気の向くままに

山、花、人生を讃える

映画「恋妻家宮本」の感想

2017年03月18日 | 映画

すっかりご無沙汰しています。

以下は、以前に書きかけていた映画の感想で、すでに時機を失していますが、それを仕上げてアップさせてもらいます。よろしければ見てください。

 

昨年11月末、生長の家の「栄える会」繁栄ゼミナールを受講したことは前の記事で紹介させてもらっていますが、その時の本部講師の話も素晴らしいものでした。

その本部講師は21世紀に求められる宗教について話をされましたが、初めは身近な夫婦の話から始まり、それが面白くて場内は大爆笑の連続でした。具体例を言えばこんな話でした。(以下の話は、保険会社が調査した資料に基づいたもの、とのことでした)

○70歳を超えた夫婦で、奥さんに先立たれた夫は、5年以内に他界する率が高い。

○70歳を超えた夫婦で、反対に夫が先だった場合は、奥さんが15年以上生きる率が高い。(大爆笑)

○奥さんに先立たたれた男性はしょぼんになってしまいますが、女性の場合は逆に若返るようですね。(大爆笑) 

○夫が認知症になっても、奥さんの顔は最後まで覚えているそうですが、奥さんが認知症になると、最初に夫の顔を忘れるそうです! (さらに大爆笑)

いやいや、確かに。「クローズアップ現代」で川柳の流行が取り上げられた時も、解説者はこういっておりました。「男の川柳は奥さんを題材にしたものが多いが、女性の川柳で良人を題材にしたものは少ないですね」と。

確かに男のシルバー川柳では、奥さんを話材にしたものに事欠かないし、そして思わず笑ってしまう名句も少なくない。 

ところで、なぜこんな話を持ち出したかというと、昨日、家内と見に行った「恋妻家宮本」という夫婦を主題にした映画がまったく素晴らしくて感動したからです。この「恋妻家宮本」というわけのわからない題名の映画は、ヤフーでの点数では3.9ポイントとまあまあの数字で、別に期待もせず見に行ったのですが、掛け値なしに4.5ポイントはあげたいところでした。どんな風に良かったのか、紹介するのはむつかしいが、ざっと話せばこんな映画でした。

 

ある日、主人公(阿部 寛)は恋人から、ベビーができてしまったと告げられ、どうしようかと相談を持ち掛けられた。それで、主人公は責任感から結婚しようとプロポーズした。そして結婚し、今はその夫婦も50代になった。今振り返って、はたしてそのプロポーズは「よかったか、よくなかったか」。主人公にとっても「よかった」と言える自信はないし、奥さんもなにか物足りなさを感じていた。

一方、主人公が教師を務める中学では、彼の優柔不断は優しさから来るということで生徒の人気は悪くはなかった。そして、いつもオチャラケて明るくふるまう男子生徒がいたが、その少年の家庭には問題があった(母親が不倫、子供は寂しい思いを隠して明るく振舞っていた)。そして主人公の先生は優柔不断ながら、一方の優しさで何とかしてやりたいと動き出す。このあたりの生徒と阿部 寛がとてもよく、この隠し味がこの映画の魅力にもなっていました。しかし、これはメインではなく、あくまで脇。(それでも思わず涙がこぼれます)

  そして途中の経過は省くが、紆余曲折の末、映画のラストに近づくと、主人公は20数年前のプロポーズしている自分に向かってこう叫びます。「そうだ。お前の判断は正しい。お前が結婚する相手はその人だ。自信を持て!」と。

ここが実に圧巻の何回も見たくなるほどに素晴らしいところでした。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」以来、阿部 寛のファンになったが、それにしてもいい役者になりました。

 

コメント
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