横浜市の図書館で借りて読みました。予約待ちが何十人もいて、2ヶ月ほどかかってようやく到着した人気本です。
題名からは、人生が愉しめるようになるために、どのように服を揃えたら良いかのヒントがうんと詰まった本かな、と想像していたのですが、何と、NYの超高級老舗デパートであるバーグドルフ・グッドマンに勤める有名パーソナルショッパーの物語でした。本人が生きているうちに出版されているので、回顧録とは言えないと思うのだが、一緒の回顧録といってもよいものだと思います。
シカゴの裕福な家庭の生まれた一人の女性(ベッティ・ホールブライシュ)が、どのように育ち、そして当初は幸せな結婚生活が破綻し、精神を病み、そこから見事に回復してNYのデパートで有名セレブの顧客を持つパーソナルショッパーとして成功していく、というお話です。決して、「貴方のクロゼットにあるワードローブをこうすればいいですよ!!」といったことが書いてある指南書ではないのです。
読後の感想として、成功したアメリカ人ならでは自分を上手くPRすることに長けているなぁ、と感じます。決して悪い意味ではないのですが、他の面、例えば不仲になった旦那の側から見たら、どうなのだろうか?ということも読みながら感じることが多かったのは事実です。
精神を病んでから見事に立ち直り、パーソナルショッパーとして成功するまでの間の記述が少なく、色々とあったと思う努力や苦労がサラッと書かれているだけで、突然と成功物語に変わっていくのがこの本の中ごろで、ここが物語の転機です。彼女が言っている成功のヒントは、顧客に合う衣服や小物を自分の感性を十二分に使って選ぶこと。決して値段が高いものを売りつけるのではなく、特定のブランドに偏ることなく、単に新しいからという理由ではなく、真に顧客一人ひとりが際立つようなモノを自分を信じて選んでいくこと。この感性がどんなものなのか、どうして得られたのかを知りたいと思うのだが、企業秘密なのだろう、決して教えてくれることはない。(尤も、このような感性は本にチョコッと書いたぐらいで伝わるものではないとは思うのだが...)
デパートで働く売り子たちはプロの売り手だが、コミッション制ゆえに値段の張るものを薦めがちだし、複数のブランドを組み合わせるなんでこともなかったことが、パーソナルショッパーとしての成功の下地としてあったようだ。ジーンズとタイトなトップに合うようなシンプルなレザーコートをIT企業のエグゼクティブに薦めたり、ヒップの大きな顧客のために数少ないサイズの品々と取り置きしたり、顧客との何気ない会話を通して得られた顧客一人ひとりのスタイルを完全に理解した上で、彼女たちにピッタリの服を選んでいく。大統領夫人、映画女優、TVタレント、超富裕階級の女性たちに止まらず、映画で使われる服や小物選びまで協力する。一種のスタイリストとも言うべき存在がベッティ・ホールブライシュ。
彼女の働く姿は映画『ニューイーク・バーグドルフ 魔法のデパート』で紹介されているのだそうだが、今度観てみよう。どのような感性なのかは一見にしかずだ。
原題にある 「IN STYLE」 には、「流行の」という意味の他に、「はなやかに、堂々と」という意味があると辞書にありました。著者の選ぶ服は、最新の流行のものではなく、流行に左右されずに顧客一人ひとりの生き様や個性といった一人の人間としての独自のスタイルを引き立てるに相応しい華やかさと堂々として佇まいがあるモノが選ばれていたのだろうと思うと、是非彼女がどんなものを実際に選んでいたのかをこの眼で見てみたいものです。
題名からは、人生が愉しめるようになるために、どのように服を揃えたら良いかのヒントがうんと詰まった本かな、と想像していたのですが、何と、NYの超高級老舗デパートであるバーグドルフ・グッドマンに勤める有名パーソナルショッパーの物語でした。本人が生きているうちに出版されているので、回顧録とは言えないと思うのだが、一緒の回顧録といってもよいものだと思います。
シカゴの裕福な家庭の生まれた一人の女性(ベッティ・ホールブライシュ)が、どのように育ち、そして当初は幸せな結婚生活が破綻し、精神を病み、そこから見事に回復してNYのデパートで有名セレブの顧客を持つパーソナルショッパーとして成功していく、というお話です。決して、「貴方のクロゼットにあるワードローブをこうすればいいですよ!!」といったことが書いてある指南書ではないのです。
読後の感想として、成功したアメリカ人ならでは自分を上手くPRすることに長けているなぁ、と感じます。決して悪い意味ではないのですが、他の面、例えば不仲になった旦那の側から見たら、どうなのだろうか?ということも読みながら感じることが多かったのは事実です。
精神を病んでから見事に立ち直り、パーソナルショッパーとして成功するまでの間の記述が少なく、色々とあったと思う努力や苦労がサラッと書かれているだけで、突然と成功物語に変わっていくのがこの本の中ごろで、ここが物語の転機です。彼女が言っている成功のヒントは、顧客に合う衣服や小物を自分の感性を十二分に使って選ぶこと。決して値段が高いものを売りつけるのではなく、特定のブランドに偏ることなく、単に新しいからという理由ではなく、真に顧客一人ひとりが際立つようなモノを自分を信じて選んでいくこと。この感性がどんなものなのか、どうして得られたのかを知りたいと思うのだが、企業秘密なのだろう、決して教えてくれることはない。(尤も、このような感性は本にチョコッと書いたぐらいで伝わるものではないとは思うのだが...)
デパートで働く売り子たちはプロの売り手だが、コミッション制ゆえに値段の張るものを薦めがちだし、複数のブランドを組み合わせるなんでこともなかったことが、パーソナルショッパーとしての成功の下地としてあったようだ。ジーンズとタイトなトップに合うようなシンプルなレザーコートをIT企業のエグゼクティブに薦めたり、ヒップの大きな顧客のために数少ないサイズの品々と取り置きしたり、顧客との何気ない会話を通して得られた顧客一人ひとりのスタイルを完全に理解した上で、彼女たちにピッタリの服を選んでいく。大統領夫人、映画女優、TVタレント、超富裕階級の女性たちに止まらず、映画で使われる服や小物選びまで協力する。一種のスタイリストとも言うべき存在がベッティ・ホールブライシュ。
彼女の働く姿は映画『ニューイーク・バーグドルフ 魔法のデパート』で紹介されているのだそうだが、今度観てみよう。どのような感性なのかは一見にしかずだ。
原題にある 「IN STYLE」 には、「流行の」という意味の他に、「はなやかに、堂々と」という意味があると辞書にありました。著者の選ぶ服は、最新の流行のものではなく、流行に左右されずに顧客一人ひとりの生き様や個性といった一人の人間としての独自のスタイルを引き立てるに相応しい華やかさと堂々として佇まいがあるモノが選ばれていたのだろうと思うと、是非彼女がどんなものを実際に選んでいたのかをこの眼で見てみたいものです。