日蓮正宗 正林寺 掲示板

法華講正林寺支部 正林編集部

少欲知足(しょうよくちそく)

2005-12-01 | 御住職指導

正林寺御住職指導(H17.12月 第23号)

 人は欲望により迷いや悩みが生まれます。欲望は生きていく上で必要でありますが、人生を堕落させる欲望は止め、人生を向上させ有意義にする欲望が求められます。それが少欲知足です。

 釈尊は法華経『普賢菩薩勧発品第二十八』に、
「是の人は心意質直にして、正憶念有り、福徳力有らん。是の人は三毒に悩まされじ。亦嫉妬、我慢、邪慢、増上慢に悩まされじ。是の人は少欲知足にして、能く普賢の行を修せん。」(新編法華経開結六〇五頁)

と説かれています。

 日蓮大聖人様も『法華初心成仏抄』に、
「少欲知足」(御書一三一四頁)

と仰せであります。少欲知足とは、欲望を少なくして満足するを知ることであります。少欲知足を忘れた欲望の追求は、貪瞋癡の三毒が強盛となり、成仏や幸福を妨げる嫉妬心や慢心を強くします。

 信心は周囲を省みず自分を中心とした欲望を満たすためだけに、御本尊様へ祈るのではなく、地涌の菩薩の眷属に相応しい四弘誓願を根本とした祈りが必要です。自分の欲望を満たすためだけの祈りは、地涌の菩薩の眷属に相応しい祈りといえません。

 人は生活していく上で、生活苦を強いられないよう現状に見合った形で計画することが大切です。少欲知足は生活が苦しくならないための心得であります。
 さらに支部講中においても、講員さんに負担をかけないようスムーズな運営を維持するため、令法久住を目指す過程で教訓とすべきことが少欲知足です。
 厳しい生活環境で忘れてはならない教えが少欲知足であり、節約や無駄を省く生活のことであります。節約や無駄を省くことで金銭的な余裕と心にゆとりが生まれ、厳しい生活環境でも乗り越えていく精神ができます。

 

宗祖日蓮大聖人『四条金吾殿御返事』に曰く、
「普賢経に云はく『煩悩を断ぜず五欲を離れず、諸根を浄むることを得て諸罪を滅除す』と。」(御書598)


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