令和6年5月8日(水)
富士地域の海の玄関田子の浦港は、工業港として発展してきましたが、富士山が世界遺産に登録され観光振興にも貢献できる港としての活用が期待され、「富士山にいちばん近い港 田子の浦港」をPRして、近年はクルーズ船の誘致などにも力を入れています。

(所用で訪れた田子の浦港 網小屋跡地にて)
田子の浦と言えば、奈良時代の歌人である山部赤人(生年・没年未詳)が詠んだ「富士山を望む歌」で多くの人に親しまれている、「田子の浦ゆ うち出てみれば ま白にぞ 富士の高嶺に 雪は降りける」が有名です。古来から東海道を往来する誰もが、田子の浦から見た富士山に感銘し、その絶景だけでも日本を象徴する姿です。
単に景色だけでなく、地域には様々な観光資源があり、例えば「田子の浦しらす」は農林水産省の地理的表示(GI)を取得し、拠点となる田子の浦漁協食堂には、県内外から多くの観光客などが訪れています。
静岡県は、これらの観光的な資源を背景に、さらに地域観光振興等に寄与するため、「ふじのくに田子の浦みなと公園」を整備し管理しています。このゴールデンウィークは、私も所用で訪れ多くの来訪者で賑わいを見せていました。
また、田子の浦漁港付近からみなと公園に至る沿線上には、かつて網小屋がありましたが、漁協関係者と管理者である県が協議し、これらを撤去し新たな港の賑わいゾーンとして整備しています。当日、ここでは商工業者団体が企画したイベントとして、マルシェが開催されていました。
富士市は、田子の浦港周辺の防災対策の推進と、観光・交流の促進によるにぎわいづくりの創造を目的とした将来構想である「田子の浦港振興ビジョン」を策定しました。その背景には、①平成25年度に静岡県第4次地震被害想定が公表。②平成25年6月26日に富士山が世界文化遺産に登録」などがあります。
振興ビジョンの「にぎわい拠点機能の強化」には、県の管理する「ふじのくに田子の浦みなと公園」に関して、
○施設資源を利用した地域ぐるみの新たな魅力強化では、①歴史ロマンあふれる空間の継承。②地域に開かれた交流の場としての活用。③歴史・文化スポットの掘り起こし。
○オープンスペース・公園施設空間・空きスペースを利用した魅力づくりでは、①特色あるまつり・イベントの開催。②ミニコンサート・公開結婚式の開催。③屋台・オープンカフェの出店。などをそれぞれ例に挙げています。
どれを見てみても、これらの取組の主体の多くは地域や市民団体などで、管理者である県や構想を立ち上げた市は、それぞれの実現に向けて協力し、支援していくことが求められていると考えます。
先日訪れた際には、このビジョンに期待し、自らも参画していきたいという市民から不満の声が聞こえてきました。行政にも何らかの考えがあることは予想されますが、市民との間に入り調整役を図ることも私たち議員の役割と考えています。
田子の浦港が振興ビジョンに基づき、防災対策の推進と、観光・交流の促進によるにぎわいづくりの創造が推進できるよう、努めていきたいと思います。
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