久しぶりに語源に関する書き込みで、今回は住宅などに関する言葉です。
しもたや(しもた屋):
関西では余り使わない言葉で、しも(下)という言葉から想像して、“下町の余り裕福でなさそうな家”というイメージの言葉かと思っていたのですが、見事に違っていましたね・・・
本当の意味は、“商店街にあって、商店でない普通の住宅”という意味ですが、その語源も面白いです。
「しもうたや」が音変化した語で、「しもう」は、「終える」「片付ける」を意味する動詞「仕舞う(しまう)」に由来し、漢字では「仕舞屋」「仕舞うた屋」「仕舞た屋」などと書くようです。
ここでの「しまう」は、「店をたたむ」「商売をやめる」といった意味で、江戸時代にある程度の財産ができると店をたたんで、普通の家に住むことを言ったようです。
しもた屋の多くは、表向きは普通の家であるが、家賃や金利などで収入を得て、裕福な暮らしをする者が多かったといわれる。
ふしん(普請):
建築や土木工事などをすることを「普請」と言いますが、この語源は「普(あまねく)」+「請(こう)」で寺院などの工事で、多くの人に請い労役に従事してもらったことに由来し、‟寄付・労役を多くの人に請う”ことを意味し、更に建築や土木工事を指すようになったようです。(まさ)