明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

牛丼チェーン以外の牛丼 パート6 新宿『たつ屋』

2024年05月31日 | 丼もの
前回から約1年10ヶ月ぶりとなる、小好評企画【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズ。ちなみに、拙ブログに大好評企画はない。
過去のシリーズついては、右の数字をクリック。  第1回  第2回  第3回  第4回  第5回
パート6の今回は、かつては、都内に数店舗展開し、現在は新宿の1店舗のみとなったが、根強いファンがついている、
元チェーンでもある非チェーンの牛丼店『たつ屋』にスポットを当てる。
なお、数年前に紹介した、大阪新世界のもつ鍋店『たつ屋』とは、当然無関係である。

たつ屋さんの特徴は、○主要チェーンより安価な牛丼 ○かつ丼や親子丼など丼メニューが豊富の二点。
私は、20世紀に東銀座、21世紀には八丁堀で働いており、東銀座駅近くに存在した店舗には、双方の時代でお世話になった。
牛丼は20世紀が350円、21世紀は280円~と、物価が高い銀座エリアで、この価格でメシが喰える店は貴重であった。
280円時代が続き、その後は350円を長年維持してきたが、消費税10%になった5年前に360円となり、
近年は食材の高騰で400円、今年3月下旬に、丼メニューの大半が30円アップし、430円になった。
それまでは、松屋の牛めし400円と同価格で、すき家の牛丼430円、なか卯の牛すき丼530円、吉野家の牛丼468円より安かった。 ※価格はすべて並盛
最近の松屋は、客に商品を運ばせるセルフ形式で人件費を削り、定食類を値上げした分、牛めし価格を抑えているのは素晴らしい。食べないけど。

私が尊敬するライターの鈴木隆祐先生も、たつ屋さんのファンだったようで、店舗の減少を嘆き、本部に電話したところ、
本部長を名乗る方から、「大体のたつ屋は、『桂庵』というおソバ屋さんにリニューアルした」と説明されたそうだ。 
上記エピソードは、鈴木先生の著書「東京B級グルメ放浪記」より。安ウマ飲食店マニアは必携の書籍である。
水道橋などにある桂庵では、ソバだけでなく、引き続きかつ丼や親子丼も提供しているようだが、牛丼はメニューから消えた模様。
つまり、「たつ屋牛丼」が食べられる店舗は、現在は新宿店のみということになる。

ここで、たつ屋さんの牛丼画像を掲載。商品名は「牛どん」で、下記サイズは「大盛り」。


ご覧のとおり、玉ねぎより肉の割合が断然多く、豆腐が入る
今調べたら、現在の吉野家牛丼は、肉と玉ねぎの割合は2:1らしい。たつ屋さんのは4:1くらいか。
大半のチェーンが、肉と玉ねぎを一緒に煮込むのに対し、こちらは肉・玉ねぎ・豆腐を別々に煮込んでいるらしく、
注文ごとに各パーツをタレで再加熱し、丼で合わせているようだ。

こちらは、店内カウンター席に置いてあるメニュー表。+100円の「定食」は、味噌汁50円とお新香100円が付くので50円お得。


裏側がサイドメニュー。野菜サラダがないところが私好み(笑)。お店のおススメは「納豆牛どん」と「タルタルとりどん」らしい。


お店入口にも、さっきのメニュー表にない商品が掲示されているので掲載。なお、この画像と次の画像のみ、値上げ前の撮影であり、


下記の「とりどん」シリーズも、現在はそれぞれ+30円である。


とりどんシリーズは未食だが、下記の「ぶっかけ鳥煮うどん」は注文したことがある。


実食時の画像がないのと、上記画像はたまたま通りかかった深夜に撮影したため、異様に暗いのはご勘弁。

入口には、店内メニューの画像付きバージョンと、


丼とミニうどんとのセットも貼ってある。


ミニうどんも食べたことがあるが、こちらは関東風の黒いツユで、あまり印象に残らなかった。
私が、東銀座店でよく頼んだのが、牛肉を玉子でとじた「開花丼」。価格は牛どんの70円増しだったかな。
現在の新宿店では販売していないが、かつ丼などを作るときに使う、お玉とフライパンを合わせたような道具(名称は親子鍋らしい)があり、
調理自体は可能だと思うので、ヒマなときに作ってもらえないだろうか。

ここ数年は、新宿に行く機会やお腹のキャパ自体も減ったため、飲み食いしたあとのシメに寄ることも困難になり、
たまたま早朝に訪問したら、営業時間が変わったようで開いてなかったりと、縁遠くなってしまったたつ屋さんだが、
2年前の秋、母校野球部の敗戦にショックを受け(詳細はこちら)、神宮球場を出たあとも、なぜか電車に乗らずさまよい歩き、
気付けばたつ屋さんにたどり着いていた。そのとき食べたのが、最初に載せた牛どん大盛り580(当時は550)円+玉子50円である。
 ※再掲載

黄身ちゃんは溶かずに中央のくぼみに配置し、紅生姜や七味を加え、一気にかきこむ。


たくさんの肉を噛みしめることで、敗戦の悲しさを一瞬忘れさせる、身も心も温まる牛丼であった。
味の方は、肉は脂身が少なく歯応えがあり、タレは醤油の風味を感じるが、決してしょっぱすぎず。
豆腐も入るため、すき焼きの残りをぶっかけたような家庭的な味わいで、パート4で紹介した新橋『なんどき屋』の牛めしに近い。

※なんどき屋の「牛めし並」と「玉子」

その後は再び間隔が空き、今年3月、飲んだ帰りに久々の訪問。店内壁の「数日後に値上げ」のお知らせを見たのは、そのときである。
酔っていたため、温かいツユを欲したので、うどんシリーズの「牛肉たっぷりぶっかけうどん」を注文。
さきほどのぶっかけ鳥煮うどんと同じ650円で、この2種だけは値上げせず、価格据え置きだった。


茹でたうどんに、牛どんのアタマと白髪ネギを乗せたものだが、本当に肉がたっぷりである。
大盛りと同等か、そもそもここは、牛どん並サイズでも、他チェーンより肉が多いのではないか。
ツユは牛どんよりしょっばかった。見てのとおりツユだくすぎるので、うどんの出汁も少し入っていたかもしれない。


こちらにも紅生姜を入れて、肉とうどんを食べ切り「ごちそうさまです」。さすがにツユは残した。
パート1で紹介した、『リンガーハット』の期間限定メニュー「牛・がっつりまぜめん」に似ているが、
あちらの商品は肉の臭みを感じたが、たつ屋さんのは臭みは皆無。さすがは牛丼専門店である。

そしてつい最近、たつ屋さんに今年2度めの訪問。値上げ後のメニューも撮影したかったからね。
いつものように、新宿駅東南口改札を出て、階段を下りてお店に向かう。前回も感じたのだが、新宿はどこもインバウンド客が多く、
たつ屋さんの並びにある、『Gong cha』というタピオカミルクティーの店(?)は、大陸系の方々が大行列を作っている。
そして、驚いたことにたつ屋さんにも、外国人観光客と思われる連中が来店しているではないか。
他国の方々にも認められるのは、たつ屋ファンとしてはありがいたが、円安で苦しむ日本国民のひとりとしては、
異邦人よ、どうせならもっと高い店でお金を落としてくれ! と切に願う。たつ屋さんで10杯喰うのも可。

この日は、厨房内の調理風景が拝める、奥のカウンター席に案内された。
働いているのは、ベテラン風の男性ふたりと、若い外国人のバイト君。ベテランふたりが接客、会計、牛どんを担当し、
バイト君はさっき触れた親子鍋で、かつどんなどの具材を煮る担当。牛どんより注文は少ないとはいえ、重要な役割だ。
日本人の若者でさえ大半が使ったことがなく、おっさんの私も、使用したことはあるが今日まで名称を知らなかった(恥)親子鍋を、
彼は同時に3個扱い、溶き玉子を注ぎ、かつどんのアタマ3人前を手際よく仕上げていた。たいしたモンだ。
そのうちのひとつが、私がオーダーした「かつ牛どん」780円に用いられる。
バイト君が仕上げたかつ煮を、ベテランがご飯を盛った丼に移し、最後に豆腐を1個(牛どんには2個入る)乗せ、
かつ丼と牛丼の双方が楽しめる、たつ屋さんの人気商品・かつ牛どんが完成。


さすがのボリュームだが、牛どん350円・かつどん450円・かつ牛どん550円の時代が長かったため、
申しわけないが、780円は高くなったと感じてしまった。3月の値上げ時は、他はだいたい30円なのに、この商品だけ80円上がったし。
とはいえ、牛肉は既述のとおり、半分でも他店より多く感じるし、かつも半分とはいえ、5切れあるし薄くもない。


ハシで崩してしまったが、バイト君は、飾りの三つ葉も丁寧に盛っていたよ。
画像はないが、かつ部分の半熟黄身ちゃんを、牛肉やご飯に絡めて食べるのは当然ウマいし、
途中、紅生姜や七味で味変し、無我夢中で一気に食べ切ってしまった。


ここの紅生姜は、妙に着色料が効いていて、いかにも身体に悪そうな味だし(笑)、七味も辛さがキツいタイプである。
紅生姜と七味はやはり、着色料も辛さも控えめで、上品な味付けの吉野家がナンバー1だ。

食べ終える直前に気づいたのだが、具材だけでなく、ご飯の量自体も、以前のかつ牛どんより多い気がする。
かつての商品は、ご飯は並で、牛とかつが半分ずつだったと記憶しているが、
このとき提供されたのは、ご飯は大盛、牛は半分よりやや多く、かつは一般的な1人前はある、+150円の大盛りバージョンに感じられた。
食後は結構な満腹になったため、これが並だとしたら、大盛りや+250円の特盛りは、相当危険な量のはず。
感想としては、かつ牛どんは、味・量ともに素晴らしく、780円でも全然高くなかった!
大盛りだとどれくらい増量されるのか、胃腸が元気なうちに試しておきたい。

メジャーの対義語はマイナーだが、あえて「インディー」という言語を用いた、かつてのプロレス業界を真似て、
僭越ながらたつ屋さんも、「インディー牛丼店の雄」と呼ばせていただく。
同じく1店舗しか残っていない、パート3で紹介した丼太郎と同様、今後も安価な商品と独自のテイストで、チェーン店に対抗してほしい。
そういえば、系列店のソバ屋さん桂庵では、まだ食事をしたことがないので、ここも訪問しなくてはな。



たつ屋 
東京都新宿区新宿3-35-2
JR新宿駅東南口改札から徒歩約90秒(人混み次第)、地下鉄新宿三丁目駅のE9出口から出てすぐ。他の私鉄・地下鉄新宿駅からも近い
営業時間 10時~21時 20時40分ラストオーダー 
定休日 基本なし
※営業時間は、店員さんに直接聞きました
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ラーメン店の名脇役「チャーシューごはん」

2024年02月21日 | 丼もの
今回は珍しく、冒頭でクイズを出題。
Q ラーメン専門店ではよくあるけど、中華食堂にはないものなーんだ?
先に断っておくが、ウエストランドの漫才のような、「店員の無駄な掛け声や気合」は不正解である。
私としては、「SNSでの誤字だらけの投稿や、ウザイ自分語り」もやめてほしいね。余計なお世話か。
答えは、今回タイトルでバレバレだろうが、「チャーシューごはん」である。
無論、ご飯類を一切置いていないラーメン店は多いし、あくまで私個人の認識なので、クイズとしては不完全だ。ゴメン。

店によっては「ミニチャーシュー丼」「焼豚ライス」「ぶためし」などと呼ばれるケースもある、
チャーシューごはんの定義は、人によって異なるだろうが、私の考えでは、
【小ライスくらいの分量のご飯に、ラーメンの具材のチャーシューを乗せるだけの料理】で、
単独では物足りないが、ラーメンのお供としては最適な名脇役である。
一部例外はあるが、あくまで脇役に徹する、誠実な(?)チャーシューごはんに敬意を表し、
せめてこのブログだけでは、主役を張らせてあげたいと思い、今回のテーマにした。

チャーシューごはんの創案者及び、初めて客に提供したお店は不明だが、
私が存在を知ったのは、1990年代半ば。バブルが弾け、本格的ラーメンブームが始まる、ほんの少し前の時期。
たしか、「東京ウォーカー」あたりの若者向け雑誌(注:当時は私も若者)のラーメン記事で、目にしたのが最初のはず。

※かつて、私が愛用していたTシャツ

紹介したラーメン店は全然覚えていないが、文末が確か、「ほぐしたチャーシューを乗せた、“チャーシューごはん”もおススメ!」のような内容だった。
その後、他のお店でもチャーシューごはん及び類似商品を提供するようになったが、私が初めて食べた店は……残念ながら記憶にない。
いかんせん、20世紀末のことなので、写真もないのだが、ビジュアルはこんなだったと思う。


さっき、わざわざ自作したのだが、小さなお椀にご飯をよそり、刻んだチャーシューにタレを少々かけただけの商品である。
上記をベースに、ネギ、ゴマ、海苔、高菜などを加えたり、それら薬味の分だけ肉を減らす店も存在した。
使うチャーシューも、スライスした際にこぼれ落ちた、端っこの部分のみを使用するSDGs(?)な店や、
刻んでから熱を加え、シーチキンのようなホロホロ状態にしたり、佃煮みたいにクタクタになるまで煮込むケースもあった。

私個人の想像だが、チャーシューごはんは元々、『中野大勝軒』のつけ麺のように、従業員の賄いだったのではないか。
中華食堂と違い、ラーメン専門店は厨房が狭く、調理スペースはおろか、ガス台自体も足りないので、
チャーハンや焼肉丼などは調理不可能だが、ラーメンの具材にも使うチャーシューを、ご飯に乗せるだけならば、
ガスも中華鍋も技術も仕込みも不要で、中華の経験がない店主はもちろん、バイト君でも簡単に作ることができる。
ご飯ものを欲する客の要望にも応えられ、原価も安くロスも少ない、画期的なメニューだったのかもしれない。

ただ、当時の私が食べたチャーシューごはんは、どのお店も肉自体の量が乏しく、正直しょぼかった。
私が作ったものと同様、メシと肉の割合が、だいたい2:8で、1:9の場合もあったりする。
そのくせ、小ライスよりは100円以上は高く、価格はだいたい、200~300円くらいだったような。
それならば、ライスだけを頼みラーメン本体の具材を乗せる、今もよくやる「自家製丼」の方がよっぽどお得な気がした。

※20世紀の頃から作っていた、八王子『壱発』のチャーシュー+とろろ丼

無論、ラーメンとの相性を考慮し、あえて肉を減らし、薄味にしていた店もあるだろうが、
さっきの雑誌記事のように「おススメ!」と推奨したくなるような商品は、あまりなかった気がする。
私と同意見の客が多かったのか、後発のチャーシューごはんは、肉のレベルが質・量ともに上がり、
21世紀に突入すると、肉と米の割合は3:7や4:6になり、歯応えのあるお肉を用意する店も出てきた。

ただし、肉は少なく、チャーシューごはんのカテゴリーに入るかも微妙だが、20世紀にも良品はあった。
それは、阿佐ヶ谷にあった『航海屋』の「チャーシューおこわ」である。
名称はおこわだが、モチ米はたぶん使っておらず、チャーシューの端っこを刻んだものとタレを混ぜた、炊き込みご飯だ。
値段は100円と安く、単品注文は不可だが、お替わり2回OK、つまり3杯食べられたのである。
コロナ禍前に、数年ぶりに訪問したら、いつの間にかチャーシューおこわ以外にも、麺類とセットの100円メニューが増えており、


つい、食べたことのないカレーライスを選択してしまったのだが、さっき「あった」と過去形で記したように、
昨年2月に航海屋阿佐ヶ谷店は閉店。なのでチャーシューおこわは、もう10年以上ご無沙汰で、写真もない。
現在は新宿店のみ営業中で、更新はされていないがHPがあったので、画像を拝借。


令和の今も150円で3杯食べられる、名物おこわ(とラーメン)を、近日中に食べに行くつもりだ。

21世紀以降で利用したお店の中で、気に入った商品といえば、私が愛してやまない、地元・立川『パワー軒』の「チャーシュー丼(小)」。
券売機の表記では、並サイズのご飯量は360グラムらしいが、小でもその半分以上はある。


上記画像は、昨年の訪問時に撮影したのだが、写真がヘタすぎて本当に(小)に見えるので、先日再び注文し、ちゃんと横アングルも撮影。


しかも今回は、無料サービスの味付き背油を乗せてもらった。小サイズとはいえ、カロリー過多は間違いない(ラーメンも食べたし)。


シーチキン状の刻みチャーシューを、海苔、ネギ、背油と絡め、ラーメンのスープも少し注いで、ガツガツとたいらげた。
一期一会のケースが多いチャーシューごはんだが、複数回食べたのは、パワー軒の他はわずか数店舗だけだ。

さきほど、肉と米の割合について、「近年は3:7か4:6に」と述べたが、
昨年春に紹介した、立川『おや麺』の「チャーシュー丼・温玉」なんて、
割合が5:5に感じるほど肉が多く、しかも味が濃かったため、白米を追加したくなったよ(笑)。


近年は、荻窪『濃菜麺 井の庄』の「肉ごはん エッグ&ソイソース」のように、玉子を加え少し火を通したり、


最近流行している、低温調理タイプのチャーシューを使用するお店も出てきた。
ラーメン店ではないが、武蔵村山『満月うどん』の「ミニチャーシュー丼」も、低温調理ピンクと、醤油炊き茶色の2種を使っている。


これまで、しつこく主張してきたように、私は醤油炊きタイプ肯定派だし、そもそも低温調理タイプは、白米との相性は良くないと思う。

パワー軒とおや麺は、肉質やボリュームで満足感を与え、濃菜麺井の庄と満月うどんは、2種のチャーシューを使うなど、見た目にも工夫が感じられた。
ここ数年で唯一落胆したのが、このときに紹介した、『天下一品』神楽坂店の「チャーシュー丼ランチ」で出てきたヤツ。

※そもそも、「丼」と呼ぶ量ではない

ただでさえ少ない肉の切れ端を、海苔、ネギ、ゴマ、紅生姜などでかさ増しし、盛り付けもテキトーで他人の食べ残しレベル。
先述した、20世紀のしょぼいチャーシューごはんを、2018年になっても提供していたことに驚かされる。
普段なら、チャーシュー丼単独の写真も撮るが、あまりにもお粗末だったので撮影はせず、すぐにこってりスープをぶっかけた。
テンイチ神楽坂店は、昨年閉店したが、19年秋には、数日前まで720円だった並ラーメンを、790円に値上げしていて立腹したものだったが、
約3年後には、940円というブルジョア価格に高騰するとは、その頃は予想もしていなかった。

冒頭のクイズで、「中華食堂にはないもの」扱いしたチャーシューごはんだが、当然例外もあり、
所沢の『早池峰亭』には、「チャーシュー丼」が存在する。


上記画像はサラダとお新香だが、本来はスープも付く、麺類の引き立て役ではなく、立派な主役メニューである。
商品名もチャーシュー「丼」であるし、今回テーマのチャーシュー「ごはん」とは、一線を画す料理ともいえる。

ラーメンの発展と比例し、独自の進化を遂げているチャーシューごはんだが、
最初の方で主張した、【小ライスくらいの分量のご飯に、ラーメンの具材のチャーシューを乗せるだけの料理】、
つまり、火を通さず手軽に作れて、チープだけど300円くらいで食べられる、20世紀タイプが私には愛おしい。

そんな条件に当てはまる商品を、つい最近発見できたので、最後に報告。
お店は、三鷹市にある『中華料理 末広』。早池峰亭と同じく中華食堂だが、チャーシューごはんを提供している。
商品名は「ミニねぎ豚丼」で、単品価格は350円だが、ラーメン類とのセットだと250円になる。
調理に火は使用せず、物価の上昇を考慮すれば、「300円くらい」にも該当するが、
ご飯の量もおかず部分も多く、なにより結構ウマいのである。
こちらがそのミニねぎ豚丼。刻んだチャーシュー&ネギを、ゴマ油やタレで和えてある。


横アングルがこちら。総重量は、普通の牛丼の並盛くらいはありそう。


さっき書いたように味自体も素晴らしく、主役にも脇役にもなる、オールマイティな商品であり、
プロ野球で例えれば、バントや右打ちなど、走者を進める打撃もできて、自身の打率も良く、時には長打も放てる、
しかも守備範囲が広くて肩も強く、脚も速くて盗塁も多く、さらにはルックスまでもいい、
2番打者だった時代の阪急ブレーブス・簑田浩二のような万能選手だ。

※アマゾンサイトから拝借 

上記比喩が、皆さんに伝わるかはさておき(苦笑)、今回のブログを書く気になったのは、
ここのねぎ豚丼を食べて、「これは生涯最高のチャーシューごはんかも!?」と感激したからである。
蓑田と同様、長所がいくつもある末広さんについては、近日中に改めてリポートする。  ※追記 リポートしました。こちらをクリック

熱狂的なファンは多くなさそうで、なくても困らない料理かもしれないが、あった方がちょっと嬉しい。
そんな、チャーシューごはんのような存在に、私もなりたいものである。なんか、宮沢賢治みたいな締めになっちまったな。
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地元の『吉野家』がなくなった!

2023年05月30日 | 丼もの
【誠に勝手ながら、5月30日(火) 15:00 までの営業をもちまして、閉店させていただくこととなりました。
永らくのご愛顧ありがとうございました。】

上記のコメントは、『吉野家』HPに掲載されていた、立川北口大通り店閉店のお知らせである。
これはすなわち、本日限りで立川市内から、吉野家がなくなることを意味する。
地元民として、そして吉野家支持者として、残念でならない。

立川市の吉野家は、私の記憶では1990年代初頭には、旧第一デパート(現:立川タクロス)の並びに店舗があった。
そのお店はなくなったが、いつの間にか『ビックカメラ』脇に、先述した立川北口大通り店が誕生。
さらに、南口のウインズ近くにも1軒、駅から離れた奥多摩バイパスにも1軒あったが、現在はどちらも営業していない。
最後まで残っていた北口の店舗は、駅至近ゆえ家賃は高いだろうけど、
カウンター席だけの狭い横長店舗で、しかもメニューを絞っていたため、来客は多くても回転は早く、
いつも賑わっていた印象があるので、赤字によりやむなく撤退…とは思えないのだが。
ただし、私自身はまったく利用していなかった店なので、現時点ではそれほど喪失感はない。
閉店を知ったのは数日前だが、飯田橋のラーメン店『びぜん亭』のように、最後に食べておこう…
という気にもならず、最終日の今日も、混みそうだから行くつもりはない。

吉野家支持者のくせに、立川北口大通り店を利用していなかった理由は、このときに少し触れている。
ちなみに、後述する武蔵小金井店の「サラシア牛丼」も、この回で語っている。
立川店の箇所をコピペすると→メニューが少なく、立川の飲食店名物「ダメ店員」がいたため、あまり行く気にならず。となる。
口調がキツイので、一応、吉野家カラーのオレンジ文字にしてみたが、さほど効果はないかね。
北口店はさっき書いたように、常に混雑している印象があったので、滅多に入店しなかった。
久々に訪問したのが2021年。コロナ禍の影響で、持ち帰り客の多い時期だった。
お目当ては当時提供していた、牛肉、豚肉、鶏肉を網羅し追い飯も付く、総カロリー2000超の「スタミナ超特盛丼」。

吉野家HPより2年前に拝借

入店直後、店員さんから「いらっしゃいませ! まずは入口で消毒していただき、店内でお召し上がりの方は空いてるお席へ、
テイクアウトご利用の方は、こちらの窓口へお並びになってください」と、コロナ禍ならではの掛け声がかかる…のだが、
声掛けの担当が、うだつの上がらない若い男で、上記説明をいかにもかったるそうに、
「っらっしゃいませえ~ まずは入口で消毒して~ 店内でお召し上がり…(途中聞き取れず)ってください!」と、
語尾を伸ばしたり、途中で早口になったり小声になったり、突然大声になったりと、とても聞きづらく不快で、
発言主の表情には、「だりぃ」「何度も言わせるな」感が満載。立川の飲食チェーンって、なんでこんな店員ばかりなのかね。
これが、来客のたびに繰り返されるため実に耳障りで、着席したことを早くも後悔。
しかも、卓上のメニュー表を見たところ、スタミナ超特盛丼は扱っていないらしい!
さっきも書いたように、こちらのお店は回転を重視し、簡単に調理できるメニューだけに絞っていたのだ。
仕方ないので、同じく未知の商品であった、「牛丼」の超特盛+「半熟玉子」に変更。
ダメ男のすぐそばで、普通の女性店員が調理・盛り付けした、超特盛+半玉が完成。


当時の価格は計890円で、現在は超特盛921円+半玉107円の1028円。
横アングルはこちら。通常の牛丼並盛とは比較にならない、威圧感がある。


玉子ちゃんを中央に配置し、紅生姜と唐辛子を加え、食べ始める。


半分も食べない時点で、「これはダメだ。こんなの喰うヤツはバカだ」と感じてしまった。
ネットに出回っている情報によると、近年の吉野家の牛丼並は、肉が90グラム(以下g)に対し、ご飯が250g。
私がバイトしていた20年ほど前は、肉が85gでご飯が260gだったと記憶している。
大盛は肉110gでご飯320g、ところが超特盛は、肉は倍増の220gながら、ご飯は変わらず320g。
並盛との比較では、肉が約2.45倍に対し、ご飯は1.28倍。明らかに米が少なく、肉が多すぎるのだ。
普通に食べたらご飯が足りなくなるので、途中の数口は、肉だけ頬張ることになる。
ビールなどのアルコール類が欲しくなるが、当時は酒類販売禁止中。 ※この店では、元々扱ってなかったかも
肉が多いということはツユも多いため、最後の方はご飯もしょっぱい。酒だけでなく追加ライスも欲しくなった。
結局、超大盛ならぬ、「肉だけを増したバランスの悪いツユだく牛丼」をかき込むハメに。
吉野家にとっては並盛こそが、ご飯と肉&タレの比率が最適の商品のはずなので、あの肉だけ増し丼は邪道である。
「喰うヤツはバカ」とは失礼な表現だが、例の男性店員のダルそうな掛け声を聞きながらの食事ゆえ、
そう感じてしまった私の気持ちもわかってほしい。

例の男性店員は、途中で疲れたのか黙ったときもあったが、そのときは調理担当の女性店員が代わりに、
さっき私が記述したとおりのセリフを、はっきりとわかりやすい声で、来客に説明していた。
だったら最初から、この女性が声掛け担当で、あのダメ男を調理担当にすればいいのに…アイツは調理できないのか?
あの女性が時間帯責任者ならば、ダメ男にちゃんとした声掛けをするよう指導すべきだし、
指導してもダメ男が聞き入れないのならば、辞めさせちゃえばいいのだが…人手不足だとそうもいかぬ。
逆に、あのダメ男が責任者だとしたら…そんな店は潰した方がいい(笑)。立川の場合、その可能性もあるのが怖い。
Googleのクチコミでも、吉野家北口大通店については、接客面でボロクソに書かれている。
食べログと同様、あんなサイトの投稿は信用してはいけないが、吉野家としては評判の悪い店舗だったようだ。

そもそも、あまり気乗りしなかった北口店に足を運んだのは、3年前に立川南口店が閉店したからである。
南口店の最後の利用は2020年の4月。夕飯のオカズとして、「牛皿」の大盛+「ねぎだく」を持ち帰りで購入。
吉野家は一時期、ねぎだくサービスを廃止しており、復活したと思ったら有料化。
たいした額ではなかったが、しみったれた増量じゃ納得しねえぞ…と不安混じりに袋から取り出すと、
別容器に盛られた、結構な量のねぎを確認し、「さすがは吉野家!」と、お得意の手の平返し。


当時の価格は記録していないが、現在ならば牛皿大盛が479円、ねぎだくは140円の計619円。
高血圧に効く玉ねぎたっぷりで、ヘルシーな食事を楽しめたよ。 ※自宅の玉子を使用


このテイクアウトが、立川南口店最後の利用になるとは、思ってもいなかったね。

立川市から吉野家が消え、明日から私は、どこで吉牛を味わえばいいのか。
隣駅の国立にあるお店は、6年半前に利用した際、3枚で牛丼並盛と引き換えになるクーポン券を目当てに、
ひとりで3430円も飲み食いし、店員さんにヒンシュクを買った記憶があるので、行きづらい… 

※詳細はこちら

と思ったら、この国立駅前南口店も、ずいぶん前に閉店していた! 
現存する立川に近い吉野家を、HPの北口店地図から検索したところ、


上記地図の右下、最寄り駅が谷保の国立府中インター店、右上の鷹の台駅が近い五日市街道並木町店(6/15まで休業中)、
左下の小宮駅近くの石川パーキングエリア店など、車がない私は、訪問したことのない店ばかり。
一応、私の基準(片道60分以内)では徒歩圏内だが、できれば吉野家はそんなに歩かず、気軽に利用したい(笑)。
そんな、吉野家難民一歩手前の私が、今後通おうと思っているのが、武蔵小金井駅前店。
先日、近くの『百薬の長』で飲んだ帰り、数年前の早朝に「サラシア牛丼」を食べて以来の訪問をしてきた。

入店すると、トッピングの新商品らしい「肉だく」(牛小鉢)184円が、今だけ半額だと判明。
せっかくなので、「牛丼大盛」635円と「生玉子」85円に、肉だくも追加してみた。
数年前の朝は外国人労働者だけだったが、この日は明るく元気な女性店員ばかり。いい店ではないか。
数分後、女性のひとりが「お待ちどうさまです」と、牛丼一式と伝票が乗ったお盆を運んできてくれた。


肉だくは確かに小鉢サイズ。あとで調べたが、肉の量は並の半分=45gらしい。
いつものように玉子ちゃんと紅生姜、さらに肉トッピングを乗せ、途中で唐辛子もプラス。


以前別の店で感じた、肉臭さは一切なし。「これぞ吉野家の牛丼!」と叫びたくなるウマさだ。
なお、さっきの超特盛と同様に、通常の並盛と比較すると、ご飯1.28倍に対し、肉は155gで1.7222…倍。
肉が多めだが、これくらいなら許容範囲だし、実際に食べても、しょっぱさや違和感はなかった。
違和感はむしろ、置いてある伝票の価格。半額のはずの肉だくが、定価184円のままではないか。


壁のポスターには、ちゃんと「半額祭」の文字があるが、ここのマジメそうな店員さんが、伝票を打ち間違えるとも思えぬ。


ということは、ポスターと藤田ニコルさんが私を騙しているのか。そんな笑顔を振りまいておいて…。
いつものように、92円を巡るみみっちい悩みは、会計時にちゃんと半額に割り引いてくれて、あっさり解決(笑)。
立川店のダメ男とは雲泥の差の接客をしてくれた、店員さんたちに「ごちそうさまでした」と告げ、
ポスターにも「にこるん、疑ってゴメン」と心の中で詫び、武蔵小金井店をあとにした。
ところで…私のようなおっさんが「にこるん」と呼ぶのは、やっぱりキモイのかね?

地元の店舗がなくなり、牛丼の超特盛にはやや落胆させられたが、私の吉野家愛は変わることはない。
いつの日かまた、立川市のどこかに店舗が復活することを期待することで、本稿の締めとする。
ただし、今度のお店では、従業員教育はしっかりやってほしいね(苦笑)。



吉野家 立川北口大通り店
東京都立川市曙町2-12-2
JR立川駅北口より徒歩1分ちょい
営業時間4時~翌2時
定休日 基本なし
2023年5月30日で閉店となります。長年の営業、お疲れさまでした!

※追記 2023年12月、立川駅北口の別の場所に、吉野家は復活しています
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さらば『東京チカラめし』! 牛丼チェーン以外の牛丼 パート5

2022年08月22日 | 丼もの

ヤフーニュースを眺めていたら、ちょっとショックな情報が目に留まった。
牛丼チェーン「東京チカラめし」都内唯一の店舗が閉店へ  ※提供元:よろず~ニュース

2011年に創業した、牛丼チェーンの新興勢力『東京チカラめし』は、
新しい牛丼のスタイルを提案したことで支持を集め、都内を中心に支店を展開。
1年ちょいで100店舗出店を達成するも、快進撃は続かず、すぐに閉店ラッシュに見舞われ衰退。
ジェットコースターのような急上昇と急下降で、「栄枯盛衰」という四字熟語をわかりやすく表現した(苦笑)。
現在国内には3店舗しかなく、東京に唯一残っていた、新宿西口1号店も8月28日で閉店する模様。
実はちょうど先月、新宿西口店に入店し、10年ぶりに牛丼を味わったばかりだったので、


急遽、【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズ第5弾として、チカラめしにスポットを当てることにする。

入口の券売機で食券を購入し、カウンター席へ。15時台で店内は空いており、おばちゃん店員たちも小休止、という印象。
この日の注文は、チカラめしの代名詞である「焼き牛丼 並」490円と「温玉」100円に、


サイドメニューの「餃子3個」230円。初めに断っておくけど、餃子はよくある業務用タイプでイマイチ。


さっき書いた、「新しい牛丼のスタイル」とは、焼き牛丼のことであった。

私がもっとも牛丼を食べていた20代の頃は、どのチェーンも似たような牛丼を、似たようなスタイルで提供していた。
①薄切りのバラ肉を醤油ベースの和風タレで煮込む ②一緒に煮込むのは玉ネギ
③卓上には紅生姜、七味、醤油 ④サイドメニューは生玉子、お新香、野菜サラダ

①については、サイコロ状の角切りビーフや、洋風ソースで煮込むのはダメなのか。
②は、長ネギ、白菜など牛鍋に入る食材はどうか。あと、玉ネギも全店同じ形状なのはおかしい。
③は、個人的には黒胡椒とマヨネーズを希望していた。実際、マヨネーズを持ち込んだことは多々あった。
④は、とろけるチーズ、ビールや酒のツマミになるようなサイドメニューも欲しかった。
なお、上記の中には、すき家のチーズトッピングなど、後年には実現したものもある。
結局、後続の牛丼屋は、元祖・吉野家の作ったスタイルをよくいえば追随、悪くいえばパクったに過ぎない。
「牛丼はこういうモノなんだ」という固定観念から抜け出せず、新たな形式を生み出す挑戦もせず、
パクりの分際でエラそうにしている(してないか)、吉野家以外のチェーン店を、不甲斐なく思ったものである。

その点、チカラめしの「焼き牛丼」は、新たなスタイルが4つもあった。
①牛肉を煮込まず焼く ②甘くクドいタレ ③玉ネギなし ④紅生姜ではなくガリ
今振り返れば、それほど斬新でもなく、既存の牛丼チェーンでも可能だった試みばかりである。
松屋には、焼肉丼風の商品「キムカル丼」が既存していたが、当時は期間限定販売で、レギュラーではなかった。
 
私が初めて焼き牛丼を食べたのが、チカラめし元年の2011年。訪問したのは、吉祥寺駅南口からすぐの場所にあった店舗。
当時はお試し価格とかで、並が280円。サラダと生玉子の「セット」が140円なので、合計420円。安い!


11年前のことなので、しばらくガラケー画像が続くが許してくれ。なお、最初の方でお知らせしたように、
都内の店舗はもうすぐ滅亡するので、吉祥寺店も以降で紹介する店舗も、すべて現存しない。

ガラケー画像を漁っていたら、初訪問の数日後にはもう、テイクアウトを購入している。


吉祥寺から中央線に乗り、わざわざ自宅まで持ち帰るとは。匂いが袋から漏れるし、同じ車両の方々に申しわけないぞ。
こちらも、吉祥寺店で食べた「焼き牛からあげ定食」580円。


モヤシ主体の野菜炒めの上に、鶏唐揚げと焼き牛が盛られている。唐揚げの味は記憶ナシ。

安くてウマくて斬新な牛丼を目当ての客で、吉祥寺店はなかなかの繁盛ぶり。
ただし、初入店時から店内床には米粒などのゴミが目立ち、店員さんたちは覇気がなく、お疲れの様子だった。
だがそれは、改善されることなく以後も続き、しかも吉祥寺店だけでなく、他店も同様なのであった。

これは確か、高円寺店で食べた「チーズ牛丼」で、価格は忘れた。


上記画像はさすがにヒドいので、HPからメニュー画像を拝借。あまり変わらない気もするが。


正式名は「チーズたっぷり焼き牛丼」で、現在新宿西口店で提供しているものとは、チーズの質や配列が異なっている。
タレが甘じょっぱクドいので、チーズとの相性は、すき屋のチーズ牛丼よりよかった。

私を含む愛好家を中心に、大勢のファンをつかんでいたチカラめしが、急降下した理由は、
『いきなり!ステーキ』が同じことを繰り返しているので、もうおわかりだと思うが、
店舗拡大に人員が、質量ともに追い付かなかったためである。
思えば、吉祥寺店の店内ゴミや従業員の疲弊した様子に、その兆候が出ていたことになる。

煮るタイプの牛丼は、極端なハナシ、鍋に肉を入れて放置しておけば完成するし、いっぺんに大量の仕込みが可能だが、
焼くタイプの牛丼は、放置したら即焦げてダメになるし、焼き置きだと味が落ちるので、大量仕込みは難しい。
さっき触れた、松屋がキムカル丼をレギュラー化しなかった理由も、要するにメンドーだからである。
また、焼くタイプは油や脂が、厨房だけでなく客席にも飛び散り、店内床が滑るという報告もあった。
ただでさえ調理と清掃に手間がかかるのに、それを指導・管理する社員は、たぶん足りていなかったはず。
バイトや人数さえ確保しておけば、店が運営できると思ったら大間違いである。
バイトなんて、マジメに働いてもチンタラ働いても時給は変わらないので、管理者がいなければ絶対にサボる。
私が行かなくなった理由になった、チカラめし八重洲店はどうしようもなかった。
厨房では、日本人店員がひとりで調理を担当し、ホールのアジア系外国人店員ふたりは、ただ突っ立っているだけ。
客席には食べ終わった食器が散乱しているのに、外国人コンビは見向きもせず私語に夢中。
私の席に置かれた、飲料水用ポットの水が残りわずかだったので、補充をお願いしたら、
片方の外国人が「マダハイッテル」と返答し、動こうとしないのには驚いた。※その後当然、怒鳴り散らした
日本人店員は指導をあきらめている様子で、もはや学級崩壊というか、店舗崩壊状態であった。
先日、大阪の西成区で、かなりダメな店で飲み喰いしたけど(笑)、あっちの方がまだマシだったよ。
たぶん、八重洲店のような状況が他店舗でも見られたから、チカラめしはダメになったのだろう。
店舗数だけに執着し、従業員の育成を怠った、チカラめし上層部の罪は重い

チカラめしを見限り、10年間足を運んでいなかった私が、久しぶりの食事をしたのが7月29日。
さっきの続きだが、こうして温玉を中央に乗せ、


愛しの黄身ちゃんを、お肉とご飯にトロ~リと絡め、


後半ではガリを投入し、お口の中をサッパリさせたところで、ラストスパート。


こちそうさまでした! という私の挨拶に、おばちゃん店員が「またよろしくお願いしまーす」と返答してくれた。
あのときはまさか、30日後に閉店を迎えるとは思わなかったなあ。
ちなみに、閉店まで残りわずかなのに値上げをしたらしく、焼き牛丼の並は550円になっているのでご注意を。

7月29日に寄った理由は、その日は神宮球場で、母校野球部を応援していたから。

※西東京大会準決勝。詳細はこちら

明後日には決勝戦を控える母校のゲン担ぎとして、チカラめしを食べておきたくなったのだ。
滅亡しかけているチェーン店で食べるなんて縁起悪い、という意見もあるだろうが、
滅亡しかけているのに、東京で唯一生き残っていた新宿西口店のように、母校野球部もしぶとく戦ってほしかったのだ。
結果、母校は劣勢にもあきらめず、しぶとく戦い優勝。4年ぶりの甲子園出場を決めた。※決勝戦の詳細はこちら
チカラめしにも逆転を期待しているが…ちょっと無理かなあ。
「焼き牛丼」のアイデア自体はよかったので、体制を立て直し、東京に再び店舗を出してほしいものである。
再オープンのそのときまで、東京のチカラめしよ、いざさらば。



東京チカラめし 新宿西口1号店
東京都新宿区西新宿1-15-3
JR新宿駅から徒歩約2分、他の私鉄、地下鉄新宿駅からも近いし、西武新宿駅からも10分もあれば着くはず
営業時間 9時~22時
定休日 無休だが8月28日に閉店
※閉店までは、結構混雑すると思われます
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『吉野家』以外のチェーン牛丼を食べた

2022年05月21日 | 丼もの
前回予告したように、拙ブログの小好評シリーズ【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】番外編として、
『吉野家』以外のチェーン店の牛丼を食べた感想をリポートする。

最初に断っておくが、私はカップ焼きそばの「ペヤング」や、即席ラーメンの「サッポロ一番」も大好きだが、
ライバルの「UFO」や「中華三昧」なども認めている。認めるどころか、先日久々にUFOを食べたとき、
「ペヤングよりウマいのでは…?」という疑念を抱いたりして(笑)。ペヤングの社長、ゴメンなさい。
だが、牛丼については、吉野家が一番ウマいと頑なに信じ、他店の牛丼とは別格扱いしており、
「吉野家以外の牛丼の方がウマいというヤツは非常識だ」と言い放つ、完全な吉野家至上主義である。
なので、各店を訪れた際も、「どうせウマくねえんだろ…」という、負の感情で食事に臨んでいたため、
本来のウマさや魅力に気づかなかった可能性もあるが、そこはご了承いただきたい。

まずは『松屋』。最近は定食やカレーの評判がよく、だいぶ企業イメージが上がった気がする。
私がバイトしていた約20年前、社員から聞いたのだが、ある日の会議で幹部から、
「もはや吉野家は眼中ない。我々が目指すべきは『マクドナルド』であり、『大戸屋』である」という訓示があったらしい。
要するに、「ウチは牛丼屋ではなく、大戸屋のような定食屋、マックのような大企業を目指す」という意思表示だろう。
松屋従業員のくせに吉野家派の私は、「“眼中ない”って…吉野家を追い抜いてから言えよ」と鼻で笑ったものだが、
時代が変わり、近年では失速した大戸屋に代わり、松屋が定食屋チェーンとして存在意義を増しているからビックリ。
また、定食だけでなく牛めしも、数年前に「プレミアム牛めし」へとグレードアップ。
発売直後に食べたときは、たいしてウマくねえな、と思ったのだが、
先述した吉野家至上主義ゆえの思い込みかもしれないので、数年後、再度食べてみた。

地元の某店にて、「生野菜」110円と「プレミアム牛めし大盛」530円の持ち帰りを購入。商品名と価格は当時のものだ。
野菜嫌いの私だが、健康面を考慮し、かつては松屋の生野菜を、よくテイクアウトしていた。
当時、コンビニのサラダが180円から200円以上したのに対し、松屋は量が多いのに100円と安価だったので。
ところが、数年ぶりに購入した生野菜は、量が減っただけでなく、見た目もよろしくない残念なモノ。


まるで、他人の食いかけのようなビジュアルで、食欲の進まないこと。
野菜から先に食べた方が、血糖値が上がらないそうなので、全部食べ切ってから、牛めしを食べることに。
付属の紅生姜と特製七味、自宅の生玉子を乗せて完成。


最初のひと口の感想は、ウマいマズいではなく、ちょっとヌルい
自宅までの持ち運びとか、生野菜を食べたりとか、盛り付けなどで時間がかかったけど、それにしても冷めるのが早い。
ただでさえ、「松屋の牛めしはイマイチ」という固定観念があるのに、冷めていては満足できるわけもなく。
結局、特製七味以外、なにがプレミアムなのか不明なまま、食べ終えてしまった。

数年前、先輩たちと谷川岳登山をしたとき、他の皆さんは山中でお湯を沸かし、温かいコーヒーやカップ麺を楽しむ中、
私が食べたのは、約7時間前に吉野家上里インター店で購入した、牛丼並と温泉玉子だった。


当然のように冷え冷えであったが、大自然の中で食べる吉牛は、それでもウマかったけどなあ。

と、ここまで書いて、さすがにヌルい牛めしだけで松屋を批判するのは失礼かと思い、
つい最近、出来立てほやほやを食べるべく、立川南口の店舗を訪問。
いつの間にか、客がカウンターへ商品を受け取りに行き、食後はやはり客が食器を下げる、セルフ形式に変わっていた。
注文したのは「牛めし並」380円。“プレミアム”の冠詞がなくなったが、値段と味はそのままらしい。
食券に記載の番号を呼ばれ、お盆に乗った牛めしと、フタ付きの「みそ汁」を渡される。


こちらが牛めしのアップ。玉ネギの色や形状から、煮込んでからあまり時間が経過していないのがわかる。


まずはひと口…さっき書き忘れたが、熟成肉を使用しているらしいけど、肉由来の臭みが強い。
この日は、期間限定のポークソテー丼や、各種定食のオーダーが多く、牛めしを注文する客は少なかった。
あまり注文が入らないから、タレに溜まった肉のカスや脂分を取り除く、タレ濾しと呼ばれる作業をしていないのかな。
途中で七味や紅生姜を加えたが、臭みをごまかせず、さらに卓上の焼き肉タレなども投入。
「バーベキュー」は個性が強く牛めしとケンカになるが、柑橘系が効いた「甘口タレ」との相性はなかなかよかった。
というか、焼肉のタレなど不要で、牛めし本来の旨味だけで食べさせなくてはダメでしょ。
正直、松屋をフォローするつもりで訪問したのだが、逆の結果になってしまった。
機会があったら、今度は松屋お得意の定食類を食べて、リポートさせていただく。フォローになるかは疑問だが。

続いては、現存の牛丼チェーンでは4番手扱いだが、5番手以降には大差を付けている『なか卯』に行ってみた。
利用したのは秋津店で、注文したのは「和風牛丼」と「はいからうどん(小)」のセット580円に、生玉子80円。
券売機では、セットのボタンがどこかわからず、1分ぐらい迷ってしまった。後客が並んでなくてよかった。
しばらくすると、セット一式が登場。生玉子には、黄身と白身を分けるセパレーター付き。


なか卯の和風牛丼は、以前は豆腐や白滝も入るタイプだったが、いつの間にか普通の牛丼に戻っていた。


食べた感想は、なか卯の牛丼もやはり、イヤな匂いがした。途中から気にならなくなるが、旨味も乏しい。
こちらのお店も、私の滞在時はうどんや親子丼などを頼む客が多く、牛丼の注文は少なかった模様。
ひょっとして最近の牛丼店、注文が減ったからか、牛肉の調理に手を抜いてないか!?
前回、吉野家でしじみ汁とねぎ玉牛丼を食べたときに書いたけど、吉牛でさえ少し臭みを感じたからね。

なお、「親子丼とうどんが美味しい」との評判があるなか卯だが、はいからうどんは可もなく不可もなく。


牛丼が、見た目に反し味が濃くなかったからか、西日本風の透明ダシがしょっぱく感じてしまった。
意外とよかったのが生玉子。商品名は「こだわり卵」で、80円は高えなと思ったが、食べてみたら黄身がおいしく感じたよ。


昔はどのチェーンも50円だった生玉子も、だいぶ値上げしており、吉野家が74円で松屋が80円。
唯一、すき家は60円と、低価格を維持。そういえば、牛丼並の価格を紹介していなかった。
さっき書いたように、松屋は380円。吉野家は426円、なか卯は430円、すき家は400円。松屋だけみそ汁が付く。
上記は各社のHPで調べた、店内で食事した場合の価格であり、店舗によっては価格が異なる場合もあるのでご注意を。
ちなみに、私が初めて牛丼を食べたのは30年以上前で、当時は吉野家と松屋しか知らなかったが、どちらも400円だった。
物価の推移を考慮すると、もう少し値上げしてもいい気がする。

たった今、何度か名前を出した『すき家』だが、個人的には、昔からどうも好きになれない。
盛り付けは雑だし、店員はヤル気もないし、店内の清掃もテキトーで不衛生。
下記は、すき家HPから拝借した画像だが、このように、下のご飯が見えないようキレイに盛られた牛丼は見たことない。


なか卯と同じグループだし、食べなくてもよかったかもしれないが、やはり店舗数業界1位はダテではないし、
すき家の牛丼を久々に(多分10年以上食べてない)味わってみることに。入店したのは、初訪問となる某店。
店内には、先客が数名立って待っている。いくつかの席が空いていたが、店員からの誘導はない。
立っている先客もいるし、コロナ禍だし勝手に座るのもマズいかと思い、私もしばらく立ちすくんでいた。
店員とは目が合い、私の存在を認識したはずなのに、「空いてる席にどうぞ」はもちろん、「いらっしゃいませ」すらない。
一応、接客担当は4人ほどいたし、人手不足ではないはず。ひょっとしてすき家は、ブラック企業と叩かれて以降、
従業員の酷使をやめただけでなく、指導自体もやっていないのか?
さすがに気分を害したので、何も食べずに退店。ついでに「すき家は一生利用しない」と決意。

結論を述べると、吉野家以外のチェーン、松屋となか卯は、定食やうどんなど、別のメニューに尽力しているためか、
牛丼は臭みが気になり、明らかに以前よりおいしくなくなっていた。タイミングが悪かったのかもしれないが。
すき家は、たまたま入った店がダメだったのかもしれないが、とりあえず論外。
というわけで、やはり吉野家を超える牛丼は、どのチェーンもいまだに作っておらず、
「吉野家より美味いのは吉野家だけ!」という結果になった。
昔↑こういうキャッチコピーあったよね。「ビーボ」とかいうドリンクの。

大手チェーンは今後も、互いに切磋琢磨し、おいしい牛丼作りに励んでいただきたいものだが、
吉野家も含めどの企業も、最近は牛丼を軽視しているように感じるのが気がかりである。
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あえて今訴える、牛丼なら『吉野家』!

2022年05月18日 | 丼もの
ちょっと前に、『吉野家』の不祥事がいくつか報じられた。
ネットでは大騒ぎになり、「ファンだったのに裏切られた」「もう吉野家には行かない!」などと、批判が続出。
数年前のペヤングのとき(詳細は触れない)もそうだったけど、わざわざ批判の投稿をするヤツなんて、真のファンじゃないし、
むしろ承認欲求の強いバカだろうから、「どうぞ二度と来ないでくれ」と切に願う。
あと、意外と多かったのが「松屋(orすき家)の牛丼の方がウマいし、吉野家はつぶれてもいい」といった意見。
いくら匿名で投稿できるからって、よくこんな非常識な発言ができるな。
「つぶれてもいい」とはヒドい、と感じた方もいるだろうが、私があきれたのは「吉野家よりウマい」の方だ。
これって、「私は味覚オンチの恥知らずです」と、広言するようなモンだからね。
バカどもの意見はさておき、吉野家のイメージダウンは著しく、株価も暴落するなど、かなりピンチの様相だが、
こんなときこそ、のび太君の言うとおり、拙ブログはあえて、吉野家を支持・応援する
 (C)藤子・F・不二雄 (C)小学館

ただ、このような擁護は、騒動の直後に表明するのが望ましく、今回のブログのように数日経過したタイミングだと、
世間が忘れかけたところを蒸し返す形になるので、むしろ逆効果かもしれない(苦笑)。吉野家、ゴメン。

いくつかの事件のうち、最も大きく取り上げられたのが、「生娘シャブ漬け」発言だ。
知らない人もいるようだけど、発言主の常務取締役は、「吉野家一筋30年!」のようなベテラン社員ではなく、
5年前に外部からスカウトされた、いわゆる雇われ幹部であり、叩き上げの取締役ではない。
なので、「吉野家で上層部に出世するのは、こんなクズばっかりなのか!」という批判は誤りである。
とはいえ、こんな人物に立派な肩書きと、普通の社員よりは明らかに多い報酬を与えていたのだから、
彼を起用した社長及び上層部は、猛省しなくてはならない。
発言主の伊東某という輩は、コンサルタントだの、アドバイザーだの、マーケターだの、
いろんな肩書きがあるようだけど、私に言わせりゃ単なる予想屋である。
ただ、競輪場にいる予想屋さんは、自分が売っている商品(予想)に誇りを持っている。
おカネや自分は大好きだが、自社の牛丼はさほど好きでもない、そんな人間を重用したのが吉野家の悲劇であった。
この騒動、悪いのは暴言を吐いた取締役であり、雇った社長であり、
現場の従業員や牛丼は悪くないので、一部のバカ以外は、これからも吉牛を食べてくれよ。
ただ、真偽はさておき、吉野家本部の対応がよろしくないとの噂は、数年前から出回っている。
さっき書いた「上層部はクズばっかり」が、事実でないことを願いたい。

さてここからは、牛丼の味について擁護させていただく。
以前どこかで告白したと思うが、私は吉野家と松屋で、バイトした経験がある。
なので、そんじょそこらの評論家や常連客も知らない、内部事情も理解している。
以下で、ネットなどにはあまり出回っていない(と思う)、牛丼の具材=「丼肉」の仕込み方を記していく。

ここまで、のび太君の画像しか載せていなかったので、直近で食べた吉野家牛丼の画像を掲載しておく。


注文したのは、「ねぎ玉牛丼」544円+「しじみ汁」173円。詳細はまたのちほど。

丼肉の作り方は、どのチェーン店も多分同じ。シンク状の大きな専用鍋にタレを注ぎ温めて、
そこへ玉ネギと牛肉を投入。脂やアクをすくい取りながら、数分煮込めば完成
牛肉と玉ネギは、店舗に届く袋詰めのモノをすべて投入。肉の量は、ひと袋あたり5キロだったかな。
完成後は鍋から丼肉をすくい出し、鍋に隣接された、ステンレス製のフタ付き肉置き場(名称知らず)に移して保存。
注文が入るたびに、この置き場からタレの入った鍋に肉を移し、再加熱してツユをまとわせ、ご飯に盛りつけ提供。
松屋も吉野家も、使用食材はほぼ同じ。牛肉は薄く切られた脂身の多いもので、玉ネギもカットされたものが店舗に届けられる。
タレは、袋詰めで届いたものを使う。タレだけを舐めた感想は、吉野家は生姜の風味が効いており、コクがあるのにまろやか。
松屋も使用調味料は似ているはずだが、醤油のしょっぱさがダイレクトに伝わり、ややトゲがある印象だった。

調理法や使用食材に大差はないのに、味が違う理由はズバリ、追加調理にあった。
丼肉が減ってきたら当然、肉と玉ネギを新たに仕込まなくてはならない。
松屋では再度、推定5キロの肉を投入。客の少ない深夜帯などは、半分の2.5キロしか煮ないこともある。
一方吉野家は、ピークタイム以外は約200グラムしか煮込まない
計量器を用意し、客の来店に合わせて約200グラムずつ計り、鍋に投入していく。
当時の牛丼並盛の肉量は85グラム(現在は90)。玉ネギ分を引いても、200だと2~3人前しかない。
大量の肉をいっぺんに煮る方が楽だが、吉野家はあえて、調理仕立ての丼肉を提供すべく、同じ作業を何度も繰り返す。
無論、複数の客が同時に来店した場合は、400グラムなどに増量するため、お客を待たせるケースはほぼ皆無。
脂とアクもしっかり取るし、煮込むたびに、鍋の火力を上げ下げ(加熱と保温)するのも忘れない。
そして、松屋との最大の違いは、吉野家は追加調理のたびに、タレも必ず追加するのである。
松屋が5キロの肉を1回煮込む間に、吉野家は単純計算で、200グラム×25回煮込むことになる。
つまり、タレを1回しか追加しない松屋に対し、25回追加する吉野家。どちらの味が安定しているかは明らかだ。
他のチェーンも、やり方は松屋と同じはず。人手不足のブラック企業・すき家は、もっと手を抜いている可能性もある。
以前チラッと紹介した、新橋の『なんどき屋』もそうだったけど、
肉は少しずつ煮込んだ方が、脂臭さが肉にまとわりつかないし、アクなども取りやすいはずだ。

※なんどき屋の「牛めし並」650円+「玉子」50円

以上、私が「牛丼は吉野家が一番ウマい、他店をウマいと主張するヤツは非常識だ」と述べた理由は、
吉野家は丼肉をこまめに調理しているという、事実に基づく正論であり、
決して、自分の好みを押しつける強引な主張ではないことを、理解していただきたい。

ここでひとつ告白、というかお詫び。私が双方の店で働いていたのは、今から20年以上前
現在は松屋も、こまめに調理しているかもしれないし(すき家は絶対やってない)、
逆に吉野家は、最近は牛丼以外のメニューも増えたため、テキトーな調理になってしまった可能性もある。
そもそも、当時の吉野家は、朝定食の時間帯が終わると、メニューは牛丼・牛皿・牛鮭定食しかなく、
来客の99.9%は丼肉を頼む(たまに酒だけのジジイが来る)ため、肉の調理に気合を入れるのは当然だった。
繰り返すが、さっき紹介した調理法は今から20年以上前のことなので、現在のやり方は不明。
補足しておくと、私が勤務していた吉野家はもちろん、松屋もなかなかの繁盛店で、
仕事のできるバイトも多く、マニュアルはちゃんと守っており、本社からの評価は高かったと記憶している。
ただし、私自身は酔った状態で夜勤or二日酔いで朝出勤のケースが多く、評判はよくなかった(苦笑)。

最後に、さっき載せた吉牛画像の詳細をつづっておく。食べたのは京王線の中河原駅近くの店舗。
牛丼に青ネギは不要だと思うが、野菜不足なので頼んでみた。玉子と紅生姜も乗せて食べる。


しじみ汁は初注文。しじみエキスは健康にいいらしいから…って、
野菜不足とかしじみで健康とか、牛丼を喰うだけなのに、いちいち面倒なことを考える自分がイヤになるね。
そのしじみ汁、目に付いたのは身のない殻ばかり。ムカついたので、青ネギが入っていた器に、殻を移し数えていく。
文字どおり、身のないカラの殻ばかりだったら、店員に抗議しようかと思っていたが、
汁の底に、身だけ沈んでいたりして、殻と身の数が近付いていく。
結果的に、殻が40に対し身が36。許容範囲の差であった。というか、40個の殻って結構な数だよ。


さすがは吉野家。殻だけなどと疑って申しわけなかった。しじみ汁、また頼ませてもらうよ。
そういえば、牛丼自体の味は、肉の臭みをちょっとだけ感じた。脂取りが足りなかったのかな。
ところが、久しぶりに食べた他チェーンの牛丼は、もっとダメダメな仕上がりであった。
近日中に「牛丼チェーン以外の牛丼を食べた」シリーズ番外編として、「吉野家以外のチェーン牛丼を食べた」を公開!
追記:公開したので、よかったら読んでください→こちらをクリック

他店の牛丼を食べてみて、改めて確信した。
だいぶ前にも主張したけれど、牛丼なら、やっぱり『吉野家』だよ!
いろいろ問題はあるようだけど、ファンとして、元従業員として、吉野家には踏ん張ってもらいたいね。
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牛丼チェーン以外の牛丼を食べた 久々のパート4

2022年01月26日 | 丼もの
前回日記の冒頭で、ちょこっと触れた国会図書館。最後に訪れたのはもう7年ほど前。
地下鉄永田町駅から地上に出て、徒歩約5分の距離にもかかわらず、2回も職質に遭ってしまったのは不愉快だった。
もうひとつ不愉快な思い出、それは用事を済ませたあとの館内食堂での食事。
注文したのは、カレーと牛丼の具が合い盛りになった「国会図書館カレー」570円(←当時の名称と価格)。


ガラケー画像ゆえ見た目は悪いが、味もよろしくなかった。具体的にいうとカレーがヌルいのである。
営業時間はあらかじめ調べておいたし、閉店にはまだ早いはずだが、広い食堂内には私しか客がいない。
だからなのか、厨房では早くも後片付けを始めていた。そんなタイミングでのオーダーゆえ、
作業を中断させられメンドくせえ…と感じながら、ロクに加熱もせず、そのまま盛り付けたのではないか。
抗議して、作り直させるべきだったかもしれないが、画像を見ればおわかりのとおり、
私もひそかに缶ビールを持ち込んでいるので、あまり強気には出られない(苦笑)。
一応、国会図書館の規則には「酒類持ち込み不可」とは記されていない。そういう輩を想定していないのだろうが。

牛肉部分の方はちゃんと温まっており、一般的な牛丼よりも大きめにカットされた肉は食べ応えがあり、
ビールのツマミには適していたが、とにかくカレーの印象が悪すぎて、全体評価は下げざるを得ない。
牛丼単品もあったので、そちらを頼めばよかったのだが、こちらの食堂は最近閉店したようで、もう食べることはできない。

イヤな記憶から始まった、【チェーン以外の牛丼】シリーズ第4弾。
せっかくなので、ちゃんとした牛丼も紹介しよう。昨年、三鷹駅から南の下連雀あたりをうろついていたとき、
まともなスーパーマーケットチェーン『紀ノ国屋』の工場直営店を発見。


パンや総菜などに混ざり、冷凍された国産黒毛和牛使用の「牛丼の具材」も販売していた。

※撮影し忘れたので、某通販サイトより画像を拝借

「1個単位で買えるのはここだけ」とお店のお姉さんがおっしゃるので、即購入。量は80グラムで価格は600円。
私がバイトしていた頃の吉野家は、並の具材は85グラム、タレ込みで110グラムくらいだった記憶がある。
通販価格も調べてみたら、10パックで6000円弱だった。数日後、湯煎して食べてみることに。


さすがは国産牛。肉が柔らかい…というか柔らかすぎる。脂身が多いのか、ちょっとクドい気がする。
味付けは甘く、浅草あたりの老舗の「すき焼き弁当」のような、ソフトな仕上がり。
個人的には、もっとしょっぱく、具材はもっと硬く、ハードな味の方が好きだね。
あと、いいニクを使っているのはわかるが、チェーン店の牛丼と比べると、割高感は否めない。

次は、非チェーン系のお店から、新橋の呑み助にはおなじみ、24時間営業の『なんどき屋』を紹介。
銀座方面には、食堂業態の同名店もあるが、私が食べたのは居酒屋業態の方。こちらでも定食や牛丼を提供している。
最後に訪問したのは、今からもう3年近く前。日雇いで築地方面に派遣されたとき、別の店で飲んだ帰りに寄った。
「食事だけでもいいですか」と確認を取り、「牛めし並」580円と「玉子」50円を注文。
牛めしにはお新香と味噌汁が付く。現在は並650円、大盛750円、「上牛めし」850円らしい。上牛めしは気になるな。
雑誌の記事や他人が食べているのを見たことがあるので、なんどき屋の牛めしのビジュアルは知っていた。
一般的な牛丼とは異なり、肉と玉ねぎの他に、よく煮込まれた豆腐とこんにゃくも入る。
長時間の営業中、ずっと煮込んでいるから、あの色になるのかと思い込んでいた。
だがこの日、ベテラン風の店員さん(店主?)は、私のオーダーを聞いてから、タレの入った大きな鍋を温め、
そこに生の牛肉を投入し、脂やアクをすくいながら煮込んでいた。予想外の丁寧な調理!
ただし、玉ねぎや豆腐などは、前もって煮込んでからタッパーに保存しており、
仕上げに鍋で短時間加熱し、ご飯に盛りつけて牛めしが完成。みそ汁やお新香などと一緒に提供された。


牛めしだけアップ。全体的に、チェーンの牛丼より色が濃いのだが…この写真ではわかりづらい。


玉子と七味を加えたときの画像の方が、なんどき屋さんらしい色合いだ。


牛肉は短時間だが、豆腐やこんにゃくの色は、長い時間煮込まなくては出せない。

営業中、大きな鍋で肉をずーーーっと煮込んでいる、居酒屋や食堂をたまに見かける。
長時間煮込むことでタレの味は浸みるだろうが、肉自体の旨味は逃げてしまい、形状もボロボロになってしまう。
そんな肉の残骸ともいうべきモノを、白米、あるいはうどんやソバに乗せても、ウマいわけがない。
失礼ながら、ここの牛めしも、その類だと思っていたが、実際に食べてみると、
色と同様、味付けは確かに濃いけれど、肉には弾力と旨味がしっかり残っていて、なかなか美味しい。
生玉子との相性も当然いいし、甘味の残った玉ねぎも、豆腐やこんにゃくもウマかった。
アップ写真はないが、セットのみそ汁もワカメたっぷり。茗荷谷の『丼太郎』とは大違いだ(笑)。

食べ終えてから、卓上にカレー粉が置いてあったのに気付いた。牛めしやみそ汁に試せばよかった。


さっき書いたように、注文を受けてから肉を煮る、なんどき屋さんの調理法は、手間はかかるが正しい
新橋に行く機会があったら、なんどき屋さんで一杯やり、シメにはまた、牛めしを食べたいね。

かつては、吉野家だけでなく松屋でもバイトした経験のある私だが、注文後(というか来客後)に肉を煮始める、
なんどき屋と同じやり方をしていたのは、キング・オブ・牛丼の吉野家だけ(忙しい時間帯を除く)。
そんな吉野家だが、よく利用していた立川南口店が2020年に閉店したため、利用回数が減少。
北口にも店舗はあるが、メニューが少なく、立川の飲食店名物「ダメ店員」がいたため、あまり行く気にならず。
最後に食べたのは所沢駅前の店舗。値上げ前ゆえ「並盛+玉子」で462円だったが、やっぱりウマかった。


そんな吉野家の珍しい商品も紹介しよう。約4年前、早朝4時台に武蔵小金井店を利用したときのこと。
都内で飲みすぎ、立川方面の終電に乗れず、三鷹から徒歩で帰宅を試みたものの、武蔵小金井で力尽き、
吉野家で喰ってから始発に乗ることに。注文したのは、当時の新商品だった「サラシア牛丼」480円+「玉子」60円。
サラシア牛丼とは、普通の牛丼に「血糖値の上昇をおだやかにするサラシノールを配合」(HPより)した商品で、
価格は通常の並盛380円に+100円だが、「“牛丼のうまさ”はそのまま」(同)とのこと。見た目は確かに同じ。


実際に食べてみたら、本当にいつもの牛丼と同じ味。ついでに、提供スピードも同じだった。
こうすべてが同じだと、実は普通の牛丼を提供し、100円余計にガメているのでは…なんて疑ったりして。
まあ、キングオブ牛丼の吉野家が、そんなセコイ悪事を働くわけがない。
ちなみに、現在サラシア牛丼は販売しておらず、私の血糖値も当然、特に変化はない(悪いまま)。

約3年ぶりとなった牛丼シリーズ、パート5はなるべく間隔を空けずに発表するつもりなので、今後もよろしく。
既存チェーンも、いろいろ新商品を出しているので、食べてみようかと考えている。
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安くてウマい開運どんぶり 高幡不動『四八天丼』

2021年02月25日 | 丼もの
緊急事態宣言を受け、【近所の飲食店を巡る(ただし、近所=徒歩60分圏内)】シリーズ。 
今回の舞台は、立川駅から多摩モノレールを利用すれば10分ほどで着く高幡不動。
徒歩だと、モノレール沿いに歩けば約1時間。ただし、日野橋→新川崎街道ルートを利用すれば、47分くらいで行ける。
紹介するお店は、以前、高幡山を紹介したとき、最後に触れた『四八天丼』さん。


安くてウマい天丼専門店として、近隣住民に人気のお店だ。
名物の「四八天丼」は、海老、イカ、穴子、カボチャ、オクラ(←お店の表記より、以下同)が乗り480円。

※店内で食べると味噌汁付き

四八というお店の屋号も、この価格が由来となっている。
数年前、やむなく530円に値上げし、現在は540円になったが、今でもじゅうぶん安いといえよう。
天ぷらタネは、当然ながらどれも揚げたてのサクサク。上記のタネでは、私はイカが気に入った。
自家製の甘辛タレは、粘度はなくサラッとしたタイプで、一般的な天丼よりクドさを感じない。
個人的には、天丼チェーン『てんや』よりも好みである。

さっきの写真の四八天丼は、高幡山登山(登山といえるレベルではないが)の帰りに食べたのだが、
その前に、天ぷら&ビールも楽しんでいた。


画像左から「唐揚単品」150円、「ビール」400円、ふた切れあるのが「穴子天」120円、「ミニかき揚げ」150円。
上記は2年前の価格で、最近、残念ながらビールがなくなり、唐揚げも200円(単品は販売休止中)になった。

※最下段、右から二番目の空白が、かつての「ビール」ボタン

マヨネーズ無料の鶏唐揚げや、安価な穴子天やかき揚げは、ビールのつまみにピッタリだったのだが、
ここ四八天丼さんは、普段はお参り客などで相当混むらしく、長居する飲み客は迷惑なのかね。
それでも、揚げたての天丼を安く食べられるお店として、個人的には重宝している。
しかもこちらは、元々近所の『開運そば』というおソバ屋さんの支店である。
さっきの店頭写真の看板のアップ。左には開運マーク、右には「開運そば支店」の文字が。


運が開ける天丼とは、実にありがたいではないか!
ただ、何度も食べている私には、まだ開運の気配は見受けられない(泣)。

現在でも540円とお安い天丼だが、「かき揚げ丼」450円、「ガッツ丼」500円など、さらに安価な商品もある。
昨年、別の店で飲んだ帰りに寄ったときは、閉店間際だったので、ガッツ丼のお持ち帰りを購入。
ガッツ丼とは、豚肉、ネギをニンニク醤油で味つけ、玉子と海苔を添える、いわゆる「すた丼」風のメニューだ。


上記画像は、出来立てを撮影しようと、モノレール高幡不動駅のベンチで撮ったものだが、
フタを開けた瞬間、ニンニクの匂いが充満し、周囲からにらまれてしまった。
帰宅後に、さっそく食べてみたけど、ニンニク風味のタレだけでなく、刻みニンニクも入っている。これは匂うワケだ。


紅生姜や刻み海苔、玉子との組み合わせも絶妙だし、私のようなニンニク好きなら、絶対満足できるテイストだ。
揚げ物のカロリーが気になる方は、ぜひガッツ丼を試してほしい(←カロリーの差はないのでは?)。

ただでさえ安い四八天丼さんだが、さらにお得な回数券もある。


この回数券は、1杯あたり50~100円割引なのだが、買ったその場で使えるのがいいね。
しかも、過去には「ご飯の大盛無料」サービスもついていたようだが、ご飯の量をたずねた際、
「んあ? 大盛だよ!」などと憎たらしい返答をしたバカがいたとかで、廃止された模様。
上記の貼紙画像で、黒塗りされた箇所には、「態度悪いヤツには使わせない」のようなことが記してあったはず。
私も昔、不向きながら接客業をやっていたので、店主の気持ちはよ~くわかる。
こちらのような安価な飲食店に対し、「安く食事させていただき申しわけない」と感謝するどころか、
「こっちは客だぞ」とばかりにデカい態度を取るヤツって、相当民度が低いと思う

なお、こちらのお店には、さらに重要な厳禁ルールがある。それは【空いてる席に荷物を置かない】だ。
その注意書きに気づかず荷物を置くと、メチャクチャ怒られるとの報告がネットに上がっている。
確かに、席数の限られた人気店にとって、その行為は営業妨害になる。
「今は空いてるんだし、客が来たらどかすからいいだろ」という意見もあるだろうが、
外から店内の様子を見て、客だろうと荷物だろうと、席が埋まっていたら入店を遠慮する方もいるからね。
「メチャクチャ怒られる」とは、私はその場面を見たことがないし、そもそも真偽不明なのだが、
店主はおそらく、席を占拠することに対し、異様に怒りが沸くタイプなのかもしれない。
私も、入口ドアを開けっぱなしにする客に、周囲が引くほど怒り狂うので、またまた店主の気持ちはよ~くわかる。
無論、店主は偏屈な方ではなく、常識的な態度の客には、ごく普通に接しているのでご安心を。

500円前後の丼メニューが主流の四八天丼さんだが、千円超の豪華商品がふたつある。
それが、以前は正月限定だった、1000円の「味彩」と1200円の「至福」だ。


上記はひどい写真でわからないだろうから、以下で実際の画像を紹介する。
こちらが「味彩天丼」。太いえび天2本、カニカマ(ハーフ)、玉子、なす、アスパラが乗る。


海老は通常の倍以上あるサイズ。普通の店なら、この海老2本だけで1000円くらいするでしょ。
珍しいカニカマの天ぷらや、歯応えのあるアスパラに、油と好相性のなすと、脇役たちもいい仕事している。
最後は、玉子天ぷらを割り、タレのかかったご飯に黄身ちゃんをとろけさせる、言うまでもなく最高である。
↓私の撮影センスがないだけで、実際の見た目はもっとウマそうだし、実際ウマかったよ!


そして先日は、最高価格の「至福の海老天丼」1200円を食べてきた。


具材は太いえび天5本、以上! 単純明快ながら疾風怒濤の商品(←意味不明)である。
大きい海老天が5本も並ぶ、まさに至福の丼ゆえ、いつまでも眺めていたい気もしたが、
せっかくなので熱々のうちにかぶりつく。サクサクプリプリ、やっぱりウマい!
1本目は白いご飯と、2本目はタレのかかったご飯と食べ、3本目は卓上の紅生姜と一緒に。
そして4本目以降は、厨房の店主にお願いし、マヨネーズを追加してもらう。

※予想以上にたっぷりのマヨであった

こちらは唐揚げだけでなく、天ぷらにも無料でマヨを足してくれる、デブにはやさしいお店である。
デブといえば(←失礼なつなぎ)、壁にはホンジャマカ石塚さんのサイン色紙も飾ってあるぞ。
初めてやってみたけど、中華料理の「海老マヨ」みたいで、なかなかイケた。
5本目は七味&マヨ状態にして、残ったご飯とともに、一気呵成にかきこんだ。
なお、こちらの丼にはフタがないので、海老天の尻尾の置き場所に困る方もいるだろう。
私は、1本食べ終えるたびに、尻尾からダシが出るのも期待し、味噌汁に投入していった。
さすがにこの作法は、我ながらお行儀悪い(というかビンボくさい)と感じたので、おススメはしない。
ところで、行きも帰りも歩きだが、カロリーの摂取と消化、どっちが多いのか? マヨが余計だったか…。

立川から高幡不動へのウォーキングは、多摩川と浅川を超えるため、冬の季節は風がキツイ(←だから歩くなよ)。
桜の開花はさすがにまだだが、徐々に気温が上がってきて、日が暮れるのも遅くなってきた。
春が待ち遠しい、今日この頃である。



四八(よんぱち)天丼
東京都日野市高幡149
京王線高幡不動駅から徒歩約2分、多摩モノレールの駅からは徒歩約5分、立川駅からは徒歩約45分
営業時間 月~土11時~19時半、日11時~16時、時間不定ながら中休みあり
定休日 火曜
※ラストオーダーは30分前
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「スタ丼」発祥のお店 国立『サッポロラーメン』

2021年02月02日 | 丼もの
2回前、昭島の家系ラーメン店『大山家』さんを紹介したとき、
「緊急事態宣言発令中は、交通機関の利用は控え、近所の飲食店を巡る」と表明した。近所といっても徒歩60分圏内だが。
先日は、『伝説のすた丼屋』立川店を訪問し、すた丼とラーメンのセットを食べたかったのだが、
券売機では麺類はすべて「売り切れ」表示となっている。※それについては後述
仕方なく、すた丼に唐揚げ3個とミニサラダが付く「すたみな唐揚げセット」に変更。
いつもは混雑しているこちらのお店も、緊急事態宣言下ゆえ客は少なく、おかげで料理もすぐに完成した。


上記写真ではわかりづらいが、手前の丼ものは、ニンニク風味の「すた丼」ではなく、ショウガ風味の「生姜丼」だ。
私には、○すた丼ではなく生姜丼を選択 ○たくあん、サラダのカイワレは抜き、という独自の「すた丼ルール」がある。
生姜丼を選ぶ理由は、【あとから卓上のおろしニンニクを入れれば、両方の味が楽しめるから】。相変わらずセコイだろ。
たくわんとカイワレを抜くのは、単純に【大根が苦手だから】なのだが、立川店では、その要望はだいたい忘れられ、
毎回のようにたくあん入りの生姜丼がやってくる。まあ、そのままよけて食べるけどさ。
一度乗せてから気付いたのか、たくあんはないけど、ご飯に黄色いシミが残っていることも多々(苦笑)。
たくわん嫌いにとっては、そのシミの部分もイヤなんだけどね。
ちなみにこの日は、たくわんこそ抜かれていたが、サラダにはしっかりカイワレが盛られており、
提供寸前で店員が気付き、あわてて厨房に戻り、作り直していた(カイワレ抜いただけ?)。
できれば、唐揚げも作り直してほしかった。下記画像の手前左なんて、コロモが剥がれているし。


昨年食べた、「トリプルすたみな爆肉丼」の唐揚げ(画像左部分)には、鎧のようなコロモが付いていたのになあ。


詳細はこちらの日記。ただでさえ肉が多いのに、唐揚げのコロモが硬く、食べるのに苦労したよ。

現在、感染対策として、透明のアクリル板を、カウンター席の間に設置している店は多いけど、
伝説のすた丼屋立川店では、ご覧のようにメニュー表で代用していた(笑)。代用になるのか?


まあ、入口で消毒もしてるし、ひとり無言で食べる分には問題ないだろう。
生姜丼や唐揚げも、味自体は文句ないので、いつものように一気にかきこみ、ごちそうさま。

麺類について、さきほど運営元のHPを確認してみたところ、
いつの間にか、メニューからラーメンと油そばが消えてる! 確か、3日前はまだあったのに。
すた丼屋、チャーハンに続いて麺類も廃止かあ。まあ正直、麺類はあまりウマくなかったけどね。
※追記 のちに、油そばだけ復活

生姜丼と麺類のセットを欲した私は、数日後、隣市の国立へ足を運んだ。
お目当てのお店は『サッポロラーメン』。徒歩で片道28分ほど。お散歩にはちょうどいい距離だ。


前置きが長くなったが、ブログタイトルにある「スタ丼」発祥のお店がこちらである。
『伝説のすた丼屋』グループの社長も、こちらのお店で修業していたらしい。
ただし、亡き創業者はチェーン化に反対していたこともあり、現在は接点はない模様。
現店主との関係も微妙らしいので、こちらのお店で「すた丼チェーン」を口にするのは、やめておいた方がいいと思う。
なお、お気づきかもしれないが、こちらのお店は「すた丼」ではなく、「スタ丼」とカタカナ表記だ。

私がここで初めて食べたのは、今から5年ほど前。さっきの店頭写真も、そのときに撮ったものだ。
アイドルタイムの16時頃に訪問し、まずは「ビール」500円と「餃子」450円を注文。
先客はなく、店主はなんだか不機嫌そう。ビールは中瓶、餃子はニラ多めの無骨なタイプだった。


ビールをお替わりしたタイミングで、元祖「スタ丼」550円(現在は600円)+「肉増し」150円も追加注文。
数分後、出てきた丼に生玉子を乗っけたのがこちら。なんだか、すた丼チェーンよりご飯が多い気がする。

※今気づいたが、たくわんはちゃんと抜いてもらってるね

失礼ながら、「肉増し」と「ご飯増し」を聞き間違えたのかと思い、「このご飯、並盛ですか?」とたずねたところ
店主は「そうですよ!」と即答し、さらにご機嫌ナナメになった模様。うひゃ~、怒らせちゃったか!?
ネットでは「やっぱり元祖の方がウマい」「いや、チェーンの方がマシ」と賛否両論あるようだが、
私は、とっとと帰ろうと思い、無我夢中でかきこんだため、味の記憶はそんなにない。
しいていえば、元祖の方が味はやや薄く、肉質は歯応えがある…ように感じた。
最近、ご飯の量も調べてみたところ、チェーンは約450グラム、元祖は約520グラムらしい。
やっぱり、本家の方がご飯は多かったか。大盛(1キロ超え?)なんて無理だろうね。

店主がおっかないので、その後は足が遠のき、今回の訪問は5年ぶり2度目となる。
緊張しながら入口扉を開けると、店主は先客たちと楽しそうに会話している。機嫌は良さそうだ。
私のお目当ては、ミニ丼、ラーメン、ミニサラダの3種が食べられる「Aセット」1000円。
「ミニ丼」とは、スタ丼の少なめタイプで単価500円。だが、ご飯は350グラムほどあり、全然ミニではない
一応、+100円で普通サイズに変更できるが、ラーメンもあるのでやめておく。
「ラーメン」は醤油・塩・味噌から選べ、単価はどれも550円。屋号が「サッポロ」なので、おススメは味噌なのかな。
「ミニサラダ」は本当にミニだが、壁の貼り紙によると250円だって。単価は意外と高いな。
私のオーダーは「Aセットを生姜丼と味噌ラーメンで。あと、たくわんとカイワレを抜いてください」。
店主は「はいよ」と返事し、さっそく調理にかかり、まずはミニサラダが登場。
カイワレなしなので、千切りキャベツにオレンジドレッシング(キユーピー?)のみ。


店主は調理しながら、先客の常連らしき男女の相談に乗っている。しばらくして味噌ラーメンが完成。


麺とスープを中華鍋で煮込むサッポロスタイルではなく、スープ、麺、具材と、順に盛りつけるオーソドックスな作り方。
大きめの丼に、たっぷり入った味噌スープは、塩分控えめ。具材はノリ、モヤシ、メンマ、チャーシューにネギ。
麺は北海道風のように黄色くなく、普通のタイプ。チャーシューがなかなかウマい。


味噌スープが、やや甘めの味わいなので、卓上の豆板醤や七味を混ぜるとちょうどいいかも。
店主が最後に取り掛かったのが、メインのミニ生姜丼。調理中、今度は別の常連客と会話。
私の席のすぐ近くなので、丸聞こえだったが、どうやら共通の知人を批判している様子。

店主「アイツはよぉ…(プライバシー保護のためカット)」 客「それってマジ?」 店主「しかも…(同)らしいぜ」
客「そりゃダメだ…あ、たくわんナシ。…まったくアイツも、いいトシこいて…(以下略)」

なんと、常連客が私の「たくわん抜き」を覚えていて、会話をしながら調理中の店主に指示を出していた!
実際、店主は忘れていたようで、たくわんを一瞬乗せてから、あわてて引っ込めていた(笑)。
私の方を見向きもせず、店主としゃべり続けているし、会話に聞き耳立てていたと思われても恥ずかしいので、
お礼が言えなかったのが残念。常連さん、あのときはどうもありがとう!
さて、常連さんも調理に協力した(?)、ミニ生姜丼がやってきたので、「Aセット」が完成!

※サラダとラーメンは、当然食べかけである

こちらが生姜丼のアップ。個人的に、海苔が2枚入っているのが嬉しい(チェーンの方は1枚)。


ミニ丼も、肉に対しご飯の割合が多く感じたが、チャーシュー、メンマ、味噌スープをオカズに食べ切った。
お会計をお願いし、食器をすべてカウンターに上げてから支払いを済ませたのち、
「どうもごちそうさまです」と告げたら、店主も「ハイ毎度~!」と返答してくれた。
なんだよ、店主イイ人じゃないか。っていうか、前回は違う人だったのかな?

さきほど説明したように、チェーンの方がメニューをどんどん削っていく中、
こちらのお店には、「肉玉丼」「チャーシュー丼」「タンメン」「ピリピリラーメン」など、
チェーンにはない商品が多数存在する。それらも食べてみたいね。
サッポロラーメンさんには今後も、店主の機嫌を損ねないよう(笑)、慎重に通うつもりだ。



サッポロラーメン 国立店
東京都国立市西2-10-4
国立駅から推定徒歩9分、西国立駅から徒歩約14分、矢川駅からも多分歩ける
営業時間11時~23時
定休日 水曜、年末年始ほか
※実際の店主は、そんなに怖い方ではない気がします

※現在の営業時間は11時~20時です
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「全国丼グランプリ」金賞! 茗荷谷『札幌軒』

2019年09月04日 | 丼もの
「グランプリ」と聞いて、真っ先に頭に浮かぶモノはなんだろうか?
漫才の「M-1」か格闘技の「K-1」、あるいはそれらの語源になったと思われる、モータースポーツの「F-1」か。
競輪ファンの私はもちろん、競輪グランプリなのだが、残念ながら賛同者は少なそうである。

世の中には、大小様々なグランプリがあるようで、今回のブログタイトルのように、
「全国丼グランプリ」というのもあるようだ。
皆さんは知ってた? 私はつい最近まで聞いたことなかったよ。
その存在を初めて目にしたのは、茗荷谷駅近くの『札幌軒』さんに足を運んだところ、
店頭や店内に、「丼グランプリ受賞!」のノボリや告知ポスターがあったからだ。

あとで調べたところ、【全国丼連盟】という団体(?)が認定したもので、これまでに5回開催されたらしい。

※全国丼連盟HPより

その過去5回で、毎回「金賞」を獲得しているのが、札幌軒さんの「肉丼」だという。
 
※同じく全国丼連盟のHPより

炒めた豚肉と野菜、上記写真にはないが生玉子もつくので、「スタ丼」に近い料理かな。
そういえば、スタ丼の元祖とされる国立のお店も、屋号は『サッポロラーメン』だ。

札幌軒という屋号ゆえ、かつては味噌ラーメンなどの麺類がウリだったのかもしれないが、
店員さんたちのユニフォームの背中には、「ここでしか食べられない肉丼…」のような文が綴ってあり、
実際、客のほとんどが肉丼などご飯モノを注文するので、味噌ラーメン単品を食べている客は、見たことがない。
丼グランプリの存在を知らなかった私でさえも、初訪問時に頼んだのは、
お店自慢の「肉丼」にチャーシューも加えた、その名も「ブーブー丼」。名前がイイね!
オーダー後、まずは生玉子とスープ、茹でもやしが到着し、


続いてブーブー丼の本体が登場。価格は790円。ちなみに肉丼は740円で、「チャーシュー丼」740円もある。


肉がすき間なく盛られているので、少しだけ食べてスペースを作り、玉子ちゃんを流し込み、紅生姜をトッピング。


甘辛タレで炒めた豚肉に玉ネギとニラ、しっかりと味が染みた柔らかチャーシュー、そして熱々ご飯に生玉子。
これでウマくないワケがない!
もりもり、ガツガツ、ぶーぶーと口に運び、あっという間にブーブー丼を完食。スタ丼ほど、メシの量は多くなかった。
食後の満足感は、さすがは「丼グランプリ金賞」のお店、といえよう。

ところで、このグランプリは、どうやって決めているのだろうか?
年に1度、どこかの会場で、各店舗が腕を振るい、提供された丼を厳正に審査…とかはやってない様子。
どうも、丼連盟会員の投票で決めているようだが、これだと、癒着が横行しそうな気がする。
とはいえ、さほど世間へ強くアピールしているグランプリでもなさそう(失礼!)なので、気にすることはないか。
ちなみに、金賞は札幌軒だけでなく、お菓子の「モンドセレクション」のように、複数の店舗が受賞している。

へそ曲がりゆえ、「グランプリ」や「三ツ星」などの権威や肩書には、さほど興味がなく、
ましてや「食べログで3.5以上」といった、価値のない点数にこだわるヤツを、心の底から軽蔑している私だが、
札幌軒さんは、ウマいめしをガッツリ食べられるお店として純粋に気に入ったので、その後も何度か通っている。
以下で、これまでに食べてきた料理を、紹介していこう。

こちらは、チャーハンの玉子焼き乗せ、その名も「チャン玉」700円と、


ご飯モノにセットとして付けられる「半ラーメン・しょうゆ味」200円。


残念ながら、チャン玉は要するに玉子多めの炒飯だし、醤油ラーメンはよくあるタイプの味であった。

こちらのお店は、生玉子、ニンニク、キムチ、コーンなどのトッピング(50円~)があるが、
数量限定の無料トッピングがある。その商品名はズバリ「アブラ」!

※ヘタな写真で申し訳ないが、「禁断のトッピング」のコピーが秀逸

肉丼などに使用する豚肉の余った脂肪分を集めたもので、こちらがその肉丼+アブラである。


アップにした写真がこちら。一見タケノコに見えなくもないが、れっきとした脂身である。


真っ白ではなく茶褐色なのは、味付けしてあるから。食べてみると、脂身が多すぎるチャーシューのような印象。
豚肉好きの私にはたまらんが…身体によろしくない気がするので、その後は頼んだことはない(苦笑)。

つい先日は、他の店で飲んだあとに、もう少し飲みたくなり立ち寄った。
注文したのは白ホッピーセット400円と、焼餃子350円、そして肉丼のアタマ(おかずだけ)580円。


写真は撮り忘れたが、ホッピーセットのナカは意外と濃い目。ただし、使用しているのは「酎五郎」という、
大五郎の類似品みたいな(メーカーはアサヒなので、ほぼ一緒?)、悪酔いしそうな焼酎だった。※案の定、悪酔いした

以前は、餃子は酒と一緒に頼むと300円だったのだが、現在はそのセット割引きは廃止したようだ。
手作りの餃子は、この日はちょっと焼き色が強く、反対に野菜主体の中身の味は淡白だった。


ホッピーを飲み終わったが、まだ肉丼のアタマがだいぶ残っている。
しかし、焼酎は先述のように危険なタイプだったので、悩んだ挙句に半ライス150円を追加。


予想通り、半というより3/4くらいのライスがやってきたので、これに肉野菜を乗せ、ハーフ肉丼を作って食べた。


結局、満腹と泥酔が重なり、苦しくなってしまった。やはり、飲んだあとに立ち寄ったのは失敗だったか。
次回は、シラフ&空腹で訪れ、じっくり飲もうと思う。

茗荷谷という街は、あまり散策したことはなく、飲食店の情報もほとんど知らないのだが、
以前紹介した激安牛丼の『丼太郎』と、ここ『札幌軒』は、絶対に押さえておくべし!



札幌軒
東京都文京区大塚1-4-10 2F
地下鉄茗荷谷駅から徒歩約1分
営業時間 月~土 11時~24時
定休日 日曜
※お店のデータは「全国丼連盟」HPより。23時閉店との情報もあり

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