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老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

レジ袋有料化について   その② ~見えてきた問題点~

2020年09月06日 19時09分48秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
◆まず、持ち帰られたレジ袋はそのままゴミとして廃棄されるのではなく、各家庭でそれなりにある程度有効利用されていたことは事実でしょう。

 また、レジ袋を有償化するならそれはそれで良いのですが、従来の袋をそのまま有償化するのではなく、焼却しても有害物質の発生が少ない材料とか、或いは地中で分解され易い材料を使ったものに限定するとかすれば、少し懐は痛んでも環境問題に貢献できるという満足感はあると思います。

◆問題は、このようなレジ袋への対応ではなく、もっと大きな所にあると思います。
・家事を担当し始めて改めて驚いたのが、食品の包装に使用されているプラ製品の量の多い事です。
スーパーなどで販売されている殆どの食料品がポリ製品でラップされたり、或いはポリ容器に入っていたりで、都会に住む家庭から発生する食品包装の量は莫大です。
(大阪市内では週1回の回収ですが、我が家でも極めて多量のプラゴミが発生し、その量にはいつも驚かされます)

・これと比べれば、レジ袋の量などは微々たるものと言わざるを得ず(※)、本当に経産省の言うように“廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題への対応”を考えるのなら、微々たる量のレジ袋ではなく、食品だけやなく衣料品など各種製品の包装に使用されている莫大な量の袋やポリ製品の削減策を考えなければ本末転倒ということでしょう。

 ※経産省の資料などに拠れば、石油の用途は熱源(発電・暖房など)40%、動力源(飛行機・車両・船舶など)40%、そして石油化学原料(プラ製品・タイヤ・繊維など)20%とされていますが、原油及びナフサ輸入量に対するプラスチック製容器包装出荷量の割合は2.0%程度であるとされています。

◆レジ袋問題が経産省の言う通りに、“プラスチックの過剰な使用を抑制することで、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとする”という事であれば、プラ製品だけでなくて、現在社会の大いなる資源の無駄使いに対してもメスを入れるべきでしょう。

 日本に於いて、生産・流通・或いは家庭から出る廃棄食品(所謂、食品ロス)は一説では年間600万トン以上とされ、その実態は判りませんが、何れにせよビックリするほどの量になることは疑いないでしょう。
 この、資源が少なくて、輸入依存度の極めて高い日本に於いて、このような資源の無駄な消費を抑制することを先ず考えるのが政治の役目ではないでしょうか。


 何れにせよ、経産省が主導した「レジ袋有料化」問題については、何れ近い内にその成果と効果の纏めが公表されることを望みます。(まさ)

レジ袋有料化について  その① ~個人的な検証~

2020年09月05日 19時12分48秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 7月にレジ袋の有料化が始まってから約2ヶ月が経過しましたが、非常に身近な出来事でもあるので個人的な見解を纏めてみました。

◆有料化の目的
 この有料化を指導した主管官庁である経産省は、同省のホームページで“廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題への対応”としていますが、併せて、“プラスチックの過剰な使用を抑制することにで、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとする”ともいっています。

 所謂レジ袋の削減でどれだけの効果があるかははっきり示されていませんが、新聞やTVなどで幾度となく目にする地球温暖化や海洋プラスチック問題を考えれば、この政策に異論を唱える人は先ず殆どいないでしょう。

◆7月1日以降、レジ袋購入者は極めて少なくなった
・我が家での買い物担当としての私も、常にマイバックを持ち歩くようになりましたし、スーパーなどで見ていても、有償のレジ袋を購入する人は極めて少ないようです。

・その理由は、上記の通り少しでも地球温暖化や海洋プラスチック問題に寄与できればと言う気持でしょう。

・それと共に、昨日までは無料で配布されていた、企業名や店名が大きく書かれたレジ袋に例え3円とか5円とかの僅かな金額だとしても、金銭を支払う事に対する抵抗感があることは当然の気持でしょう。

◆我が家での出来事
 しかし、その結果家庭では少し困った事態が起こりました。
家庭で発生する生ゴミの処分方法(と言うか、家庭での保管方法)です。

・私の住んでいる築40年近い集合住宅には台所にはディスポーザーなどあろうはずもなく、大阪市内では家庭で発生する生ゴミの回収は週2回なので、その日までは家庭内で処理することになります。
今までは、食事の都度に発生する生ゴミはスーパーなどで頂くレジ袋に入れて、ベランダの容器内で保管していましたが、このレジ袋が無くなりさあ大変!

・止むなく、スーパーなどに行った際にスーパーの籠から持参のマイバッグに入れる際に、冷凍品などを包む小さなポリ袋を1~2枚余分に頂いて帰り、今までのレジ袋に変えてこの小さな袋に生ゴミを入れて、ベランダの容器にて保管と言う方法を採っています。


 このように、確かにレジ袋の使用は殆ど無くなったが、生ゴミという問題に対応するためには、新たにスーパーから無償ポリ小袋の持帰りと言う事になり、果してどれだけの貢献が出来ているのか疑問です。


 このように約2ヶ月のレジ袋有償化の経験を踏まえて、今回のレジ袋の有料化政策がどの様に地球温暖化や海洋プラスチック問題に寄与出来るかを考えてみると非常に暗い気持ちになります。(まさ)

安倍首相の辞意表明に関して

2020年09月03日 19時28分30秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 先日の安倍首相の辞意表明については、今まで一貫して安倍政権に批判的だった私にとっては一つの区切りにはなりましたが、これですっきりとしたとはとても言える状況ではありません。

 後任の自民党総裁を巡っては、まだ立候補表明もしていない人が早々に有力視されたり、“政策や政治理念は全く関係なし。兎に角勝ち馬に乗って主流派となり、今後の冷遇を避けたい”という派閥の理論がより露骨になった自民党の政治姿勢が良く現れていて、次期首相にも何らかの期待は難しいでしょう。

 更に、安倍首相は辞任に当って、今までの政治の総括など自らされるとは思えず、私には、病気を理由にして、色々な問題から上手く逃れたなあというモヤモヤ感だけが残っています。


 そう思っていると、昨日(9月2日)の毎日新聞夕刊の「理の眼」というコラムで、青木理氏が『疑惑、不正への落とし前を』というテーマで、私が持っている思いを上手く表現してくれていました。

 少し長くなりますが、その全文を引用させて頂きます。(まさ)


 “持病の悪化を理由にまたも政権を投げ出した形の首相。1人の人間としては、もちろん衷心よりお見舞いを申しあげ、早期の体調回復をお祈りします。ただ、為政者としての評価や責任は別の話。特に自らが招いた数々の疑惑や不正に関しては、辞任前にせめて説明責任を果たし、落とし前をつけてもらわねばなりません。

 たとえば、森友学園への国有地売却をめぐって公文書が改竄(かいざん)されたのはなぜですか。後世に歴史と教訓を伝える国家の記録であり、「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」(公文書管理法1条)たる公文書が改竄されたのは、あらためて申しあげるまでもなく前代未聞の犯罪的行為。最前線の現場では1人の公務員が命を絶ち、その妻はいまも真相の解明を訴えています。

 また、前法相夫妻が公職選挙法違反(買収)の罪に問われるという、これまた前代未聞の事件はなぜ起きたのですか。前法相は首相が側近として重用し、問題の参院選では自民党本部から前法相の妻の陣営に1億5000万円もの巨額資金が流れています。これが買収に使われたのではないですか。なぜこれほどの巨額資金が渡ったのですか。原資は公金を含む政党助成金ではないのですか。

 ほかにも疑惑や不正はいくつもありますが、これらの真相解明はさして難しくありません。公文書の改竄は、首相として財務省に徹底調査を命ずればいいのです。前法相夫妻への巨額資金問題は、党総裁として党に解明を命ずればいいのです。実に簡単至極。

 それをやらずして去る首相に「お疲れさま」などと言う気分になれますか。疑惑や不正が持ちあがるたび、これほど嘘(うそ)や詭弁(きべん)を連発した政権が過去にありましたか。「私は政権を私物化していない」と開き直るのではなく、せめて自らが招いた疑惑や不正の決着ぐらいつけていただけませんか。

 なのに後継をめぐる総裁選レースは、どうやら官房長官の選出で流れが固まった気配。口先では「政策の継続性」などと言っても、要は「勝ち馬に乗る」ということでしょう。透けて見えるのはポストやポジション取りを睨(にら)んだ政治屋の群れの打算と保身。逆にもし「継続性」があるとするなら、それは「政策」でなく、数々の疑惑や不正をめぐる「隠蔽(いんぺい)の継続性」。うんざりする政治はまだ続きそうです。(青木 理 ジャーナリスト)”

安倍政権の終末  その② ~責任は有権者に~

2020年08月26日 20時17分36秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 その①で見てきたように、なぜこのように実績もない人がこれだけ長期間にわたり政権を担当できたかのか、考えてみれば非常に不思議なことですが、これが日本の政治の不思議ということでしょうか。

 その原因を思いつくままに挙げてみると、
・実績がないからこそ、反対者も少なかった
・野党のふがいなさと自民党派閥のバランスが上手く作用した
・アメリカにトランプと言う訳のわからない大統領が出てきて、「政治」と言うもののイメージが滅茶苦茶になってしまった。
というようなことになるのでしょうか。


 この安倍政権時代の失政とでも言うべき政治は、必ずや後世の国民よりの非難・誹りを受けるでしょうが、最終的な責任の多くは、私たち現在の有権者にあると言わざるを得ないでしょう。

 後になって「そんな事とは知らなかった」とか「騙された・・・」とか、何と批判したり言い訳をしようとも、私たち現在の有権者が、安倍首相の唱える現在バイアス(※)に基づく幻想に飛びつき、あるいはこれを信じたいと思った結果として安倍政権の存続を許してきたからです。
(※)目の前にある事柄を過大に評価してしまい、未来にある満足よりも、現在の満足のほうを優先してしまうことです


 何よりの問題は、これらの失政による将来のツケは誰が払うのか??ということでしょう。
私たちより後の世代(子や孫たちや更にその子孫たち)が負担せざるを得ないのです。
言い方を変えれば、私たち現在の有権者が、まともな政治運営を選択しなかった事に拠る負の遺産は、私たち世代ではとてもカバー出来ず、子孫たちに押し付けることになるのです。

 私たち自身も民主主義と言う言葉の美しさに惑わされ、或いは盲信し、真に国民の為になる政権を選ぶという有権者としての大きな責任を放置してしまっていた結果がこれです・・・(まさ)


安倍政権の終末 その① ~「山高きが故に貴(たっと)からず」~

2020年08月25日 20時15分40秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 最近は健康問題が大きくクローズアップされ、引退も現実味を帯びてきた様な気配ですが、あの安倍首相の連続首相在任期間が昨日(8月24日)で2799日となり、歴代最長となったようですし、通算在任日数も3165日と歴代最長を更新中の由です。

 我が国の首相にも拘わらず、お祝の気持などさらさら湧いては来ず、逆に「山高きが故に貴(たっと)からず」(※)をもじって、「(首相の)在任期間の長きが故に貴(たっと)からず」と言う言葉が浮んで来たのは私だけでないでしょう。
(※)平安時代の寺子屋の素読用の教訓書『実語教』にあるようで、全文は「山高きが故に貴からず、樹有るを以て貴しと為す。人肥えたるが故に貴からず、智有るを以て貴しと為す」のようです。


 本当に長期にわたって首相を務められているのですが、その実績は?と振り返るとどうでしょうか。


◆2018年7月20日のこのブログでも触れたように確かに毎年毎年これでもか?と言う位のスローガンを掲げられました。
 例を挙げると、“アベノミクス”“三本の矢”から始まり “新三本の矢”だけでなく、経済再生を主目的として、下記のような新しいスローガンを次から次へと掲げられました。 
   一億総活躍社会
   地方創生
   IR(統合型リゾート)実施法案
   女性活躍・女性が輝く社会
   待機児童ゼロ・幼児教育無償化
   非正規(労働)という言葉をなくす
   介護離職ゼロをめざす
   意識改革
   規制改革
   働き方改革
   人づくり革命
   生産性革命
 特にビックリするのは、現在では共産党も使用しなくなった“従来の被支配階級が支配階級から国家権力を奪う”という意味を持つ「革命」という名前すらついたものもありました。

 また、国際的には日ロ領土問題の解決、北朝鮮拉致問題の解決、独自外交路線の確立といったような大見えを切った目標も多々ありました。


◆このようにヤル気感は充分に演出されましたが、その実績はと言うと≪?≫でしょう、
 まず、上述の経済・外交政策だけでなく、色々な派手なスローガンは殆ど実現できなかったと言っていいでしょう。

 そして、なし得たというより、長きにわたる政権担当の結果として残したのは下記のようなことでした。
・かろうじて、実績といえるのは、反対者の意見も充分に考慮しないままに数の力で成立させた、「特定秘密保護法」と「安全保障関連法」くらいなものでしょう。
・経済は活性化せずに、国家の赤字体質が固定化され、国家財政は危機を予感させる状態に。
・総理府の権力限強化と共に、優秀な官僚を委縮させ、忖度の上手い人やヒラメの取り巻きが幅を利かすようになり。
・議会制民主主義の無視と形骸化し、記録も残さない政治の横行。
・更に、政治を私物化し、お友達や応援者を優遇する政治を横行させるとともに、政治家の何たるかも知らない側近を登用し、逮捕者を含め閣僚辞任者や国会議員に相応しくない議員の大量発生を招き政治不信を拡大。
・挙句の果ては、それらの責任は一切取ろうともしない世間の常識とはかけ離れた傲慢さ。
・外交面では、独自性のカケラもなく、まるでトランプの子分となっての対米従属の更なる深まると共に、環境問題や核兵器抑制には全く発言しないというような状態でした。


 更に如何に想定外の出来事とは言へコロナウィルし感染症問題では、専門家の知恵を借りずに取り巻き連中が提案した、人気取りを目的として金額を考慮に入れない馬鹿げた施策の連続で、今までの支持者からも顰蹙をかう始末となり、ついに国会閉鎖のままで今日に到っています。


正に、アベノミクスに始まり、アベノマスクで終わるという、皮肉な結末と言えましょう。(まさ)