明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

もっと通いたかったお店 東村山『小島屋』

2022年11月29日 | そば、うどん
以前も述べたが、私がうどんを好きになり、食べ歩くようになったのは、今から5年前の2017年。
きっかけとなったお店は、吉祥寺の『うどん白石』だ。

※つい先日食べた、「かけ」+「生卵」の月見うどん


※汁を先に飲み釜玉風にする、「マツコ式」を試してみた

その数年前、初めてうどんをウマいと思ったのが、下高井戸の『JAZZ KEIRIN(ジャズケイリン)』
ついでに、初めて知ったうどん専門店は、おそらく『山田うどん』、現『山田うどん食堂』だが、
初めて知ったうどんの名店は、たぶん東村山の『小島屋』。山田うどん、「非名店扱い」でゴメン。

小島屋さんを知ったのは、私が尊敬するライター・伊丹由宇先生の著書「こだわりの店乱れ食い」にて。
青年漫画誌ビッグコミックオリジナルの連載コラム「こだわりの店 不親切ガイド」をまとめた書籍で、
伊丹先生が絶賛した、私の地元多摩地区・東村山のうどん屋さんということで、記憶に残ったのである。
ただ、書籍が発売されたのは2001年。この頃の私は、うどんを目当てに出かける習慣はなかった。
その後、TVや雑誌で小島屋さんは何度も取り上げられ、有名なお店だということも判明したのだが、
私自身は相変わらず、「近くに行く機会があれば…」と、積極的に寄ろうとはせず。
実際は、西武園競輪という、「近くに行く機会」が何度もあったのだが、
競輪場からも徒歩圏内だった、小島屋さんのことを忘れていた、当時の自分を叱責してやりたい。
「昼間だけ、しかも売り切れ早じまいアリ」という営業時間も、正午くらいまで寝ている私には厳しく、
初訪問は結局、うどん店を巡るようになってから3年目、2019年9月になってしまった。

西武線の東村山駅から10分ほど歩くと、「小島屋」と記されたオレンジ色の屋根が見えてくる。


創業は昭和39(1964)年。もっとひなびた建物かと想像していたが、何度か改装したのだろう。
既出した、伊丹先生の著書で得た情報を、以下で羅列する。
〇薪のかまどでうどんを茹でる
〇お店の名物は「肉汁うどん」
〇女将さんが毎朝竹で打つうどんは、柔らかいのにコシがある
〇出汁は関東のコクと関西の微妙な甘さの中間
〇天ぷらに使う野菜や薬味のネギは、裏の畑から採ってくる
〇西日本(山口県)出身の伊丹さんが「初めて関東のうどんを旨いと思った」


入店すると、おばちゃんが「いらっしゃ~い」とお出迎え。この方が、女将さんの小島孝子さんだろう。
「お好きなお席へどうぞ」と告げられ、テーブル席へ。いただいたお冷やで喉を潤しながら、
壁のメニューを確認し、名物の「肉汁うどん 並」750円をオーダーした。


上記画像ではわかりづらいだろうから、卓上のメニューも撮影。

※この画像も、決してうまい撮影ではない

肉汁うどんや「カレー汁うどん」はつけタイプ、「肉うどん」や「カレーうどん」はかけタイプだと思われる。
こちらはうどん以外のメニュー。自家製野菜使用の天ぷら各種は、01年が85円で、18年後もオール105円と破格。


ビールと天ぷら、シメにうどんでもよかったが、もう1軒ハシゴする予定だったので、アルコールは自重。
数分後、女将さんが肉汁うどんを運んできた。普段はおばちゃん店員が複数いるようだが、この日は女将さんだけ。


つけ汁にはたっぷりの豚肉と長ネギ。しょっぱすぎず、ほんのり甘味があって食べやすい。


うどんにはワカメと、かき揚げ天ぷらも付いてきた。これはありがたい。


武蔵野うどんの系統かと思っていたが、自家製うどんは硬くなく、むしろ柔らかい。
モチモチとした歯触りで、塩分も控えめ。肉汁との絡みがよく、スルスルと食べ進められた。
なので、もう1軒ハシゴするにもかかわらず、「替玉」105円を追加してしまった。


すぐに出てきたので、茹で立てではないだろうが、不揃いのうどんはソフトでおいしく、いくらでも食べられる。
女将さんは、お冷やを追加してくれたり、「今日も暑いですね」などと、私に度々話しかけてくれた。
家庭的な味わいの手作りうどんと天ぷら、そして初訪問の私にも気さくに応対する女将さん。
まるで親戚や友人のお宅に遊びに来たような、居心地のいい空間とひとときであり、
「ああ、オレはこういうお店が好きなんだな…」と、自分の好みに改めて気付かされた。
今でも、その思考と嗜好は間違っていないと断言できる。

飲食店に通う理由は、美味しいモノを食べたい、満腹になりたい、栄養摂りたい、などいろいろある。
私の場合は全部ひっくるめて、「いい気分になるため」である。子供じみた表現でスマン。
「いい気分になる」は、「イヤな気分にならない」とイコールであり、どんなに美味しい料理でも、
料理人や店員の態度が悪かったり、客層がひどかったり、値段がバカ高かったりすると、いい気分も台無しである。
反対に、料理の味だけでなく、店主の対応や人柄が気に入り、ファンになったお店はいくつもある。
小島屋さんはそんなお店のひとつであり、女将さんの真摯な心が伝わってくる、愛すべき名店であった。

繰り返しになるが、小島屋さんのうどんは茹で立てではなく、時間帯によっては残念な状態の場合もあるらしい。
実際、ネットでは批判的なコメントもいくつか見受けられるし、私が愛読している某うどんブログでも、
「うどんを持ち上げた瞬間、ブツブツと千切れた」と嘆いていた。辛口意見は少ないブログなのに…。
確かに、好みに合わない方もいるだろうし、世の中にはここよりも美味しいうどん店は多数あるだろう。
それでも私は、小島屋さんを気に入ったし、その後も通うつもりであった。

初訪問から数ヶ月後、父親の死去など家庭の事情もあり、私自身の外食機会が激減。
さらに数ヶ月後にはコロナ騒動が勃発し、小島屋さんも休業に見舞われた。
2020年頃、東京新聞の<東村山新聞>というサイトが、こちらの記事で小島屋さんを取材しており、
現在は営業を自粛しているが「終息したら、また頑張らなきゃね。楽しみにしてくれる人たちがいるから」と前を向いた。
という女将さんのコメントを掲載し、文を締めている。
「楽しみにしてくれる人たち」のひとりである私も、再開を待ちわびていたが、ネット情報では常に「臨時休業中」。
申しわけないが、今年に入ると私もチェックを怠り始め、迎えたつい先日。
いつものように「東村山 うどん 小島屋」でネット検索したところ、Googleには「閉業」、食べログには「閉店」の文字が! 
今年の9月末、小島屋さんはひっそりと、58年の歴史に幕を下ろしていた
理由や事情は私にわかるはずもないが、女将さんもおそらく、不本意だったのではないか。

結果的に、小島屋さんは一期一会となってしまった私。
こんなことなら、あのとき「かけうどん」や「カレーうどん」も食べておくべきだった。
ちなみに、あの日私が2軒目に寄ったのは、同市内の『ひの食堂』

※当日食べた「豚肉スタミナ」の単品と、現役で稼働していたピンク電話

こちらも、ご夫妻で営むほのぼのとした雰囲気の食堂であったが、一昨年の春に閉店している。
志村けんさんも含め、東村山は近年、3つの宝を一気に失ったといえる。立川市民の私も悲しい。

拙ブログで取り上げる飲食店は、「いいお店なので、皆さんも行ってみてください」という意味が込められている。
なので今回のように、閉業したお店を紹介するのは例外中の例外で、方南町の『御利益』さん以来、2度目である。
突然の閉店は、これまで何度も経験してきたが、今回の小島屋さんは、かなりショックだった。
僭越ながら、「こんな素晴らしいお店があったんですよ」と、世間の方々にお伝えしたく、記事にさせていただいた。
一度しか食事しなかった私に、そんな資格はないかもしれないが、どうかお許しいただきたい。
また、私自身も今回の閉店を教訓とし、今後は「行きたいと思った店は、あと回しにしない」ことを誓った。
たとえば、前回の日記で「もっとも行きたくなった店」と評した、青梅市のとんかつ&ラーメンの『幸泉』には、
先日さっそく行ってきたので、近いうちにリポートする予定だ。

※『幸泉』のとんかつ単品。リポートはこちら

最後に。女将さん、並びに従業員の皆さん、長年の営業お疲れさまでした。
小島屋さんのことは一生忘れません。皆さんどうか、いつまでもお元気で!



手打ちうどん 小島屋
東京都東村山市野口町3-10-3
西武線東村山駅から徒歩約11分、武蔵大和駅や西武園駅からも同じくらいの距離
営業時間 10時半~14時くらいまで、売り切れ早じまいあり
定休日 日、祝、不定休?
※文中のとおり、22年9月に閉店なさいました
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38年前の多摩ラーメン100選 後編 -林家木久蔵監修-

2022年11月24日 | 飲食店まとめ
前回からの続き。1984年に、けやき出版から発行された、林家木久蔵監修・全国ラーメン党三多摩支部編、
「多摩の評判ラーメン 名物ラーメン」に掲載されていた、ラーメン店100軒の転記。

※表紙イラストは、林家木久蔵(現・木久扇)師匠が手掛けた

途中で疲れたので、半分の50軒で中断し、残る50軒を今回の後編で紹介。一応、記載ルールのおさらいを。
〇店名や市町村名は、現在と異なる場合もあるが、書籍の記載どおりに記す。
〇屋号の下には、私がネットでざっと調べた、現在の営業状態や、簡単なメモを追記。
〇現在も「営業中」のお店は、屋号を赤字で表記。
〇廃業を確認できたお店は「閉店」、確認できなかった店は「閉店?」と疑問形で表記。
〇検索しても店舗の存在自体がみつからない店は「情報皆無」と表記。
〇「ネットでざっと調べた」程度なので、事実と異なっていたらゴメン。

前編は50軒中、46軒が閉店及び消息不明。書籍発売から38年という時の流れを感じさせた。
後編では残りの50軒を、以下で一気に転記していく。

〇田無市

『餃子一番』
数年前に閉店。上部分が塩スープ、下部分が醤油スープという「広東メン」は、食べてみたかった。

『ラーメンショップ 味里(みり)』
情報皆無。味里というお店はいくつかあるが、関係なさそう。いわゆる「ラーショ」も無関係のはず。

『村一番』
田無駅近くだが、情報皆無。店主はレコード店も経営していたらしい。変わった二刀流だ。

〇東久留米市

『八屋』
10年以上前に閉店。豚角煮やシュウマイ入りのラーメンを提供していたらしい。

〇清瀬市

『元祖札幌や清瀬店』
食べログでは閉店扱い。各地に同名のお店があるが、私が入ったのはたぶん新宿2丁目店だけ。

『お食事処 八重ちゃん』
18年頃まではあったが現在は閉店? 記載の住所には最近、インド料理屋ができた。

〇小平市

『大勝軒』
代替わりしたが、現在も営業中の永福町系大勝軒。当時の店主は八王子で新たに店を出し、その後閉店した模様。
私も今年、初訪問してきた。現在の表記は『一ツ橋 大勝軒』か。

※後日、ブログ書きました→こちらをクリック

〇東村山市

『喜楽』
立川『喜楽』など、同名の飲食店は多いのだが、東村山駅近くのこちらは情報皆無。

〇東大和市

『菊池屋』
情報皆無。ラーメン、ご飯、天ぷらで300円というお得なセットを出していた。

『双葉』
近年、冷凍餃子のテイクアウト専門店になったようだが、現役で営業中。餃子マニアとしては気になる。

〇武蔵村山市

『ホープ軒』
『村山ホープ軒』本店の屋号で、現在も営業中。創業者は吉祥寺『ホープ軒』創業者の娘の旦那さん。
本店は未訪問の私だが、支店の東大和店で食べたことがある。

※東大和店の「ラーメン」+「ニンニク」

〇調布市

『えどこま』
正直、見たことも聞いたこともなかったが、『えどこまラーメン』の店名で現在も営業中。
飛田給駅から徒歩3分くらいの距離なのに、知らなくて申しわけない。お詫びに(?)今度食べに行く。

『北海道ラーメン特一番』
『特一番』は、調布のつつじヶ丘にもあったらしい。日野市の店舗(前編参照)と違い、こちらは情報皆無。
店主は留萌出身とのことなので、聖蹟桜ヶ丘の特一番&居酒屋『留萌』と関係あるのかも?

〇狛江市

『越前屋』
06年頃閉店? そういえば、国立の同名店も紹介していたな(前編参照)。

〇府中市

『円楽』
今年8月に閉店。近くの道は何度も通っていたのに、お店の存在に気付かなかった自分が悔しい。

『らいおん』
別の場所に移転し、現在も営業中。ファンの多い店のようだが、私は16年前に食べたのが最後。
言及は避けるが、そのときちょっとムカついたことがあったため、たぶん2度行かない。

『隆園』
情報皆無。多摩川の土手近くにあったらしい。

〇稲城市

『風龍苑』
今年前半は営業していたようだが、現在は休業中の模様。復活を願い「営業中」扱いにしておく。 

『和楽』
情報皆無。最寄り駅は稲城長沼で、珍しい金曜定休だった模様。

〇多摩市

『赤尾飯店』
聖蹟桜ヶ丘駅直結の施設に移転し、2年前に閉店。駅至近なのに入ったことはなかった。

『ラーメンショップ さつまっ子』
相当前に閉店? したらしいが情報が少ない。『さつまっ子』というラーショ系のお店は各地にある模様。

〇町田市

『一龍』
だいぶ前に閉店。「町田109の開業により立ち退かされた」との情報あり。

『金華園』
閉店? 「かつてあった」「本店が横浜にある」という情報だけ発見。

『上海柳麵』
情報皆無。なお、書籍表記は上海柳「麵」になっているが、看板写真は「麺」である。

『男爵亭』
情報皆無。炒めた千切りじゃがいもなどを乗せた、「男爵らーめん」は意外とウマそう。

『平和軒』
閉店? 「昔あった」との情報をひとつ発見。我が母校・日大三高から近いが、記憶にない。

『瓔珞(ようらく)』
移転後に閉店? 同店を懐かしむサイトがいくつか見受けられる。

『龍江大飯店』
ここも情報皆無。町田市は、平和軒以外はすべて町田駅近辺の店で、しかも大半がラーメン店ではなく中華料理店。
味や評判は二の次で、「とりあえず駅周辺をまわって、掲載許可くれた店を集めろ」という取材方針に思えるのが残念。

〇昭島市

『一番』
情報皆無。最寄り駅は東中神で、本格四川料理を出していたそうだ。

『大勝軒』
昭島駅南口を出てすぐの場所で、『昭島大勝軒』の屋号で現在も営業中。
一ツ橋と同様、永福町系のお店なので、普通のラーメン(現在の商品名は「中華麺」)でも麺を2玉使用する。
※追記 2008年に一度閉店したそうですが、別の方が引き継いだ模様。残念ながら、2023年2月に閉店予定

『東園』
情報皆無。店主は「12歳から料理の世界で腕を磨いた」らしい。義務教育は?

『東京(とんきん)亭』
少し場所は変わったが、『東京亭』昭島店として、多摩大橋の近くで現在も営業中。
私はライバル(?)の『満北亭』ファンなので、系列の『南京亭』東大和店でしか食べたことがない。

※南京亭の「ジャンボ餃子」と「キクラゲと玉子の炒め」

〇福生市

『いぬい』
最寄り駅は牛浜で、現在も営業中。基本のメニューは当時から、「中華そば」と「ご飯」だけ。
そういえば、『不二家』福生田園店でケーキ食べ放題に挑んだ帰りに、この店の前を通った気がする。

『勝来軒』
読みは「しょうらいけん」で、現在も営業中。最寄り駅は羽村。
愛読しているラーメンブログでは、度々取り上げられていたようだけど、記憶になかった(失礼)。

『雪園』
上海生まれのマダムが営んでいたらしいが、情報皆無。

『大陸』
つい最近、閉店した模様。跡地には『麺とスープ』というラーメン店ができた。

『丸福』
情報少ないが閉店? 福生市内の別の場所に、同名のラーメン店があったが、そちらも閉店していた。

『竜苑』
情報皆無。店主は元カメラマンだったそうだ。

〇羽村町

『北京』
宴会場などを備えた、4階建ての立派な店舗だったのに、情報皆無。

『龍園』
羽という土地から小作台に移転も、閉店した模様。

〇瑞穂町

『えびす家』
住所は石畑752から、むさし野2-47-26に変わったが、現在も営業中(電話番号は以前のまま)。
日本そばがメインのお店だが、開業当初はラーメン店だったらしい。

『松屋』
不定休だが営業中。食べログでは1951年創業となっているが、本書には昭和23(1948)年と記載。 ※1947年説もあり
うどんのように足で踏む、自家製麺使用の「中華そば」は、38年前が350円で、現在も450円!
女主人とお嫁さんで営んでいたが、現在はお嫁さんのひとり営業。ご高齢のようだが、無理せず続けてほしい。

〇青梅市

『幸泉』
食べログでは「とんかつ店」扱いになっているが、現在も営業中で、麺類も提供している。
当時から、ホワイトソース入りの「白雪らーめん」など、一風変わったメニューを出しており、
現在もそのコンセプトは変わっていない模様。この書籍で知った現役店で、もっとも行きたくなったお店である。

『大八』
『らーめん大八』の名前で営業中。屋台から始めたお店は、2階にお座敷席もある大型店舗に。
書籍内で「変わり種」と紹介されていた、「かみなりラーメン」「梅らーめん」「納豆みそラーメン」は現在も提供。

『みたま屋』
『手打ちラーメン 三玉家』の屋号で営業中。初代店主は、青梅で人力車を引いていたらしい。
文中には「二代目店主(62歳)の跡継ぎはいない」と記してあったが、後継者がいたようで何より。

〇奥多摩町

『のんき屋』
1918(大正7)年創業で、現在も営業中。書籍内の看板もノレンも『のんきや』表記なので、こちらが正式名だろう。
書籍では「あっさりしていて」「昔なつかしい東京ラーメン」と紹介していたが、
現在の「中華そば」は、豚骨臭が強いラーメンだとか。個人的にはそっちの方が好みである。

〇秋川市

『大松』
5年前に閉店した模様。店主の前職は教師だったそうだ。

『丸信』
20年ほど前に閉店? 国立にあった丸信と同様、店主は荻窪の丸信で修業。

〇五日市町

『三幸』
4年前に閉店。太麺が珍しかったのか、本書で唯一、ラーメンの写真が載っていた(白黒だけど)。


〇檜原村

『たちばな家』
すぐ近くに川が流れる、風光明媚なお店で、現在も営業中。
手打ち麺使用の「らぁめん」の他、「やまめの塩焼き」などもある。

以上50軒、前編と合わせ、掲載されていた100軒の転記が完了。疲れた。
後編は50軒中17軒が現在も営業中。中でも青梅線エリアは、現役のお店が目立った。
人の流れはさほど多くないエリアのはずだが、地元住民の根強い支持を得ているのだろう。
私自身、青梅線は登山のときくらいしか利用せず、飲食店のチェックは正直不足していた。
今回、老舗の名店を多数知ることができたので、ぜひ青梅線に乗り食べに行こうと思う。
特にとんかつ&ラーメンの『幸泉』ね。 ※後日、さっそく行ってきた。詳細はこちら
あと、価格についてはあまり触れなかったけど、どのお店も基本のラーメンは300円台で、高くても450円くらい。
38年前は現在の半額程度だったわけだ。ちなみに吉野家の「牛丼並盛」は、当時350円(現在は448円)。

立川市に、特売餃子目当てはとはいえ、当時から行列店だった『四つ角飯店』や、
創業大正元(1912)年と、日本屈指の老舗店である『福来軒』が選ばれていないのは不可解だし、
町田市の国鉄(※当時の表記)町田駅周辺を巡っただけの取材には不満を抱いたが、
前編でも書いたように、ネットもない時代に100軒の「評判店・名物店」
しかも都内ではなく、多摩地区のラーメン店を紹介した、本書の企画と意義は素晴らしいし、素直に称賛したい。
監修の林家木久蔵師匠、及び編集部の皆さん、貴重な書籍を作っていただき、ありがとうございます。
あと、けやき出版の関係者の方、「語り継ぎたい、令和の多摩ラーメン100軒」のような書籍の企画がありましたら、
私もぜひ、ライターとして参加させてください。お茶くみやパシリでも構いませんので…。

※前後編とも、転記したラーメン店の詳細をご存知の方、情報提供お待ちしております
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38年前の多摩ラーメン100選 前編 -林家木久蔵監修-

2022年11月22日 | 飲食店まとめ
ちょっと前に、林家木久扇(当時は木久蔵名義)さんのサインがあったお店、『特一番』を紹介した。

※木久ちゃんも愛した(?)特一番の「味噌らーめん」

全国ラーメン党・党首を名乗った、ラーメン愛好家の第一人者といえる木久扇師匠ゆえ、
マズいと評判(?)の「木久蔵ラーメン」だけでなく、関連著書も出版していたはずだと、
ブログ投稿後に、地元図書館の蔵書を検索してみたところ、
林家木久蔵監修・全国ラーメン党三多摩支部編「多摩の評判ラーメン 名物ラーメン」がヒット。さっそく借りてきた。


発行日は、1984(昭和59)年11月。販売元は、私の地元・立川市にある『けやき出版』で、
上記以外にも、「多摩のラーメン」「多摩のごちそう200店」など、以前から多摩地区の飲食店関連の書籍を、多数発行している。
「東京」とタイトルの付くグルメ本の大半が、23区内の店、せいぜい吉祥寺までしか取材しないのに対し、
東京の西側にもスポットを当てる、けやき出版さんの編集方針は貴重だし、地元民としても支持したい。
けやき出版の関係者の方、よかったら地元のライター(私)にお仕事をください(笑)。

ハナシを戻す。上記書籍は、今から38年前に多摩地区で営業していた、ラーメン屋さんを100店紹介している。
ただし、木久蔵さんはあくまで「監修」で、お店の選択と取材は、女性ライター8名と、ラーメン党事務局の方が務め、
師匠は前書きとコラム「ラーメンひと口メモ」の執筆、そして、さっき掲載した表紙や、書籍内のイラストを担当している。
落語家になる前は、漫画家を志望していただけあり、イラストもさすがの腕前である。

ラーメン店100軒について、文中では住所と簡単な地図、電話番号、営業時間と定休日などの基本データの他、
主なメニューと価格、店主の名前、年齢、顔写真や取材時のインタビュー、
さらにはお店の外観なども紹介しているが、ラーメンの写真はほぼナシ
最近のガイド本ではあり得ない構成だが、店主の意見や主張が掲載されているのが、個人的には気に入った。
インターネットもない昭和の時代に、評判のラーメン店を多摩地区だけで100軒も集めた、関係者の努力には頭が下がる。
ちょっと長くなるが、以下でその100軒を、掲載順に転記していく。

店名は、常用外の漢字など、実際と異なる場合もあるが、書籍の記載どおりに記した。
保谷市や羽村町など、現在は使用されていない地名も、当時のまま転記。
屋号の下には、私がネットでざっと調べた、現在の営業状態や、簡単なメモも追記。
「営業中」のお店は、屋号を赤字で表記。廃業したことを確認できたお店は「閉店」と表記し、
現在、文中の住所に店舗はないが、閉店情報を確認できなかった店は「閉店?」とクエスチョンマークを付ける。
ネット普及以前に廃業したと思われる、検索しても店舗の存在自体が見当たらない、「情報皆無」のお店も多数あった。
なお、閉店のお店も、他地区への移転や、三鷹の『江ぐち』→『みたか』のように、屋号を変えて弟子が継いでいたり、
反対に、現在も営業中だが、経営者やメニューが変わり、実質別の店になっている場合もあるかもしれない。
あくまで「ネットでざっと調べた」程度なので、事実と異なっていたらゴメン。

〇武蔵野市

『一圓』
いわゆる一圓本店。当時の場所から移転して営業中…と思いきや、10月末で閉店していた!
三鷹北口の系列店は営業中。

※一圓三鷹北口店の「ジャンボ餃子」4個

『糸ぐるま』
閉店? 群馬県高崎に同名店舗があり。京風ラーメンのチェーン店?

『さくらい』
昨年1月に閉店。ラーメン店というより、中華屋さんとして人気を博していた。

『大龍門』
閉店? 味噌ラーメンがウリのお店で、現在『うどん白石』がある場所の近くにあったらしい。
吉祥寺には同名の中華屋もあったが、こちらも閉店。

『はなめんてい』
閉店? ここも京風ラーメンの店だったようだ。

『火の国』
だいぶ前に閉店。熊本ラーメン&ちゃんぽんのお店で、代々木にも支店があったが、こちらも数年前に閉店。

『ホープ軒』
正式名は『ホープ軒本舗』吉祥寺店。言わずと知れた東京屈指の名店で、現在も営業中。
文中に「近所に2号店を出す」との記載があったが、そちらのお店については不明。

〇三鷹市

『江ぐち』
2010年に閉店も、弟子の橋本氏がすぐ近くの場所で、『中華そば みたか』の屋号で再出発。

※みたかの「ラーメン・ナルト増し増し」(詳細はこちら)。繁忙時の注文はNGだ

『彩華』
正式名は『味の彩華』。21年1月に閉店。自家製麺は水を使用せず、牛乳などを入れて打っていた。

『だるまらーめん』
ずいぶん前に閉店? 3人前の「ジャンボラーメン」は900円。38年前とはいえ安い!

『田田(でんでん)』
情報皆無。店主のおばちゃんは元ファッションモデルらしい。二郎系の『田田(だだ)』はおそらく無関係。

『黙古寿』
情報皆無。八王子の狭間に同名店があるが、関係は? 西調布にも同名店があった模様。 
文中に「500円はラーメンとしては高価だが…」の記載あり。当時、普通のラーメンで500円は、確かに高く感じた。

〇小金井市

『大番』
情報皆無。小平に支店を出していたらしいが、そちらも不明。同名屋号のお店はいくつもあるが、関係はあるの?

『花いちもんめ』
情報皆無。京風ラーメンだったらしい。玉川学園に同名のラーメン居酒屋あり。

『七福』
情報皆無。店舗があった場所のすぐ近くに、現在は『ななふく』という人気ラーメン店があるのは偶然?

〇国分寺市

『壹番館』
情報皆無。「壹」の字を表記するため、久々にIMEパッドを使用した。

『燕京』
だいぶ前に閉店した模様。その後、働いていた方が埼玉の狭山で、同名店を開いたとの情報あり。

『コタン』
かなり前に閉店? 西荻窪『コタン』など、同名の店はいくつかあるが、のれん分けなのか。

〇国立市

『あじさいラーメン』
情報皆無。谷保駅の近くにあったらしい。『あじさい』という名の中華屋さんが府中にあるが、関係はなさそう。
※2024年2月追記 府中市の『あじさい』について、ブログ書きました

『越前屋』
mixi「国立コミュニティ」によると、だいぶ前に閉店した模様。実は私、今でもmixiを閲覧している(笑)。

『コーライ』
『香来』の名前で営業中。今年の夏頃、「タンメン」と「ニンニク餃子」を食べてきた。

※香来の「タンメン」830円

『大龍軒』
国立店の情報は皆無。ただ、同じようにちゃんぽんがウリの系列店が、小作や立川(閉店)にある。

『丸信』
だいぶ前に閉店。荻窪の名店のノレン分けということで、私も若い頃に食べた。
現在はこちらの出身者が、同じ国立の谷保駅近くで『丸信中華そば』という中華食堂を営んでいる。

『丸八』
だいぶ前に閉店? ツイッターでこのお店の名前を出している方が、「もうない」と発言していた。

〇立川市

『味幸』
13年頃まで営業していたが、現在は閉店。競輪場から近いのに、入ったことはなかった。

『栄華』
コロナ禍で休業し、その後閉店。店の前は何度も通っていたのだが、入店経験はなし。

『歌舞伎』
情報皆無。出版社が立川なので、社員が通っていたのか。

『東京軒』
情報皆無。このお店があった曙町の東側は、当時不良中学生が多く、ガキの私は近寄らなかった。

『ニュー一番』
やはり情報皆無。このお店があった羽衣町など、立川の東側は…以下同上。

『宝来』
同名屋号の中華店は、国分寺→その後西国分寺の『ホーライ』など、複数存在するのだが、立川店は情報皆無。

『満洲里』
現在の髙島屋があるエリアにあったらしい中華店だが、やはり情報皆無。同名のお店が西所沢にもある。
なお、有名チェーン『ぎょうざの満洲』も、1号店の屋号は満洲里だった。

『ラーメンショップ』
コロナ禍直前の19年12月に閉店。私も食べたことがあった。目の前に市役所があった頃は繁盛していたはず。

『来陽軒』
だいぶ前に閉店? インスタグラムで「昔あった」と述べていた投稿を発見。
立川の店舗が、満洲里以外は東側ばかりなのは、失礼だが手抜き取材と言わざるを得ない。

〇日野市

『杏花飯店』
10年以上前に閉店。横須賀に同名店があるが、関係は不明。

『つるや食堂』
情報皆無。高尾の同名中華食堂は無関係?
※2024年6月追記 高尾『つるや食堂』についてブログ書きました

『北海道ラーメン 特一番』
数年前に閉店。冒頭で紹介した『特一番』の日野店。私は餃子とビール、ラーメンを食べた経験あり。

『らーめん 福々』
情報は少ないが閉店? 03年頃には営業していた模様。

『美なみ食堂』
情報皆無。「最近はファミレスやファストフード店が増えて、若い人の味の好みが画一化されてきた」
という女性店主のコメントは、38年前ながら的を射ている。

『珉珉』
17年に現在の場所に移転し、営業中。八王子の老舗ラーメン店『みんみん』の流れを汲む。

〇八王子市

『安斉亭』
名物は巨大チャーシュー。西八王子から北八王子に移転後、13年に閉店。

『寒竹』
閉店? 情報が少ない。旧長崎屋、現ドン・キホーテの脇に存在していた。

『金生』
情報皆無。記載の住所には株式会社金生という会社があったようだが、現在は不明。

『九州ラーメン 桜島』
19年3月20日に惜しまれつつ閉店。その直前に入店した際のリポートはこちら

『大乗』
19年に閉店。店主は大乗仏教のお寺の息子さんだったそうだ。

『タカミ』
情報皆無。駅ビル「NOW」の1階にあった模様。熊本から「ゆずがらし」(柚子胡椒)を取り寄せていたとの記載あり。

『釜玄 竹の家』
営業中。30年以上前に食べたっきりなので、近いうちに再訪しようか思案中。

※今年の春に撮影した、店頭の画像

『香港飯店』
正式名は香港? いずれにしても情報皆無。

『満福亭』
約10年前に閉店。長年「ラーメン」を100円で提供していた、語り継ぎたいお店。

〇保谷市

『栄福』
取材を受けた東伏見店は情報皆無。住所が掲載されていた柳沢店は現在も営業中。なので半分だけ赤くした。

『海賊ラーメン』
約15年前に閉店。お店のコンセプトは「七つの海を越えて世界の味覚がやって来た」で、
カレー味の「インドラーメン」や、ウインナー入りの「ドイツラーメン」など、多彩なメニューがあったらしい。

保谷市が終わったところで、ちょうど50軒。当初は100店舗一気に記載する予定だったが、
読者だけでなく私自身も疲れてきたので、予定を変更し、ここでいったん中断し、前後編にする。
ここまで目を通してくださった方に、「おお、この店懐かしい!」などと、思い出していただけたら幸いである。
ちなみに私自身は、「こんな店あったっけ?」の方が多かった。特に地元の立川市。

後編へ続く>

※転記したラーメン店の詳細をご存知の方、情報提供お待ちしております

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独自のメニューが揃う立ち食い店 西荻窪『笠置そば』

2022年11月19日 | そば、うどん
西荻窪駅南口は、改札出てすぐの場所に、立ち食いソバ店が2軒ある。
1軒は大手チェーンの『富士そば』で、もう1軒は個人店っぽい『笠置そば』
実はこちらもチェーン店らしく、東京・埼玉に計7店舗あることを、こちらのブログ記事で知った。
そういえば昔、高円寺のガード下にも、同名のソバ店があった記憶がある。

個人店だと思っていた理由はいくつかあり、券売機がなく、商品提供と引き換えにお会計すること、
麺の茹で置きをしていないこと(注:私の訪問時は)、うどんが手打ちであること、
そして、他店にはない独自メニューが豊富なことである。

初訪問は、今から5年ほど前。並びにある『戎』などで日が沈む前の酒をたしなみ、シメに立ち寄ったと思われる。
注文したのは「かきあげそば」で、現在の価格は440円。かきあげ単品は、5年前から価格変動はなく120円。


ツユは、立ち食いソバ店ならではの濃い出汁で、かき揚げも、揚げたてではなく平凡だったが、
さっき書いたように、そばは茹で置きではないためか、しっかりとコシがあり、なかなかウマかった。
また、「立ち食いソバ店ならでは」と記したが、こちらのお店はちゃんとイスがあるため、
厳密には「座り食いソバ」なのだが、以降でも立ち食い店として扱わせていただく。

数年後、うどんに興味を持ち始めた頃、こちらが手打ちうどんを提供していると知り、再訪。
注文したのは、立ち食い店どころか、普通の蕎麦店でも見たことのない、「肉じゃがセット」を冷たいうどんで。
セットは、そばorうどん、温かいor冷たいが選べる。「冷」は+20円なので、当時530+20円、現在は600円。
専門店同様、うどんは注文後に茹で始め、さらに冷水で締めるため、完成まで時間がかかった。


お盆を運んできたのはおばちゃんだったが、私の訪問時は、店主らしきおじちゃんのひとり営業が多い。
ぶっかけ風の冷たいうどんは、少々のネギと丼の縁にわさび。


セットの肉じゃがは、小ライスに乗せられた、珍しい「肉じゃが丼」として登場。


上記にお新香が付くのが「セット」。+120円の「定食」だと、ご飯ものの量が倍になり、麺が半分になる模様。
肉じゃがの味付けは薄めで、野菜独特の甘さを感じ、ご飯との相性はイマイチ。あと、ちょっとヌルかった(苦笑)。
一方、うどんは自家製らしく不揃いだが、ほどよいコシと噛み応えがあり、専門店に勝るとも劣らないウマさ。


当時は「ざる」タイプが好きだったので、冷たいうどんを選択したのだが、
温かいツユの「かけ」でも絶対にウマかったと思うし、肉じゃがを入れて食べても面白そうだ。

飲んだシメに立ち寄りたい笠置そばさんだが、こちらは朝早くからの営業ゆえ、夜閉まるのは早く、
すぐ近くの『最後に笑え』さんの営業開始時間(最近は21時)には、すでに閉まっている。
さらに、その後はコロナ禍もあり、しばらく足が遠のいたが、先述した愛読しているブログで、
「もりカレー」という謎メニューがあることを知り、気になったので久々に行ってみることに。
19時頃に訪問したところ「今日はもう終わり」とのこと。また食べログの情報にダマされてしまった。
数日後、18時頃に再訪したところ、残念ながら夏休み(泣)。さすがは「日本一臨時休業に出くわす男」である

※訪問したのは8月12日

閉まっているドアに貼られた、季節限定の天ぷらが気になった。ハモや稚鮎なんて、普通の立ち食い店では扱わないよね。


ハモの天ぷらとは、さすがは京都の笠置(かさぎ)という地名を、屋号の由来にしているだけある…
という情報は最近知ったことで、それまでの私はずっと、「りゅうちそば」と呼んでいた(恥)。笠智衆のせいだ。

数日後、ようやく入店できたので、店内メニューの一部を撮影。まずはそば・うどん。

よくあるメニューに混ざり、「にしん」や黄色い紙の「ニラ玉あんかけ」など、個性的な商品もある。

こちらはセット、冷やしのメニュー。セットや定食とは、さっきの肉じゃがのように、麺+ご飯ものの組み合わせである。


なので、「コロッケセット」はコロッケそばではなく、麺+コロッケ丼である。
こちらも、「目玉焼き」「ひじき」などの珍品が目に付く。「照焼」は何の肉? 「天ぷら茶漬け」とは?
目玉焼き丼はわかるが、ひじき丼は個人的には惹かれないな。600円というのも、ちょっと高い気がするし。
とにかく、笠置そば西荻窪店の独自性というか斬新さをわかってもらえただろうか。
この日私が頼んだ「もりカレー」680円も、斬新というか奇抜(失礼)なメニューのひとつであろう。


上記画像の左上、妙に白く光っている(撮影失敗)のは、小鉢サイズのご飯である。


冷水で締められたそばを、カレーつけダレに浸して食べるのだが、ご飯の使い道がわからん。
カレーダレは、ニンジンなどの野菜の他、そばツユも混ざっているようで水分が多く、
けれどもスープカレーのようなコクはないので、ご飯にかけてもカレーライスにはならない。
だからといって、タレに浸したあとのそばと一緒に食べるのは、明らかに失策であろう。


しかも、キンキンに冷えたそばを付けていくうちに、カレーに含まれる脂肪分が分離してしまった。


そばは、ツユを少しだけ付けて啜るのが粋らしいが、野暮な私はでっぷり浸すので、このような不幸を招く。
ただ、温かいカレーダレで冷たいそばを食べる、発想自体は悪くないと思う。

そういえば、天ぷらの撮影を忘れていたので、つい最近4度目の訪問。
天ぷらケースの真ん前、通称「天ぷらアリーナ」(※そう呼んでいるのは私だけ)に陣取ることに成功。


さっきのハモのような特別メニューは、注文後に揚げるようだが、他の天ぷらは、ケースに入っているもの以外は売り切れ。
80円の「イモ」「かぼちゃ」から240円の「エビ天」「穴子天」まで、多彩な品揃え。「野沢菜漬天」は珍しいよね。
上記画像に収まらなかった部分には「マイタケ」、さらに「本日 せり天が美味しいですよ」のメッセージも。


日によって、おススメ天ぷらも変わるようだ。チェーン店とは思えぬ柔軟さ!
過去には「スープセロリ」「新茶」「うど」「ふきのとう」「モロヘイヤ」などの販売実績もある模様。
この日の私は、温かい「かけうどん」を食べたかったのだが、あいにくの品切れ。
なので「かけそば」320円に「とり天」200円と、これまた珍しい「あした葉」160円を追加。


メニューケースに「あした葉」の札がなかったのは、私が頼んだのが最後の1個だったからである。
具材をアップ。左の鶏天には、生姜風味が付いている。右の明日葉は、そばツユに負けない鮮烈な香り。


明日葉天だけさらに拡大。途中で七味も加えて、ズルズルサクサクと食べ終えた。


野菜嫌いで、明日葉なんて普段は見向きもしない私だが、天ぷらにするとおいしく食べられる。
もちろん、笠置そばのソバとツユのお陰であることは書くまでもない。
店頭看板、そしてノレンに記された、「味のつわもの」の文字が誇らしげだ。



以前、新秋津駅前の立ち食いソバ店『木曽路』さんを紹介した際に、
個人経営の立ち食いソバ店も、(中略)有名チェーン店やコンビニなどに押され、ここ数年でだいぶ姿を消している。と記した。
私の地元立川は、近年なぜか個人店が2軒増えたが、それはレアケースであり、
コロナ禍により、主流客であるサラリーマンの出勤自体が減ったため、苦境に陥ったり、廃業した立ち食い店は多いはずだ。
拙ブログでは、【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズを不定期に発表しているが、
今後は、【立ち食いソバチェーン以外のソバを食べた】もシリーズ化し、魅力ある個人店を探したいと考えている。



笠置そば 西荻窪店
東京都杉並区西荻南3-11-7
西荻窪駅南口から徒歩約30秒
営業時間 7時45分くらい~19時くらい ※店主に聞きました
定休日 日、祝、その他不定休
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今年の新チームも秋大会ベスト4進出 -日大三高野球部2023-

2022年11月10日 | 高校野球
11月になり、高校野球シーズンもまもなく終了となる。1年が経つのは早い。
東京都の場合、9月から新チームの公式戦=秋季大会の予選が始まる。
約250校を64組に分け、各組でトーナメント戦を実施し、勝ち抜いたチームが本大会に進出となる。
基本は各組4校だが、総参加チームが256以下だと、いくつかの組は、3校によるトーナメントとなる。
今秋の日大三はその組に該当し、しかも1回戦は免除で、他の2校が試合をし、その勝者と決勝戦を行なう。
前回の高校野球ブログで記したように、新チームの主将は二宮。ひとつ勝っただけで予選突破とは、いいクジ引いたな。

対戦相手は都立富士森に決定。よりによって、今夏の西東京準決勝で対戦した、あの富士森である。
数年前にも、夏の東東京Vの二松学舎と、同じく西東京Vの東海大菅生が、秋予選でいきなり激突したことがあったが、
今年も、優勝校とベスト4校が予選で当たってしまうとは。二宮め、あまりいいクジではないぞ(苦笑)。
日大三高グラウンドで行われたこの一戦、観戦不可だったので試合内容や出場選手は不明。
3年生が抜けた新チーム同士の再戦も、一応三高が勝った模様。これで対都立の連勝を(たぶん)168に伸ばした。
ブロック予選 決勝 日大三6-2都立富士森

本大会に進出した、三高の初戦の相手は豊島学院。予選では、数年前に甲子園に出た、成立学園に圧勝している。
多少の不安を抱えながら、八王子球場に向かった私だが、新チームは例年どおりの圧勝。
秋季東京都大会1回戦 日大三11-1豊島学院 ※6回コールド


身体の大きい選手が多く、豪快なホームランを期待したのだが、長打は詰まった当たりのレフト線二塁打1本のみ。
単打を繋いで得点を重ねるのも、守っている相手にとってはイヤだろうけど、
この日のヒットはわずか7本(スコアボードには、最後の1本が含まれていない)。「猛打爆発!」とはいかなかった。
試合後、グラウンドのトンボ掛けに励む三高ナインを撮影。この画像ではわかりづらいが、みんな身体がデカい。


この試合のスタメンを記載しておく。左から打順、守備位置、名前、背番号。
1 ショート   森山太陽   6
2 セカンド   古賀也真人  4
3 サード    二宮士    5
4 ファースト  岡村颯大   7
5 ライト    佐々木純太郎 9
6 レフト    針金侑良   3
7 センター   髙村大輔   16
8 キャッチャー 大賀一徹   2
9 ピッチャー  安田虎汰郎  1


全員が2年生で、1、3、8番が右打ちで、あとは全員左打ち。1年生は4名がベンチ入りしたのみ。
途中で、針金に代わって池内仁海がセンターに入り、髙村はレフトへ。6回裏には安田の代打に芳賀祐太を起用。
ブルペンでは、秘密兵器と噂される、1年生左腕の谷亀和希がピッチング練習をしており、
7回表から登板の予定だったが、芳賀のタイムリーヒットで10点差となり、コールドで試合終了。
谷亀の投球を観られなかったため、ヒットが出た瞬間、「あ~あ」と嘆いた観戦仲間もいた。芳賀に失礼だね(笑)。

2戦目の相手は、1回戦で拓大一に14-2と圧勝し、予選2試合でも20点を奪った、強力打線の明大中野八王子。
予想どおり、初球から積極的にバットを振り、鋭い打球を打ち返し、三高先発の安田を苦しめる。
相手のエラーで先制するも、その後逆転されるなど、序盤は明らかに明八ペース。
5回裏に4-2と再逆転し、迎えた7回裏、三高の打順は四番岡村から。
外野の芝生エリアでは、三高のあとの第二試合に出場する東海大菅生ナインが、試合経過を眺めながら準備運動中。
「今年の三高、たいしたコトねえな」などとあざ笑っている(推測、でも当たっていそう)彼らのすぐ近くに、
岡村が挨拶代わりのソロホームランを放り込んでみせた。さすがは三高の主砲である。
この一撃が導火線となり、その後は打線が奮起し、8回コールド勝ち。
秋季東京都大会2回戦 日大三10-3明大中野八王子 ※8回コールド


3戦目の相手は、プロ注目の長身投手・篠崎を擁する実績校の修徳。二宮め、全然クジ運よくないな(苦笑)。
ただ、二宮はこの試合で活躍。4回に相手エラーで先制のホームを踏むと、
5回にはランナーを三塁に置いて、左中間フェンス直撃の弾丸ライナーを放つ。
打球が外野を転がるのを見た二宮は、二塁を蹴り、さらに三塁でも走るスピードを緩めず。
「ああっ、バカバカやめとけ…」という私の心配は杞憂に終わり、楽々とホームを駆け抜けた。
「やめとけ」という発言は私の判断ミスゆえ、取り消しさせていただく(←「バカバカ」も取り消せ)。
ランニングホームランだけでなく、最終回にもタイムリーを放つなど、この日の二宮はバカ当たり。
背番号10ながら実質エースの篠崎が攻略されて消沈したのか、修徳は打線も元気がなく、6-1で快勝。
秋季東京都大会3回戦 日大三6-1修徳


こちらは、この日のヒーロー二宮の画像。彼は守備に就く際、グラウンドに一礼しているようだ。


4戦目、ベスト8の相手は桜美林。今夏も対戦し、スクイズ失敗、四球、エラーなどで桜美林が自滅したが、
先発で好投した吉田と、ホームランを打った森口が残っており、これまだ侮れず。二宮め…以下同文。
序盤に2点を先制され、夏のリベンジに燃える吉田投手を捉えられず、前半戦は完全な相手ペース。
6回と7回に1点ずつ返し追いついたが、同点のまま9回裏へ。三高の先発安田も好投したが、さすがに疲労が心配。
案の定、先頭打者に出塁を許したが、この直後、三高にビッグプレイが飛び出す!

桜美林の次打者は当然、バントの構え。ランナー二進を防ぐべく、安田の投球と同時にファースト岡村がダッシュ。
相手のバントは小飛球となり、岡村が難なくキャッチ。走者動けず一死一塁となった。
これのどこがビッグプレイかといえば、ファーストのバントシフト成功である。
私が母校野球部を応援するようになったのは2001年以降だが、三高内野陣は基本、バント守備で無理をしない。
バントをさせないよう、ボール球を投じてカウントを悪くしたり、前進守備からの二塁封殺なども試みず、
「どうぞどうぞ」とばかりにストライクを投じ、バントをさせて確実にアウトをひとつもらう。
無論、簡単なフライならばピッチャーかキャッチャーが捕るが、前進したファーストが捕るのは初めて見た。
マスコミは、その後の二死一塁からのセンター池内のファインプレイ(後逸ならサヨナラ負け)は称賛したが、
岡村の前進守備からの捕球は、「ごく普通のプレイ」扱いされてしまった模様。
確かによく見るシーンだけど、三高にとっては、21世紀初となる(はず)ビッグプレイなのに…。
延長10回表、ビッグプレイの岡村は凡退も、ファインプレイの池内がタイムリーを放ち逆転。
10回裏も安田が投げ切り、3-2で町田対決を制した。
秋季東京都大会準々決勝 日大三3-2桜美林
9回終了時のスコアボードは撮ったが、試合終了時の撮影をうっかり忘れていた…。


ただし、試合終了後の両チーム挨拶と、


ベスト8以降は実施される、勝利チームの場内校歌演奏、


そして、この日のヒーロー池内…ではなく、個人的ヒーロー岡村のトンボ掛けの様子は撮影した。


続く第二試合は、東海大菅生と国士舘という、これまた今夏の西東京準決勝の再戦。
勝ったチームが、次の準決勝で三高と当たるため、偵察のため(?)私も引き続き観戦。
こちらも、互いに譲らず延長戦となり、12回表に勝ち越した菅生が、2-1で辛勝。

※第二試合は、ちゃんと終了時のスコアを撮影

ただ、国士舘の内野守備陣はレベルが高く、三高なら内野安打になりそうな打球も、確実にアウトにしていた。
双方の試合を観た方の大半が、「第二試合の方がレベルが高く、準決勝は菅生が三高に勝つ」と思ったのではないか。
正直、私自身もそんな気がする…イヤイヤ、高校野球はやってみなけりゃわからんよ!
昨年秋の準決勝だって、三高が国学院久我山に5回コールドで負けるなんて、誰も予想していなかっただろうし(苦笑)。

菅生のエース日當は、昨年も三高戦に3度登板しているが、荒れ球が減り、球威も増した様子。
ピンチになるとギアを上げ、投球と同時に「おりゃー!」だのと声を出し、相手打者をにらみつける。
最近の三高にはいない、実に憎たらしい、私好みの選手である。
最上級生になりエースの自覚が出てきた印象で、前チームが3連敗した三高に、並々ならぬ闘志を燃やしてきそうだ。
こんなブログ、どうせ読んでいないだろうけど、三高野球部のために日當攻略のヒントを記しておく。
○日當が叫び声を出したときは、球種はほぼストレート、そしてボール球になる
声に威圧されることなく、冷静に見逃してほしい。あ、ストライクになったらゴメン。
菅生打線は、昨年ほどの迫力はないようだが、それは三高もお互い様である(苦笑)。
三高の新エース安田の球が、どこまで通用するのか。

ここまで本大会を4試合戦ったが、三高は全試合安田が完投しており、他は誰も登板していない。
昨年の矢後和也のように、エースとして一本立ちさせるつもりなのだろう。
剛速球や鋭い変化球があるわけではなく、菅生もしっかり対策を練っていそうで、不安の方が大きい。
ただ、試合後に彼と会話する機会があった観戦仲間によると、「安田はすごくいいヤツ」らしい。
何人かの観客に話しかけられても、終始丁寧に受け答えしていたそうで、「いい意味でエースらしくない」とか。
菅生の日當なんか、話しかけても無視しそうだもんな(←勝手な想像)。
ただ、「いいヤツ」が勝てるとは限らないのが勝負の世界。安田よ、もっと図太くなれ!

三高打線は、6番レフトの針金が、毎試合、1~2打席で交代させられている。守備や体調に不安があるのだろうか。
準々決勝では、相手先発が左腕だったこともあり、スタメンを池内に譲り、最後まで出番がなかった。
池内は殊勲打を放ったし、髙村の調子もいいため、針金は今後も出番がないかもしれない。
ただ、身長190とチーム一の長身で、パワーもありそうな彼は、日當攻略に欠かせない打者のような気がする。
小倉監督は、繋がらない打線を嘆き、次戦での打順組み換えを予告していたが、
針金のスタメン復帰の可能性もありそう。できれば3打席ほどチャンスを与えてあげたいものだが。

投手は、おそらく安田が先発するのだろうが、今年の春大会で、左下手投げの佐藤起也を抜擢したように、
準決勝でいきなり、1年生左腕の谷亀を先発に起用してみるのはどうか。
ベイスターズ(現在は育成契約)の櫻井周斗のようなタイプと聞いたが、本当ならば秘密兵器として最適なんだけど。

来春の選抜甲子園は出場枠が増え、関東・東京は7(通常は6)。東京から2校選抜の可能性が高そう。
準決勝を突破すれば、決勝戦でボロ負けしない限り、甲子園は当確かと思われる。
明後日の菅生戦は、なんとしても勝利し、小倉監督にもう一度、甲子園での勝利を味わっていただきたい。
針金ら打撃陣の覚醒と、安田ら投手陣の奮闘を願う。頑張れ三高!
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時の流れが心地よいお店 八王子『いち川食堂』

2022年11月06日 | 定食、食堂
10月に入り、母校野球部の試合が行われる、八王子球場へ何度か足を運んだ。
試合後は、市内の飲食店でランチ&祝杯。先日は、八王子駅南口の『いち川食堂』を初訪問。

※後日、夜の時間帯に訪問した際に撮影

場所は、駅から徒歩数分の距離だが、豊田駅南口の『ふじ』と同様、この一帯だけ時が止まっているような外観。

店内にはテーブル席とカウンター席があるが、カウンターには私物が置かれ、現在は利用していない模様。
ランチタイムをやや過ぎた時間帯で、店内は空いていたので、テーブル席に座らせていただく。
カウンター席だけでなく、店頭や厨房内もやや乱雑で、気にする方がいるのも否定はしないけど、
食べログなどのネットサイトに、わざわざ批判を書きこむ輩は、不幸な人生送っているな…と哀れになるよ。
まあ、食べロガーごときに目くじらを立てている、私自身も幸せとはいえないか(苦笑)。

先客は4名で、皆さんご高齢の男性。昼酒を飲んだり将棋を指したりと、我が家のように過ごしている。
人生の先輩たちに倣い、私も一杯やりながら、ゆっくりくつろぐことにした。
おばちゃん店員に声をかけ、まずは「キリンビール大瓶」600円と「餃子」350円を注文。
ドリンクメニューはこちら。10月からビールの仕入れ値が上がったのに、大瓶600円は安いよ。


こちらが食事メニュー。餃子だけでなく全体的に安価である。


まずはキリンの大瓶が到着。お通しが玉子焼きだったのには感激!


数分後には餃子も焼き上がる。左側の2個は、ちょいと焼きが甘いかな。


中の具材は、野菜多めで味付けや脂分が控えめな、ドメスティックな味わいの餃子。
いつも「家庭的な味」とワンパターンな表現なので、カタカナにしてみたのだが、
ドメスティック・バイオレンスの発想から、「暴力的な味」だと勘違いする人いるかな? 昔の私がそうだった(恥)。

接客と配膳だけでなく調理も、おばちゃん2名体制でこなしている。
ビールがなくなったので、キリン大瓶の追加をお願いしたところ、「キリンはさっきので終わり」とのこと。
「ウーロンハイ」450円に変更したが、我々のやり取りを聞いていた、将棋客の片割れが電話をかけ始め、
「イチカワだけど、キリン大瓶のケースを至急頼むわ」と発注。アンタ店主だったんかい(笑)。
その後、店主は再び将棋盤に視線を戻し、私の滞在中は厨房に戻らなかった。

おつまみとして「ワンタン」を追加注文するも、こちらも品切れとのこと。ありゃりゃ、ツイてないなあ。
あとで気付いたが、店内壁のメニューでは、ワンタンやワンタン麺の上に紙を貼り、販売中止を示していた。


それでは、メニュー表の「★単品できます」に従い、「焼肉定食」700円の単品を注文した。
数分後、運ばれてきたのがこちら。奥のウーハイと一緒に撮影。


豚肉と一緒に、玉ネギやキャベツを炒めており、焼肉単品というか「肉多めの野菜炒め」という印象。
甘辛のタレで食が進んだし、野菜不足の私にはちょうどよかったかも。
調理も女性らしく、“強火で一気に”ではなく、焦がさぬよう“弱火で丁寧に”炒めたのではないかね。
ウーハイをさらにお替りし、焼肉もほぼ食べ終えたので、そろそろシメのお食事を。
選んだのは、普通の「ラーメン」と50円しか差額がなく、ハズレの少なそうな「カレーそば」600円。
数分後、丼いっぱいにカレーソースが注がれた、カレーそばがやってきた。


こちらが横アングル。丼は標準的なサイズだ。


さっき、「ハズレが少なそう」と評したカレーラーメンだが、大当たりも少ないのが事実。
カレーソースとラーメンスープが融合せず、ケンカしてしまう商品が大半なのだが、
ここのはやや甘口な、いわゆる「食堂のカレー」を、薄味の醤油スープが引き立てており、
箸よりもレンゲが止まらぬウマさである。お酒を飲んだあとのシメにも最適!
冒頭の看板画像に記載してあったように、自家製の麺は、ツルンとした歯応えと、ほどよいコシの強さが特徴。


具材は、ナルト、メンマ、青菜、ネギというラーメン由来のものと、ジャガイモひとかけらにひき肉少々。
チャーシューがないので、上記画像では焼肉単品の残りを加えたが、もちろん、肉ナシでもさみしくない。
いち川食堂のカレーそばは結構イケる! ライス200円を追加するのもオススメだ。

私の入店後も、何人かの客がやってきて、食事や昼酒を楽しみつつ、
さっきの壁メニュー画像の右端に映っていた、店内TVのゴルフ中継を眺めている。
店主は相変わらず将棋に没頭しているし、厨房のおばちゃんたちも、繁忙期を終えて小休止。
こういうのんびりとした雰囲気は、いかにも週末の昼下がりっぽくて、妙に心地よい。
満腹になり、うたた寝しそうになったが、初訪問でそれは失礼なので(笑)、お会計をお願い。
「キリン(ビール)やワンタンがなくてゴメンなさい」と謝罪されたが、気持ちよく飲み喰いできたので満足ですよ。
ただ、唯一引っかかったのが、橋本『よしの食堂』のときもやったように、
帰路で会計の内訳を暗算で確認していたところ、焼肉定食700円の単品も、どうやら700円だったこと。
おそらく、伝票に「焼肉」と記載し、定食の額で計算したのだろう。微々たる額だろうし、全体的に安かったからいいや。

ゆるい雰囲気が気に入ったので、数日後に再訪し昼酒を楽しむことに。この日の店主は、ちゃんと働いていた。
前回同様、キリンの大瓶を頼み、おツマミには「ハンバーグ定食」750円の単品をチョイス。
念のため、おばちゃんに価格を確認したところ、「単品は50円引き」と教えてくれた。
本当に微々たる額だったので、前回、わざわざ引き返し、返金を求めなくてよかった(笑)。

ビールを飲みながら、お店に置いてあったスポーツ新聞を読んでいると、数分後にハンバーグが到着。


こちらは反対側のアングル。付属のおかずが豪勢で、目玉焼き、生野菜、ポテトサラダ、さらにパイナップル付き!


ハンバーグは予想どおり、洋食屋さん風ではなく、昭和の食卓でよく見かけたタイプ。
玉ネギなどのつなぎは使わず、豚肉オンリーで、意外にもピンク色のミディアムレア。


いち川食堂さんのメニュー構成は、ジャンル的には【中華食堂】に該当するのだろうが、
出てくる料理は中華風というか、昭和の食堂や家庭を連想させるので、【定食・食堂】カテゴリーにしておいた。

途中で「レモンサワー」450円(たぶん、市販の缶製品)に変え、ハンバーグとおかずを食べ終えシメへ。
この日は、私の大好きな「五目そば」650円をオーダー。こちらも、通常ラーメンに+100円とお得価格だ。


具材は、キャベツ、玉ネギ、人参、ピーマンなどの野菜に、豚肉、ナルト、カマボコ、椎茸、目玉焼きなどが加わる。
目玉焼きは、ハンバーグのハードタイプに対し、ソフトな仕上がり。半熟の黄身ちゃんを、やさしく崩して食べた。
スープは醤油味ではなく塩味だが、野菜由来の澄んだ緑色ではなく、濁りのある薄茶色。ただし、塩分はきつくない。


自家製麺と一緒にスープをズズっと啜り、酩酊して来たところでお会計。
飲んだあと温かいツユを飲むと、身体全体にアルコールが回り、酔いが加速するのは気のせいだろうか?
この日は、私と同世代のサラリーマンや、学生風の男性コンビに若い女性ひとり客など、幅広い世代の客が来ていた。
客が高齢男性ばかりだと、最近の競輪場みたいで先行きが不安になるからね(苦笑)。

そしてつい最近、コロナ禍が始まってからはご無沙汰していた、『餃子のパプア』を久々に訪問。
結構飲み喰いしたあと、シメのお食事はすぐ近くのいち川食堂さんへ。


上記画像、右側の照明が明るい店舗が餃子のパプアさんで、左側、通過する車の上の照明看板が、
下記の袖看板である。両店の距離の近さが、わかっていただけたであろうか。


注文したのは、醤油味の「チャーシューメン」650円。今どき、普通のラーメンだって650円以上するよ。
この日は、私が最後の入店客だったようで、店主は閉店準備に取り掛かっており、
調理したおばちゃんが、お盆に乗ったチャーシューメンを、自ら運んできてくれた。


サイズは異なるが、横長のチャーシューが4枚。ラーメン+100円でこの増量は嬉しい。
まずはスープをひと口。カレーそばのとき、醤油風味を感じなかったので予想はしていたが、かなり薄い! 
前回紹介した、聖蹟桜ヶ丘『特一番』のしょっぱい「醤油チャーシューめん」と、足して2で割ったらちょうどいいかも。

※特一番のチャーシューめん

高血圧なので主治医に怒られそうだが、途中で卓上の醤油をちょろっと垂らし、味を調整した。
おばちゃんにお会計を済ませ、お店から出る直前に「ごちそうさまです」と告げると、
閉店準備を終え、残っていた常連客と同じテーブルに座っていた店主も「はあい、どうも~」と返答してくれた。
常連客が席を立つ気配はなく、閉店後は店主とふたりで一杯やるのかな。

商店街のHPによると、いち川食堂さんは、創業60年を超える老舗らしい。
立川同様、八王子駅周辺もどんどん変貌しているが、こちらのお店は、いつまでも変わらずいてほしい
常連客もそれを望んでいるはずなので、批判ありきの食べロガーなどは、近寄らないでくれ。
私自身はまた、八王子球場の帰りにでも寄らせていただきます。おじちゃんおばちゃん、これからもよろしく!



いち川食堂
東京都八王子市子安町1-9-1
JR八王子駅より徒歩約3分
営業時間 11時~20時頃まで 
定休日 木曜
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木久ちゃんお墨付き(?)のラーメン 聖蹟桜ヶ丘『特一番』

2022年11月01日 | ラーメン、つけ麺など
高校時代、母校野球部の応援に府中球場へ行った帰り、観戦仲間と昼飯を喰うことになった。
お手頃価格で駅の近く、ということで選んだのが、府中駅にほど近いラーメン店。
お店の名前も、何を食べたのかも覚えていないが、味は悪くなかった記憶がある。
もうひとつ記憶に残っていたのが、店内壁に飾ってあった、落語家の林家木久蔵(現・木久扇)さんの写真とサイン。
 ※Amazonから拝借した、木久扇師匠の最新著書

当時はラーメン評論家などおらず、ラーメン好きを公言していた著名人は、私の知る限り木久蔵さんだけであった。
常連客として店主と顔見知りだったのか、たまたま立ち寄っただけなのかは定かではないが、
「全国ラーメン党・党首」を名乗っていた、師匠の写真とサインは、お店のいい宣伝になったはずである。
その後、府中競馬の帰りにも寄ったことがあったが、当時の私はこのお店を、「木久ちゃんの店」と呼んでいた。

それから数年後、インターネットのおかげで、上記のお店が『特一番』という屋号だったことを知る。
さらに、何度か利用していた分倍河原駅近くのラーメン店が、特一番の支店だったことも判明。気付けよ(恥)。
分倍河原店には、「力(ちから)ラーメン」という、ちょっと珍しいメニューがあったのだが、
ある日、おっさん客が「カレーラーメン!」と誤読注文し、店員に「力ラーメンのことですか?」と指摘されると、
「あっ、イヤ、そ、そうです…」と激しく狼狽…と、どうでもいいことは覚えているのに、屋号は忘れていた失礼な私。
さっき、食べログで分倍河原店のメニュー表示を確認したところ、私が遭遇したおっさんのような客が多かったのか、
力ラーメンだけ、手書きで「モチ入りラーメン」に修正されていた(笑)。

特一番は、本店が北海道・旭川にあり、東京にはのれん分け店として、先述の府中と分倍河原、
さらには日野、三鷹、吉祥寺、中河原、和泉多摩川などにも店舗があったようだが、現在はすべて閉店。
府中や三鷹は屋号を変えて再起したようだが、特一番の屋号で営業しているのは、東京では聖蹟桜ヶ丘店のみ。
私が最後に入店したのが、もう10年ほど前の日野店。いつの間にか減っていた特一番さんの味を思い出すべく、
今年の春頃、近くの居酒屋『三太』さんで飲んだ帰りに、寄ってみることに。

『北海道らーめん 特一番』という屋号の下には、昭和44年創業という力強い文字。今年で53年目を迎える老舗店だ。


「北海道らーめん」と名乗っているが、正確には、本店がある「旭川ラーメン」の系統だと思われる。
昔、「札幌は味噌、旭川は醤油、函館は塩」と聞いたことがあるが、こちらは3種とも揃っている。


この日私が注文したのは、「味噌らーめん」680円(現在の価格、以下同)と、

※当時はらーめん全品620円

6個420円の「餃子」のハーフ、「半ぎょうざセット」220円。


私の印象では、同じ味噌ラーメンでも、札幌のはモヤシなどの野菜やひき肉が入るタイプで、
旭川はこちらのように、メンマ、チャーシュー、ネギと、醤油ラーメンと同様の具材を使う店が多い気がする。
また、麺も札幌風のように真っ黄色ではなく、標準的な色の縮れ麺だ。


肝心のスープは、味噌由来の旨味、甘味、コクよりも、ダイレクトにしょっぱさが押し寄せる!
だがこれこそが、私が若い頃によく食べた特一番の味であり、「懐かしの味噌ラーメン」である。
「コレだよコレ!」と心の中で喝采しつつ、麺を噛みしめスープを啜る、幸福なひととき。
しょっぱウマい味噌スープは、餃子タレにも使用してみた。


餃子は薄皮で、ほんのりニンニクの香り。卓上の自家製ラー油が好相性。


前のお店で結構飲み喰いしたあとだったが、味噌スープも相当飲み(苦笑)、他はしっかり完食。

数ヶ月後の再訪時は、塩味を試してみたくなり、「塩バターコーンらーめん」820円+「温玉」110円を注文。


味玉でも生玉子でもなく、温玉というのが、ソフト黄身ちゃん愛好家としてはありがたい。


麺と具材は味噌味と同じ。塩味のスープもやはりしょっぱかったが、バターの風味とコーンの甘味でだいぶ和らぐ。
通常レンゲと一緒に、穴開きレンゲも付いてきたので、コーンを残さず救うことができた。
最近は、魚介ダシや岩塩などを使った、複雑な味わいの塩ラーメンを出す店もあるが、
特一番さんのは、昔ながらの化学調味料など(笑)を効かせた、シンプルだけどじんわりウマい、塩ラーメンである。

ここで、入口の画像を再掲載。隣の看板『味道楽 留萌(るもい)』は、特一番の2階にある居酒屋で、経営者は一緒。


ランチ営業もしているが、夜メニューも注文可能なので、昼酒も楽しめるようだし、


しかも、1階の特一番のメニューも頼めるらしい


3度目の訪問は、上の居酒屋で一杯やったのち、下からラーメンの出前(?)を頼むことにした。

階段を昇って入店すると、店主らしき男性にカウンター席へ案内され、さっそくメニューに目を通す。
留萌という北海道の地名を屋号にしているだけあって、北海道直送のお刺身など、魚介類のおつまみが主体。


お店自慢の生魚が食べられず、野菜も苦手な私は、頼む料理が限られてしまう。
とりあえず、「エビスビール」の中瓶680円を注文したところ、頼もうと思っていた「ざんぎ(とりの唐揚げ)」が、
洋風ソース(ケチャップ&マヨ?)で和えられ、お通しとして出てきた。これは嬉しい。

※お通しはたぶん400円

おつまみは、店内貼紙でもオススメしていた、「手造りつくね」200円を2本と、
ひとつくらい魚介料理を…ということで、「ほたてバター焼き」680円をオーダー。
まずはつくね2本が登場。見た目どおり、濃口のタレで焼かれており、ビールが進んでしまい、お替わり。


1階のラーメンもしょっぱいが、2階の居酒屋は酒を飲ませるためか、さらにしょっぱいのかも。

ビールとほぼ同時に、貝殻を容器代わりにした、ほたてバター焼きも完成。


バターよりも、磯の香りが強く感じられる。おお、拙ブログでは珍しい表現。
お行儀が悪いのを承知で、ほたてのエキスが溶けこんだバターに、つくねも浸してみた。


つくねタレとバターが、どちらも引かずに渡り合う、先日の日本シリーズのような名勝負。※オリックスおめでとう!
ビールから「ウーロンハイ」460円に変え、それも飲み干した頃、シメの特一番ラーメンを注文。
味噌と塩は食べたので、この日は醤油味の「チャーシューめん」950円をオーダー。
さっき「下から出前を頼む」と記したが、当然岡持ちで運ばれるのではなく、厨房内のリフトで上がってくる。
数分後、チャーシューが6枚盛りつけられた、醤油・チャーシューめんが到着。


つくねタレと同じ色をした、いかにも濃そうなスープは、いざ飲んでみると、期待を裏切らぬしょっぱさ!
味噌、塩をさらに上回る、醤油由来の塩分がキツイため、提供されたお冷やをがぶ飲み。
また、味噌と塩のときは触れなかったが、横長の形状をしている自家製チャーシューは、


元々の味付けもしょっぱいのに、醤油スープが浸みこむため、これまた強烈な濃口。
念のため、残ったバターにも付けてみたが、チャーシューの味が勝っていた。


味噌と塩のときは、スープを結構飲んだが、醤油ではだいぶ残してしまった。
シメの食事なのに、さらに喉が渇き酒が欲しくなる、恐ろしいラーメンである。
昔からこの味だったのか、私がトシをとったのか…とにかく特一番さんのラーメンは味が濃い!
ただ、脂分や旨味が過剰ではなく、麺の量もそれほど多くはないので、実は食べやすかったりする。
昭和生まれの人間なら、慣れ親しんだテイストだしね。個人的には血圧が気がかりだが(苦笑)。

会計時、店主らしき男性に、ダメ元で質問を。
「こちらでは、下のお店のラーメンを注文できますが、反対に、下でこちらのおつまみを頼めますか?」
すると店主は、「それはできないんです」と即答。あ、やっぱり(笑)。ラーメン店で長居されたら迷惑だしね。
聖蹟桜ヶ丘は、それほどくわしくない私だが、昼酒飲むなら『留萌』
そして、シメのラーメンは『特一番』を推奨しておく。
林家木久扇師匠のお墨付きでもあるようだし(?)。



特一番 聖蹟桜ヶ丘店
東京都多摩市関戸1-11-5
京王線聖蹟桜ヶ丘駅より徒歩約90秒
営業時間 11時半~14時、17時~25時 日曜は昼15時まで、夜23時まで
定休日 月曜
※留萌は同住所の2階
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