明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

神出鬼没の完全個室ラーメン 立川『虜(TORIKO)』

2023年09月29日 | ラーメン、つけ麺など
先日、酩酊して立川に戻ってきたとき、たまたま南口をさまよっていたら、下記の看板を発見。


B1Fと表記があるように、地下にあるラーメン屋のようだが、いつの間に開業したのだろうか。
そういえば、立川を紹介するサイトで、「普段はウニ屋だが、たまにラーメン屋をやる店」の記事を見た記憶があった。
あとで調べたら、この場所は会員制雲丹料理専門店『丈寿(JYOUJYU)』という店舗のはずだが、
私の訪問時はどうやら、「たまにラーメン屋をやる」時間帯だった模様。
既出したように、この日は珍しく、泥酔ではなく酩酊状態だったので、ちょっと入ってみることに。
ただ、普段は会員制のお店だけあって、下りの階段の雰囲気がいかにも高級そう…というかボラレそう(苦笑)。


階段を下り、意を決して入店しようとしたら、突然入口ドアが開き「いらっしゃいませ」と声をかけられビックリ。
なので、下記の入口ドア画像は、退店時に撮影したものである。


私の来店を、店内のモニターか何かで見張られていたのだろうか。なんだかおっかないな。
ドアの向こう側には温厚そうな男性店員がいて、「おひとり様ですね、どうぞ」と招き入れてくれる。
店内は薄明りで、ラーメン店というか、やはり部外者お断りの会員制店舗という印象。
この応対や雰囲気、以前にも経験があるな……そうだ、新宿歌舞伎町のポーカー屋だ(詳細は割愛)。
そういえば、昔ここは雀荘だった記憶がある。料理屋とは偽りで、実は非合法カジノでは!?
などと妄想が膨らみ、怖くなってきたけど、とりあえず「ご案内します」という店員さんのあとをついていく。
下記画像は後日撮ったものだが、砂利敷きの通路が、場違いな店に来たようで、これまたおっかない。


「私はラーメンを食べたいだけなのに…」と半ベソかきながら、暗い店内を進んでいくと、
とあるドアの前で立ち止まり、「こちらへどうぞ」と、5人ほど入れる個室に案内してくれた。


念のため、店員さんに「こちらは、今の時間帯はラーメン屋さんなんですよね?」と確認すると、
「ハイそうです」と返答し、ドアを閉め去っていく。半信半疑のまま着席し、置いてあるメニューを確認。


独自のネーミングが付けられているが、要するに味噌、辛味噌、鶏出汁、油そばの4種のようだ。
ここでようやく、ラーメン提供時の屋号が『虜(TORIKO)』だと知る。
心配していた価格も、上の看板と同じオール950円。外の表示と店内では、値段が違う店もあるからね。
あと、ラーメンだけでなく、ドリンクメニューもあるようだ。


しばらくすると、さっきの店員が戻ってきて、お水とおしぼりを提供しながら注文をたずねられる。


飲んだあとなのでアルコール類は頼まず、麺類4種のうちから鶏出汁の「食べて恋して」を選択。
店員さんが出ていき、広い個室内で再びひとりになった。
寝っ転がろうと思ったが、ここもやはり、モニターで見張られているかもしれないので(?)自重。
テーブルには、メニューの他、お店インスタグラムなどへの案内や、


各種調味料が設置してある。ラーメン同様、これまたネーミングが独特である。


数分後、ドアがノックされ、さっきの店員さんと鶏出汁ラーメンが登場。


横アングルはこちら。麺量は140グラムくらいかな?


まずはスープをひと口。立川市内の鶏出汁ラーメン店『チキント』『おや麺』と比較すると、
鶏のこってり加減は控えめだが、むしろ醤油の旨味が強い、しょっぱウマいスープだ。
麺はさほど個性を感じないが、スープに浮いた鶏の油ともよく絡む。個室なので、堂々とリフトができるのも嬉しい。


具材は、数枚を巻きつけて花弁に見立てた低温チャーシュー、味玉、メンマ、シメジ、ネギ、生姜、三つ葉。
シメジは、写真を見て今気付いたのだが(恥)、味玉は大きめかつ半熟で、美味しかったよ。


ネギの切り方や、生姜や三つ葉を添えるところなどに、普段は和食店であることがうかがえる。
途中でナナミちゃん(七味)を加え、スープ以外はほぼたいらげ、個室を出る。


入口付近で「お会計お願いしまーす」と声をかけると、さっきの店員さんが厨房と思われる場所から出てきた。
追加料金などを請求されることなく、お会計は950円のままであった。
鶏出汁スープの味自体も悪くなかったし、今どきのラーメンは、味玉入りで950円は珍しくない。
しかも、広々とした個室で味わえるのだから、この値段はむしろ安いと思える。
「ボラレそう」「非合法カジノでは」などと失礼なことを書いてしまったが、そんなことはなく、
味、サービス、居心地などすべてが満足できる、立川屈指のラーメン店に思えた。

支払い後、お店についていろいろ質問してみたので、その回答を以下にまとめる。
〇ラーメン店の営業は、基本は金、土の夜0時から5時まで
〇普段はウニ料理専門店だが、予約がないときに急遽ラーメンを提供することもある
〇臨時に営業する場合は、お店のラインやインスタグラムで発信している

私が訪問したのは月曜の22時台だったので、運よく開いていたのだ。

帰宅後、お店のインスタグラムを見たけれど、臨時営業の情報はどこで発信しているのか、わからなかった。
ラインはやっていないので、私の場合は、いつ営業するのか不明のまま。
なので、その後も何度かお店まで行ってみたが、残念ながら虜の看板が出ておらず。


初訪問から約1ヶ月たった先日、ダメ元でお店に向かってみたら、看板が出ている!
喜び勇んで階段を下りたが、この日はドアは閉じたままだったので、自ら開けて入店。
前回とは別の女性店員が出てきて、例のごとく5人用の個室に案内される。


この日のラーメンは、味噌味の「うちのみっちゃん」950円を選択。


横アングルにすると、中央の白髪ネギの盛り具合がよくわかる。和食の職人が刻んだのかな?


スープは、期待どおりの濃厚さだが、真っ先に感じたのが、白味噌由来の甘口。
これまでの人生で食べてきた、味噌ラーメンではもっとも甘いかもしれないが、
前回ブログで告白したように、私は甘党なので、甘いスープも甘い罠も、拒むどころかむしろ歓迎。
卓上のナナミちゃんやペッパーくんを入れると、甘さが少し和らいだ気がした。
麺は北海道ラーメンでよく使用される、プリッとした歯触りが特徴の黄色い縮れ麺。


もう少し柔らかい方が好みなので、しばらくスープに浸してみた。
具材は極厚のバラチャーシュー、味玉、青菜、ネギ、糸唐辛子、あと炒めモヤシも少々。
何度でも書くけど、チャーシューは低温レアよりも、醤油で炊くタイプの方が絶対ウマいよ。


他の店で飲み食いしたあとなのに、スープまで全部飲み干してしまった。
私はここの甘口スープが気に入ったが、苦手な方には辛味噌ラーメンを推奨する。

会計は、前回と同じ男性店員が担当してくれたのだが、
「この場所での営業は今月一杯で終了し、ラーメン虜は来月から、別の場所で新規オープン」することを教えてくれた。
私が訪問したのは26日だったが、今月一杯ということは、残りわずかではないか!
実店舗ならば営業時間が固定され、空振りの心配もなく訪問機会は多くなるはずだが、
私は、広々とした個室内で、やや後ろめたい気持ちを抱きながら啜るラーメンが好きだったので、
現在の個室店舗で食べられなくなるのは、ちょっと残念である。
個室を希望するなら、雲丹料理専門店『丈寿』に来ればいいのだが、私はウニが食べられないので…。



きまぐれラーメン虜(TORIKO)
東京都立川市錦町1-3-16 B1F
JR立川駅から徒歩約3分
営業時間 金、土の夜(つまり土、日の朝)0時~5時、4時半ラストオーダー
定休日 上記以外の曜日、ただし臨時営業あり

※文末で記したように、10月から別の場所で新規オープン
住所は東京都立川市錦町1丁目6-15です


※※10月3日追記 新店舗でのオープンは10月10日だそうです
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雄弁かつ多才な愛弟子 矢部『梅吉』(後編)

2023年09月27日 | ラーメン、つけ麺など
JR横浜線の矢部駅と淵野辺駅の間、住所だと相模原市中央区鹿沼台1-1-1という1並びの場所に、
かつては『肥後っ子 大石家』という、商売っ気のないユニークな店主が営むラーメン店があった。
その後、大石家は惜しまれつつ閉店したが、同じ場所で愛弟子が、『梅吉』というお店を開業。


師匠譲りの豚骨スープと麺、そして店主のマジメさと雄弁さに、私はすぐ梅吉さんのファンになった…
までを前編で語ったので、後編の今回は、梅吉さんが提供しているラーメンについて紹介していく。
前編執筆後、梅吉さんを改めて取材。実際は、いつものようにお店で食事とラーメン談義を楽しんだだけだが(笑)。
なお、前編で掲載したメニュー表画像は、レンズの汚れで右端が霞んでいたため、改めて撮影したのを再掲載。
表側が、現在販売しているラーメン類で、


裏がトッピングやサイドメニューだ。

※上記2枚、前編も差し替え済み

ついでに、麺類4種の写真見本もある、お店入口のメニューも掲載。


撮影したのは昨年で、現在の価格はすべて+50円。前回、唯一紹介した「梅吉らーめん」は、
※ニンニク食べても大丈夫ならオススメ※などのコピーと一緒に、「豚の頭骨から丁寧に炊き上げた豚骨スープに3種のニンニク等を使った特製タレを合わせ、他では味わえない一杯に仕上げました!」という説明文も。
梅吉らーめんは、別の日には「チーズ」100円を追加し、2枚にしたこともある。


マー油などによる独特の苦みを、ダブルチーズの濃厚な風味が包み込み、臭みのない豚骨スープの旨味が増幅。
ただし、麺やキクラゲと絡んで食べづらくなる、という欠点もあるので(苦笑)、チーズは1枚でもじゅうぶんだ。


ところで、私が食べた梅吉らーめんは真っ黒だが、他人のブログなどを見ると、最近はキャラメルっぽい色をしている。
前回書いたように、梅吉店主は研究熱心なので、作るラーメンも日々、変化&進化していると思われる。

こちらは、※ニンニク不使用、柚子胡椒入り※の「らーめん」。


見た目は梅吉らーめんと同じなのだが、画像に「らーめん」とメモをした、自分を信じたい。
柚子胡椒は控えめで、感じるのはやはり、豚骨スープの旨味とチーズのまろやかさである。
後日、ぜいたくにも「チャーシュー」400円を追加し、計6枚のチャーシューらーめんにしてみた。


横アングルはこちら。丼サイズは普通だが、麺の量は160グラムと、一般的なラーメンより多め。


大石家のチャーシューは、柔らかく薄切りだったが、梅吉さんのは分厚く締まった肉質で歯応えがよく、
さらに提供直前にフライパンで炙るため、濃厚スープに負けない香ばしい仕上がりに。
この日はライス=「松源の白御飯」200円も追加し、


いつものようにチャーシュー丼を作ってみた。


あとで調べたが、この松源の白御飯とは、滋賀県甲賀市で作られている上質品らしい。
ライスにも気を配る、梅吉店主の誠実さがうかがえるが、そんな良質なお米を、そのまま味わうことなく、
すぐにチャーシューを乗せてスープをぶっかけた、私を許してほしい(反省)。

基本の【らーめん三銃士】(←勝手に命名)のうち、個人的に苦手な黒マー油が主体の「黒らーめん」は未食だったが、
先日の訪問で、今回の後編に掲載すべく、初オーダーしてみた。


見た目は他のラーメンと似ているが、先述した店頭メニューでは、※当店で最も好みの分かれる味※という見出しのあと、
「真っ黒なマー油をソースのように使い(中略)“甘味”と“苦味”と“酸味”を感じる一杯です」と解説。
相当クセのある味なのかと、恐る恐るスープを啜ってみると、最初に感じたのが甘味で、苦味や酸味はそうでもない。
九州では甘い醬油が一般的だが、その醬油をタレに使用しているようで、なかなか面白い味だ。
以前も書いたように甘党で、甘い醤油も甘い誘惑(←最近は縁なし)も大好きな私は、この商品は意外と気に入った。

だが、関東人の中には、甘い醤油が苦手な方もいるので、黒らーめんも賛否両論があったようだ。
好き嫌いは仕方ないが、ごくたまに「なんだこの味は!?」などと怒ったり、屈辱的な暴言を吐くバカもいたらしい。
未知の味や文化に戸惑う感情はわかるが、まずは「こういう味もあるんだな」と受け入れるべきで、
固定観念から抜け出せず、「甘口のラーメンはおかしい」と決めつけ怒鳴り散らすようなバカは、
どうせクレイマーか食べロガーなどのクズだろう(あ、これも決めつけだ)と、私がいつものように罵ったところ、
店主は私の罵倒には付き合わず、淡々と、納得してもらえない状況に困惑した、と振り返っていた。
梅吉店主も、先代の大石店主と同様、かなり話し好きのようだが、汚い言葉は一切使用しない(←お前も見習え)。
人柄の良さが口調からにじみ出ており、なおさら無礼な客に対して腹が立ったね。

メニュー右側の3種は、近年は固定されているが、一番左側は何度か入れ代わっている。
現在の「文化条らーめん」700円は、数年前に閉店した、熊本の『味乃文化城』という人気店の味を再現したそう。
お店から、レシピと使用していた丼を受け継いだそうで、このラーメンだけ、丼に模様がある。

このときに載せた画像を再掲

上記画像にはチーズが入っているが、他のラーメンより200円安い分、通常はチーズ抜きである。
濃すぎずしょっぱすぎず、ベーシックな熊本ラーメンで万人受けしそうなテイストだ。
梅吉店主は、九州各地のラーメンを食べ歩いており、味乃文化城店主とも、そのとき知り合ったのだろう。
大石家と同様、「この人に味を受け継いでもらいたい」と思わせるのが、梅吉店主の人柄だ。

文化条らーめんの前は、チーズ抜き、チャーシュー1枚、スープ少なめの「はじめての熊本らーめん」を500円で提供。


当時、前記のラーメン3種が800円だったので、500円はかなりのサービス価格だが、
具やスープが減っただけで、味自体はいつもと変わらず美味しかった。
さらにその以前は、黒らーめんとは対照的な商品「白らーめん」もあった。


価格は、他の三銃士と同様800円で、マー油不使用のため、お店自慢の豚骨スープがもっともダイレクトに味わえる。
個人的には、私が一番気に入ったのがこのラーメンであり、「替え玉・1玉160g」200円も頼んでしまった。

※替え玉は当時150円

麺を2玉食べるのならば、「大盛」+100の方がお得なようだが、替玉にはチャーシューが付く。店主の優しさだな。


あ、そういえば、最新の訪問で、店内の食品衛生責任者(?)の札で、店主の名前を確認してきた。
名字が梅野さんで、名前が…〇吉さんだった。最近目が悪くなって、〇部分が見えなかった。ゴメン。
くりぃむしちゅーの有田哲平さんの愛称「アリペイ」と同様(?)、梅野〇吉さんで屋号が『梅吉』になったわけだ。

先述したように、現存のラーメンもブラッシュアップが続いており、さらに店主は新作ラーメンの構想も練っている。
以前は、「最近の東京ではあまり見ない、臭ウマなラーメンを、あえて今作ってみたい」と語っていた。
臭みのないスープを出している梅吉さんが、あえて真逆のスープを出すことに興味が沸いたが、
今のところまだ商品化はしていない模様。住宅街だし、近隣からの苦情も避けられないからね。
最近は、「暑い夏場でも食べられる、冷やし担々麺」を考案中とのこと。
ベースの豚骨スープが素晴らしいので、絶対ウマいのができると思う。たとえ冬場でも食べたいものだ。

大石家の味を引き継ぎながらも、少しずつ製法も変えているそうで、特に最近は、
「ラーメンの味は全体的に濃厚になっているので、過去のままでは物足りなく思われる」らしく、
梅吉さんは近年、スープに使用する豚骨の量を以前の倍にしたそうだが、
「豚骨の価格が2.25倍になったので、コストは実質4.5倍」とのこと。うわあ、それは大変だ。
昨今のラーメン店事情の他、以前よりは食べ歩きが減ったそうだが、九州や東京のラーメン店なども教えてくれる。
先日は、都内の某店をオススメしてくれたので、近日中に行ってこようと思う。
梅野店主とは食後、ほぼ必ず会話をさせていただくが、毎回いろいろと勉強になる。
一応、現在ある商品は全種類制覇したとはいえ、梅吉さんには今後も通い続けるしかない。

ところで、卓上メニューで「当店で最も美味しい商品はこちら」と紹介されているのが、
下記の「たまごが美味しい自家製ミニアイス」。北海道の高級玉子を使っているそうだ。


私が食べたときは300円だったが、玉子の高騰かつ品薄で、現在は500円の数量限定商品に。
味の感想は、良質な玉子が引き立てたのか、ミルク成分の濃厚さが印象に残った。
「当店で最も美味しい」は謙遜だろうが、甘さ控えめで舌の上でふわっと溶ける。濃いラーメンのデザートには最適だよ。


お店のブログによると、「当時毎日店を覗いていく小さなお客様の為に作り始めた」とのこと。
ラーメンには関係のない、お子さん向けのアイスでも、手抜きなく高級玉子を使うのが、いかにも梅野さんらしい。

もうひとつ、店主がラーメンに関係なく(?)作成しているのが、自家製のお野菜
当初は、薬味のネギなどを育てていたようだが、最近はナス、冬瓜、レタス、キュウリなどなど、
ラーメンの具材やスープには、使用しないと思われる野菜を作り、知人に配っているようだ。
私も「よかったらもらってください」と仰るので、せっかくなので、レタスとキュウリをひとつずついただいた。


野菜嫌いの私だが、梅野さんが作ったのだから…と食べてみたところ、市販の野菜とは明らかに違う!
野菜ならではの香りや青臭さが鮮烈で、いかにも身体にも良さそう。このレタスとキュウリなら、私も喜んで食べるよ。
ラーメンだけでなく、アイスクリームも野菜も美味しい、梅野店主の多才ぶりに脱帽だ。



らーめん梅吉
神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-1-1
JR矢部駅から徒歩約6分、淵野辺駅からは約7分
営業時間 最近は月~金18時~22時、土日祝11時半~14時
定休日 不定休
※定休日や時間についてはお店のブログで確認を
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我が道を貫いた、名匠直伝の味 矢部『梅吉』(前編)

2023年09月19日 | ラーメン、つけ麺など
かつて、JR横浜線の相模原市に、『肥後っ子 大石家』というラーメン店があった。
屋号でわかるように熊本ラーメンのお店だが、新宿『桂花』のような角煮入りラーメン(ターローメン)などはなく、
メニューは「ラーメン」600円に+100円の「大盛」のみと、いたってシンプル。
それだけ聞くと、店主はストイックな頑固職人風なのか、と想像する方もいるだろうが、
店主の大石治さんは、頑固どころかむしろ気さくでユニークな方
どのくらいユニークかといえば、店頭には屋号の看板ではなく、自身の似顔絵を掲示するくらい(笑)。
 ※似顔絵の右下に、小さく屋号が記してある

営業形式も、火水木と週休3日、さらに夏休みと冬休みが1ヶ月ほどあり、飲食物の持ち込みも可能と、かなりフリーダム。
店内はカウンター6席ほど、飲料水はセルフサービスで、紙コップに注ぐ。珍しいことにお会計もセルフで、
所定の場所にお金を入れて、お釣りの小銭を取っていく。ごまかす客がいないか、心配したものである。
さらに、店内壁には多数の貼紙があったが、「私語厳禁!」といった客への注意事項はなく、
「英会話教えます」「○○ラーメンは、不評のため販売中止」など、一風変わったメッセージばかり。
「○○ラーメン」の正式名は覚えていないが、基本のラーメン以外にも、たまに限定メニューを考案していた模様。
英会話の他にも、「当店のラーメンの作り方伝授します」というのもあったが、これは後述する。

そもそも、店主は商売っ気がないようで、回転重視のラーメン店では珍しく、客との会話を楽しむ主義…というか、
常連・非常連を問わず、目の前に座った客へ一方的にマシンガントークを繰り広げる(苦笑)。
言葉遣いはやや乱暴だが、会話の内容はラーメンから世間一般のことまで、バラエティに富んでいて実に面白い。
食事中の私も何度か話し相手になり、お行儀悪く、麺やスープを噴き出したことがある。

会話に夢中になり、客に商品を出すのを忘れ、厨房内に置きっぱなしだったこともあった(笑)大石さんだが、
スープは無添加、麺は自家製で、豚骨、小麦粉、チャーシューの豚肉など、個々の原材料は厳選しており、
営業中はさておき、ラーメンの仕込みについては、いわゆる頑固職人だった。
そんな、店主の真摯なラーメン作りを称えたところ、大石さんは「ナニ言ってんだよ」という表情を浮かべながら、
「そんなのラーメン屋なら当たり前。ラーメン作るくらいでエラそうにしているヤツはダメだよ」と、
当時テレビによく出演し、「ラーメンの鬼」などと担ぎ上げられていた、『支那そばや』の佐野店主のことを小馬鹿にしていた。
地位の向上や、新たな食材の提案などで、ラーメン業界の貢献者とされる佐野氏だが、
彼の振る舞いだけを模倣・曲解し、腕を組んで睨みつけ、客を見下すような勘違い店主が増えたのは残念である。

大石店主は、1998年にアスペクトが発行したムック本「ラーメンマニアックス」で取材に応じており、
「俺、ラーメン屋って嫌いなのよ」と断言。
理由として、秘伝と称し製法を包み隠し、伝統に縛られ発展がないこと、を挙げ、
「板前には技があるけど、ラーメン屋には技やセンスはいらない。板前の包丁さばきは3日じゃできないけど、
俺が教えたとおりにやれば、誰でもウチのスープは作れる」
と語り、実際にスープや麺の仕込み方を公開している。

そんな大石さんが作った、お店の看板メニューであるラーメンがこちら。


先述のムック本に載っていた画像だが、チャーシュー、きくらげ、味玉半個、にんにくチップの他、
紅生姜、ノリ、ネギ、ゴマ、そしてとろけるチーズと、なかなか具材が多い。
チーズとラーメンの相性はよく、私もたまに、「サッポロ一番 塩らーめん」に乗せて食べる。
いずれにしても、無添加スープと自家製麺に豊富な具材、これで600円は安すぎる。
自由な営業方針に安価な値段設定、さらに取材でのコメントや普段の会話などから、
大石店主には、「ラーメンは、自由に気軽に食べるもの」という哲学があったと解釈し、私はそれを全面支持する。

こちらでは何度か食事したが、下記のような、だいぶ前に撮影したガラケー画像が数枚残っているのみ。


その中でもマシなのが、2013年に食べた、ラーメン+100円の「たこ焼きラーメン」700円の画像。


たこ焼きは、市販の冷凍食品だと思われるが、味玉が半分から1個に、チャーシューは2枚から6枚にそれぞれ増え、
さらにパプリカ、コーン、カニカマ、プチトマト(私は抜いてもらった)なども入るのだから、700円は破格だよ。
基本のラーメンも、たこ焼き以外の上記具材がすべて入るが、豚骨スープが負けておらず、美味しく食べられた。
この頃はたこ焼きラーメン以外にも、「ちゃんぽん」や「海鮮ラーメン」などのメニューも加わっていたが、
翌年の2014年に廃業するまで、ラーメンは最後まで、600円の価格を維持していた。

その後、大石店主は熊本に帰郷し、悠々自適な生活を楽しんでいたそうだが、2016年に事故で急逝なさったそうだ。
「病気などで苦しむこともなく、最期まで明るく楽しい、師匠らしい急な旅立ちだったのかもしれません」
と語ってくれたのが、大石さんの愛弟子であり、今回のテーマである『梅吉』の店主。

いつも以上に長い前置きとなったが、大石師匠に触れないままでは梅吉さんは語れないし、
大石家があまりにも個性的なお店だったので、つい文字数を費やしてしまった。どうかカンベンしてほしい。
また、このときに「近日中に紹介」と予告したのに、1年以上たってしまったこともお詫びする。

店内の貼紙で弟子を募集し、書籍で調理法を公開するくらいだから、大石さんは修行希望者も快く受け入れており、
出身者のお店は全国各地や海外にもあるそう。そのうちの1軒で、最後の弟子と思われるのが梅吉さんだ。
お店は、大石家があった場所にそのまま居抜きでオープン。


建物の右側には、大石家時代からあった「The Raumen」の文字が残っている。
梅吉店主(本名は聞いたことがない)は、元々、日本中のラーメンを食べ歩くほどのマニアだったが、
縁があり大石家で修業を積み、レシピや丼なども引き継ぎ、大石店主引退から約1年後の2015年に開業。
九州ラーメンにも精通している梅吉店主によると、こちらのラーメンは佐賀のエッセンスも含まれるらしく、
看板には「佐賀熊本らーめん」の文字が記されているが、新店主の似顔絵を提示する予定はないらしい(笑)。

私の初訪問は2018年。母校日大三で野球部の試合を観戦した帰りに、淵野辺駅から徒歩で向かったのだ。
お店はJR横浜線の淵野辺駅と矢部駅の中間地点にあり、後日歩いて計ってみたところ、
わずかに矢部の方が近かったので、日記タイトルの最寄り駅を「矢部」にしておいた。
大石家と同様、提供商品を絞っており、こちらが最近の麺類メニュー。


右側の3種は、初訪問時からある不動のレギュラーで、一番左のメニューは、度々変わっている。
裏側がトッピングやサイドメニュー。大石家と違い、持ち込みは不可だと思う。


最初の訪問で注文したのは、お店オススメの「梅吉らーめん」で当時800円。
代金は前払いだが、セルフではなく、ちゃんと店主が対応してくれる。
大石さんのように世間話や同業者の悪口(笑)などを語ることなく、梅吉店主は調理に集中し、数分後には完成。


チャーシュー、きくらげ、ノリ、チーズは先代と共通だが、マー油と焦がしネギ&ニンニクが多く、スープが真っ黒だ。
大石家時代も、玉ねぎとニンニクを細かく刻んで揚げたものや、マー油も少々入っていたが、
梅吉さんはどちらもマシマシ。ビターな風味が口内に広がり、ニンニク好きにはたまらないだろう。
豚骨スープは、臭みはないがコクがあり、しつこくないけど満足感が残る、直伝のテイスト。
店内の製麺機で作る麺は、博多風よりやや太めで、ほどよいコシがあり、スープやチーズとの相性も良好。


チャーシューは大石家時代よりも分厚く、味が浸みていて美味しい。
個人的には、スープ本来の味を楽しみたいので、マー油と焦がしネギ&ニンニクが過多に感じたが、
豚骨ラーメンとしては、かなりレベルの高い一杯であった。

食後は店主に、常連というほどは通っていなかったが、大石家さんが好きだったことと、
そんな、好きなお店を継いでくれたことへの感謝などを告げたところ、新店主も応じてくれて、
既出した、師匠が数年前に亡くなっていたことや、師匠への想いや記憶(ラーメン出し忘れなど)、
さらにはラーメンへの深い愛情などを、一気にまくし立てる。まさか、新店主も話し好きだったとは(笑)。
ただし、大石さんは新規客にも一方的に話しかけたり、私の大好きな下ネタや他人の悪口(苦笑)が多かったが、
梅吉店主は普段の口数は少なく、話す内容や口調も丁寧で、聞いてて不快に思うことはないはず。
これまた先述した、私の前では批判していた佐野店主についても、
「師匠も実際は、佐野さんを認めていたはずですよ。本当に嫌いだったら、名前すら出さないでしょう」と解説。
ついでに、こちらは名前は出さないが、町田の某有名店の女性店主について、大石さんは「あのババア」とよく罵っていたが、
それについても「あのふたりは本当は仲がいいんです。女性店主も、何度か大石家に客としてやって来て、
“なんだよババア”“うるせえジジイ”などとやり合ってました(笑)」と教えてくれた。そうだったのか!
さすがは愛弟子。師匠のことはよく知っているし、話してみたところ、九州ラーメンの造詣も深い。

その後も、ラーメンを味わうため、そして店主とのトークを楽しむため、こちらには何度か通っている。
店主は研究熱心で、メニューだけでなく麺、スープ、具材なども、たびたび変えている様子。
なので、同じラーメンでも前回とは違う印象を持つこともあるし、一期一会となった商品もある。
我が道を貫いた迷匠…ではなく、名匠から受け継いだ味を、さらに進化させるべく日々奮闘している、
梅吉店主を、私は結構尊敬している。仕事関係で尊敬している人間は皆無なのに。 ※蔑視しているのは多数
そんな店主が作ったラーメンを、もっと紹介するため…後編につづく



らーめん梅吉
神奈川県相模原市中央区鹿沼台1-1-1 ※大石家も同じ場所でしたが、ゾロ目のいい住所ですね
JR矢部駅から徒歩約6分、淵野辺駅からは約7分
営業時間 月~金18時~22時、土日祝11時半~14時
定休日 不定休
※定休日についてはお店のブログで確認を
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駅前開発を逃れた(?)老舗食堂 国分寺『えどっこ』

2023年09月09日 | 中華食堂
近年、再開発されて、見た目はキレイになった国分寺駅の北口。
地元の皆さんは喜んでいるのかもしれないが、私としては、かつて存在していた、
庶民的な居酒屋や飲食店、エロ本ばかりの本屋(駅前なのに…)などが並ぶ、商店街が懐かしい。

それでも、開発されたエリアのちょっと先、メイン通りから西側に一本入った路地には、
懐かしい雰囲気の飲食店、『えどっこ』が残っている。
お店自体は、以前から知っていたのだが、失礼ながら、ノレンも看板もない怪しげな外観だし、

※隣の空き地が草ボウボウなのも怖い

店内も、常連らしき酩酊客でいつも賑わっており、ヨソ者としては入りづらかった。
今年の春頃、久々に『谷信』で飲んだ帰り、小腹が空いていたのだが、
近くの『淡淡』『武道家』『だるまや』あたりでは、「小腹」では済まない(笑)。
悩んでいるうちに、えどっこさんを思い出し、お店に向かってみた。

この路地を歩くのは数年ぶりだったが、お店はちゃんと営業していて、空席もあったので入店。
初入店なのに小腹=ここはそんなに多くない、と思った理由は、入口に貼ってある値札。


「ラーメン」550円、「ラーメン+餃子3個」650円など、昭和価格の値札が並ぶ。
以前見かけた常連客も、高齢の方が多かったし、安価と客層から、量は控えめだろうと予想したのだ。
こちらのお店は、先述のように看板もノレンもないため、私も含め屋号を知らなかった方も多いはずだが、
上の貼紙をよ~く見ると、北・西・東・南の順に、「え」「ど」「っ」「こ」の文字が記されている。

注文はラーメンだけのつもりだったが、餃子に釣られて+3個のセットを選択。
人の良さそうな店主が調理に取り掛かり、まずはラーメンが完成。


スープは、昔ながらの醤油色かと思いきや、少し濁った飴色タイプ。
具材はチャーシュー、メンマ、ノリにネギ。チャーシューは自家製らしく、意外とウマかった。
横アングルでわかるとおり、多くはないが決して少なくもなく、適量といえる。


ラーメンを半分くらい食べたところで、餃子も焼き上がった。


チャーシャーと同様、餃子も自家製で、ニラが多めの家庭的な味わい。


2軒目ゆえ、さすがに満腹になり、この日はすぐに退散したが、店主はいい人そうだし、
なにより、壁紙メニューに気になる商品があったので、次回は空腹&シラフで来ようと決意。

数ヶ月後の再訪時には、壁メニューの撮影に成功。まずは麺、定食、セット。


別の壁には、「冷し中華」や「キーマカレー」などの別メニューも。写ってないが「味噌ラーメン」もある。


そして、ドリンク類とおつまみとなる単品。個人的に大歓迎なのが、単品<すくなめ>の存在


最近胃が小さくなった私にとって、中華食堂の一品料理は、ひとり飲みには多すぎる場合が多く、
半チャーハン以外にも、少なめサイズの商品があるのは、本当にありがたい。
2度目の訪問では、「麦茶ワリ」380円を注文も麦茶がなく、同額の「ウーロン茶ワリ」に変更し、
おつまみとして、「にら玉子いため」350円と、「焼豚」単品のすくなめ480円をオーダー。
書き忘れたが、こちらのお店の最高値は、「焼豚定食」と冷し中華の800円。外観だけでなく、価格も昭和のままである。
注文を受けると、店主はまず、冷蔵庫からキャベツを取り出し千切りにしてから、焼き豚をスライスして盛り付ける。


「すくなめ」とはいえ、自家製チャーシューは4枚も盛られている。普通だと6~7枚になるのかな?
ラーメンのときに感じたように、豚肉の旨味がほどよい。付属の濃い味のタレも、ツマミになるね。
続いて、これまた発注後に野菜を刻んでから調理した、にら玉子いためが完成。


そこそこ大きな皿で提供されており、具材もニラと玉子以外に、豚肉と玉ねぎも入っていた。
数日前に、「テンイチの小ライスは120円とはいえ少なすぎる」と苦言を呈したが、
えどっこさんのニラ玉は、350円とは思えぬ量と品質。全国に、ニラ玉を出す飲食店は星の数ほどあるだろうが、
この価格のニラ玉で、えどっこさんを上回る店は滅多にないのではないか。

他にお客さんがいなかったので、店主に客席で休憩してもらい、いろいろとお話しさせていただいた。
えどっこさんは当初、南口で『江戸っ子』名義で長年営業しており、北口の現店舗に移ってからは、今年で約10年。
「少し休んだ時期もあったけど、両方合わせたら40年くらい。オレの人生のだいたい2/3かな」と店主は語る。
店主は新潟の出身(江戸っ子ではない!)で、こちらの水質の悪さには閉口したそうだ。
単品に「すくなめ」がある理由はやはり、常連客の要望に応えたからだとか。
店の前を通ると、いつも常連さんで賑わってましたね、という私の発言に対し、
店主は「やっぱり、コロナがあってからは、みんな(来店頻度が)減ったよ。だから営業時間も少し短くした」。
ネットでは営業時間は22時までとの情報が散見されるが、現在は21時閉店である。
これはえどっこさんだけでなく、私が通っている居酒屋やバーの店主からも、同様の嘆きを聞いている。
「コロナ以降、飲み歩く習慣がなくなったのか、ハシゴする客が減ったため、夜遅い時間帯の売上が落ちた」と。
実際私も、体力だけでなく、金銭的な問題(←切実)もあるし、終電も早くなったため、ハシゴ酒は確かに減っている。

おつまみを食べ終えたので、店主に再度厨房に戻ってもらい、シメの食事を作っていただく。
前回醤油ラーメンを食べたので、今回は塩味の「たんめん」700円と、「ミニキーマカレー」400円を注文。
たんめんは、別の壁メニューに「野菜たっぷり」の説明があったが、確かに、店主が野菜をザクザク刻み始めた。


さっきも触れたように、注文が入るたびに野菜を仕込むことについて店主は、
「切り置きすると悪くなるし、そんなに仕込んでもお客さんが来ないから…」と謙遜していたが、
実際は、手抜き作業を嫌い、新鮮な野菜を使用したいという、店主の職人魂の表れであろう。
私が知る限り、前もって調理しているのは、餃子とキーマカレーだけだと思う。
その後、店主は大量の野菜を炒め、麺を茹で、さらに冷凍のキーマカレーを解凍し…と厨房内を駆け巡り、
まずは、中央にライスを盛り、周囲にカレーを注いだ、ミニキーマカレーが完成。


横アングルでもわかるように、ミニではなくハーフサイズはある。一般的なキーマカレーより水分も多め。


食べてみると、普通のひき肉カレーと思いきや、辛さの中にほろ苦いコクが感じられた。
隠し味にコーヒーを使っているのかな? とにかく、個性的でなかなか美味しいカレーである。
続いて、本当に野菜たっぷりのたんめんが登場。


前回のラーメンより、丼がひと回りデカく、食べ切れるのか不安になる。


麺はラーメンと同じ縮れタイプ。キャベツ、もやし、人参、ピーマンなど具材もたっぷり。


カレーをたいらげ、たんめんも頑張って食べ進めたが、具材少々とスープを残してしまった。
次回たんめんを頼むときは。同価格でいいので野菜を少なめにしてもらおう。

そしてつい最近、えどっこさんに3度目の訪問。
今回は「麦茶ワリ」があったのでオーダーしたら、お通しの冷奴も付いてきた。


サービスかと思ったら、会計時に150円と判明(苦笑)。まあ他の商品が安いからいいけどね。
おつまみとして、「しょうが焼」単品・すくなめ380円をオーダー。


にら玉子いためと同様、安価の割にはボリュームがあり、380円の豚肉の生姜焼きでは日本一かも。
しょっぱめの生姜タレと絡むマヨキャベツも、これだけで麦茶割りが1杯飲める名脇役である。


この日のシメは、ソース、塩、カレーと3種の味がある「焼そば」650円のカレーにする予定だったが、
先客が食べていた「とんぺい焼」450円が実にウマそうだったので、私もそれを注文。
とんぺい焼きor豚平焼きとは、豚肉のソテーを玉子で包み、ソースやマヨネーズなどをかける関西発祥の料理だが、
小麦粉を混ぜたり、キャベツやモヤシなどの野菜を含むなど、店によって具材や調理法が多少異なる。
そして、えどっこさんのとんぺい焼は、ご覧のとおり円形の玉子にソースや鰹節がかかっているが、


中身は豚肉と焼きそば。要するにオムソバなのである


とん平焼きを450円くらいで出す店はあるが、オムソバを450円で提供する店は、かなり希少だと思う。
麺にはソースだけでなく、ラーメンに使う醤油タレも混ぜており、濃厚なソバとまろやかな玉子がよく合う。


シメのつもりが、あまりのウマさに、焼酎割りをもう一杯飲んでしまい、大満足で「ごちそうさまです」。

お会計時、今回の冒頭で触れた、開発前に存在した商店街について店主にたずねたところ、
「あの辺の店主とは、何人かが知り合いで。皆さん優秀な方(調理人・経営者)だったけど、
後継者がいなかったりして、立ち退きを機に廃業したみたい」と、少し寂しそうに語ってくれた。
仰るとおり、都市開発とは町の利便性を高める反面、私の地元立川市の駅周辺のように、
古くからその地に根付いていた老舗店に、トドメを刺すケースもあるのだ。
えどっこさんの周辺にも、昔ながらの豆腐屋さんやケーキ屋さんなどがあるが、
この一帯も遠くない将来、開発される計画もあるとか。他市の問題とはいえシャクにさわるなあ。
えどっこさんには今後も、通い続けるつもりなので、立ち退き計画なんぞ突っぱねていただきたいが…。



えどっこ
東京都国分寺市本町3-12-16
JR、西武線国分寺駅から徒歩約5分
営業時間 11時半~16時、17時半~21時
定休日 水、日
コメント (4)
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夏の甲子園では3回戦に進出 -日大三高野球部2023-

2023年09月05日 | 高校野球
もう9月に入ったけど、先月甲子園に出場した、母校・日大三高野球部の試合を振り返ってみる。
昨年の聖光学院戦と同様、初戦は球場で生観戦しようと思い、関西の天気予報をチェックしながら、
試合3日前に、往復の新幹線とホテルがセットになったツアーを申し込み、甲子園の入場券も確保。
去年ここで文句言ったけど、雨天順延でも払い戻しはしない
そして、転売ヤーの高値販売も野放しにしている、高野連の対応は絶対におかしい。
対策はいたって簡単、前売りや指定席券は廃止し、当日に自由席を販売という、以前のやり方に戻すだけでいいのに。

幸い、天候は大きく崩れることなく、甲子園球場は日程を順調に消化していき、


三高は当初の予定どおり、大会4日目の8月9日、第二試合に登場。


相手は兵庫代表の社(やしろ)。公立校とはいえ、激戦区の兵庫県を勝ち抜き、昨年夏から3季連続で甲子園に出場。
ある意味、三高より格上もいえる。まったく二宮(主将)め、相変わらず悪いクジを引きやがって…。
ところで、私が購入した席は「内野一塁側・中段・12段71番」だったのだが、 

※中段のどの席になるかは、客側は選べない

中段エリアの一段上がった場所の一番前で、しかも右端だったため通路に出やすく、快適であった。 


しかも、私の座った位置はこの日、11時頃から銀傘の日陰に入り、日光を遮断。
チームのクジ運はよくなかったが、私が引いたクジ=購入した座席は、なかなか恵まれていたようだ。
試合開始前、両チームのスタメンが発表された。三高はエース安田など、西東京大会の準々決勝以降と同じメンバー。


その直後にベンチから出てきた、個人的に一番頼りにしている古賀、秘密兵器から主軸にレベルが上がった針金、
そして、あまりアテにしていない意外性の男(?)、森山らの素振りを撮影。


この直後にプレイボールとなったが、普段の試合と同様、観戦と応援に集中したため、写真は一切なし。
ここからは試合経過を簡単に記述。表が社で裏が三高。
1回裏 先頭の古賀がヒットで出塁し、一死二塁のチャンスも、二宮らが凡退し無得点。
2回裏 ヒットで出塁した針金が盗塁を決める(エンドランで打者が空振り)も、やはり後続倒れ無得点。
3回裏 ヒットの安田を二宮がセンターオーバー二塁打で還し先制。場内がどよめいたので、一瞬入ったかと思ったよ。
5回表 ここまで走者を出していない安田が、二死から初安打を浴びる。ひそかに完全試合を期待していたのに。
5回裏 森山の二塁打が飛び出し、池内の犠牲フライで追加点。その後、二宮がヒットで続くも、一塁走者古賀の暴走でチェンジ。
不満の残る攻めだったが、珍しく森山が打ったのだから、儲けものと思っておこう。
6回裏 二死から針金の二塁打などでチャンスを作るも森山が凡退。ランナーがいるときはダメか。
7回表 先頭打者四球からバントで送られ、この試合最初のピンチも、後続を抑える。
7回裏 二死から池内、二宮が連続ヒット。相手の悪送球があり、池内が一気に生還し3点目。
二宮はこの日3安打。クジ運の悪さを自らのバットで挽回した形となった。
8回裏 またまた二死から大賀ヒット、森山二塁打でチャンスを作るも、安田は最終回の投球に専念するため(?)凡退。
三高打線は11安打を放つも、後半は二死からの攻勢が目立ち、さらに岡村と佐々木が無安打のため繋がらず、3点どまり。
9回表 三者凡退に抑え2安打完封。安田の生涯最高(たぶん)のピッチングで三高勝利!


甲子園球場 第105回全国高校野球選手権記念大会
8月9日 1回戦 対社(兵庫)

社000000000→0
三00101010×→3


5年ぶりに耳にした、聖地甲子園での勝利の校歌は、やはり格別である。


お土産売場では自分用に、最初の方に載せた、この日の試合を示す「対戦看板のマグネット」800円を購入。

※自宅冷蔵庫に貼り付け

なお、マグネットは上部分のみなので、掲示物を貼る場合は、上下逆にしなくてはいけない…。


ハナシは戻って、お土産購入後、球場の外を歩いていたら、小倉全由前監督に遭遇。
私が声をかけようとした瞬間、別のオバハン団体(生徒の母親?)が近付き、記念撮影を要求。
それを見た他の観客も集まりだし、いつの間にか、小倉さんとの記念撮影を待つ行列ができてしまった。


笑顔で応じていた小倉さんだが、クソ暑い中、長時間立ちっぱなしでの撮影は、かなり気の毒。
私が割って入り、「炎天下だし、小倉さんに申しわけないだろ!」と注意すべきだったかなあ。
ちなみに、私が伝えたかった言葉は、「監督、教え子たちの甲子園勝利、おめでとうございます」だ。
前監督の名声をさらに高める、初戦突破を成し遂げたメンバーたちを誇りに思った、この日の甲子園であった。

当日の夜、宿泊先で「熱闘甲子園」を視聴し、試合を振り返ったのだが、
キャスターの斎藤佑樹が、安田とのインタビューも交え、彼の投球についてくわしく解説していたのだが、
「安田はチェンジアップだけでなく、球速はあまりないが、タテ回転のストレートも武器」などと、
対戦相手のヒントになりそうなことを、ベラベラしゃべってやがる。
OBになってもまだ、三高の邪魔をしやがるとは…だから早実は嫌いなんだ(怒)

試合の翌日には帰京し、2回戦からは現地観戦はせず、自宅でテレビ観戦。
2023年度チームの試合は、普段はバックネット裏からの観戦が主体で、テレビで観るのは初めてなので、
選手の顔は投手の安田くらいしか知らなかったが、今年の三高、面白い顔のヤツが多いな(笑)
2回戦の相手は、これまた公立校で、春夏通じて甲子園初出場の鳥栖工。
初戦は辛勝だったようだし、西東京の予選みたいに楽勝かと思ったが、そうは行かないのが甲子園。

先発した2年生左腕の谷亀が、初回二死から連打を浴び先制される。
タイムリーになった三遊間への打球は、ショートが横っ飛びしていれば、走者は三塁どまりだったはずなのに。
その裏、二宮のタイムリー二塁打ですぐに追いつくも、2回表もピンチを迎えたところで谷亀から安田に継投。
4回裏に一死満塁の好機を逃した直後の5回表、安田が相手打線を三者三振に抑え、1-1で5回終了。
6回裏、森山のタイムリー二塁打で逆転。関西出身だからか、普段と違い甲子園だと打つんだな。
7回裏は二宮の二塁打などで無死二、三塁も無得点。二宮、ここまで初戦から7打席連続安打。
二宮は、昨年の聖光学院戦でも2打数2安打を記録しており、甲子園での打率は相当高い。
8回裏に、安田が自ら二塁打を放ち、池内がタイムリーで還し3点目。最終回も安田が抑え、三高が逃げ切った。

8月14日 2回戦 対鳥栖工(佐賀)
鳥100000000→1
三10000101×→3


スコアボードの写真は当然なく、撮影したのはテレビに映った、退場していく三高メンバーの画像のみ。


相手の鳥栖工は、三高の攻撃を粘り強く凌ぐ、いいチームだった。
話題になっていた、ベンチから終始檄を飛ばしていた女子マネージャーも、敵ながらアッパレだった。
試合中は常に険しい表情で、「オイこらお前、絶対打てよこのヤロウ!」などと叫んでいたと思うが(違うか)、
敗戦決定後は一転、穏やかな表情を見せて仲間を労っていたのには、ちょっとウルっときたね。
彼女や鳥栖工部員のためにも、三高にはこの後も勝ち続けてほしかった

3回戦の相手は、春夏通じて3度目の出場となるおかやま山陽。
過去の甲子園では未勝利だったが、今大会では日大山形、大垣日大を破り2勝を挙げている。
日大系列では実績最上位の三高としては、負けるわけにいかなかったのだが、エース安田が序盤から打ち込まれてしまう。
先述したように、数日前に斎藤佑樹が絶賛、そして解説したストレートを、おかやま打線がキッチリ捉える。
5回裏には、ショートの悪送球とレフトのファウルフライ落球もあり、致命的な4失点。
ふたつのエラーがなかったら、2失点くらいで済んだだろうが、ショートもレフトも下手だから仕方がない。
次の回の攻撃で、チャンスで登場した代打が見逃し三振に倒れたところで、さすがの私も敗戦を覚悟した。
それでも、5点差で迎えた最終回、大賀と森山の連打で無死一、二塁となったときは、最後の反撃を期待してしまった。
次打者は二遊間へのライナー併殺。あの打球が抜けていたら、二塁走者が生還できなくても無死満塁。
そこからは、安打製造機の古賀、西東京では打率.500を誇った池内、7打席連続安打を含め、甲子園では絶好調の二宮、
そして、2回戦から四番を任されている、最後の夏で素質開花の針金らが控えていた。
ひょっとしたら、甲子園史上に残る逆転劇が見られたかも…と期待したくなる打線だったし、
いろいろ不満も述べたが、今年の三高、結構いいチームだったよ

8月17日 3回戦 対おかやま山陽(岡山)
三001001000→2
お11004001×→7


観戦中は飲酒しまくっていたため、試合終了後は即、現実逃避するかのように意識を失う。
なので写真はまったくなく、今回はスポニチさんのサイトから画像を拝借。
 (C)スポーツニッポン

泣くな二宮、泣くな安田、君たちはよく頑張った!
彼らだけでなく、三高の選手たちは、持てる力を存分に発揮したと思われる。
甲子園で3回戦進出=全国ベスト16は胸を張っていい大健闘だ。
2023年度チームの皆さん、3回戦進出おめでとう、そして1年間お疲れさまでした

すでに2年生主体の新チームが発足し、次の日曜日には公式戦初戦を迎えるが、
今年のチームについては、甲子園での慶応応援団問題も絡めて、最後にもう一度語ってみたい。
次回高校野球ブログ「日大三高野球部2023 完結編」に続く。
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