後発医薬品の処方進まず 東奥日報 2006.5.28
国が医療費抑制の目玉として利用促進を訴える後発医薬品(ジェネリック)が県内でいまひとつ浸透していない。不良在庫を懸念する薬局がジェネリックの仕入れに消極的なことや、ジェネリックの流通経路が確立されていないことが主な理由だ。薬を処方する医師が、情報量が少ないジェネリックに対して、十分な信頼を寄せていないことも背景にあるようだ。
東奥日報だから、青森県の事情を中心に紹介されているのであるが、このジェネリック医薬品に関する報道は青森県に限ったことではない。多かれ少なかれ、全国的に同じようなことが懸念されているようである。
ジェネリック医薬品を仕入れても、不良在庫になるおそれがあるから、次に患者さんが来るかどうかも分からないし・・・、と仕入れに消極的な薬局。
確かに流通の悪さがジェネリック医薬品の使用促進を妨げている側面はある。しかし、薬局における不良在庫問題なんて、使われない薬(スリーピングストック、デッドストック)はすべて経営的に不良在庫だから、昔からあった話だ。銘柄別処方において、つい半年前までは日頃、扱わない薬を無理に取り寄せ、そのまま不良在庫化していたのだ。今さら不良在庫を問題視して持ち出すのはいかがなものか。
処方せん様式を変更し、代替調剤が可能になったことは、不良在庫を減らすことにもつながる。先発品と後発医薬品の両方を在庫するといっても、後発医薬品は薬価が安いので、在庫金額は減るはずだ。後発医薬品を敬遠する「真の理由」のようには思われない。
先発品と有効性や安全性が同じといってよいのか、情報量が少ないので処方をためらうという医師。
ジェネリックメーカーのホームページを見ていると、製品情報が充実しているメーカーもある一方、添付文書がやっとというメーカーもある。最低限、公開すべき情報を規定して義務づければ解決するのではないか。
後発品の情報が少ないと言うが、使用例や安全性の面では、先発品こそ情報が少ないのではないか。新規成分ほど使用例も少なく、ただでさえ未知の物質だ。そういうものはパンフレット程度の情報で、平気で処方を開始する。製剤的な情報なんて、ほとんど考慮されずに。情報が限られている・・・と言うなら、先発医薬品のほうではないのか。
先発・後発に限らず、これまで1つの薬剤に対して、そこまでたくさんの情報を吟味、精査してから、医薬品を処方してきたのだろうか。
ジェネリック医薬品に関する不安感や抵抗感は、どうも一種のアレルギー的な、肌に合わない、と言っているにすぎないように思われてならない。さもなければ、本音では他の理由があるのに、それをジェネリックのせいにしていることはないだろうか。先発メーカーが提供してくれたさまざまな便宜がなくなるのは困るとか、新薬メーカーと疎遠になるのが不安であるとか・・・
国が医療費抑制の目玉として利用促進を訴える後発医薬品(ジェネリック)が県内でいまひとつ浸透していない。不良在庫を懸念する薬局がジェネリックの仕入れに消極的なことや、ジェネリックの流通経路が確立されていないことが主な理由だ。薬を処方する医師が、情報量が少ないジェネリックに対して、十分な信頼を寄せていないことも背景にあるようだ。
東奥日報だから、青森県の事情を中心に紹介されているのであるが、このジェネリック医薬品に関する報道は青森県に限ったことではない。多かれ少なかれ、全国的に同じようなことが懸念されているようである。
ジェネリック医薬品を仕入れても、不良在庫になるおそれがあるから、次に患者さんが来るかどうかも分からないし・・・、と仕入れに消極的な薬局。
確かに流通の悪さがジェネリック医薬品の使用促進を妨げている側面はある。しかし、薬局における不良在庫問題なんて、使われない薬(スリーピングストック、デッドストック)はすべて経営的に不良在庫だから、昔からあった話だ。銘柄別処方において、つい半年前までは日頃、扱わない薬を無理に取り寄せ、そのまま不良在庫化していたのだ。今さら不良在庫を問題視して持ち出すのはいかがなものか。
処方せん様式を変更し、代替調剤が可能になったことは、不良在庫を減らすことにもつながる。先発品と後発医薬品の両方を在庫するといっても、後発医薬品は薬価が安いので、在庫金額は減るはずだ。後発医薬品を敬遠する「真の理由」のようには思われない。
先発品と有効性や安全性が同じといってよいのか、情報量が少ないので処方をためらうという医師。
ジェネリックメーカーのホームページを見ていると、製品情報が充実しているメーカーもある一方、添付文書がやっとというメーカーもある。最低限、公開すべき情報を規定して義務づければ解決するのではないか。
後発品の情報が少ないと言うが、使用例や安全性の面では、先発品こそ情報が少ないのではないか。新規成分ほど使用例も少なく、ただでさえ未知の物質だ。そういうものはパンフレット程度の情報で、平気で処方を開始する。製剤的な情報なんて、ほとんど考慮されずに。情報が限られている・・・と言うなら、先発医薬品のほうではないのか。
先発・後発に限らず、これまで1つの薬剤に対して、そこまでたくさんの情報を吟味、精査してから、医薬品を処方してきたのだろうか。
ジェネリック医薬品に関する不安感や抵抗感は、どうも一種のアレルギー的な、肌に合わない、と言っているにすぎないように思われてならない。さもなければ、本音では他の理由があるのに、それをジェネリックのせいにしていることはないだろうか。先発メーカーが提供してくれたさまざまな便宜がなくなるのは困るとか、新薬メーカーと疎遠になるのが不安であるとか・・・