素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

90㎞という距離をなめたらいかん 地獄編

2009年06月28日 | 日記
 残り30㎞足らず、木津までもどらないと自動車は使えない。木陰で必死のストレッチ。木津・嵐山の往復を試みたのは好奇心もあるが、しまなみ街道を自転車で渡りたいという思いを10年前の開通当時から持っていた。その距離がざっと80㎞。同じくらいの距離を体感してみたいということも動機の一つにあった。
 筋肉はパンパンに張っているが、何とか痙攣は止まったので、ソロリソロリと走り出す。同じ所を3時間ほど前には軽快に走っていたことを思いつつ、天童よしみの「なめたらあかん!なめたらあかん。人生なめずに~」が脳内を駆け巡ってきた
 とにかく少しでも足に負荷がかかると、ももがピクピクと反応する。もう一度両足にきたらおしまいと思い、負荷のかからないこぎ方を真剣に試みる。顔をはじめ全身から必死さ100%が出ていたと思うが、それと自転車のスピードのギャップは滑稽だったと思う。
 15:07ようやく四季彩館までもどり、ベンチに足を投げ出して休息。全身に倦怠感を覚える。あと22㎞やでと気合をかけて15:15に出発。足の痙攣はおさまって、ホットしたら次に、お尻の耐えられない痛さが押し寄せてきた。サドルから浮かせてこぐと足に負荷がかかり、おさまっていた痙攣が再発する可能性大。
 腿には負荷をかけないよう、お尻はサドルにふれないようというスタイルを工夫
する。必死でかつのろい走りは奇妙の極みだったと思う。追い抜いていく下校中の女子校生の不思議そうなまなざしが痛い。「そんな目で見んといて、嵐山まで行っての帰りで6時間近くこぎ続けてるんやで!」と叫びそうになる。人気のない堤防の道で声をあげたら不審者以外の何者でもないと理性で押さえる。
 終点まで一桁の距離になった時には、お尻の痛さにもなれてきて、普通のスタイルでこげるようになり、ホッとしたのもつかの間、ひざのまわりが痛み出す。これが出ると、ちょっとした上りがこたえる。最後の数キロは、行きには全然意識しなかったが、わずかなアップダウンの連続になっていて、力の入らない膝を持つ身にとってはどんどんスタミナを消耗していくのが自覚できた。
 16:45ようやく終点に到着。およそ7時間。全身ガタガタという状態で愛車を積み込み、つま先の動き一つでスイスイと走る自動車のありがたさを思いつつ帰路につく。
 
コメント
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