いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

名刺の効用

2005年12月15日 10時09分10秒 | ハマ風は踊る
 ”日本人男性の先輩や後輩に対するあいさつはサルが起源”と題して、ある
日刊紙にその記事の掲載があった。その内容は

 『京都大学霊長類研究所と東京工業大学の共同チームは日本人と猿の共通
  点に関するこんな研究成果をまとめた。男性が電話などで応対するとき
  の第一声が、チンパンジーなど類人猿が密林で仲間と出会うときに出す
  声と似ていた。協同チームは人間と類人猿の生活習慣に関する共通点を
  探る為、発声に注目した。
   男子学生に依頼して先輩と後輩合わせて約150人に電話をかけてもらい、
  受話器を取った時に相手が最初に発する言葉を記録した。
   その結果、先輩から受けた時は第一声が「あ」となるのに対し、後輩か
  ら受けた時は「お」と声を出す傾向があり、声を出した人の約9割が相手
  に応じて「あ」と「お」を使い分けていた。サラリーマンでも同様の傾向
  が見られた。
   チンパンジーなどの類人猿も森林で相手と遭遇した場合、発生の仕方が
  似ている。敬意を表するときは「あっあっあっ」と口を広げて声を出し、
  相手が自分より弱いときは「おっおっおっ」と口をとがらせて威嚇する習
  性があった。……女性も同様の調査を実施して関係を裏付けたいとしてい
  る。』というものであった。

 ところで、分不相応と言われるほど高級なものを所持していても許される品
が、仕事人には二つあり、一つがパソコン、もう一つが「名刺入れ」だそうだ。

 初対面同士が挨拶もそこそこに、名刺交換から会話を始めることは、日本人
にとっては見慣れた光景で、特段注意して眺めることもない。しかし、ビジネ
ス界では、名刺は不可欠のビジネス道具であり、これを下手に取り扱ったがゆ
えに、ビジネスチャンスを逃がしたり品性を問われるなど、その効用は絶大で
ある。

 名刺の起源は、フランスのルイ14世時代と言われている。しかし、中国では、
古くから友人宅を訪問して不在の時、名前を書きしるしたものを使っていた。
また、ドイツでも、16世紀には、紙片に名前を書いて使っていた。
 しかし、ルイ15世の時に、現在のような銅版刷りにする名刺を社交に使用す
るようになったと言う。

 ビジネスに商談や打ち合わせは不可欠である。その最初が、応接室へ通され
たときのマナーである。そこでは、まず座るべき席順を即判断する必要がある
が、そのための判断基準には三っあるそうだ。
 第一に、肘掛椅子と長椅子があるときは、長椅子が訪問者用であること。
 第二に、出入り口から遠いほうが上座であること。
 第三に、絵や景色などを見やすいほうが訪問者用であること。
そして、その判断が出来たら、できるだけその脇に立って相手の入室を待つの
が良い。

 人は立つて待つ方が謙虚だし、相手に与えるインパクトも大きい。相手が入
ってきたら、すかdさず挨拶し、自己紹介するのがマナーである。初対面の場
合には名刺交換をする。よく見かける光景に、定期いれや財布から名刺を出し
ている。これらは日常生活の道具、名刺は公的道具である。公私の区別の意味
合いからも、名刺は名刺専用の名刺入れに入れたいものだ。

 『名刺の出し方』
   ① 訪問した方から先に
   ② 目下のものから先に
   ③ 社名、氏名を名乗りながら
   ④相手から見て正面になるように差し出す
 『名刺の受け方』
   ① 相手の名刺は、右手で受けとる。この時、左手を軽く添える。
   ② 受けとった名刺は名刺入れに乗せ拝読し読み方が判らないときには
     確認する。
   ③ 相手の名前を確認したら、名刺は自分の名刺入れにしまう。

 名刺は、その人の身分と人格を代表する「相手の顔」と思い、単なる紙切れ
と思わずに大切に取り扱うことである。企業や社会のモラル荒廃が指摘される
中、現代人がわすれかけている「礼節」を再確認したいものである。

 私は現在、亡き娘が父の日にプレゼントしてくれた黒色の名刺入れを愛用し
ている。また、普通に見られる名刺の形式では物足りないので名刺の裏面に
次のような文言をちりばめた。話の糸口を提供し私自身を知ってもらう為にで
ある。
 『水戸市・伊東市・名古屋・臼杵市・骨董市・ペルシャ陶器・織部・からく
  り・祭り・山車・投げ釣り・ヘソ石・化石・めのう石・地エビね・すみれ
  トルコ桔梗・柴犬・デジカメ・パソコン・ダンス・アコーディオン・雨の
  東京・望楼の果てに・十九の春』
コメント
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