気の向くままに

山、花、人生を讃える

嘘から出た真

2020年02月29日 | 人生

私は高校生になってから、善人ぶった人間より、悪人ぶった人間の方がよほど正直で好ましいと思い、そして自らも悪人ぶって、いろいろ悪いことをやり始め、停学になったり、警察に補導されたり・・・するようになりました。そして悪習慣が身に付き、怠け癖が身に付き、これではいかんと思いはじめた頃には、もう自分の弱い意志では立ち直れなくなっていました。

 

これは悪い方の「嘘から出た真」ですが、その後、私が20代の頃にこんな印象的で感動的な話を聞きました。
御用とお急ぎでない方は、どうぞ、その良い方の「嘘から出た真」の話を聞いてやって下さい。

 

さて、細かいところまでは覚えていませんが、或る不良で親不幸な青年がいたと思ってください。その彼が警察に追われるような何か悪いことをして、必死に逃げていました。そして、と或る人混みの中に逃げ込みます。

 

逃げ込んだときにはゼーゼー息をしていましたが、次第に落ち着いて来て、「ここはどこ?」と周りの様子を伺うと、誰かが演壇に立って話をしていました。その話を聞くともなく聞いてみると、その演壇の人物は「嘘でもいいから親孝行せよ」という話をしていたとのこと。青年はそれを聞いて「なかなか面白いことを言う」と思ったらしいのです。

 

そして家に帰ると、父親が風呂に入っているところでした。それで青年は「嘘でもいいから親孝行せよ」という言葉を思い出し、嘘で親孝行の真似事をする気になったそうです。それで「親父、背中流してやろか」と言って、父親の背中を流し始めた。そして自分が父親の背中を流していると思うと、なんだか妙な気持ちになってきて、一生懸命こすり始めました。こすっていると、父親の背中が前に倒れ込んでいくので、その背中を起します。しかし、また倒れ込んでいくので、また起こします。そうしているうちに、父親が泣いているのに気がついたそうです。

 

父親が泣いているのに気づいた青年は、ますます妙な気持ちになり、自分は今まで親不孝ばかりしてきて父親に嫌われていると思っていたのに、ちょっと背中を流しただけで、こんなに喜んでくれる父親であることを知り、本当に申し訳なかったという気持ちになり、警察に自首し、その後すっかり親孝行な青年になったという話でした。

 

というわけで、私にとっては、今でも忘れられない印象的な話でした。

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温暖化は人間活動が原因?

2020年02月25日 | 地球温暖化について

以前の記事で、伊勢エビを煮る時、熱湯の中に伊勢エビを入れると、エビは熱さにびっくりして飛び跳ねるが、水の中に入れて徐々に煮れば飛び跳ねないことを書きました。

 

世界のたくさんの気象科学者たちが、地球の温暖化について「このまま温暖化が進めば大変なことになる」と随分前から警告を発しているのに、温暖化傾向が改善される兆しはなく、正確に言えば改善されている点もあるが、それ以上に人口増加や経済発展等によって二酸化炭素排出増加が進んでいて、ともかく、私たち人類は気象学者の警告をあまり深刻には受け止めていないようで、わたしは鍋の中に入れられたエビを連想せずにいられません。

 

最近では日本でも気候変動による災害が増加傾向にあるにかかわらず、温暖化がさもウソであるかのように言う人がいるから、私はそれが不思議でならない。それで以前にネットで有力な情報はないかと検索したのですが、その時に、次のような記事を見つけたので、それを紹介させていただきます。

ちなみに、ネットで調べたのは、ネット上の記事であれば、誰にでもすぐ確認してもらうことができるという利点があるからです。

 

 

 

で、その記事というのは、地球環境研究センター 気候変動リスク評価研究室長(現副センター長) 江守正多という人が「本当に二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化の原因なのか」と題して書かれた記事です。

 

それによると、2018年3月10日(土)北海道帯広市で「地球温暖化とわたしたちの将来」と題して、講演者と会場の参加者によるディスカッションを行われたそうです。

 

その時、参加者の一人が地球温暖化の原因について「二酸化炭素(CO2)濃度の増加と対比して他の要因についても説明してほしい、また、大気の0.04%に過ぎないCO2が大きな影響を与えているとは考えられないので、CO2原因説をそろそろ卒業してもいいのではないか」という質問が出されたとのことです。

 

そして質問への回答は次のようなものでした。

≪回答≫

○CO2濃度の増加が温暖化の原因ではないという科学者も確かにいます。個人的な見方ですが、そういう人は気候変動の科学を十分吟味した上でおっしゃっているようには思えないところがあります。数字の話をすると科学は多数決ではないと言われそうですが、温暖化をテーマにしている科学論文の97%は、人間活動によるCO2増加が温暖化の主な原因であることを前提にしています。CO2の増加が原因ではないという3%の論文の内容を吟味すると、間違っているところがいろいろあります。CO2の増加が原因ではないと思っている人の意見を変えることは困難なのですが、科学的に考慮すべき点をいくつか説明したいと思います。

 

と、このように説明された後、
「太陽活動の影響や関連」「氷河期や間氷期など自然サイクルクルとの関係」について、データーに基づいての説明の後(内容については省略します)、次のように答えています。

 

○主に人間活動の影響で温暖化が起きているということは、科学者の大部分、少なくともほぼすべての気候科学者の間で合意されています。気候科学者以外でも世界のさまざまな科学アカデミーの声明などで、現在の温暖化は主に人間活動によるということが支持されています。

 

と述べられ、最後に、20世紀後半以降の世界平均気温の上昇を

①人間活動の影響を入れたシミュレーションと、

②人間活動を入れないシミュレーションで再現実験を行ない、

その結果つにいて次のように報告しています。

 

○人間活動を入れないシミュレーション、つまり太陽と火山活動だけの影響で世界の平均気温が変化したらどうなるかというのと、人間活動によるCO2などの増加を入れたシミュレーションとで比較すると、人間活動を入れたシミュレーションでないと観測された気温上昇の説明ができないのです。これは人間活動によるCO2などの増加が温暖化の主な原因ということの強い根拠になっていて、これを覆すような議論は聞いたことがありません。

 

と、凡そこのように述べられています。

以上は「本当に二酸化炭素濃度の増加が地球温暖化の原因なのか」をもとにしていますが、詳しくお知りになりたい方は、このタイトルで検索していただければすぐその記事が出て来ますのでそちらをどうぞ。

 

人間活動が温暖化の原因であるならば、私たちは、次世代の人たちのために、いつかまた生まれ変わって来る自分自身のためにも、出来るだけ二酸化炭素の排出を減らす生活を心がけたいものだと思います。

 

関連記事  「地球温暖化懐疑論」について思ったこと」

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早春を食べる

2020年02月21日 | その他

今日は気持ちの良い上天気である。
週間予報を見ると、これから1週間の最高気温は毎日10度を超えているので、名実ともに春が来ているという感じである。

 

そして我が家の庭にも春が来て、1週間ほど前に庭で採れたフキノトウが天ぷらとなって食卓に上がった。
家内が誰かからいただいて庭に植えたものだが、去年は3つ、今年は6つに増えたらしい。
口に入れて噛むと苦さと香りが口にひろがり、早春という季節を食したような感じで嬉しかった。

 

フキノトウは子供の頃には普通に見られたが、今では山里か山にでも入らないと見られなくなっている。
私が子供の頃、父親が葉を細かく手でちぎり、それを味噌汁に入れ、風味を楽しんでいたのを思い出す。
来年は、6個が倍の12個に増えてくれたらと今から楽しみにしている。

 

少し前の記事で金柑ジャムを作ったことを書いたが、それがなくなった時、今度は家内が作り、それもなくなりかけたのでもう一度作るつもりでいたら、今度は近所の奥さんが柚子とハッサクのジャムを下さった。

 

それで金柑ジャムを作ることがお預けになったわけだが、冷凍庫がいっぱいなので、少し金柑を減らしたいと云う訳で、家内が金柑ジュースを作った。飲んでみると、これが金柑特有の酸味と苦味、そして砂糖は使ってないのに甘味もあり、また生ジュースらしいトロ味もあって、なかなかイケるのであった。

 

それで、今までせっかく沢山の実をつけても使い道がなく、毎年剪定はしていたものの大事な木とは思わなかったが、俄然、大切な木になってきた感じがする。
店で買ったのではなく、「庭で採れたもの」というのは、ほんのちょっとしたことだが何か野趣があってうれしい気がするのだった。

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或る「夫婦の会話」

2020年02月18日 | 人生

毎月の月刊誌を放置しておくと本箱に入りきらなくなるから、自然と古いものから処分してゆかなければならない。空気を吸って吐く様なもので、処分することも大事な仕事なのである。ただ、そのまま処分するのも申し訳ない気もするので、処分の前にはざっと目を通します。

 

そして今朝、処分をと思って婦人向けの「白鳩」という月刊誌をざっと読むと、『信仰随想』コーナーの「夫婦の会話」と題するエッセーがとても良かったので、このまま処分は勿体ない気がして、ここに書かせてもらうことしました。深いしみじみとしたものが感じられてとても良かったのですが、皆様も何かを感じて頂ければ幸いです。

 

さて、このエッセイを書いた奥さんのご主人は、食べ物をのどに詰まらせて苦しそうにすることが続いたので診察してもらうと、ステージ4の食道ガンだったとのこと。それでも、五女の結婚式のときには、バージンロードを娘と歩いてくれました、と書いています。

以下、原文をそのまま紹介させてもらいます。

 

≪夫婦の会話≫

私たちは、私が22歳、主人が27歳の時に職場結婚しました。鉄鋼メーカーの営業職だった主人は、「僕は出世しないけどいいの?」と言いましたが、私は主人といるだけで安らぎを感じました。

 

主人は元々口数が少なく、しかも単身赴任が7年も続き、私も5人の娘を育てることで手一杯で、夫婦の会話はあまりありませんでした。子育てのことや子供たちの進学のことなどを私一人で決め、主人には事後承諾ということが度々ありました。今振り返ると「きっとわかってくれている」と自分勝手に思い込む私を優しく大きな心で受け止めていてくれたのです。

 

入院中は主人との時間がゆっくり過ぎて行きました。近所の知り合いから生長の家の教えを伝えられていた私は、「人間は神の子で、命は永遠に生き通し」と学んでいたので、「お父さん、命は生き通しだから、いつも一緒だよ」と励ましました。そして枕もとで生長の家のお経の『甘露の法雨』を繰り返し黙読しました。

 

ベッドの主人に「これまで何もできなくてごめんなさい」と言うと、主人からは「よくやってくれてありがとう」という言葉が返ってきました。私も「子供も孫も家もあり、日本一、世界一、宇宙一の幸福者です」と素直に感謝の気持ちを伝えました。主人に「来生は何になりたい?」と聞くと、「お殿様になりたい」と言います。「じゃあ、私がお姫様になったら探してね」と答えました。結婚生活の中で、互いの心が通い合った時間でした。

 

この会話から数日後、「少しだるい、ゆっくり休みたいから先生を呼んでくれ」と主人が言いました。主治医が「ゆっくり休みたいんだね」と問いかけると、主人は「うん」と頷きました。子供たちは手足や体をさすりながら「おとうさん、ありがとう」と 言葉を掛け続けました。そして平成○年○月○日、主人はそのまま安らかに霊界に旅立ちました。

 

主人を亡くした後も、私はもっと主人と話す時間を作ればよかった、もっと主人の気持ちに寄り添えばよかったと、後悔の念に苛まれました。

 

と、その頃の心境をつづられ、その後、本の中に、

○人間の本質は肉体ではなく、それを動かす生命である。肉体はこの地球という天体で生きるための宇宙服のようなものだから、この世の使命が終わればそれを脱ぎ捨てて、新たな次の境涯へと移行する。≪中略≫残されたものは、悲しく、恋しく、切なくても、その思いを感謝の心に替えていくことが必要だ」

 

と、書かれているのを読み、

 

毎日、『甘露の法雨』を読誦して、遺影に「お父さん、ありがとう」と語りかけています。私が毎日明るく笑顔で生きることが、主人か一番喜ぶことだと信じています。

 

と、このように結ばれていました。


さて、自分があの世に行くときは、どんな死に方になるのだろう。
こんなしみじみとした会話の後で静かに旅立っていければきっと幸せだろうと思う。

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「生命の進化」

2020年02月16日 | 人生

学校の先生に、ほんのちょっとしたことで褒められ、その先生が好きになり、成績がぐんぐんよくなったという話を聞きます。
反対に、先生から馬鹿にされ、それから先生に反抗心を持ち、勉強しなくなり、成績が見る見る落ちていったという話も聞きます。

 

子供ばかりではなく、大人でも、上役から褒められて能力を発揮し出す人もいれば、反対に上役が変って始終文句を言われるようになり、鬱になったという話も聞きます。

 

わたしは、以前にも書いたことがありますが、高校時代に堕落して成績は落ちる一方で、卒業後には国家試験があり、それに合格しなければ希望の職業につくことが出来ない、それがわかっていても、結局立ち直ることが出来ない人間でした。
そんな私に立ち直るきっかけを与えてくれたのが、生長の家の創始者である谷口雅春先生の本で、それを読んで人間観が変わり、立ち直ることが出来たのでした。

 

その人間観というのが、今朝読んでいた本の中に簡潔に現わされている文章があったので、それを、懐かしいままに、ここに書きたくなりました。それが下の「生命の進化」という一節です。


生命の進化:吾々の生命は常に一層高き進歩に向かって行進しつつあるのである。併し、「低いもの」が如何にして、「一層高きもの」を思い浮かべ得るであろうか。「一層高きもの」はそれよりも「低次のもの」を考えるのはいと易きことであろう。しかし「低きもの」には「一層高きもの」を理解することはできない筈である。現在「低きもの」でありながら、「一層高きもの」を理解し得るのは、その「一層高きもの」に触れることによって、自己の内にある所の「一層高きもの」が喚び出されてくる結果と言うほかはないのである。
 「一層高きもの」に生命が進化し行くのは、既に「一層高きもの」が生命の内部に宿っており、それが色々の環境や条件や境遇や経験によって触発されて輝き発して来るにほかならないのである。吾々は今与えられている環境・条件・境遇・経験から逃げ出そうと考えてはならないのである。それを喜んで受け、それから得られるところの凡ての経験を通して吸収しなければならない。それによって吾々は内在する無限の神性を、一層多く開顕することができるのである。  『生活の智慧365章』より

 

或る天文物理学者が言っていました。
「吾々が宇宙を理解することが出来る、それが不思議だ」と。

 

汚れを知らない少年の頃には純粋な心で、どんな悪にも負けないところの強さや正義や優しさに憧れたりするが、それはただの少年時代の夢想ではなく、人間の奥深くに本来的に備わっているものを、まだ汚れを知らない少年時代に感じるからではないだろうか。

 

私は、言ってみれば、「自分は救いようのないダメ人間」と思っていたのに、上役から、「いや、お前はそんな自分が思っている様なダメ人間ではない。俺が見る所、お前はなかなか筋の善い人間だ。頑張ればいくらでもよくなれる人間だ。もっと自信を持て!」と言われたようなものだったのでした。

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白アリの助け合い

2020年02月13日 | その他

前の記事の「白アリの長寿の秘密とは」の続きです。

白アリは究極の助け合いの生活をしているそうで、それがなかなか面白いので、また記事にしてみました。
見て頂ければ幸いです。

 

≪白アリの助け合い その1≫
白アリは木を食べるのはよく知られていますが、その木の成分であるセルロースを白アリは自分で分解することが出来なくて、白アリの腸の中に住む微生物がそのセルロースを分解してくれるのだとか。

 

ところが次の絵で示すように、栄養分は真ん中にある少し小さい腸で吸収されるのだそうです。そして、セルロースを分解してくれる微生物が住むのは、その後にあるの3つ目の腸ですから、セルロースはそこで、解されるので、分解された栄養分は吸収することができないで、排泄されてしまいます。

(黄色がセルロースを示し、その周囲が微生物です)

ではどうやって、栄養補給をするのかというと、他の働きアリが食べて分解して排泄したもの、それを食べ、それが真ん中の腸で吸収されるという、そんな仕組みになっているのだそうです。つまり自分だけでは生きられない、仲間同士が助け合わなければ生きられない、そういう仕組みになっているんですね。

以下はその仕組みをわかり易く絵にしたものです。

 

(分解されたあと排出されます)

 

(排泄されたものを他のアリが口に入れる)

 

 

(ここへ来てようやく吸収される)

余談ですが、こんな話を聞いたことがあります。

「あの世」では、食事をするのに自分では口に運べない程の長~い箸を使うのだそうです。それで、自分で口に入れることが出来ないので、お互いが長い橋を使って相手に食べさせるのだという、そんな話を聞いたことがあります。もちろんこれは「助け合えば苦労せずに楽に食べられる」という寓話だと思いますが、ひょっとして、白アリから学んだ話かもしれませんね。

 

≪白アリの助け合い その2≫

さて、次は更に面白く、白アリが如何に賢いかという話です。
下の写真は白アリ用に作られた迷路です。


この迷路に白アリの集団を誘導し、如何にしてコールへ到達するか、それを動画で見せてくれました。

 

最初は誰も答えを知らないので、間違った方向も含めて白アリたちは全方向へと向かいます。

そして、その内に1匹がコールへ到達します。すると、わずかな時間で他のアリたちにも伝わり、間違いのルートにアリはいなくなり、白アリの集団が1本の曲線となって正しいルートが示されるまで僅かな時間しかかかりませんでした。

 

解説者の話では、次の色分けしたルート図の如く、この色分けした範囲で、例えば最終コーナーの青色の部分で言えば、最初にコールに到達したものはただちに青色の始まりの所まで引き返し、「こっちだよ」と伝達する。黄色なら黄の最終地点に到達したアリはその青からの伝達を受けて、黄色の初めの地点まで戻って後に続くものに「こっちだよ」と連絡する。このようにして、直ちに情報が伝わるのだそうです。

 

いやあ、たかが白アリとはいえ、大した知恵ですねえ。

あんたが大将!、と思わず掛け声を出しそうてした。(笑)

 

最後まで見ていただき、ありがとうございました。

 

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白アリ長寿の秘密とは?

2020年02月06日 | その他

2月2日(日)、Eテレの「サイエンス・ゼロ」という番組で、面白い話を取り上げていました。
これは東京お台場にある「日本科学未来館」という所で小学生連れのファミリーを対象にした公開講座というスペシャル版であり、白アリの生態に関する研究報告でしたが、とても興味深くて面白いものでした。
司会・
進行はいつもと同じですが、この日の講師は京都大学の昆虫生態学が専門らしい松浦健二という人でした。

 

始めにクイズが出されました。
①カブトムシ  ②アブラゼミ  ③モンシロチョウ
この中でいちばん寿命の長いものは?

 

会場で一番多く手が挙がったのは②のアブラゼミ、次が①のカブトムシ、次が③のモンシロチョウでしたが、さて正解はどれでしょう。

カブトムシは成虫としては一番長いですが、幼虫を含めた全体の寿命は1年。
アブラゼミは成虫としては数週間ですが、幼虫生活が長く全体の寿命は7年。
モンシロチョウは成虫で10日間、全体の寿命は1~2ヶ月、
ということで、正解はアブラゼミでした。

 

さて、白アリですが、白アリは1億5000万年前、地球上で初めて社会生活を営み始めた生き物だそうで、その彼らの生活を通して、寿命っていったい何だろう? 生物ってどういうもんだろう? 人間て何だろう? と考えるようになった。つまり、社会生活の先輩である白アリの生態から私たちも学べるものがあるとのことでした。

 

そして昆虫でいちばん寿命の長いのは白アリだそうで、地球上にどれぐらい生息しているかと言うと、、推定24京匹とのことです。 ≪京(:けい)は1兆の1万倍≫

 

白アリの巣としてアリ塚が有名ですが、白アリの好物はよく知られているように木で、木に含まれるセルロースを栄養源としているとのことです。そして森に生息する白アリは倒木や枯れ木を食べてそれらを分解する、つまり森を美しく豊かにしてくれる縁の下の力持ちなんですね。自分の家を食い荒らす有害生物だなどと思っていてはいけません。

 

思い出しましたが、ウソか本当か知りませんが、つまり信じられないような話ですが、ある生物学者が生物多様性の大切なこと、この世に無駄なものはないことの一例として、蠅は宇宙飛行士の排せつ物の中に卵を産み、その卵が排泄物を食べて分解してくれると云う訳で、宇宙生活に欠かせないものだと本に書いていました。

 

話を白アリに戻しますが、日本に生息するヤマトシロアリの寿命は昆虫の中では一番の長寿だそうです。白アリは王、女王、働きアリ、兵隊アリというように役割分担があるそうで、それぞれの寿命は王様が50年、女王は25年、働きアリはおよそ10年、兵隊アリは5年ぐらいとのことでした。

 

昆虫の平均寿命は2ヶ月ぐらいだそうですから、その長寿を猿に喩えるなら、9000年も生きる猿に匹敵するとのことで、とにかく昆虫の仲間ではずば抜けた長寿ということになるようです。

 

さて、話が面白いのはここからですが、なんと女王アリは「分身の術」を使うというのです。
どういうかとかと言うと、普通は王と女王アリの共同作業で子が生まれるわけですが、女王アリは自分単独で子を、つまり王の遺伝子が混ざらない、自分自身の遺伝子だけで女王の代わりになる子を産むことが出来るのだそうです。それによって、自分が死んだあとも、自分と同じ遺伝子を持った分身の女王が女王の座につくのだそうです。

もし、王と女王との間に生まれた子が女王になるとしたら、王の遺伝子をも持った女王と子供を産むことになるので、それを繰り返せば、順次巣(ファミリー)として遺伝的に弱くなっていく。しかし、この分身の仕組みでいけば、その弱点を回避できるいうわけです。そして、これを世界で最初に発見したのが、この日の講師の松浦健二さんで、これを発見したとき、大変驚いたそうです。

 

更に面白い話が続きます。
今度は王の話ですが、王は自分で王を産むことが出来ないから(男ですから当然ですね)。だから王をできるだけ長生きさせようという進化が働く。そのため王は巣の一番奥深い――奥へ行けば行くほど酸素が薄くなるわけですが――その酸素の一番薄い奥のVIP室に王が生活しているとのことでした。

低酸素の中で生活すれば、細胞を傷つける活性酸素が出にくくなり、結果的に長寿につながるのだそうです。
(
そのためには低酸素の中でもエネルギーを生みだせる代謝能力が必要なわけですが)

 

さて、その王は木を食べることが出来ないらしいのですが、では何を食べているかと言うと、働きアリから「あるもの」を貰って、それを食べているそうです。その「あるもの」を「パワーフード」と名付けられていて、働きアリの唾液腺で生産されるものとのこと。そして、それを口移しで王様の口へと運ばれるというのです。この口移しの瞬間も松浦先生が初めて撮影に成功しのだそうです。、そして、そのパワーフードなるものにはどんな成分が含まれているのかということが今分析されつつあるとのこと。

 

そして、その中には今まで美容や強壮に良いと知られていたものもあるし、まだ知られていないものもあるとかですが、とにかく、特許申請中で今は「ヒ・ミ・ツ」とのことでした。楽しみですね。

 

それにしても「カミさんを床の間に飾っておく」という話は聞いたことがありますが、主(王様)に長生きしてもらうために、一番奥座敷に・・・というのは、男性から見ると実に羨ましい話ですね。

 

冗談はさておき、まだまだ面白い話がありましたが、長くなったのでここまでにします。
最後まで読んでいただきありがとうございます

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感動した「ある男の臨死体験」

2020年02月04日 | 人間死んでも死なない

昨日、必要が生じて本棚の整理をしていたら、3年ほど前にガンで他界した人から形見分けとしていただいていた本を見つけた。家内が読みたいというので先に家内が読んで、その後私が読むつもりだったがすっかり忘れていたものである。そして見つけたのを幸い、さっそく読み始めました。

 

本の名前は『死後の真実』というタイトルで、著者は「死に関する研究」で世界的に有名なエリザベス・キューブラ・ロス博士(精神科医)である。この博士のことはよく知らないが、名前だけはよく知っていて、以前からこの博士の著書を読みたいと思っていて、今回ようやく読む機会を得たと云う訳である。

 

まだ読んでいる途中だが、今朝読んでいた中に、思わず涙の感動的な話があったので、さっそくここ紹介させてもらいたくなった次第です。

 

それはアメリカのある男性の話です。

彼は戦没者将校記念日の休日に、家族全員で田舎の親戚の家に出かけるため、彼の奥さんと奥さんの両親、そして8人の子供たちが彼を迎えに来ることになっていた。その途中、ガソリントラックにぶつけられ、ガソリンが車にかかり、家族全員が焼死してしまった。

 

そのことを聞いた彼は、何週間もひどいショック状態と麻痺状態が続き、話すことも出来なくなり、手短に言えば、ろくでなし人間ななってしまった。毎日ウイスキーを1本飲みほす他に、苦痛を和らげるためにヘロインなどの薬を使うようにもなってしまった。仕事をしてもぜんぜん続かず、文字通りのドン底の生活に陥った。

 

そして一方のキューブラ・ロス博士は多忙な講演旅行をしている時、一つの講演が終わったところで、サンタバーバラのホスピス・グループからもう一つ講演をしてくれないかという依頼を受けた。その依頼された講演の導入部分が終わったところで、何度も同じことを繰り返し話している自分がかなり疲れていることに気づいた。

 

そして「ああ神様、もしこの聴衆の中に臨死体験を持ち、それを他の人たちに話してあげられる人が一人でもいたら、私は休憩をいただけるのですが。それに皆さんも私の古い体験を何度も聞くより、生々しい体験を聞けるでしょう」と心で呟いた。

 

丁度その時、そのホスピス・グループの中心者が緊急の伝言が書かれた紙切れをもってきた。それは、自分の臨死体験をキューブラ・ロス博士に聴いてもらいたいと願う、失意の男性からのものだった。それでロス博士は休憩を貰い、その男性のいる安ホテルへ使いを出した。しばらくすると失意の男性はタクシーを飛ばして聴衆の中に姿をあらわした。「ろくでなし」と自分を表現していたにはふさわしくない、きちんとした身なりの洗練された男性だった、と書いている。

 

そして、ロス博士は彼の人柄を見極めるまでもなく、彼に「皆さんと分かち合いたいと思っていることをぜひ話してほしい」と頼んだ。
そして彼は壇上に上がり、次のようなことを話したという。

 

彼は、どれほど週末の家族との再会を楽しみにしていたか、どうやって家族のすべてを死へと追いやった事故が起ったのかを話した。そしてその後のショック状態と麻痺状態、また突然独り身になってしまったことや、何人もの子供を授かったのに突然子無しになってしまったこと、たった一人の身寄りもないまま暮らしていかなければならなくなったのがまるで信じられなかったことなどを話した。

 

彼は、それと真剣に取り組むことが全然できなかったこと、収入が多く、きちんとした中産階級の夫であり父親であったのに、完全な「ろくでなし」へと変わってしまい、朝から晩までお酒を飲み続け、手に入るあらゆる薬を用いて自分を鎮静させようとしたこと。又何度も、考えられるあらゆる方法で自殺を試みたが、どうやってもうまくいかなかったことなどを話した。

 

そして、最後に覚えていることは、文字通りどん底の2年間の生活の挙句、森の脇の汚い道の上で薬や酒に酔いしれ、寝ころんで、家族に無性に会いたがっていたこと、生きる望みもなかったこと、そのとき、大きなトラックが近づいてきて、自分をひいていくのが見えたこと、しかし、体を動かすだけのエネルギーもなかったことなどを話した。

 

そして、「このときでした」と話を続ける。

彼がトラックにひかれ、重傷を負い、道に横たわっている、そういうすべての情景を、何フィートか上に漂いながら見ていたその時、家族が自分の前に姿を現わし、光の輝きの中から、驚くほどの愛とともに彼らが皆幸せそうな笑みを浮かべていたこと、彼に向かって、ただ自分らの存在に気づかせようとしていたこと、それは言葉を交わすのではなく、以心伝心の形で行われ、他界した家族たちが、大きな喜びと幸せの中にいて、それを分かち合ってくれたことを話した。

 

彼は、家族があまりにも元気で美しく輝き、今の状態に大変満足していて、無条件の愛に満ちていることに心を打たれた。そして彼は誓った。また自分の体に戻って、この素晴らしい体験を世界中の人々と分かち合おう、と。そうすることで、これまでの2年間、自分の肉体を投げすてようとしてきた罪滅ぼしになると思ったとのこと。

 

そして、そう誓うや否や、彼の重症の体をトラックの運転手が車の中に引き入れようとしているのが目に入り、また事故の現場へと救急車が急いでいるのが目に入った。そして彼は病院の救急室へ連れていかれ、ここでやっと自分の体に戻ることが出来た。

 

彼は体のまわりに付けられていた革ひもを外し、文字通りに自分の足で救急室を出たとのこと。そして、その後は、アルコール中毒による幻覚も、薬や酒の大量乱用による後遺症もまったくなく、完全に癒やされた。そして、できるだけ多くの人に死後の「いのち」が存在することを伝えるまでは死ねないと、固く誓った。

ちょうどその頃、ロス博士がサンタバーバラへ来るということを新聞の記事で読み、会場へ伝言を頼んだととのことである。

 

そして、彼はあの短い一時的な幸せな家族との再会の際に約束したことを、今此処で聴衆と分かち合うことで、彼は約束を果たすことができたというのでした。

 

以上、長くなりましたが、これらの話をワードに打ち込んでいると、本を読んでいる時とは違って、一層この男性の苦しみ、悲しみなどの気持ちが伝わって来るようで心が揺さぶられるようでした。

 

さて、この様な臨死体験中の他界した人との再会について、懐疑的な科学者は、「それは会いたいという願望の反映である」との見解らしい。それもわからないではないが、それに対してキューブラ・ロス博士はこう述べている。

 

臨死体験中に再会できるのは、たとえわずか数分前でも、必ず既に他界している人に限るのであり、まだこの世に生きている人との再会の事例が一つもないこと。そして、臨死体験者が再会したいという願望をもつのは、既に他界している人であり、生存中の人と再会したいなどという意識はない。それにもかかわらず、数分前に他界した人や、他界したとは全く知らなかったような、本人が思いもしなかった人が会いに来たりして驚くという実例を示し、願望の反映とは言えないとしています。

 

長くなりましたが、最後まで読んでいただき感謝です。

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