6月初め、信州蓼科高原は、やっと木々の芽吹きが始まったところでした。
保養地の林の小道を歩いていると、1株だけスズラン:鈴蘭(ユリ科スズラン属)が咲いているのに出会いました。
庭や鉢植えでよく見られるのは、多くはドイツスズランといわれる観賞用として栽培される品種で、
花茎が葉と同じくらい高く、葉の裏面が濃い緑なのが、日本のスズランと異なります。
キミカゲソウ(君影草)というロマンチックな別名は、花茎が葉より低い日本のスズランを想定したものでしょうか。
姿に似ず毒草で、北海道の牧場などでは家畜が食べないのでよく大きな群落をつくるといいます。
散歩から帰って山荘の管理人に報告したら、つまらなさそうに、近くに群生しているところがあるといいました。でも自分で見つけた、たった1本のスズランがいとおしくて見に行く気にはなれませんでした。