新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ユリズイセン:百合水仙(ねじれる葉) 

2010-07-09 09:15:21 | 植物観察1日1題

少し前庭に咲いていたユリズイセン:百合水仙(ヒガンバナ科)です。
一般にはアリストロメリアで通っている多年草で、もとの生育地もチリの砂漠やアマゾンの熱帯雨林など多様です。
5~6月、たくさんの園芸品種があり、花色も豊富です。長さ2.5~3cmの細い漏斗状の花を咲かせ、花の内側には褐色の斑点が散らばっています。
この仲間の特徴は、何といっても、長楕円形の葉が、葉柄の部分で捩じれて、表と裏が逆になることです。
葉の機能も外見上の表・裏のとおりになっていて、葉の上面になった、本来の裏面が濃い緑色で、柵状組織があり、裏になったほうの本来の表面が白くなて、本来裏にあるべき気孔が、発生上の表にあります。
このような例はコムギ、ウラハグサ、カモジグサ、イヌムなどイネ科ではよく見られますが、ほかの科では珍しいそうです。なぜこのようなねじれ現象が起きるのかよくわかりません。

モクゲンジ (高枝に金色の花) 7月7日

2010-07-07 21:10:18 | 植物観察1日1題

京都府立物園にモクゲンジ(ムクロジ科モクゲンジ属)の花が咲いていました。
本州日本海側、宮城県、長野県などの日当たりのよいところに生える落葉高木で、高さは10mほどになります。長さ25~35cmの奇数羽状複葉を互生します。
7~8月、枝先に長さ15~40cmの大型の円錐花序を出し、金色の小さい花を多数つけます。
花は直径1cmほどで、花弁の基部には赤いハート型の付属体があるというのですが、残念ながら高い枝の先にあり、確かめることはできませんでした。
和名はムクロジの漢名が誤って使われたといい、別名のセンダンノボダイジュは、黒くて固い種子を数珠にすることによります。
よく似たオオモクゲンジの花は9月に咲きます。

ジャカランダ:桐擬き(世界三大花木) 

2010-07-06 16:36:50 | 植物観察1日1題


少し前、大阪天王寺の一心寺に珍しいジャカランダ(ノウゼンカズラ科)が青紫の花を見事に咲かせていました。カエンボク(火焔木)、ホウオウボク(鳳凰木)とともに、世界の三大花木に数えられるジャカランダは、日本では珍しく、海外へこの花を見に行くツアーもあるくらいです。
南アメリカ原産ですが、アフリカやスペインなどでも植えられているらしく、かの地で見たジャカランタの花の印象を語る人もおおいと聞きます。
一見花の形と色が桐の花に似ているところから桐擬きの別名がありますが、日本人が、海外でこの花を見て、日本の桐の花を連想してこの名を付けたといわれます。
ジャカランダの花時、一心寺は参詣をかねてこの花を見に来る客でにぎわっていました。

アカンサス:葉薊:ハアザミ(古代ギリシャの建築意匠) 

2010-07-05 17:49:41 | 植物観察1日1題

京都府立植物園にアカンサス(キツネノマゴ科アカザンス属)が咲いていました。
羽状に深く切れ込む葉がアザミに似ているところからハアザミ(葉薊)ともいわれます。
この薊に似た葉(正しくは同類のトゲアザミ)を図案化した意匠は、古代ギリシャ建築の柱頭に飾られたほか、これをモチーフとした柄は絨毯などにもしばしば用いられます。
また、ギリシャの国花ともなっています。
地中海沿岸原産の常緑多年草で、6~7月、高さ1.5mの花茎を直立し、唇形の白い花が下から咲きあがります。

サギスゲ:鷺菅(八ヶ岳・霧ケ峰周辺6月の花 ⑳)

2010-07-04 15:29:50 | 植物観察1日1題

高層湿原の代表的な植物のひとつワタスゲは、八島湿原では、はるか遠く湿原中央部に咲いていたため、残念ながら双眼鏡で見るにとどまりました。
その代わりかどうか、女神湖の湖畔でサギスゲ:鷺菅(カヤツリグサ科ワタスゲ属)に出会いました。
北海道と本州の山地帯~亜高山帯に生える多年草、茎は鈍い3稜で、株をつくりません。
小穂は2~3個つき、花期には長さ0.5~1cmの長楕円形、花被片は糸状で多数あり、花のあと長さ約2cmほどに伸びて白い綿状になり、倒卵形の果穂を作ります。
和名はこの白い果穂を白鷺に見立てたものといいますが、多少名前負けしているようです。
(少し長くなりましたが、これで八ヶ岳・霧ケ峰周辺6月の花シリーズを終わります)

イワヒゲ:岩髭(八ヶ岳・霧ケ峰周辺6月の花⑲)

2010-07-03 13:29:30 | 植物観察1日1題

イワヒゲ:岩髭(ツツジ科イワヒゲ属)が、名前に似つかわしくないかわいい花をつけています。高山の岩場に生える小低木で、茎が岩からひも状に垂れ下るのを「ひげ」に見立てこの名があります。
北海道と本州の中部地方以北の高山帯の岩場に生える常緑小低木で、地をはってよく分枝し、鱗状の葉を密に十字対生します。7~8月枝の上部の葉の間から花柄を1~2個のばし、長さ約8mm、白色~淡紅色の壷状鐘形の花をつけます。

コメバツガザクラ:米葉栂桜(八ヶ岳・霧ケ峰周辺6月の花⑱)

2010-07-02 14:48:32 | 植物観察1日1題

横岳坪庭に咲いていたコメバツガザクラ:米葉栂桜(ツツジ科コメバツガザクラ属)は、1属種、北海道、本州の中部地方以北と大峰山、氷ノ山、大山の亜高山帯に砂礫地、岩隙などに生える常緑小低木で、よく分枝して高さ5~10cmになります。
葉は皮質で3個輪生し、長さ0.5~1cm、幅2~5mmの長楕円形で縁はやや裏にまきます。
6~8月枝先に1~3個の白色~帯紅白色で、つぼ型の花を下向きにつけます。花冠の長さは4~5mmで、先が5浅裂します。
名前は葉がツガに似るツガザクラに似て、葉幅が米粒のようにやや広いことによるものと思われます。

ウラジロヨウラク:裏白瓔珞(八ヶ岳・霧峰周辺6月の花⑰)

2010-07-01 17:24:31 | 植物観察1日1題

葉の裏が白く、花が仏像の頭・首・胸にかける珠玉の装身具(瓔珞)に似ているのでこの名があるウラジロヨウラク:裏白瓔珞(ツツジ科ヨウラクツツジ属)は、山地帯~亜高山帯のやや湿った林内や草地に生える落葉低木で、高さは0.3~1mになります。ツリガネツツジという別名もあります。
花期は5~7月、淡紅紫色で、垂れ下って咲きます。花柄には腺毛があり、花冠は長さ役1.5cmの筒形、萼片は短く目立ちません。
変種に萼片の長いガクウラジロヨウラクがあり、萼片の長さには変化があって、中間形もあるそうです。