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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

+50円で得られる幸せ 新秋津『木曽路』

2020年07月02日 | そば、うどん
東京西地区では屈指の昼酒エリアである、東村山市の秋津に、先日久々に足を運んだ。
秋津で昼酒といえば、安くてデカい串焼の立ち飲み店『野島』さんだ。
入店すると、いつもの「あ、正田さんお帰り~」の声がかかる。いったい、何人の客の名前を覚えているのだろうか。
久しぶりに頼んだ串焼がこちら。つくねはともかく、レバーなんて、串を持つ部分がないくらい巨大だ。

※このサイズでも、1本90円である

さきほどの掛け声の主であり、長年、お店を仕切っている女性店員、通称「おネエさん」に聞いたところ、
コロナ騒動中も、営業時間こそ短縮していたものの、休業はしなかったそうだ。
こちら野島さんは、どんなに混雑していても、来店客は絶対に入店させる。
10人ほどの幅のカウンター席にも、毎回20人ほど詰め込むのが特徴で、
最高で27人も入れたことがあったらしい。スゲエ! ※下記画像はイメージ


「三密」が気になる昨今の情勢を鑑みると、「スゲエ」などと喜んではいられないのだが、
この日の野島さんのカウンターには、終始10人前後の客入り。
普段の満員電車のような状況は避けられ、その代わりに、お持ち帰りの注文がジャンジャン入っていた。
近所の常連は、例の巨大串焼(持ち帰りは1本100円だが、現在は90円との噂)で、家飲みを楽しんでいるのかな。

秋津エリアは、野島さんの他にも素晴らしい飲み屋が多く、ついつい食べすぎ・飲みすぎてしまうため、
シメの食事はほとんど食べない。ラーメン屋も、私が嫌いなチェーン店が大半だしね。
かつては、新秋津駅の近くに『味彩』という熊本ラーメンの店があり、そこは何度か利用していた。
ラーメン1杯500円、のちに600円で「2玉まで替玉無料」という、某博多ラーメンチェーンのようなサービスを実施しており、
その割には味も良かったため(末期はやや劣化していたが)、閉店したのは残念であった。

現在、唯一シメに利用しているのが、新秋津駅を出てすぐの場所にある、立ち食いソバ店『木曽路』さん。


昭和48(1973)年、武蔵野線及び新秋津駅の開業と同時にオープンし、今年で47年目。
外観はチェーン店のようだが、調べてみたところ、どうやらここ秋津にしかないようだ。
利用するのは数年に1度と、足繁く通っているわけではないが、個性的で応援したくなるお店なのである。
その理由のひとつが、「わかりやすい価格設定」だ。
メニューはそばとうどんの双方があり、夏は「冷やし」もあるが、普段は温かいタイプのみで「もり」はない。
ベースとなるのは、たぬき、きつね、月見、天ぷら、コロッケ、わかめの6種なのだが、
驚くことに、上記6種はすべて同額! しかも各トッピングは+50円! ホラ、わかりやすいでしょ。
下記は、数年前に撮影したガラケー画像だが、当時は「天ぷらそば」が300円で、さらに天ぷらとコロッケを追加。


わずか400円で胸やけ…ではなく、幸福気分(?)と満腹感が得られるのである。
天ぷらは見てのとおり、カップうどん「どん兵衛」に入っているような、チープな品質。
また、コロッケも自家製ではなく市販品だが、それでもいまどき+50円は安すぎる
私がもう少し若かったら、+450円で「天ぷら10個そば」を注文し、SNSに画像を投稿し、ヒンシュクを買っていたことだろう。
6種の他にも、カレー、とろろ、鴨南蛮などもあるが、こちらはさらに50円増し。ご飯ものとして、おにぎりやミニ丼もある。
ちなみにこちらは、以前紹介した飯田橋の『豊しま』さんと同様、立ち食いソバ店なのに、「かけそば・うどん」がない。
頼めば作ってくれるだろうが、おそらく、たぬきやきつねなどと同額のはず。ならば「かけ」ではもったいないね。
なお、長年300円の価格を維持してきた木曽路さんだが、数年前に350円に値上がりし、現在は380円となった。


それでも、トッピング50円は守られているのが素晴らしいし、3品入る「スペシャル」ならば、さらに50円お得だ。
外出自粛要請が出る前に食べたのが、下記の「天ぷらうどん+玉子+コロッケ+きつね」。


バカ丸出しの注文ゆえ、店員さんも困惑していたが、これだけ具だくさんで530円は破格。
どうせなら、たぬきとわかめも追加して、家系ラーメンなどでよくある「全部乗せ」にすべきだったか。
うどん自体は、昔ながらの立ち食い店らしい、コシのないタイプ。説明し忘れたが、そばも同様だった。


ツユは、鰹節が主体と思われる関東風の濃いダシだが、木曽路さんのは同業店と比較すると、やや薄口な印象。
もっとも、私の場合はトッピングを入れすぎるため、ツユの味が薄まった可能性もあるが。
また、以前は普通のいもコロッケだったが、この日はカレー風味のコロッケであった。カレー好きとしてはうれしい。


終盤では、玉子ちゃんをやさしく崩し、麺と絡めて食べる。ああ、キミ(黄身)はいつだって美しい…。


たくさんの油分が溶けだした、ツユはさすがに残したが、麺や具材はすべて食べ切り「ごちそうさま」。
「毎度ありがとうございます」と返答してくれた店員さんは、物腰の柔らかなおじちゃん。
彼の丁寧な接客も、私が木曽路さんを支持する理由のひとつだ。
早朝から夜間まで、長時間営業のお店だが、私が客のときは、いつもこのおじちゃんが働いている気がする。
大丈夫か、と心配するのは余計なお世話だろうか…余計なお世話だね。※おばちゃん店員もいる様子

さて、冒頭のように野島さんで一杯やった日、別の店でも飲み酩酊しながらも、数ヶ月ぶりに木曽路さんを訪問。
この日は、「紅生姜天うどん」430円に「まかない丼」200円を注文。どちらも食べたことのないメニューだ。
ふたつだけあるイス席に座り、壁を見上げたところ、「冷やし」が始まっているのに気づいたので、変更してもらった。


冷やしは、基本のうどん+70円で450円。紅生姜天は、普通の天ぷらに+50円なので、500円となる。
まずは「まかない丼」が出てきた。店員さんの休憩時間の食事から、レギュラーメニューに昇格したのだろう。


わかめ、たぬき(天かす)、高菜、紅生姜、ネギがご飯に乗る。お茶碗ごとレンジで温めたのか、触ると熱々であった(苦笑)。
味の方は、まあ想像したとおり。しばらくして、麺を冷水で締める手間がかかる、冷やし紅生姜天うどんが完成。


具材は紅生姜天の他は、わかめ、紅生姜、海苔、うずら玉子、ネギ。右奥のまかない丼との食材ダブりが多い! 
特に紅生姜のせいで、全体的に紅(くれない)に染まってしまったではないか。
それでも、ホカホカご飯をほおばり、サクサク天ぷらをかじり、締められコシが出たうどんをツルツルすすり…
満足・満腹で「ごちそうさまでした」。個人的には、熱々のまかない丼に、生玉子をプラスしたいね。
例のおじちゃんも「毎度。(冷やしを)お待たせしちゃってすみません」だって。気にする程度ではないのに。
他に客がいなかったので、最近の営業時間などをたずねたところ、
最近は朝5時から夜22時までで、日曜は20時まで、とのこと。
客足については、夜の時間帯がだいぶ少なくなったようだ。秋津全体の飲み客も減っているようだから、仕方ないかね。

コロナ騒動の以前から、街の定食屋さんや中華食堂の閉店が相次ぐ中、
実は個人経営の立ち食いソバ店も、富士そばなどの有名チェーン店やコンビニなどに押され、ここ数年でだいぶ姿を消している。
そういう私自身も、立ち食い店を利用することは減り、お酒やツマミが豊富な専門店に行くようになってしまった。
日本発祥のファストフード文化である、「立ち食いソバ・うどん」の灯を消すことのないよう、
今後はなるべく、利用回数を増やそうと思っている。いい店があったら教えてほしい。
価格によってはトッピングもするが、+50円なんてお店は、令和では木曽路さんだけではないかね。



木曽路
東京都東村山市秋津町5-13-33
JR新秋津駅から徒歩約15秒、西武線秋津駅からは徒歩約5分
営業時間 5時~0時 ※最近の営業時間は文中のとおり
定休日 年末年始
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