何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

愛国心、無理矢理持たせるもの?

2006-05-25 23:31:09 | 思いつくまま
 「私と愛国」(2) 核は自分の感性や情念、改めて教える必要ない 渡辺淳一さん 朝日新聞 2006.5.25 夕刊
-----転載ここから
 愛国心とは、自分や身近な家族、恋人への愛情といった基礎的な単位から、住んでいる村や町、そして日本全体への愛へと、ゆっくり広がり、育まれていくものだと思う。〈中略〉

 愛国心の核になるのは自身の感性や価値観。〈中略〉

 僕の小学校時代は愛国心がしきりに鼓舞され、「一億総決起」「神国日本」という言葉があふれていた。そこで育ったのはイラクの自爆テロみたいな闘争心だけだった。〈中略〉

 愛国心は感性や情念の蓄積だから、こと改めて教えるまでもない。言葉で表現できるものでもない。それに、ワールドカップや野球に熱狂する姿を見ていると、日本人は愛国心が十分すぎるほどあるように感じる。

 なのに今、国会では愛国心をどう表すかを懸命に議論している。この風景、ポイント外れで、いささか滑稽。不気味な時代がやってきたものだ。
-----転載ここまで

 愛国心を、愛社精神とでも置き換えて、どうも似た風景が眼前に広がっている。いまは一体になって利益追求のために総力を結集しろ、というトップ層。「欲しがりません、勝つまでは」と言わんばかりで、お国のために身の回りのものまで差し出せというがごとく、賞与カットを平然と行う。こういう時期だから、当然だと言い、申し訳ないの「ひとこと」もない。

 こんな組織に、誰が愛社精神を持つというのだろう。儲けろ、と強く圧力をかけ、見つからなければスリも泥棒も黙認しておきながら、けっしてそんなことまでしろとは言っていないと、自己保身は忘れない。

 ここに違和感を抱かず、上司の命令とばかり従順なのは、まさに自爆テロに走る分子を育てているようなものだ。いったい、自分でも考える力を持っていないのだろうか。異臭には気づく能力と、それに染まらない資質を、育てることがひどく大事になっているような気がする 
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自己都合のためならモラルは不要?

2006-05-25 20:24:22 | 薬局経営
 年金不正免除 「事務所長権限で実施」 社保庁長官 組織ぐるみを否定 朝日新聞 2006.5.25
-----ここから転載
 社会保険庁改革関連法案を審議している衆院厚生労働委員会は24日、各地の社会保険事務所が本人に無断で国民年金保険料の免除手続きをしていた問題に質問が集中した。組織ぐるみの不正ではないかとの野党の追及に対し、村瀬清司・社会保険庁長官は「事務所長が自分の権限下でやったのを(各都道府県の社会保険事務)局が止められなかったという認識だ」と述べ、各社会保険事務所ごとの判断で行われていたとの見解を示した。民主党の山井和則議員らの質問に答えた。

 納付率向上を無理に求めたことが不正を生んだのではないかとの指摘に対して村瀬氏は「法令を無視してやれと指示を出したつもりはない」と反論。「免除だけやれとは一切言っていない。納付督促、強制徴収のすべてをやれと指示している。目標を定めてそれに対して的確に仕事をやるのは当たり前のことだ」と強調した。(後略)
-----転載ここまで

 真相はわからないが、にわかに信じがたい話に聞こえる。昨夜の報道ステーションでは、「納付率2%アップ」に関する通知が出ていて(誰から、誰宛てのものかは忘れたが)、臨戦体制、言い訳無用、結果を出せ、と強い口調のものだった。しかも納付率について表彰制度もあったというから、相当、強硬に数字を求めていることがわかる。

 この論理、民間企業でも聞くような響きはないか。売上アップを至上命題とし、結果(アウトカム)という言葉で数字を求め、それについては問答無用、緊急事態だと言わんばかりで、組織の社会における存在意義などなかったかのように、利益追求に走っている。表彰制度も、数字アップを焚きつけるための道具だ。

 どうか成績のためにはモラル崩壊も何のその、自分たちさえ良ければ何をやっても許されるような見識には呆れるばかりだ。こういう人は、社会の中で糾弾されないのだろうか。この社保庁長官は民間保険会社から来た人物らしいが、同じペースで、疑うこともなく数字確保のために、手段を選ばず来たのではないか。その文化が持ち込まれてしまったのではないだろうか 
Comments (2)
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