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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

55年の歴史に幕 八王子『九州らーめん 桜島』

2019年03月16日 | ラーメン、つけ麺など
今では全国的に知られている九州ラーメンだが、私がガキの頃は近所に店舗はなく、
せいぜい「うまかっちゃん」などの即席麺を食べる程度だった。
おそらく、私が初めてお店で食べた九州ラーメンは、八王子の『桜島』のものだろう。

私が桜島を知ったのは、今から30年ほど前だが、お店のオープンはさらに古く、55年前の昭和38年。
現在はJR八王子駅近く(東町店)と、京王八王子駅近く(京王店)の2店舗があり、
どちらのお店も多くの固定客をつかんでおり、八王子市では根強い人気を誇っていた。
そんな、長い歴史を刻んできたお店が、今月20日に双方同時に閉店してしまうと聞きビックリ!


上記写真のお知らせは、東町店の入口扉に貼ってあったもの。
すでにネットでも出回っているが、実際に目の当たりにすると、やはりショックである。
でも、「八王子のソウルフードになれました。」の赤文字が誇らしげだよね。
ここ数年は、八王子球場で母校野球部の試合を観戦したあとに立ち寄る程度の私だが、
毎回、ランチタイムを過ぎた時間帯でも客入りは上々だったため、当分閉店しないだろうと思っていた。
前回食べたのが昨年の7月。入店したのは14時くらいだったが、客席は7割ほど埋まっていた。
注文したのは「みそバターラーメン」の「セット」。味噌ラーメン500円+バター50円に、


小ライス100円と餃子3個150円がつき、定価800円のところ、セット価格で700円。安い!


しかも、こちらはコーヒーも無料でついてくるのだから驚き。


日によっては、オレンジジュースやプリンがつくこともあるらしい。
なお、味噌ラーメンのビジュアルに違和感を抱いた方もいるだろうから、以降でまとめて解説していく。

先日の土曜(3/8)、八王子方面に用事があったので、東町店にて「最後の桜島」を楽しんできた。
時間はやはり14時台だったが、私と同様に閉店を知った方たちがお店に駆けつけたらしく、かなりの盛況ぶり。
桜島東町店はテーブル席のみで、基本的に相席はさせないので、店内には待ち客が発生していた。
ひとりでテーブル席を占拠している客が3名いたので、こいつらが「相席でいいですよ」と申し出てくれれば、
3名をくっつけて、テーブルがふたつ空くのだが…どいつもこいつもそんな気遣いはしなそうな、
チンピラ風情の輩。いかにも八王子らしい…あ、立川市民(=私)も似たようなモンか。
数分後、席が空いたので、4人目のチンピラ…ではなく私も、ようやく着席させてもらった。
まずは「びんビール」450円と「餃子」300円、さらに「味付半熟玉子」100円をオーダー。
なお、こちらは食券制なので、追加注文の際はその都度、自販機で買わなくてはならない。
まずはビール中びんとキムチがやってきた。キムチはコーヒーと同様、希望者全員にサービスされる。


ビールを頼んだ客には、キムチは無条件でついてくるようだ。せっかくなので、ツマミにさせていただく。
続いて、味玉と餃子がやってきた。餃子の盛りつけはいつもテキトーだが、気にしないことにしている。


餃子は6個300円とはなかなか安く、味もいいのだが、昔はもっと大きめサイズだった記憶がある。
こちらは、厨房近くの壁にあるお店からのメッセージ。30年以上前からあるので、だいぶ字がかすんできている。


「当店の餃子は大きいので食べきれない場合がありますが、お持ち帰り下されば店員一同最大の喜びです…」
のような断りを入れるくらい、昔は一般的なサイズより大ぶりだったのだろう。
ひょっとして、九州ラーメンだけでなく、私がジャンボ餃子を初めて食べたのも、ここ桜島かもしれない。
ついでに、そのお知らせのすぐ横にある、主なメニューの価格を掲載した立札も掲載。


味噌、醤油、塩ラーメンが、いまどき500円均一とは驚きだろう。
ここで、さきほどの「みそバターラーメン」の画像を再び。


バター以外では、塩ラーメン風のスープに、具材のもやし、そして中央に特製味噌。
この味噌を客が自らスープに溶いて、味噌ラーメンに仕上げるのだ。なかなか個性的でしょ。
足りなかったら、卓上にある味噌(写真左)を追加すればいい。おろしニンニク(同右)を加えるのもおススメだ。


ラーメン類は500円~で、先述の小ライス+半餃子のセットは麺類+150円。
セットはチャーシュー丼、スタ丼、半チャーハンなどもあり、どれも同額。
さらに、ビールに650円までのメニュー(ラーメンセットもOK)がつく「ビールセット」1000円もある。
この日の私は、ビールを飲んだシメにラーメンを頼んだため、このビールセットを利用できなかったが、
元から安いのでヨシとする。最後だし、桜島さんにご祝儀だ(←たった100円だよ)。

キムチ、餃子、そして卓上の特製味噌も利用し、ビールを3本飲んだところで、シメを買うため券売機へ。
個人的に最後となる桜島の食事は、悩んだ挙句に「塩ラーメン+半チャーハンセット」を選択。
何度も利用してきたのに、実はチャーハンを食べたことがなかったので。
しばらくして、塩半チャンセットがやってきた。味玉半分は、さっき注文した分の残りだ。


チャーハンは、オーダーごとにちゃんと炒めて作っており、予想よりもウマかった。
そしてこちらは塩ラーメンのアップ。味噌とは違い、チャーシューが1枚隠れていた。


スープは、豚骨と鶏肉(鶏ガラではない)と野菜を煮込んで作るそうで、一般的な九州風豚骨スープよりあっさり。
そして、麺はごらんの通り、かなり太め。間違いなく、昔からこのサイズである。


こちらのラーメンのせいで、私はしばらくの間、「九州ラーメンは麺が太い」と思い込んでいた。
確か、その頃連載されていた、寺沢大介先生の漫画「ミスター味っ子」のラーメン対決でも、
「九州では太麺を使う」ようなことを、味っ子の対戦相手が語っていた。
寺沢先生も、ここ桜島のラーメンを、食べていたのではないだろうか(たぶん違う)。

ビールも飲んだし、だいぶ満腹だったが、途中で卓上の味噌を足して味を変えたりして、なんとか食べきった。

※味噌ラーメンになるかと思ったが、微妙に違った

ビール3本、餃子6個、キムチ、味玉、塩ラーメンに半炒飯。これだけ飲み食いしても2400円だ。
溶き味噌、太麺、多彩なセット、そしてサービスのキムチにコーヒー。
「どこが九州ラーメンだよ」と怒る方もいるだろうし、実際、九州ラーメンのカテゴリーには入らないかもしれない。
しかし、桜島さんが55年もの間、お客さんを喜ばせてきたのは、紛れもない事実である。
たま~に食べたくなるお店として重宝してきた、桜島がなくなるのはやっぱり残念

この日は大繁盛だったため、お店の男性オーナーも急きょ、私服のまま働くことに。
それに気づいた何人かのお客さんが、厨房まで近づいていき、挨拶していった。
中には、昔アルバイトしていたと思われる女性がいて、オーナーと話し込んでいたところ、
「ところで、18日と19日って空いてない?」とたずねられ、「え? あ、空いてますけど…」となり、
急きょ2日間だけ、バイト復帰が決まった様子(笑)。20日の閉店まで、大混雑が予想されるからねえ。
私自身は、オーナーとは面識はなかったけど、やはり挨拶はしておこうと思い、
帰り際に「ごちそうさまです、今までありがとうございました」と感謝の言葉を告げた。
するとオーナーは「ああ…どうも。またよろしくお願いします」と返答するではないか。
出口に向かう私に対し、近くにいたおばちゃん店員も「またご利用くださいませー」と挨拶。
そうか、私にとっては最後でも、桜島自体はこの日で終わりではないのだ。申し訳ない!
閉店する20日まで、残された日数はわずかだが、オーナー以下店員さんたちは最後まで手を抜くことなく、
安くて美味しい「九州ラーメン」を提供し続けてくれるだろう。

こんなブログ、どうせ見ていないだろうけど、最後に改めてひと言。
桜島のオーナーと店員のみなさん、ありがとうございました
みんなも、最後にもう一杯、食べておいた方がいいよ!



九州らーめん 桜島
東町店 東京都八王子市東町10-6 京王店 東京都八王子市明神町4-7-4
東町店はJR八王子駅より徒歩約3分、京王店は京王線京王八王子駅より徒歩約90秒
営業時間 どっちも昼間から23時まで、中休みなし
定休日 なし


※文中にありますように、2019年3月20日で閉店なさりました
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