かどの煙草屋までの旅 

路上散策で見つけた気になるものたち…
ちょっと昔の近代の風景に心惹かれます

明智回想法センター(旧大塩医院)岐阜県恵那市

2011-10-14 | 東濃の近代建築

大正村建築散歩 その4~明智回想法センター(旧大塩医院)

大正初めに開業された医院が、高齢者福祉施設「明智回想法センター」として再活用されています。
旧大塩医院は明智町出身の大塩金弥氏が開業した産婦人科医院で、昭和25年に亡くなるまでの40年間、地域医療に貢献してきました。その後平成の初めまで医療活動を続けてきましたが、後継者が無く60年にわたる歴史に幕を下ろしました。
明智町は大塩医院の功績と佇まいを後世に残しながら建物を改装し、医院の跡地を「回想法センター」として高齢者の福祉施設として再活用しています。

回想法とは~
大正村に残る古い町並や建物、懐かしい生活道具を通し、過去を振り返り思い出を語り合うことにより、特に高齢者の脳を活性化し、生き生きとした力を取り戻し維持する目的で行う療法です。
回想法センターで高齢者が色々な人とコミニュケーションをとることにより、家に閉じこもったり介護が必要な状態になるのを予防します。

旧大塩医院の建物は、道路に面した診療所に使われた建物と、中庭を挟んで奥に位置する病棟に分かれており、回想法センターの本館(病棟)と別館(診療所)として使用されています。

◆明智回想法センター(旧大塩医院)/岐阜県恵那市明智町1142-1
 竣工:本館(旧病棟)昭和20年代/別館(旧診療所)大正初
 構造:木造2階建
 撮影:2011/09/18



◆旧診療所~道路に面した細長い建物で、全体は和風の外観



◆旧診療所玄関~玄関周りに腰壁風にスクラッチタイルを貼り、上部に洋風の装飾も施しています



◆玄関の上に貼られた琺瑯の古いプレート~旧字体の文字が時代を語ります

 


◆かつての診察室には古い医療器具や椅子が置かれ当時の診療の様子が偲ばれます



◆診療所の裏にある旧病棟(明智回想法センター本館)~外観は木造校舎のようです

 


◆「明智回想法センター 想い出学校」の看板がかかる玄関



◆二階展示室廊下~生活、学校、遊びなどテーマ別に当時の懐かしい品々が展示してあります



◆昭和の暮らしを再現したコーナー