(久しぶりに、政治に関する話題です)
以前このブログでも、現首相のことを「“秋田県出身の苦労人”という言葉で、何となく“素朴で市民感情が判る人”というようなイメージを与えているが…」と書き込みましたが、段々と馬脚を現しつつありますね。
自分が先頭にたって安倍元首相を庇ってきた「桜を見る会」の疑惑に対して、何一つまともな対応をしませんし(というより、できないのが本音でしょうか?)、学術会議や自民党元閣僚の選挙違反/収賄容疑問題に関しても、明確な態度表明もせずにダンマリで押し通すつもりでしょう。
更に、見苦しいのはコロナ問題に対する対応の拙さで、国民の安全よりも産業界の方に重点を置いた対応には国民の多くが拒否反応を示し、支持率低下に慌てて今まで強硬に指導してきた方向を転換せざるを得なくなっていますが、更に自分自身が多人数での食事会に出席したことが公になったりと、弁解の余地はないでしょう。
「苦労人」という言葉に、多くの国民が抱いていたであろう“国民の実態に対する理解”という期待感は脆くも外れてきましたが、「苦労」というのが“国民目線に立っての政治を行うための苦労”ということよりも、“政治権力をいかにして握るかに重きを置いた苦労”と考えれば当然でしょう。
また、以前の首相と同じく、口では“国民の命が大切”とは言いながらも、“産業界の活性化が、より大切”という姿勢が見え見えの以上は、大きな期待などできないでしょう。(まさ)
管政権の発足後1ヶ月が経過しましたが、何か危険な雰囲気と不気味さを感じています。
秋田県出身で夜間大学で勉学した苦労人で、政治も市会議員からからのたたき上げということで、期待を持って迎えたマスコミも多かったですが、果してそうだったでしょうか?
“秋田県出身の苦労人”という言葉で、何となく“素朴で市民感情が判る人”というようなイメージを受けますが、彼は約7年にも亘る不毛な安倍政権を官房長官として中心になって支えてきた(或いは主導してきた?)立役者であり、就任時にも「安倍政権の継承」を宣言した人なので、私としては何の期待もしていませんでした。
それどころか、今、想像以上に何か不気味さを感じています。
官房長官時代からもそうでしたが、不都合な質問には「関係ない」或いは「問題ない」とか「お答えを差し控える」いう一言で片づけてしまい、全く説明をしようとはしません。
また、問題の学術会議の任命拒否についても、「多様性が大事」などと訳の判らない言葉でごまかして、理由の説明など全くする気が伺えません。
「多様性が大事」なら、自分と意見の合わない立場の人の存在を認めるのが本当の筋でしょうに・・・
前安倍首相の場合は、育ちの良さ(?)の関係か、国民が望まないことを主張する場合には多少の“気遅れ”或いは“ためらい”というような感じを何となく受けたのですが、管首相の場合は全くこのような甘さはなく、常に笑顔のない冷酷な顔つきのままです。
このままだと、民主主義とは多数決なりと、自民党一強を利用して、問答無用とばかりに極めて冷静にしかも実務的な手腕で全体主義への足固めをしかねないでしょう。
そして、それをアシストするのは、忖度にまみれた官僚と、現在バイアスで自己の経済的利益にしか関心のない国民でしょう。
そんな時に、先日の新聞で作家の保坂正康氏の「政府の暴走に危機感」というインタビュー記事が掲載されていて、その中でドイツの牧師で反ナチス運動の指導者だったマルティン・ニーメラーの言葉を紹介されていて、非常に興味深く読みました。
この「マルティン・ニーメラーの言葉」については全く初めて聞きましたので、念のためにWIKIPEDIAなどでチェックしてみると下記のような事が判りました。
マルティン・ニーメラー(1892~1984年)は、ドイツのルター派牧師で、反ナチ運動組織告白教会の指導者だった人ですが、彼の詩なるものが有名になっています。
しかし、ニーメラー財団は“ニーメラー自身は原稿の無いスピーチの中で成立してきた言い回しで詩として発表されたものではないとしており、厳密な意味でのオリジナルは存在していない”としています。
ミルトン・マイヤー(1908~1986)の著書『彼らは自由だと思っていた』(1995、英語版)において、ドイツ人の教授から聞いた話としてニーメラーの行動について以下のように記しているのが「詩」として引用されているらしいので、この『彼らは自由だと思っていた』より紹介させて頂きます。
ニーメラー牧師は何千人もの人々の前に、彼自身のことを(あまりにも謙虚に)こう語った。
“ナチスが共産主義者を攻撃した。彼はやや不安になったが、彼は共産主義者ではなかったので、何もしなかった。
そして彼らは社会主義者を攻撃した。彼は不安だったが、社会主義者ではなかったので何もしなかった。
それから学校が、新聞が、ユダヤ人が、となり、彼はそのたびに不安になったが、やはり何もしなかった。
そして彼らは教会を攻撃した。
だから彼は何かを行なった。しかし、それは遅過ぎた。“
尚、今日は10月最後の日ですが、前にもふれたように、今月2度目の満月でした。
今日は雲もなく、先程クッキリとした満月を見ることができました。(まさ)
安倍政権になってから、次期首相の最有力候補である菅氏を長とする内閣官房が幹部官僚の人事権を握ると共に、あらゆる政策で省庁をリードする体制を強めていることは、ある程度感じていましたが、内閣官房の分室が40にもなり、人員も1200人が配属されているというのです。
直接に行政に関わる各省庁とは違って、普通はまず気にしない組織ですが余りにも気になるので、素人なりに少し調べてみました。
内閣官房のホームページ(https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/index.html)によれば、今年7月末の官房副長官管轄の組織は40を数え、「働き方改革実現推進室」「一億総活躍推進室」「人生100年時代構想推進室」「まち・ひと・しごと創生本部事務局」など、安倍政権が掲げた華々しい数々のスローガンに対応するものが含まれています。
内閣官房は、“内閣の補助機関であるとともに、内閣の首長たる内閣総理大臣を直接に補佐・支援する機関で、 具体的には、内閣の庶務、内閣の重要政策の企画立案・総合調整、情報の収集調査などを担っている”となっている以上は当然かも知れません。
これらに従事する詳しい人数までは確認できませんでしたが、何れにせよ内閣官房の組織が、安倍首相が毎年次々に掲げる新しいスローガンに合わせてこれを何とかカバーするべく、色々な分室が作られていったのは間違いなく、安倍政権下で急速に膨れ上がったのは事実でしょう。
明日決まるらしい安倍首相の後任の最有力者とされている人は、この内閣官房の長として敏腕をふるってこの組織を積極的に拡大させ、しかも“安倍政権の継承”を自称している訳ですから、この内閣官房組織は一層の拡大を見せて行くのかも知れません。(まさ)
私も、安倍首相の辞任意向を聞いて、“やっと一区切りか、同じ高齢者として病気対応に専念して下さい”という気持は湧きましたが、とても「ご苦労様」とか「良くやったね!」とかいう気持は湧きませんでした。
やはり、総理大臣という最高権力を持つ公人として、その在任中になされたことが余りにもお粗末という事です。
国の将来と言う事を口にしながらも、モリカケ/桜を見る会に代表されるように、国費を利用してのお友だちへの利益誘導や、法律違反を平気で犯して逮捕されるようなレベルの取り巻き連中を政府の要職に抜擢したり、一言で言えばお友達や親しい人への優遇の連発で、全く言語道断です。
また、安倍政権の実績として経済活性化を挙げる人が多いのですが、果してそんな実績があったのでしょうか。
・確かに株価は上昇した様ですが、これは企業の業績向上に拠るものではなく、異常な金融緩和に拠る過剰資金と偶々アメリカの好景気に引きずられたもので、日本経済の実情反映とはほど遠いものでしょう。
・また株価の上昇で多少潤った人があるかも知れませんが、むしろ企業や個人の格差拡大をもたらせたのが安倍政権下の実情でしょう。
・その挙句に、負の成果として国の借金だけは着実に拡大し、日銀の体質も非常に歪なものとなっていて、このツケは我々世代ではとても解決できるものではなく、子や孫の代の大きな負担となるでしょう。
何よりも、安倍政権は「経済」だけを大事にしてきました。
確かに経済は国家にとって大事な要素ですが、それより大事なものがあるという視点は全く感じられませんでした。それは「人」なのです。
思い出したように、「一億総活躍」とか「女性の活用」などという言葉を付け加えてきましたが、その政策からは「人」を重要課題とするとの意思は全く感じられませんでした。
要するに、心に響く様な事は何もしなかったという事です。
スポーツ選手でも、“記録よりも記憶に残る!”をモットーとしている世の中で、政権担当の最長記録を更新はしたものの、国民の心に残る様な政策が何もなかったというのが、安倍政権の実績なのです。
それと共に、自分に都合の悪い事がらに対しては、ウソや詭弁を繰り返すと共に、内閣官房の力を強めて官僚の人事権を掌握した結果として、自己の説明に合うように公文書の改竄や破棄を容認し、挙句の果てはそれにたずさわった公務員が自ら命を断つに至ったことに対しても平然とされている様は、今後の日本の政治の在り方を大きく歪める事になるでしょう。
公人としてのこれらの行為は、例え本人が体調を崩されたにせよ帳消しになるものではないでしょう。
それにしても、優しすぎる(?)日本人が多すぎるように思えます。
「水に流す」とか「去るものは追わず」「武士の情け」とかいうような浪花節的な情緒を日本人の優しさと勘違いされているのではないでしょうか。
個人レベルのことならそれで良いのかも知れませんが、国の最高責任者として長年にわたりおかしな政治を繰り返してきた公人に対しては、もっと毅然とした態度を採らなければ、国民を無視したこの国の政治屋の姿勢は変わらないでしょう。(まさ)
・化学知識があまりないので断定はしかねますが、やはりプラ問題は
(イ)廃棄物・資源制約
(ロ)海洋プラスチック問題
(ハ)地球温暖化問題
など、項目を分けて検討すべきではないでしょうか。
・(イ)については、「廃棄物」に関しては、その②で検証したように、レジ袋の比率などはごくわずかで、それよりもペットボトルや包装資材として大量に使用されているプラ製品の回収や削減を検討することが先でしょう。
また、「資源制約」については、石油の削減なのか、それ以外の資源も含めるのかが判りにくいですが、仮に石油資源を指しているのならそれこそ極めて比率の少ないレジ袋ではなく、その他の石油製品を主題にすべきでしょう。
・(ロ)については、レジ袋は少しは関係あるかも知れませんが、まずプラ製品の回収方法を根本的に見直して、ポイ捨てをなくす策を検討すべきでしょう。
・(ハ)については地球温暖化問題はCO2問題とも言えるでしょうから、同じ石油製品でも熱源や動力源として利用される分野が多くの問題を抱えている訳で、化学製品として製造されるプラ製品はそれが燃焼される場合の問題で、上記の回収方法の見直しで対応できると思います。
◆バイオマスプラスチックについて
今回、このレジ袋の有料化に関して纏めている中で、気になったのは「レジ袋の原料に重さにして25%以上のバイオマスプラスチックが含まれていれば、有料化の義務から免除される」という項目で、この理由としては環境省のガイドラインにも、「地球温暖化対策に寄与する」ためと明記されています。
バイオマスプラスチックについては、ぼんやりとは判っているつもりですが、最近はお役所の説明を鵜呑みにできない事がらが続いていますので、私なりにも少し調べてみました。
・バイオマスプラスチックとは、石油ではなくて、再生可能資源である生物資源バイオマス(※)をもとにつくられるプラスチックのことをいいます。
※バイオマス:正確な定義は非常に難しいようですが、一般的にはトウモロコシやサトウキビ由来のデンプンや糖などの「生物由来の資源」を原料とするプラスチックです。
・植物由来と言う事で一見安心感を持ちますが、WIKIPEDIAなどによると、下記の説明があります。
★バイオプラスチックとは、バイオマスを原料としたプラスチックと生分解性を持つプラスチックの総称である。
バイオマス由来であるからと言って、生分解性があるとは限らないし、その逆に、生分解性があるからといって、原料がバイオマスだとも限らない。
例を挙げると、バイオマスを原料としたバイオPETやバイオPE(レジ袋などに利用される材料)は、性能的には通常のPETやPEと同一であり、生分解性を持たない。バイオマス由来であることと、生分解性があることは、必ずしも一致しない。(バイオマス由来≠生分解性)
★そのため、日本バイオプラスチック協会のHPなどでは、原料がバイオマスであるプラスチックは、「バイオマスプラスチック」と表記され、生分解性を持つプラスチックは「生分解性プラスチック」と表記されている。
★化学にも詳しくはないので、生分解性プラスチックに関するWIKIPEDIAの記述を転用させていただきます。
“「生分解性材料とは、微生物によって完全に消費され自然的副産物(炭酸ガス、メタン、水、バイオマスなど)のみを生じるもの」と定義され、生分解性プラスチックとして、バイオマスを原料とするものは、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシアルカノエート(微生物産生ポリエステル)、ポリグリコール酸、変性ポリビニルアルコール、カゼイン、変性澱粉、低置換度多糖誘導体(低置換度セルロースアセテートなど)がある。石油由来ではPET共重合体がある”
即ち、バイオマスプラスチックは必ずしも生分解性を持つものではない事が判りました。
そうすれば、経産省がレジ袋の有料化に当り「海洋プラ問題」をも対象とする以上は、「レジ袋の原料に重さにして25%以上のバイオマスプラスチックが含まれていれば、有料化の義務から免除される」とした根拠が少しおかしくなります。
バイオマスプラスチックを広める目的は石油の節約や地球温暖化の抑制であって、ゴミとなって海洋環境を汚すプラスチックを減らすことと同じではないのです。
要するにこのレジ袋有料化の目的を、“廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題への対応”と石油化学製品が持つ問題の全てを網羅した事は、優秀な頭脳集団と言われる経産省としては非常にお粗末な限りで、バイオマスプラスチックの全てが海洋プラスチックごみ問題には役立たないことを明記すべきでしょう。
また、この制度の課題が余り絞り切れていないことも明白で、資源節約/海洋プラスチック問題/地球温暖化対策などに的を絞って、それぞれに対して細かい対応を打ち出すべきだと感じました。
更に、敢えて言えば、レジ袋問題は万引きの誘発や、レジハラ問題など多くの問題を引き起こし、一部では25%以上のバイオマスプラスチックが含まれている袋を採用して無償配布する店舗も出てきているようで、レジ袋の有償化は再検討すべきではないでしょうか。(まさ)