素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

解せぬもの、学テの入試活用をめぐる動き。

2015年07月14日 | 日記
 11日(土)の朝刊で、『学テの入試活用「不可」・文科相 来年度以降 要領改定』と『大阪府教委抗戦の構え』の見出しが飛び込んできた。

 報道によれば、文科省の専門家会議で、大阪府教委が全国学力テストの結果を高校入試の内申点評価に活用する方針に対して見直しを求める意見が大多数だったことを踏まえ、来年度以降の実施要領を改定して入試に活用できないようにする考えを明らかにした。

 そもそも学テはという議論は置いておいて、この文科省の方針は至極当たり前である。大阪府教委は先を見通して来春の入試での活用を見直すべきだと思う。しかし、『大阪府教委抗戦の構え』の記事を読むと、文科省の懸念に対してはデータできちんと反証したつもりなので来春入試は予定通り進めるし、来年度以降も入試に活用できるよう要望を続けていく。とあった。

 もともと、絶対評価に切り替えるにあたって府教委の準備遅れを大阪市教委から突き上げられ、窮余の策として打ち出したものだけに説得力にも欠け無理がある。

 今日の朝刊には、松井一郎大阪府知事が向井正博教育長とともに文科相に面会して理解を求める意向を示した。とある。その中で松井知事は「文科省の方針が決定されても従う義務はない。すべて従えと言うなら、国と地方は対等じゃない。地方はペットみたいにされてしまう」と主張したとある。ご都合主義な言い分だとつくづく思った。また、夕刊では大阪市教委が文科省に府教委の方針を認めるよう求める要望書を出すことを決めた。とあった。

 本来、全国学力テストの結果を高校入試の内申点評価に活用する方針を公に打ち出す前にすべきことで府教委、市教委の見通しの甘さが現場に混乱を持ち込んでいるという認識の欠如が問題だと感じる。

 国対地方という構図の政治の問題にするべきものではなく、本質的なところで学テのあり方、入試のあり方を議論すべきである。時間のかかる難しい問題を早急に片付けようとしたところに誤りがある。

 する勇気も大切だが、やめる勇気はもっと大切。

 新国立競技場の建設問題になると文科相の立場は一転するところが皮肉だなと感じている、今日この頃。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする