「世田谷一家殺人事件」齋藤寅著より。
この本は数日前に実家の兄の所によった折に貸してもらったものだった。本自体は2006年6月に発行されたものだった。約9年前のこの事件はいまだ解決していない。
この本に関心があったのは、この被害者のお宅の前の道路を何度か車で通過したことがあり、家を見かけたことがあったからだった。他の家からやや離れて、公園の一角にさみしそうに建っている様子が目に浮かぶ。
4月の初旬にはこの公園内を流れている川沿いの桜が満開で、人々がのんびりと写真を撮ったり暖かい日差しの下で花見を楽しんでいた。しかし、そんなのどかな風景の近くで実に悲惨で恐ろしい事件が起こったものだ。
事件は2000年の12月30日から31日にかけて発生したものだった。しかも遺留品の数はおびただしいほど多かったのも異例だ。指紋さえはっきりと残されていたのだ。それにもかかわらず犯人は捕まっていない。
かなり広範囲に聞き込み調査もされていた。仕事での同僚の家にも警察がかなり経ってから聞き込みに訪れたという。いきなり警察の訪問を受けて驚いたと話していた。
また、事件から数か月後には、捜査本部の警部補が虚偽報告を繰り返していたとも報告されている。採取した指紋も警部補自身と妻のものだったという。こんな事実からも警察はまだ他にも不都合なことを隠しこんでいるのではないかと疑われても仕方がないだろう。
筆者は自信を持って犯人を特定しているが、どれくらい信憑性があるかどうかなどはわからない。しかしかなり広範囲にまた長年かかっていろいろな資料をあたり日本各地を取材したことはうかがえる。いずれにしても被害者や遺族のためにも時効前に、せめて迷宮入りにならず、犯人が捕まってほしいものだ。
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