邦画ブラボー

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「蛇娘と白髪魔」

2007年08月09日 | ★恐怖!な映画
楳図かずおの漫画、
「赤んぼう少女」、「ママがこわい」などをベースにした恐怖映画の決定版。
少女漫画をそのまま実写にしたみたいなこそばゆさが漂う脚本も良い。

孤児院で育った小百合(松井八知栄)には本当の家族がいた!
立派なお屋敷に連れて行かれ夢のような幸せにひたるも
母親は様子が変だし、父親の研究室がある地下には、
毒蛇がうじゃうじゃいるし、
天井からはいつも誰かが覗いているみたいだし

なんか 変!

情緒不安定な母親と、突然現れた不気味な少女、怪しげなお手伝い。

たったひとりまともだった父親は仕事で外国に行ってしまい、
小百合は「タマミ」という邪悪な少女に
とことん痛めつけられるのだった。

でも小百合ちゃんは根性があって打たれ強いんですねえ。

タマミとくれば、「赤んぼう少女」を思い出さずにはいられない。
漫画版タマミは醜く、チャッキーよりも残酷。
いたいけな赤ん坊の姿という点が衝撃だった。
しかもその姿を利用したりするしたたかさも持っているのだから最強!
だがどんなに乱暴狼藉を働いても
どこか「哀れ」がつきまとっていた。凄い顔だったが。

こちらのタマミは赤ん坊ではないけど、
一度見たら忘れられなくなりそう。
その容姿のために屋根裏に暮らしていたのだった。
(気の毒)

唐突に登場する白髪魔(実はお手伝い)はかなり凶暴です。
悪夢の描写や蛇だらけの恐怖シーンがリアルで楽しい。
私は仏壇の中から顔が覗く場面で腰が抜けそうになりました。

醜い姿には醜い魂が宿るのか?
と、漫画版と同じく終盤にさしかかるまではそう思ってしまう。

いいや、違う。

ラストで
暗い気持ちに沈んでいる観客を救う優しさを持つ作品でもある。

外見よりも心だ!
の、メッセージがこめられた美少女受難の物語。

1968年 監督 湯浅憲明
脚本 長谷川公之
原作 楳図かずお
撮影 上原明
美術 矢野友久
音楽 菊池俊輔
特撮 藤井和文

●楳図かずおのオフィシャルサイト
オリジナル漫画「ママが怖い」がアップされていた。ご参考までに。

●映画の中の可愛い娘っこ
松井八知栄:少女雑誌のグラビアから抜け出してきたかのような
愛くるしいお顔に確かな演技力。ショートカットがかわゆい。
「河童の三平」などにも出演していた売れっ子子役さんだったらしい。
ネットで調べたらその後プロボーラーに転身したそうだ。今もお元気なのかしら。


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