都内屈指の飲み屋街・赤羽で、私が初めて昼酒を楽しんだのは、今から13年ほど前。
案内役の先輩が、1軒目に連れてってくれたのが、『いこい』という立ち飲み屋だった。
朝早くから営業しており、ツマミはどれでも当時は110円、串焼き3本で220円という安価。
ただし、「ハムサラダ」は1枚のハムを二等分してマヨネーズをつけただけだったり、
生ビールを飲んだあとに、ウーロンハイを追加注文したところ、
飲み終わった直後の、泡が残っているジョッキにウーロンハイを注がれたりと、
いろいろツッコミどころはあったのだが、メチャクチャ安いので文句はいえなかった。
そのいこいで働いていた方が創業したのが、立ち飲み店『晩杯屋(ばんぱいや)』。
いこい同様の激安価格と、いこいよりマシな接客や入りやすい店構えが受け、最近どんどん支店を増やしている。
さらに、その晩杯屋で修行した方、つまり始祖のいこいから見て孫弟子にあたる方が、
昨年夏に高円寺南口で開業したのが、今回紹介する『千吉良屋(ちぎらや)』さんだ。
こちらのお店も、立ち飲み・価格破壊・キャッシュオン(商品注文ごとに代金と引換)と、修行先と同様のスタイルだが、
店主の出身地の名物である、広島風お好み焼きがあるのが特徴。
しかも、1枚680円、1/2だと350円、1/4サイズでは180円と、ひとり客でも頼みやすいサイズがあるのがうれしい。
先日、初めて入ってみたとき、まずは生ビール410円と「マカロニサラダ」180円、「広島 お好み焼」1/4を注文。
酒類も焼酎類は250円~、ホッピーセット370円、ハイボールは290円~と安く、値段のわりにジョッキは大きめ。
すぐに生ビールのジョッキ、そして小皿に盛られたマカロニサラダが出てきた。
マカロニは、よくある穴の開いたものではなく、ねじれタイプ(名称わからん)を使用。
続いて、あらかじめ調理してあった1/4お好み焼きを温め直し、目の前の鉄板へ。
こちらのカウンターは、一部が鉄板になっており、焼きものメニューを頼んだ客のエリアだけ温めてくれる。
ただし、調理は目の前でなく、厨房奥にあるスペースの広い鉄板で行なわれる。
お好み焼きにはヘラも渡してくれるので、切り分けて食べた。広島焼きの厚さはこの通り。
決して薄っぺらではなく、180円では申し訳ないクオリティだ。
焼き置きとはいえ、私はたまたま注文したタイミングがよかったようで、
私のすぐあとに来た客も「1/4お好み」を注文したところ、店主は「30分くらいかかるよ」と返答。
ベースとなる小麦粉の薄い生地は焼いてあったが、ソバを茹で、豚肉を炒め、ソバを焼き…と、確かに時間はかかる。
この日は15分くらいで出てきたが、客の注文が重なったりすると、本当に30分かかってしまうかも。
もちろん、店主ひとりでの営業なので、私も他の客も、手が空いているときを選んで追加注文をしたつもりだが、
店主は終始、「あーあ、やってらんねーなー」と言いたげな表情を浮かべていた。
わかりやすくいえば、競輪で1着3着を喰らったときのような顔だ。わかりやすくないか。
激安店舗ゆえ、丁寧な接客をしろとはいわないが、あまりに不機嫌そうだと、客としては居心地よくないよね。
とはいえ、この日は料理2種と酒4杯で1730円。安さには勝てず、その後も数回通ってしまった。
以下で、これまで頼んだ中から、おススメのメニューを紹介していこう。
なお、店主はその後も常に不愛想だったが、あまり気にしないことにした。
壁に貼ってあるメニューは、一番上が「広島 お好み焼」、すぐ下にあるのが「鶏カレーもつ煮込み」180円。
うずらとラッキョウが入るのだが、苦手なラッキョウは抜いてもらった。食べてみるとなかなかスパイシー。
保温鍋からすくって、すぐに提供されるので、ファーストオーダーやお好み焼きを待つのに最適。
こちらは、私の大好きな「カニクリームコロッケ」130円。
自家製ではないと思うが、中のクリームが重すぎず、けっこう美味しい。
続いては、限定メニューなので今もあるかはわからないが、「海苔のポテサラ包みフライ」130円。
中身はこんなかんじ。海苔の存在感は薄いが、確かにポテトサラダが詰まっている。
食べた感触はコロッケに似ているが、ポテサラ独特の酸味があるので、やっぱりコロッケとは違う。
この海苔ポテサラフライもさっきのクリームコロッケも、2個注文すると200円と割安になるので、頼むなら偶数だな。
そして、個人的に一番おススメなのが、写真の「とん平焼き」250円。
玉子で豚肉、キャベツを包み、ソース、青海苔、マヨネーズをかける。シンプルだけど満足度の高い料理だ。
ソバを茹でたりする手間がないため、お好み焼きの注文はイヤがる(?)店主も、とん平焼きはすぐに焼いてくれる。
ただ、別の日に他の客がとん平焼きを頼んだところ、「焼き物は1回だけ」と断られていた。
お好み焼きを焼いた客には、とん平焼きの追加はダメなのかもしれない。
あと、ドリンク類からも、ちょっと変わったメニューを紹介しておく。
まずは「ビアタン生ビール」130円。名称通り、タンブラーグラスの小さなビールだ。
このビールとコロッケだけなら、「せんべろ」どころか「さんびゃくべろ」も可能だが、
店主がさらに不機嫌になりそうなので、もう少しお金を使った方が賢明だろう。
さらに、壁のメニューにも気になるドリンクが!
写真は撮ってないが、「コーヒー牛乳割り」は、甘くて美味しかった。悪酔いしそうだけど。
「ポカリ割り」は頼んだことはないけど、本当に悪酔いするので注意が必要だ。
迷信説もあるが、スポーツドリンクと酒を一緒に飲むと、吸収して酔いやすくなると聞いたことあるし、
実際に私は…じゃなくて、私の知人は2年ほど前、金宮焼酎のポカリ割りを飲んですぐに記憶をなくし、
さほど面識のない、隣席にいた女性の太ももをナデナデしていたらしい。よう知らんけど。
繰り返すけど、セクハラしたのは私ではなく知人なので、誤解のないように。
最後の「メロンソーダハイ(別皿にバニラアイス付きます)」は、ちょっと恥ずかしいけど頼んでみた。
あの、メロン果汁がまったく入らないメロンソーダが、ガキの頃から大好きだったので。
数分後、出てきたのがこちら。
クリームソーダに入るような、丸っこいバニラアイスが出てくると思っていたので、ちょっと意外。
飲んだ感想は、メロンソーダとバニラと焼酎はやっぱり合わない、だ。
ここで悲しいお知らせ。つい最近入店したとき、ポカリ割りとメロンソーダハイの箇所に横線が入っていた。
残念ながら、今では注文不可のメニューになってしまったようだ。残念がる客は少なそうだが。
以上、何度か通ったものの、千吉良屋店主とはいまだに、注文と会計以外はほとんど会話したことがない。
一部の常連客のように、フレンドリーに語り合える日は来るのだろうか。
私の場合、「いいトシこいて甘い酒を頼む、気持ち悪い客」と、陰でバカにされてそうだな。
いずれにしても、ちょっと時間が空いたときや、あと1杯だけ飲みたいときなどに重宝するお店だし、
とにかく安く飲めるので、今後も小銭を用意し、ちょくちょく通おうと思っている。
立呑み 千吉良屋
東京都杉並区高円寺南4-25-2
JR高円寺駅から徒歩約2分、地下鉄新高円寺駅からは徒歩約15分
営業時間 火~金15時半~25時 土、祝15時~25時、日15~23時
定休日 月曜
※営業時間は店頭の貼紙の情報より
案内役の先輩が、1軒目に連れてってくれたのが、『いこい』という立ち飲み屋だった。
朝早くから営業しており、ツマミはどれでも当時は110円、串焼き3本で220円という安価。
ただし、「ハムサラダ」は1枚のハムを二等分してマヨネーズをつけただけだったり、
生ビールを飲んだあとに、ウーロンハイを追加注文したところ、
飲み終わった直後の、泡が残っているジョッキにウーロンハイを注がれたりと、
いろいろツッコミどころはあったのだが、メチャクチャ安いので文句はいえなかった。
そのいこいで働いていた方が創業したのが、立ち飲み店『晩杯屋(ばんぱいや)』。
いこい同様の激安価格と、いこいよりマシな接客や入りやすい店構えが受け、最近どんどん支店を増やしている。
さらに、その晩杯屋で修行した方、つまり始祖のいこいから見て孫弟子にあたる方が、
昨年夏に高円寺南口で開業したのが、今回紹介する『千吉良屋(ちぎらや)』さんだ。
こちらのお店も、立ち飲み・価格破壊・キャッシュオン(商品注文ごとに代金と引換)と、修行先と同様のスタイルだが、
店主の出身地の名物である、広島風お好み焼きがあるのが特徴。
しかも、1枚680円、1/2だと350円、1/4サイズでは180円と、ひとり客でも頼みやすいサイズがあるのがうれしい。
先日、初めて入ってみたとき、まずは生ビール410円と「マカロニサラダ」180円、「広島 お好み焼」1/4を注文。
酒類も焼酎類は250円~、ホッピーセット370円、ハイボールは290円~と安く、値段のわりにジョッキは大きめ。
すぐに生ビールのジョッキ、そして小皿に盛られたマカロニサラダが出てきた。
マカロニは、よくある穴の開いたものではなく、ねじれタイプ(名称わからん)を使用。
続いて、あらかじめ調理してあった1/4お好み焼きを温め直し、目の前の鉄板へ。
こちらのカウンターは、一部が鉄板になっており、焼きものメニューを頼んだ客のエリアだけ温めてくれる。
ただし、調理は目の前でなく、厨房奥にあるスペースの広い鉄板で行なわれる。
お好み焼きにはヘラも渡してくれるので、切り分けて食べた。広島焼きの厚さはこの通り。
決して薄っぺらではなく、180円では申し訳ないクオリティだ。
焼き置きとはいえ、私はたまたま注文したタイミングがよかったようで、
私のすぐあとに来た客も「1/4お好み」を注文したところ、店主は「30分くらいかかるよ」と返答。
ベースとなる小麦粉の薄い生地は焼いてあったが、ソバを茹で、豚肉を炒め、ソバを焼き…と、確かに時間はかかる。
この日は15分くらいで出てきたが、客の注文が重なったりすると、本当に30分かかってしまうかも。
もちろん、店主ひとりでの営業なので、私も他の客も、手が空いているときを選んで追加注文をしたつもりだが、
店主は終始、「あーあ、やってらんねーなー」と言いたげな表情を浮かべていた。
わかりやすくいえば、競輪で1着3着を喰らったときのような顔だ。わかりやすくないか。
激安店舗ゆえ、丁寧な接客をしろとはいわないが、あまりに不機嫌そうだと、客としては居心地よくないよね。
とはいえ、この日は料理2種と酒4杯で1730円。安さには勝てず、その後も数回通ってしまった。
以下で、これまで頼んだ中から、おススメのメニューを紹介していこう。
なお、店主はその後も常に不愛想だったが、あまり気にしないことにした。
壁に貼ってあるメニューは、一番上が「広島 お好み焼」、すぐ下にあるのが「鶏カレーもつ煮込み」180円。
うずらとラッキョウが入るのだが、苦手なラッキョウは抜いてもらった。食べてみるとなかなかスパイシー。
保温鍋からすくって、すぐに提供されるので、ファーストオーダーやお好み焼きを待つのに最適。
こちらは、私の大好きな「カニクリームコロッケ」130円。
自家製ではないと思うが、中のクリームが重すぎず、けっこう美味しい。
続いては、限定メニューなので今もあるかはわからないが、「海苔のポテサラ包みフライ」130円。
中身はこんなかんじ。海苔の存在感は薄いが、確かにポテトサラダが詰まっている。
食べた感触はコロッケに似ているが、ポテサラ独特の酸味があるので、やっぱりコロッケとは違う。
この海苔ポテサラフライもさっきのクリームコロッケも、2個注文すると200円と割安になるので、頼むなら偶数だな。
そして、個人的に一番おススメなのが、写真の「とん平焼き」250円。
玉子で豚肉、キャベツを包み、ソース、青海苔、マヨネーズをかける。シンプルだけど満足度の高い料理だ。
ソバを茹でたりする手間がないため、お好み焼きの注文はイヤがる(?)店主も、とん平焼きはすぐに焼いてくれる。
ただ、別の日に他の客がとん平焼きを頼んだところ、「焼き物は1回だけ」と断られていた。
お好み焼きを焼いた客には、とん平焼きの追加はダメなのかもしれない。
あと、ドリンク類からも、ちょっと変わったメニューを紹介しておく。
まずは「ビアタン生ビール」130円。名称通り、タンブラーグラスの小さなビールだ。
このビールとコロッケだけなら、「せんべろ」どころか「さんびゃくべろ」も可能だが、
店主がさらに不機嫌になりそうなので、もう少しお金を使った方が賢明だろう。
さらに、壁のメニューにも気になるドリンクが!
写真は撮ってないが、「コーヒー牛乳割り」は、甘くて美味しかった。悪酔いしそうだけど。
「ポカリ割り」は頼んだことはないけど、本当に悪酔いするので注意が必要だ。
迷信説もあるが、スポーツドリンクと酒を一緒に飲むと、吸収して酔いやすくなると聞いたことあるし、
実際に私は…じゃなくて、私の知人は2年ほど前、金宮焼酎のポカリ割りを飲んですぐに記憶をなくし、
さほど面識のない、隣席にいた女性の太ももをナデナデしていたらしい。よう知らんけど。
繰り返すけど、セクハラしたのは私ではなく知人なので、誤解のないように。
最後の「メロンソーダハイ(別皿にバニラアイス付きます)」は、ちょっと恥ずかしいけど頼んでみた。
あの、メロン果汁がまったく入らないメロンソーダが、ガキの頃から大好きだったので。
数分後、出てきたのがこちら。
クリームソーダに入るような、丸っこいバニラアイスが出てくると思っていたので、ちょっと意外。
飲んだ感想は、メロンソーダとバニラと焼酎はやっぱり合わない、だ。
ここで悲しいお知らせ。つい最近入店したとき、ポカリ割りとメロンソーダハイの箇所に横線が入っていた。
残念ながら、今では注文不可のメニューになってしまったようだ。残念がる客は少なそうだが。
以上、何度か通ったものの、千吉良屋店主とはいまだに、注文と会計以外はほとんど会話したことがない。
一部の常連客のように、フレンドリーに語り合える日は来るのだろうか。
私の場合、「いいトシこいて甘い酒を頼む、気持ち悪い客」と、陰でバカにされてそうだな。
いずれにしても、ちょっと時間が空いたときや、あと1杯だけ飲みたいときなどに重宝するお店だし、
とにかく安く飲めるので、今後も小銭を用意し、ちょくちょく通おうと思っている。
立呑み 千吉良屋
東京都杉並区高円寺南4-25-2
JR高円寺駅から徒歩約2分、地下鉄新高円寺駅からは徒歩約15分
営業時間 火~金15時半~25時 土、祝15時~25時、日15~23時
定休日 月曜
※営業時間は店頭の貼紙の情報より