goo blog サービス終了のお知らせ 

老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

タイの頭かイワシの頭か? 

2020年02月16日 20時04分43秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
(今日は、日曜日としては久しぶりの雨で、テニスもできず家の中の片づけを終えて、PCの前に座れる時間がありましたので、このブログの書き込み準備などをタップリできましたので、後4~5日は悩まずに他の要件に掛れそうです。)

 先日の衆議院予算委員会で立憲民主党の辻元清美氏が、質問を終えた後に「鯛は頭から腐る。上層部が腐敗していると残りも すぐに腐っていく。頭を替えるしかない」というような内容の自分の意見を述べて安倍首相を批判したことに対して、「意味のない質問だ!」とヤジを飛ばした安倍総理に野党が反発。これに対して賛否両論が入り乱れて一騒動になったことが話題になっています

 私は、企業などで“組織は頭から腐る”というような表現がよく使われるので、これと同じような言葉だと思っていたのですが、『鯛は頭から腐る』という言葉を知らなかったので、念のために少し調べてみました。

 やはり、日本や中国の諺などには「鯛は頭から腐る」に類する諺は見つけることがきませんでしたが、https://budo-no-hana.com/やhttp://agora-web.jp/に拠ると、ロシアやトルコにはこのような諺があり、“組織は上層部からだめになっていく”とか、“無能な指導者が相次いで国が廃れる”などの比喩とされているようですので、辻元氏がこれを知っておられたとすれば、その指摘はあながち無理なこじつけではないようです。

 もりかけ問題や桜を見る会の経緯を見てみると、「魚心あれば水心」のように知人やお友達を優遇し、あげくは「臭いものには蓋をする」ように数々の隠ぺいがなされたことは多くの国民が感じていますが、これに追随するように各官庁で書類の廃棄や隠ぺいが横行しています。

 この体質はますます酷くなり、
・最近では従来の法解釈を捻じ曲げてまでも、東京高検検事長の定年を延長して、高裁検事の人事を恣意的に図ろうとしていますし、
・更に人命に関わりかねない事項としては、日本原子力発電が敦賀原発2号機の再稼働に向けた審査資料で、活断層の存在を隠ぺいするようなデータ削除までしました。


 正に、ロシアやトルコの諺のように、“魚が頭から先に腐り始めるように、組織もトップがだめだと下もそれに倣い、やがて全体が劣化する”状態が露骨になっているのですが、これに対するマスコミなどの反応は極めて弱いように思えます。


 また、この件に関して私なりに下記のようなことも思い浮かべました。

◆辻元氏は何故「魚」一般ではなく、「鯛」という表現をされたかということです。
 「魚」でも意味は同じだったのに、「鯛」といことばを使われたので、私は『腐ってもタイ』という諺を思い浮かべました。
これは、“タイは魚の王様”というような意味を含んだ諺なので、最近の自民党なり安倍政権に対等に対応できない野党の状況を脳裏に置かれたのかと思いました。
正論なら、卑屈にならずに堂々とされていてもいいのではないでしょうか。

◆もう一つ思い浮かべたのは、『鰯の頭も信心から』という諺です。
 これは、“たとえどんなつまらないものでも信心のしかたしだいで、尊くありがたいものになるという”宗教的な意味を持つ諺ですが、今の自民党や官僚を見ているとみていると、その不甲斐なさにびっくりします。
まさに、人事権を持てば、鰯でもタイを超えることができるのでしょう。
(まさ)

株価が29年ぶりの高値?

2020年01月02日 19時44分48秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 12月31日の新聞TVやニュースでは、年末の株価が29年ぶりの高値となったというニュースが踊り、スポーツジムのサウナの中でもこのニュースを嬉しそうな顔で話しているグループもありました。

 先ずは、ご同慶の至りと言いたいところですが、そんなに嬉しくて喜ばしいことなのでしょうか?     

 へそ曲がりな私には、かってのバブル以上に危険な場面だとしか思えません。)

 以前のバブルの時は、まだ民間がある程度活力を持っていて、国民全体を巻き込みながら突き進んでいったという感じがありますが、今回は明らかに違います。

 少子高齢化と人口減少が顕著になり、産業界の頭打ちが明らかな中での現在の株高は、先日(年末の12月29日)も触れたように、年金基金や日銀の資金をつぎ込んだ禁じ手とでも言うべき政府主導のものであり、これが破綻すれば国の財政や我々の年金などに及ぶ影響は計り知れないものになるでしょう。

 かっての例ではありませんが、年明け早々に一瞬にして床が抜け落ちて、夢から覚めるという事態にならねば良いのですが…(まさ)

こうなりゃ安倍さんにはトコトン政権を任せましょうか

2019年12月29日 20時00分12秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 ここの所、「桜を見る会」などで新たな大きなほころびが見え始めた安倍政権ですが、不思議なのはその支持率です。

 若干下がったとはいうものの、依然として高い支持率があるようですが、その理由は「他の人よりまし」というものと「株価に見られるように経済が安定している」という理由が多いようです。

◆「他の人よりまし」?
・安倍政権下になってから、内閣府の権限が異常に強化され、官僚の人事権を把握することで統制力を強化して、党内にも安倍政権に反対しにくい“安倍一強”というイメージを作り上げたという事があるでしょう。

・しかし、モリカケ問題や今回表面化した「桜を見る会」などに見られるように、お友達だけを大事にし、追及されそうになると、関係書類はかったものにするという対応が普遍化しました。

・しかも、この「自分を守るためには、政治指導者としての矜持などなくても良い」という態度は、他の閣僚や政治家そして官僚に迄波及して、この国はもはや民主国家とは呼べない様な状態になっています。
このような人が「他の人よりまし」と思うような人は、民主主義の基礎を理解しないだけでなく、与党内の人材不足を認識しておられるかでしょう。


 ◆「株価に見られるように経済は安定」?
・就任当時に鳴り物入りで宣伝したアベノミクスは完全に尻すぼみの状態で、最近では首相の口からも余り聞かなくなりましたが、株価はそこそこの水準を維持しているようで、これが資産を持つ人たちの人気になっているようです。

・株価変動の要因は複雑ですが、株価決定の最大の要因は企業業績とされ、売り手と買い手のバランスで決まるというのが一般的な常識でしょう。
殆どの企業の業績や先行きも余り良くないし、買いの材料となる国民の可処分所得も増えているとは思えないのに、なぜ株価が下がらないのでしょうか?

・アメリカの一見好調そうな経済指数に支えられている面もあるでしょうが、日本ならではの特異性があることを見逃すわけにはいかないでしょう。

★先ずは、安倍政権化になって顕在化した、公的年金の積立金の株式での運用容認があるでしょう。
諸外国では、このような年金積立金の株式運用はリスクがあり過ぎるとして禁止されている国が多いのですが、何と日本では積立金(17年度末で164兆円)の半分程度を株式で運用し、その内の半分(合計で約40兆円)が国内株式に投入されています。

★更に、日銀の日本株への投資が異常に増えています
現在日銀は上場投資信託(ETF)を年間約6兆円購入しています。
この結果、日銀の保有残高(時価ベース)は19年3月末時点で28兆円強となり、東証1部の時価総額の4.7%に相当します。
日銀が同じペースで買い続けると仮定すると、20年11月末には約40兆円に増えて、現在6%超を保有して我が国の最大の株主である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を上回る計算になるということです。(2019/4/16日経デジタル)

 このように、ある意味では禁じ手である、公的年金の積立金や中央銀行からの買い支えによって、現在の株価がかろうじて維持されている訳で、言わば需給を反映しない(経済原則に反した)株価なわけで、今後海外の要因などで株価が下がれば、年金や日銀は大打撃を受けることになり、日本経済は瓦解のリスクを負っています。

 これに、一向に改善される気配のない、国家経済の赤字垂れ流しによる国家負債の増大を考えれば、将来の見通しはますます暗くなるでしょう。


 政治家の倫理性や、国家予算の在り方と言い、国民が人口を増やすのにためらいを示した結果の人口減少といい、この国はもはや人々が魅力を感じる「先進国」ではなく, 『転落途上国』への道を突き進む以外にないのでしょう。

 私見ですが、それほど安倍政権の人気があるのなら、いっそのことこのままずっと政権を担って貰い、自分が採ってきた経済政策の結末を見届けて、責任をとって貰いたいと思います。
内輪だけで良い汁を吸って、経済を無茶苦茶にした挙句、後は任せたでは通らない所まで来ていると思います。(まさ)

2020年度の国家予算原案に思う

2019年12月28日 19時57分20秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 先日承認された2020年度の国家予算原案は、今年度の当予算案より約1兆8,000億円増加し、102兆6,580億円もの規模となり、2年連続で100兆円の大台を超えました。

 その大まかな構成は、下記の様になっています。(単位億円)

 <歳入の部>  1,026,580
税収   653,130 (内、所得税/法人税/消費税/その他(※1)
           195,290/120,650/217,190/102,000)
その他   65,888 (※2)
公債金  325,562 (内、赤字公債/建設公債、254,462/71,100)

(※1)
揮発油税/相続税/関税/印紙収入などです
(※2)
これには、外国為替資金特別会計の剰余金や、本来は借金の返済に充てられるべき18年度予算の使い残しも含まれています。

 <歳出の部>  1,026,580
基礎的財政支出  793,065
      (内、主なもの 社会保障/地方交付関係/公共事業/文教関係/防衛
              358,608/158,093/68,571/55,055/53,133)
国債費      233,515 (内、債務償還/利払 149,316/84,200


以上の予算案から言えることは、
◆まず、歳入の税収の面では、消費税が初めて最も比重が高くなり、主役となりました。
所得税や法人税などよりも多いのですから、我々年金依存者もこの国の経済を支える主役として、国政に関しても堂々と意見を言う資格があるという事が明らかになりました。

◆現政権には国の借金を減らす気持などサラサラ無く、逆に借金増加には無頓着の様です。
 即ち、歳入の赤字公債の新たな発行は254,462億円で、歳出の国債費は233,515億円なので、余り差が無いように見えますが国債費の中身をみると、利払いに84,200億円を要するので、元本返済に充てられるのは
149,316億円だけとなり、やはり当初予算案の段階でも国債残高は10兆円以上も増えることになります


 高齢者の増加に伴う、社会保障費の増加はある程度判りますが、この国の予算編成はこれらの増加分を他の経費の削減で調整するのではなく、更に消費税の増加分も財政の健全化には向けようともしない方針の様です。

 受験生への筋違いの対応依頼ではなく、国民の大事な金を預る立場としては「身の丈」に応じた予算編成をすべきではないのでしょうか?(まさ)

被害者の視線を忘れない歴史観を・・・

2019年12月25日 19時53分50秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 ジャーナリストの青木理さんは、ぶれない視線の論評で、私の好きなジャーナリストの1人ですが、12月18日の毎日新聞夕刊の「理の眼」というコラムに投稿された「歴史の傷痕と向き合う」という文章は、青木さんの思考原点がはっきりとした文章で、読む人に訴えるものが多いと思われますので、少し長くなりますがその全文を紹介させて頂きます。


『僕の父方の祖父は技官系の役人だったそうで、先の大戦中に仕事で南洋へと向かう途次、乗っていた船が撃沈されて亡くなったと記録されています。戦闘による死亡ではありませんが、広義の“戦死”ということになるのでしょう。

 このため僕の父は東京を離れて祖母の身寄りがいた信州(長野)に疎開し、すぐに祖母も病死してしまったことから、信州で働きながら成人しました。学校も信州で卒業し、信州っ子の母と結婚し、教職を得て僕を育ててくれました。他界したのは数年前のこと。

 だから僕も信州出身なのですが、考えてみれば、祖父が戦中に亡くならなければ父の人生は一変したでしょう。一時的に疎開したとしても、戦後は祖父のもとに戻り、東京などで暮らしたはず。ということは、僕がこの世に生まれることはなかったかも。先の大戦は多くの人びとの運命を激変させたとつくづく思います。

 そんな私的なことを書いたのは、戦後70年以上が過ぎて先の大戦を直接知る世代が次々と鬼籍に入り、戦争の記憶が薄れてきていると指摘されるなか、それは確かにそうなのですが、少し立ち止まって考えれば、僕たちの世代にも傷痕は深々と残っていることに気づかされるからです。僕の祖父や父よりはるかに凄惨(せいさん)な境遇の方もたくさんいるでしょう。

 僕が長く駐在した韓国も同様でした。いや、長期の植民地支配を強いられ、しかも解放後は南北に分断され、半島を焦土に変えた朝鮮戦争まで経験した地の人びとには、南北合わせて1000万人ともいわれる離散家族等を含め、歴史の傷がもっと生々しくうずいています。

 一方の日本では昨今、いつまで謝罪を求められるのか、といった言説が盛んです。でも、苦難を強いられた側の傷はそう簡単に癒えず、かつて植民地支配した地の分断の責からも日本は逃れられません。いまを生きる人びとに生々しく刻まれた歴史の傷痕とは真摯(しんし)に向き合い続けるしかないのです。

 そういえば、現首相の祖父は先の大戦中、旧満州国(現中国東北部)の経営などにあたって戦犯容疑者となりました。首相の歴史観が敬愛する祖父を思ってのことなら、彼もまた歴史を背負って生きているわけですが、それはまさに「支配者の歴史」。両国間で深まる溝の本質はそこにあると考えるべきです。』


まさに青木氏が言われる通りでしょう。

 戦争などの理不尽な出来事によって蒙った傷は、それを被った被害者本人だけでなく、その周辺の人々を含めて数世代にも及び関係者を巻き込むのですから、その理不尽な要因を引き起こすことに関与した国家・人々はその責任を深く感じるべきでしょう。

 そのようなことに想像力が及ぶか否かが、政治家として必要なことではないでしょうか。

 そのような政治家として必要な惻隠の心を持った想像力が全く見受けられず、韓国との関係に付いては、「日韓基本条約で解決済み」一点張りの極めて冷たい態度を維持しつつ、かって他国に理不尽を押し付けた側に与して戦犯となった祖父の意向を継ぐのが目的と公言するような人が日本の政治を主導することに対して、かって日本の被害を蒙った側の隣国の人々が理解できるはずがありませんし、ましてや同じ国民としても安心して国の将来を任せることなど出来ないでしょう。

 そんなことを改めて思い起こさせる青木氏の一文でした。(まさ)