明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

外観だけでウマイのがわかった 東村山『ひの食堂』

2019年09月08日 | 定食、食堂
安くてウマくてお腹だけでなく心も満たされる、庶民の味方=大衆食堂
食事だけでなく、オカズだけ頼んでお酒も飲んだりする、食堂好きの私が以前からチェックしていたお店、
それが今回紹介する、東村山の『ひの食堂』さんだ。

チェックしていた理由は当然、安くてウマそうな料理の存在が第一だが、
それ以上に惹かれたのがお店の外観。下記がその画像だ。


この外観で「グッとくる」か「ゾッとする」かで、人生が変わってくるはずだ(←大げさ)。
人間と同様、大事なのは外見ではなくて中身だからね。グッときた私は、喜び勇んで入店。
なお、看板には「キッチンひの」と記されているが、「ひの食堂」が正式名らしいので、以降もそう呼ぶことにする。
のれんをくぐり店内に入ると、おばちゃんから「いらっしゃい」の声が。
中はカウンター席と小上がり席があり、外観とは対照的に(失礼)、客席も厨房もしっかり清掃されている。
夕飯どきということで、近所に住んでいると思われる、常連客や家族客などで賑わっていた。

メニューは揚げ物と炒め物の定食が主体で、「とんかつ」「あじフライ」「焼肉」「レバーニラ炒め」ほか。
焼肉+揚げ物も可能で、その他、サラダやもつ焼きなどの一品ものもあり、定食は200円引きでオカズ単品の注文も可能。
いずれにしても、定食は650~850円くらいで、最高値が「上とんかつ「や「海老フライ」などで950円とお手頃価格。
しかも、どうやら15年くらい前から、一切値上げをしていない様子。素晴らしい!
私は、ビール中びん500円と、珍しい組み合わせの「若さぎフライ焼肉」の単品550円をオーダー。
おばちゃんが運んできたビールを飲みながら、目の前の厨房で、おじちゃんの調理を見学。
手際よく肉を炒め、フライを揚げ、付け合わせのサラダを盛りつける。数分後、わかさぎ&焼肉の異色セットが完成。


焼肉は、やや薄めの豚肉で味つけは濃すぎずちょうどいい。わかさぎはカラッと揚がり、ほろ苦くもウマい。


おいしいオカズにビールも進み、すぐにもう1本お替り。
個性的なのが、サラダにかかっている、自家製ドレッシング。
日本酒の一升瓶に入っていた、このドレッシングはトマトベースで、独特の酸味と旨味がある。
トマトが苦手な私でも、この味は気に入った。おじちゃんは洋食の経験があるのかな。
もう少し飲みたかったので、今度は「オムレツ」の単品500円を追加。


(玉ネギ、ハム入り)との説明通り、刻んだハムと玉ねぎがザクザク入っており、味つけもしっかり。


若者に人気の「ふんわりトロ~リ」タイプではないが、ご飯のオカズや酒のアテになる、実用的なオムレツだ。
また、これにも野菜サラダが付いており、オムレツのケチャップと先述のトマトドレッシングがうまく融合。
失礼ながら、どちらの料理も最初は家庭料理の延長のように見えたが、やはりプロのテクニックが施されていた。
3本目のビールを飲み干し、お腹イッパイになってしまったので、この日はこれにて退散。お会計は2550円ナリ。

店を出たら、すでに日が沈んでいた。東村山駅に戻ったら、写真のプレートを発見。


東村山市を全国に広めた志村けんさんに感謝状を贈り、さらに記念樹を植えたそうだ。
プレートのそばに、その「志村けんの木」が3本立っていた。毎度のことながら、ヘタな写真ですまん。


ひの食堂さんの創業は1975(昭和50)年らしいが、若い頃の志村さんも、メシを喰ったことがあるかもしれない?

それから数ヶ月後の夕方、今度は友人と再訪したところ、なぜかお店が開いていない。
入口には貼紙があり、不吉な予感を抱きつつ読んでみると…


「しばらく昼のみ営業 夜は休ませていただきます」 ああっ、せっかく来たのに!
でも、もっと悲しいお知らせ(閉店)じゃなくてよかったよ。今年に入り、私の好きだった店の廃業が続いていたのでね。
さらに日を改め、今度は平日の昼間13時過ぎに、単独で再訪。
冒頭の写真とは別の位置から撮影。この日はのれんが出ていてひと安心。


得意の日が沈む前の酒=ビールを注文し、オカズは「豚肉スタミナ」の単品650円。
(玉ねぎ ピーマン にんじん にんにく)との説明があった豚肉スタミナは、おじちゃんがまずピーマンを素揚げし、
その後、たまたま仕込みがなくなっていたのか、玉ネギを切りはじめた。意外と薄切りだ。
ひょっとして、玉ねぎカットはいつもオーダー後にやってるのかな? だとしたら手間がかかって大変だな。
人参、ニンニクも加わり、最後に熱した鉄板に盛りつけ、自家製タレをかけた直後に運ばれてきた。


ジュウジュウと音を立てながら、勢いよく湯気が立ち昇っているため、目も耳も楽しめる。
なお、この日はカウンターの一番右側に座ったのだが、すぐそばには、懐かしいピンク電話が!


このピンク電話は、今でも現役で使用されており、「今から30分後に焼肉とカキフライ」などと、
近所のお客から、テイクアウトの注文が入るのを何度か見た。
また、店内にはテレビが1台あるのだが、四方のすみっこが隠れて見えない、アナログタイプであった。
昔と変わらぬ建物、内装、雰囲気。料理の価格も含め、ひの食堂さんは時間がゆっくりと流れている気がする。

そうだ、豚肉スタミナの感想を、まだ書いていなかった。
タレは甘じょっぱい風味で、鉄板で熱されたためか、やや濃い目。
「スタミナ」のネーミングの要因となったと思われるにんにくは、薄切りが数枚入る程度で、そんなに臭みはない。
おろしニンニクががっちょり入る、下品な仕上がりも嫌いではないのだが。
鉄板が熱々のため、最後まで冷めることなく、少し焦げた野菜も混ざり、その分香ばしさとコクも出た。
豚肉、野菜、タレが三位一体となって東村山音頭を踊る、想像以上の逸品であった。

この日はシメに、「カレーライス」550円をオーダー。


カレーの盛り具合もなかなか多いし、サラダ、お新香、味噌汁がついて、この値段は安い。


サラダには例の自家製ドレッシングがかかり、さらに味噌汁にはたくさんのシジミが。


飲んだあとのシジミ味噌汁は、嬉しいね。意地汚く、カラから身をほじくり出して食べたよ。
カレーの味は、よくある「食堂の味」だったが、サラダと一緒に食べることで、個性が出てくる。
すべて食べ終わった頃は、私以外の客も少なくなり、おじちゃんもおばちゃんも、厨房の奥でひと休み。
「すみませんが、お会計お願いしまーす」。
お会計時、おばちゃんに夜営業の再開についてたずねたところ、「最近疲れちゃってねえ…」とポツリ。
「まだまだお元気じゃないですか」と返したが、余計なこと聞いちゃったかな。
お昼だけ営業となったひの食堂さんだが、「ポークソテー」や「ミックスフライ」など、
食べてみたいメニューはまだまだあるので、今後も混雑時はなるべく避け、
昼酒&料理、そしてゆっくりとしたひと時を楽しみに行こうと思っている。



ひの食堂
東京都東村山市本町3-18-2
西武線東村山駅から徒歩約7分
営業時間 11時半~14時半
定休日 日曜、祝日


※残念ながら、2020年3月14日をもちまして、閉店なさったようです
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「全国丼グランプリ」金賞! ... | トップ | 某政治家御用達(?)のうどん店... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

定食、食堂」カテゴリの最新記事