カレイ(鰈)とヒラメ(鮃)は同じカレイ目に属する魚なので、色や形がとてもよく似ています。どちらも平べったい葉のような形をしており、左右対称ではなく目が片方に寄っているという、少し変わった特徴を持つ魚なのです。身近な魚ですが、知らない点も多く、少し触れてみます。
◆先ずは、ヒラメとカレイの見分け方をご存知でしょうか
(1)よく言われるのは、「左ヒラメ、右カレイ」という言葉です。
A)

上がヒラメで下がカレイです。
ポイントはお腹を手前にした時に頭が左に来るのがヒラメですが、どちらがお腹か判らなければ難しいですね。
B)

左がヒラメ、右がカレイです。
頭を下側にして、中央より目が左側にあるのがヒラメ、中央より目が右側にあるのがカレイです。
何となく判った気になりますが、厄介なことに、例外も多く、日本近海の「ヌマガレイ」はほとんどが左向きであったり、ヒラメの仲間にも「メガレイ」や「テンジクガレイ」と呼ばれる種類があったりと、顔の向きだけでは見分けられないこともあるのです。
(2)ということで、もっと判りやすい見分け方があるのです。
・それは、「口の形」で、カレイとヒラメを見分けることもできます。これらふたつは食べるエサが異なるため、口が違う形に発達しているのです。
ヒラメは海底に身を潜め、近づいてきたイワシやアジなどの小魚を瞬時に襲って捕食するため、口がとても大きくて歯が生え揃っています。
・一方、カレイは小魚などを餌とせず、ゴカイやエビなどの小さな生き物を主食としていますので、口が小さくて歯が発達していません。
◆続いて、味の違いです。
・ヒラメは瞬発力があるので身の筋肉が引き締まっています。生だとコリコリ、加熱するとふんわりとした食感と、クセが少なく上品な旨味があります。刺身や寿司に、フランス料理ではムニエル。
・一方カレイは、身が柔らかいので、煮つけやフライ、から揚げ、干物など、加熱調理していただくのが一般的。
◆鮃族(ひらめぞく)というのが人間にもいます。
官庁や大会社に多く生息しているらしいですが、下はあまり見ずに、上ばかりを気にする出世指向の種類の人達らしいです。
日本と中国あたりに生息しているのかと思っていたら、最近では米国でも大発生のようですね。
一方、鰈族(かれいぞく)については、東南アジアのタイやミャンマーに少しだけ名前が違いますがカレン族というのが存在しています。
日本では以前はいたらしい華麗な一族は徐々に姿を消し、加齢族というのが増えすぎて社会問題になっているようです。
◆叩きガレイ・出平カレイ
瀬戸内海というか播州や淡路で春先によく食べられる干物に「叩きカレイ」「出平カレイ」(或いは、単に「干しガレイ」)というがあり、私の大好物です。
詳しくは「出平(でべら)カレイ・叩きカレイ - 老いの途中で・・・」(2018年2月20日)に記しましたが、
地元ではデベラ(出平)カレイと呼ばれる魚を下の写真のように干してから炙って食べるのですが、酒の肴にピッタリです。
但し、丸干しなので、骨が非常に固く、炙る前に中骨や周りの骨を叩いておく必要があるので、「叩きガレイ」という名がついています。
この「叩きカレイ」に関して、もう一つ面白いのは、先に述べたようにこの魚は現地では「デベラ(出平)カレイ」と呼ばれてはいるのですが、正式な名前は「タマカンゾウヒラメ」というヒラメの仲間なのです。
◆中国の伝説では、カレイはもともと両面が黒かったのが2つに裂けたもので、目のあるほうが片身を捜しているという話があるようで、「カレイ」の語源は、この「カタワレイヲ」(片割魚)に由来するという説もあります。
また、「朝鮮半島でよく獲れるエイに似た魚」という意味の「カラエヒ」が訛って「カレヒ」→「カレイ」になったとする説もあるようです。
日本に於いては、現在ではヒラメ(鮃)とカレイ(鰈)で別々の漢字を用いて区別していますが、昔は区別しておらず、江戸初期の辞書『倭爾雅わじか』(1694年)では「比目魚ひもくぎょ」をカレイと読ませており、その際、カレイとヒラメは区別していなかったということです。(まさ)
