当事者からみたダム問題、自然を愛する気持ちなどについて書かれた本、「ふるさとの転居通知」届いていました。楽しみです。


昨日は伊吹山へ行きました。写真はその時の花たちです。

   イブキフウロ                      キバナノレンリソウ
 

   コバノミミナグサ                    クサフジ
 

   ハルジオン                       キバナハタザオ
 

   クサタチバナ            
 

   グンナイフウロ                    イブキトラノオ
 

   カノコソウ                      ヒヨクソウ
 

   ニッコウキスゲ                    クルマバソウ
 

   シモツケソウ                     キイチゴ属
 


雨上がりの昨日は比較的視界も良く、琵琶湖も対岸までのぞめ、気ままにのんびりと山頂の花畑の中を散策させてもらいました。


   それぞれの山に向かいし梅雨晴れ間

コメント (4)
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