何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

招客招福の法則

2008-11-03 13:00:13 | Book Reviews
「招客招福の法則 儲けの王道がみえる88の話 小阪裕司・著、日本経済新聞社、2006年3月6日

p.23 「客単価」とはあらかじめ決まったものではなく、お客がお金を出したいと思った結果の数字だ。

p.75 お客は商品を価格で買うのではない――。お客は商品を価格によって欲しいと思うのではない。もちろんお客は欲しいと思った商品の価格はチェックする。買えるか買えないかを判断するためだ。しかしお客にとって価値とはそんなものだ。

 ジェネリック使用によって支払いは減る、しかしそれだけで使用に踏み切れない人は多い。なぜこの薬局はそのGEを推奨するのか、そこへの薬剤師としてどのような思い入れがあるのか、患者にとってのメリットは何なのか、そこを訴える必要があろう。

p.84-5 ここでいう「声かけ」とは店に行くとよく合う、唐突に「何をお探しですか?」などと聞かれるあれではない。「こんにちは」「今日は暑いですね」などと、売り込むためではない声をさりげなく皆で掛けることだ。

p.86 ニューズレターとは、お客との人間関係をはぐくむためのDMだ。このレター自体がお客とのコミュニケーションを保つ重要な手段だが、さらにこれを通じてお客を啓蒙することもできる。

p.89 セールスとは結局、お客に買うべき理由を語ること、こうした適切な情報発信にほかならない。

 ジェネリックの使用促進には、なぜ変更すべきかの理由が説明できていないのではないか。「安くなりますよ」はメリットだが、そういうことを勧める理由が不透明なのではないか。場合によっては“ウマい話には裏がある”ように勘繰られて、敬遠されてしまう。医療費削減は国にとっての理由だが、薬局にとっての直接の理由にはならない。社会保障費を減らすなんて、国民にとって壮大すぎる理由だ。ましてや加算のためだなんて、国民にとって関係がない。同じ治療効果を安く提供したいことが薬局の思いとして説明できるかどうかなのだろうか。

p.101 お客には「そうしたい、でもね」という感情がある。「買いたい、でもね」「行きたい、でもね」。これは、お客の気持ちの中の壁、「買う」という行為の障害にもなるのだ。この「でもね」を取り除いてあげる。

 患者は「ジェネリックにしたい、でもね」「支払が安くなることはうれしい、でもね」がある。その不安を取り除くことが必要だ。そこまで晴れてスッキリするかはともかく、まず重圧を緩和するところから始める必要があるのではないか。

p.113 人は一貫性のない態度を嫌うものであることを、商人は覚えておくべきなのである。

p.117 得てして商人、そして職人や製造者は「何に」こだわっているかは語るのだが、「なぜ」こだわっているのかは語らない。しかしお客は「なぜ」の方に強く反応する。「なぜ」は「何を」よりずっとお客の動機付けにつながる情報なのだ。

p.119 商人は、ともすれば「自分の知らないテクニックやスキル」ゆえにこうしたこと(正価にもかかわらずビールが売れる)が起こると思いがちだ。何か魔法の一振りがあるのではないかと、ついそれを探し求めてしまう。
 商売には魔法の一振りはない。そして一方で、そんなものよりずっと地道だが、ずっと確かな方法がある。

p.127 お客を感動させる小さな活動の数々はマニュアル化できないものが多い。
 読者投票で東日本一とはまさに勲章だが、その秘けつはお客を感動させる企画そのものではない。その企画を生み出し、日常の小さな活動にまで反映されるミッションの共有こそが鍵なのだ。

 コンピュータであれば、何か新しいソフトをインストールすれば一気に経営状態・業績が改善・好転するように考えるのは適切ではない。どのような方針、理念で業務をしようとするのか、基盤や根底を見直すことこそ重要だ。業績が思わしくないのは、そこに問題があるからだろう。それまではそれが正しいと信じて疑わなかった部分だろうから、経営方針の誤りを認めることから再生はスタートする。

p.129 目的がお客を喜ばせることなら、ポイントはプレゼントの中身より心遣いだ。

p.147 ユニークなことを発想しても、往々にして「売れるわけない」などの否定的な考えが頭をもたげて、実行に移されないことが多い。
 商売が成り立つためにはお客との信頼関係が不可欠だ。お客も過去の例のない商品には不慣れだから、この店に任せておけば支払った金額以上の価値あるものが必ず得られるという確信がなければ買えない。枠にとらわれない発想や行動も、客の信頼関係があればこそ商売を広げるチャンスと成りうる。

p.163 「名物は何?」と聞いたときは、文字通りその土地や店の「名物」を聞いているのではなく、「あなたが私に薦めたいものは何ですか?」と聞いているのだ。
 「名物は何?」と聞かれたら、迷わず何かを推奨しよう。

 ジェネリックを尋ねられて、「ウチではこれを置いているのですがよろしいでしょうか」と言われても、患者は答えようがない。「ウチの薬局ではこの先発品に対して現在○種類の後発品を在庫していますが、こういうことからこのXというジェネリックをお勧めしていますが、いかがでしょうか」と言えることが重要だろう。

p.167 「魂を入れるというのは、これを誰に使って欲しいのか、そこに思いを込めて作るということですよ」

p.179 お客に訴求したポイント、まずは商品の案内、次がお勧め商品の特性、さらに次がその商品をお勧めする理由と既購入者の感想・・・。
なぜお勧めするかの訴えが、最もお客の気持ちを動かす。商売ではお客の気持ちを動かせるようになることが大切だ。

p.199 ビジネスはお金儲けのためにのみあるのではなく、お客と共に社会を良くしていくためにあるのだと。そしてお客もそういう事業精神を持つ会社を好きになり、尊敬し、応援する。
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