新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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スズラン:鈴蘭 (このあたりでは珍しい自生)

2008-05-25 07:23:58 | 植物観察1日1題

奈良県桜井市嵩方地区に自生するスズラン:鈴蘭(ユリ科スズラン属)を見てきました。
高原の草地などに多い多年草で、毒草なので牛馬が食べず、牧草地などに群生して、本場ではあまり見向きもされない厄介者となっているスズランですが、自生が珍しい関西では、キミカゲソウ(君影草)の別名とともに、可憐純情な花として見る人の思いもまた格別です。
葉は普通根元に2個つき、花は長さ6~8mmで、よい香りがします。庭によくあるドイツスズランと違い、花茎は葉より低くなります。ちょっと失礼して、ローアングルで花を撮らしてもらいました。
ここのスズランは、地元のNPO「山野草の里作りの会」により保全されています。すぐ隣の奈良市都祁吐山町と宇陀市室生区向淵のスズランは南限自生地として国指定の天然記念物となっていますが、熊本県阿蘇市や岡山県などにも南限を自称するところがあり、必ずしも奈良県が南限とは限らないようです。
EICの環境用語の“自生地”に「生育が特殊な環境に限定された種の場合、自生地の縮小、分断、孤立、消滅と進行し、地域個体群さらには種の存続自体が危険となる」とありました。当地では絶滅寸前と危惧されるここのスズランを守る方々のご努力に感謝です。