
廃線跡の道は沿線の民家の軒先を翳めるように1.3Km先の「旧備前赤崎駅」に
向かう。住宅地により近いこのあたりの線路脇には、住民の手によるものなのか、
四季の草花や、花木が沢山植えられていて、道行く人々の目を楽しませている。

さらにここから先は、廃線後まだ二十数年と間もないせいなのか、鉄道の遺
構がいたるところに残されているので、鉄道ファンのみならず、鉄道のことが
良く解らないと言う人などでも古いものを見つける喜びを楽しめよう。

その代表的なものが、沿線のいたるところに残されている架線を支えた鉄製の
架線柱だ。並走する市道に建つ電柱とその高さを競うように立ち残されている姿
は、今にも向こうから電車がやってくるのではないかと錯覚させるに十分である。

前方の小高い山の上に、ブラジリアンパーク・鷲羽山ハイランドの遊具群が見
えてきた。同テーマパークは、1971年に開園しその後年を経ながら様々な遊具が
導入されているのでこの路線の営業時期とはかぶっている。
だとすれば、ナロゲージの可愛らしい電車の車窓からも同じような光景が展開さ
れていたのであろう。

そんなことを思いながら先に進むと、「備前赤崎駅跡」である。
現役時代は相対式の2面2線の列車交換が出来る駅で有ったらしいが、そんなかつ
ての姿を彷彿させるように両側に一段と高くなったホームが残されている。
片側のホームの先も広々とした広場が残されているので、おそらくここに駅舎が
有り、駅前広場が広がっていたことであろう。(続)

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