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素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

アンコンシャスバイアス

2023年01月22日 | 日記
 毎日新聞「日曜クラブ」のコラム「新・心のサプリ」で海原純子さんがアンコンシャスバイアスについて書かれていた。箱根駅伝の中継を見ていて、監督が車からっ走者にかけた言葉に違和感を覚えたという。

 「今年の箱根駅伝もいいレースだったが、優勝したチームの監督が6区を走る学生に「男だろ」と声を掛けていたのには衝撃を受けた。翌日その話が新聞やテレビで肯定的に紹介されていたのにもかなり驚いた。私はとても嫌な気がしたので嫌な気になる人はいないのかなあ、と思っていたが私が見る範囲で「男だろ」発言に違和感があるという意見はなかった。何度かこれに反論する意見がネットで投稿されて炎上して削除されたりしていたが、今年は、この発言は、「すでに風物詩」として受け入れられているということが分かり、これにも衝撃を受けた。」

 勝負や大事な場面で思わず出る自然な発言で差別の意味はない。と弁護する人もいるが、むしろ無意識に思わず出る言葉こそが問題だと海原さんは指摘する。海原さんは心療内科医として、育ってきた社会的環境の中で培われた思い込み、アンコンシャスバイアスに縛られ苦しんでいる人と多く対面してきたので「男だろ」発言は看過できないという。

 私自身で言えば、中学校に入学してから急速に身長が伸びたが、体育の授業でうまくできないことがあると体育の先生から「大きいくせに」という叱責をよく受けたし、逆にバスケットやバレーボールで得点をとっても「背が高いからいいな」と言われたりした。背の高い低いは自分でどうすることも出来ないので、それらの声に理不尽さを感じていた。結婚して共働きをしながらの子育てでは必然的に役割分担ができ、保育園の送迎は私がするほうがうまく生活がまわるとなった。しかし、当時の保育園の職員の意識は母親が関わるのが当然と言う感じであった。「お母さんが休みを取られることはないのですか?」と露骨に尋ねられたこともあった。たまに、私の都合で妻が行くと「今日はお母さんで良かったね」と言われたりして面食らったこともあった。父母の会で母親中心の考え方を是正するように働きかけたこともあって改善していった。

 社会生活を送る中で、何かを見たり、聞いたり、感じたりしたときに、実際とは別に、「無意識に“こうだ”と思い込むこと」が私にもある。無意識がゆえに、完全になくすことはできないものの、「アンコンシャスバイアスに気づこう!」と意識することが大切だと思っている。海原さんのコラムであらためて強く思った。
 
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