明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

飲んだシメには「元祖つけ麺」 早稲田『大王ラーメン』

2020年02月21日 | ラーメン、つけ麺など
今でこそ、バリエーションも豊富で、どこのラーメン店にでもある「つけ麺」だが、
実は21世紀に入るまでは、専門店はほとんどなく、決してメジャーな存在ではなかった。
それが証拠に、かつて私が購入したガイド本「首都圏版 最強のラーメン139」(KKベストセラーズ発行)では、
「つけ麺って食べたことある? 聞いたことあるけど、食べたことはないという人が案外多いはず」との記述があり、
以降で『青葉』など数店舗のつけ麺を紹介しているのだが、この書籍の初版発行が2000年。
20世紀最後の年でも、つけ麺はまだ「食べたことある?」と問われてもおかしくないメニューだったのだ。
ちなみに私は小学生の頃、地元の中華食堂で食べたことがあったが、つけダレ独特の酸味が、子供の舌には合わなかった。

とはいえ、昭和の時代から「つけ麺」を提供し、看板商品としているお店も、もちろん存在していた。
東池袋の山岸一雄さんで有名な『大勝軒』や『丸長』グループ、そしてそのものズバリ『つけ麺大王』
このつけ麺大王とは、『どさん子(娘)』と並ぶ「昭和の懐かしラーメンチェーン」の一角であり、
かつてはいろんな場所に店舗が存在したが、私が利用したことがあるのは、明大前と浅草橋(閉店)のみだ。

つけ麺発案の元祖は、先述の山岸さん(当時は中野店勤務)とされているが、名称は「もりそば」「つけそば」であり、
「つけ麺」と名付けたのは、大王が日本初らしい。
現存している一部店舗(自由が丘など)にある、「元祖中華つけ麺大王」という看板は、詐称ではないのだ。
今回紹介する、早稲田の『大王ラーメン』さんも、特に名乗ってはいないが、
提供しているメニューを見れば、明らかに大王グループであり、元祖の流れを受け継いでいるはず。

初めて利用したのは数ヶ月前。店内は中央に調理場があり、周囲を「コの字」カウンター席で囲っている。
ツマミで一杯やってから、シメに名物のつけ麺を食べることにしたため、最初の注文は「瓶ビール【アサヒ】」500円と、
「餃子 焼5コ」450円に「ロース揚つまみ」600円。いつも通り、メニュー表記はお店でのものに沿っている。
ロース揚というのは、大王グループではおなじみ豚肉を揚げたもの。
以前紹介した、神保町にある担々麺のお店『五ノ井』さんの「排骨(パイクー)」みたいなのを想像していた。


上記画像の五ノ井さんの「単品排骨」は400円(注:現在は500円)。それと比較すると、600円はちょい割高に感じたが、
出てきたパイクー…ではなく「ロース揚つまみ」のサイズにびっくり!


比較用に割りばしを置いてみたけど、このデカさが伝わるだろうか!?
一般的なとんかつ屋さんのカツ2枚分か、最低でも1.3枚分はある。600円じゃ安すぎるよ。
ヨコからのアングルがこちら。ゆでモヤシにネギ・キャベツと、野菜がてんこ盛り。こりゃヘルシーだね(苦笑)。


また、本体のロース揚も、味付けされた衣や、ジューシーな豚肉の旨味には満足させられるのだが、
衣がかなり歯応えがあり、モヤシやキャベツと同様、噛むのに時間を必要とし、どんどん満腹中枢が刺激されていく。
そこへ「餃子」も登場。こちらも、驚くほどではないけれど、そこそこ大きめサイズ。


中のアンは具材が細かく刻まれ、野菜と肉がよくミックスされている。最近の流行とは異なるが、私は好きなタイプ。


ビールを2本、ウーロンハイも1杯飲み干し、胃の限界はとっくに超えているが、元祖のつけ麺をどうしても食べたくて、
気合を入れて追加注文。この気合を、もっと他に活用できないものだろうか。※例:労働、納税
なお、こちらは麺が「特製太麺」「龍麺」「健康翡翠(ひすい)麺」と、3種類用意されているのだが、
私は一橋学園の『なにや』さんのに似ている、エメラルド色の健康翡翠麺を選択。
    ※なにやさんの麺と解説

数分後、スープの入った丼と、平らなお皿に盛られた麺=「つけ麺」700円がやってきた。


色鮮やかで健康そうな(クロレラ入りらしい)麺は、青臭さなどのクセもなく、温かいスープにつけて一気にすする。
コシのある麺に、酸味のある醤油ベースのスープ。ガキの頃は苦手だった、これぞクラシックなつけ麺!
具材はチャーシュー、メンマ、海苔、ワカメにネギ。当然、さっき余った豚ロース揚げも仲間入り。


近年主流となっているつけ麺とは違い、味が濃厚すぎず、麺も適量だったため、残さず食べ切ることができた。
とはいえ、会計時にはベルトを緩めるどころか、はずさなくてはならないハメに。それでもズボンが落ちないのが情けない。
推定「腹十三分」状態の私は「ま、また来ます」とだけ告げ、あわててお店をあとにしたのだった。

数日後、別の場所で飲んだあとに再訪問。そこそこ飲んでいたので、ビール1本でシメる予定だったが、
酒のアテに注文した「牛すじピリ辛」500円が、異様にウマかったため、ビール追加!


よくある牛スジ肉の煮込みかと思いきや、ちょうどよい柔らかさに煮込まれたスジの脂身が、辛口タレとベストマッチ。
途中で、卓上の豆板醤や黒コショウなどを加えて、辛さや刺激が増すと、さらにウマくなった。


今までいろんな居酒屋で牛スジ煮込みを食べてきたけど、辛口タイプはここ大王ラーメンさんのが一番好きだ。
若い頃だったら、この「牛すじピリ辛」とさっきの「ロース揚」さえあれば、メシが10杯は喰えたね。
だが、ここはラーメン屋さんなので、この日もシメに麺類を。注文したのは「チャーシューメン」900円を龍麺で。
龍麺とは、壁の説明では(手づくり風味の極上細麺)とのこと。本当に細麺らしく、注文から30秒未満で完成。


チャーシューは4枚、他の具材はさっきのつけ麺と同じ。下には細い麺が泳いでいる。


こってりピリ辛煮込みのあとだからか、さっぱりタイプの醤油ラーメンが染みるねえ。
次回は、3種麺の残りひとつであり、ベースでもある特製太麺にしようと決意し退散。

それからさらに数ヶ月たち、年も明けたつい先日、ようやく3度目の訪問。
これまで撮影してなかった、アルコール注文時についてくるお通し代わりの「モヤシ&メンマ」と、


なぜか、ウーロンハイ350円など焼酎類を頼むと添えられる、妙にファンシーなコースターを掲載。


ちょっと怖そうな女性店員がいるけど、このコースターはあの方のアイデアだろうか。かわいいお姉さんじゃねえか。
この日も、牛すじピリ辛でビールとウーハイをたしなんだが、前回同様、「牛すじ~」は厨房の奥から運ばれてきたため、
「ひょっとして既製品をレンジでチン?」「牛スジって、煮込むのに手間がかかるし…」と疑っていたのだが、
その直後、厨房奥から運ばれてきた、牛スジのカスが大量にこびりついた大鍋を、私の目の前で洗い始めたので、
牛すじピリ辛は自家製ということがめでたく判明。疑ってすまなかった。

シメには「大王つけ麺」900円を、予定通り特製太麺で。出てきたのがこちら。


プリプリの太麺は想像通りだが、つけスープに浮かぶ中華あんかけが目新しい…というか熱そうで危険。
具材は、白菜、きくらげ、人参、豚肉、メンマ、うずらなどなど。スープ丼に沈めた麺を、ヤケドしないよう慎重にすする。


中華アンと絡んだ麺はもちろん美味しいのだが、予想以上だったのが特製太麺自体のウマさ!
「指定のない場合は太麺で作らせて頂きます」と提示していたように、お店も太麺が一番のおススメなのかな。
ついでに、残った牛すじピリ辛にも、少しだけ麺を投入して食べてみた。


注文後時間がたち冷めていたため、麺との相性はイマイチだったが、これが熱々だったら絶品かも。
大王ラーメンの方、もし見ていたら「牛すじピリ辛つけ麺」のレギュラー化を希望します!
まあ、こんなブログ、絶対見てないだろうけど…それはさておき。
大王つけ麺は、屋号を冠したメニューだけあって、ハシが止まることなく一気に食べ終えることができた。
これに、例のロース揚を追加した、「大王ロースつけ麺」1300円もいつかは挑戦してみたい。

短期間だけ存在していた、お店のHPによると、
「早稲田の地で創業40年。豊富なメニューを取り揃えて午前から深夜までお待ちしています。」とあった。
近所の早大生やホテルの宿泊客(来ないか?)たちのお腹を、長時間かつ長年にわたり支え続けてきたのだろう。
私のような、東京の西側に住み、地下鉄をあまり利用しない人間には、ちょっと行きづらい場所にあるお店だが、
あの牛すじとロース揚は、他ではなかなか食べられないため、今後も通い詰めるしかない。
無論、シメには元祖つけ麺を欠かさない、大王グループを敬うメタボ大王の私であった。



大王ラーメン
東京都文京区関口1-41-1
都電荒川線早稲田駅より徒歩約4分、地下鉄早稲田駅より徒歩約8分、JRほか高田馬場駅より徒歩約26分
JR飯田橋や市ヶ谷からは徒歩約45分(←我ながら「歩くなよ」と思った)
営業時間 午前11時~翌3時
定休日 水曜
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滝山五丁目の夕日 東久留米『珍来』

2020年02月14日 | 中華食堂
前々回の日記で、麻布の『登龍』というお店の餃子は、1人前(5個)2100円もしやがる、と嘆いた。


そんな、恐ろしい価格の店がある反面、餃子1人前200円、しかも10個! という、
令和の時代に昭和価格を維持しているお店もある。それが、今回紹介する『珍来』さん。
住所は東久留米市の滝山だが、最寄り駅は西武線の小平駅。それでも徒歩で約24分と、そこそこ距離がある。
近隣団地などの住民のため、長年にわたり安価で温かい料理を提供してきたお店なのだ。

「珍来」という屋号の中華料理店は各地にあり、埼玉や北関東地区には、同名のチェーンもあるが、
こちらの珍来さんは、個人経営、というか家族経営のお店で間違いない。
少し前には、店主が体調を崩し、一時的に休業していたそうだが、西武柳沢で『ピリカ』というお店を営んでいた、
店主の弟さんが自分の店を閉め、珍来さんに移籍し、腕を振るうようになったそうだ。
それらの詳細については、こちらの記事を参照してほしい。
主に多摩地区の飲食店を、穏やかな眼差しでとらえた素晴らしいブログであり、珍来さんの存在もこちらで知った。
拝見させていただくたびに、自分のブログの下品さが恥ずかしくなる。

下品といえば食べロガー。ここ珍来さんへの投稿は6件。
「自分で焼いた方がウマい」と、わざわざお持ち帰りの餃子を焼いた画像を何枚も投稿しているバカがいた。
安価で餃子を販売してくれた、お店の心遣いを踏みにじってまで、自分を誇示したいのか。 
「女性定員」(※店員の間違い)なんてマヌケな誤字も見受けられるし、知性も品性も欠けているのだろう。
何度でも書くが、食べロガーはこういうお店に来るな!
なお、誤字については私も人のことはいえないので(苦笑)、気をつけなくてはイカンね。

さてここからは、実際に珍来さんで飲み食いした時の様子を紹介していこう。
初めて訪問したのが平日の夕方。入口には「滝山名物 特製手づくり餃子 200円」のお知らせが。


下に置かれた「ガンガン商い中」の木製看板もいいね。
店に入ると、近所の常連らしき先客が数組、ホールにお母さん、厨房には店主兄弟。
まずはびんビール、焼餃子、水餃子を注文。ビールは大瓶で550円。無料お通しの枝豆が出てきた。


まずは「焼ギョウザ」200円が登場。やや小ぶりだけど、本当に10個だ!


アンは野菜主体で、間違いなく自家製の餃子。ほどよく味がついており、醤油やラー油はなくても大丈夫。


野菜を刻んだり、アンを包む手間などを考えると、200円ではほとんど儲けは出ないだろう。
続いて「水ギョウザ」450円が登場。写真ではわかりづらいけど、丼がデカい!


たっぷりの醤油ラーメン風スープの中に、「焼ギョウザ」と同じ餃子が、やはり10個も入っている。


途中で、スープにラー油やコショウを加えて味の変化を楽しむ。
たま~に、かじった瞬間に皮のすき間から侵入した熱々のスープが口内に飛び出す、
小籠包状態の危険物(?)が混ざっているので、気をつけるべし(笑)。

すぐに大瓶が空き「すみません、ビールもう1本ください」。計20個もあるので、まだまだ楽しめる。
他の酒類は生ビール450円、酎ハイはサービス価格で400→300円。あと紹興酒もあるようだが、価格は不明。
店内にはテレビはなく、有線やラジオなどのBGMもないが、時折隣のスナックから、カラオケ曲が聞こえてくる。

けっこう満足したが、餃子とビールだけで帰るのは惜しいので、お食事もしていくことに。
オーダーしたのは「タンメン」550円と「チャーハン」600円。ふたつも喰うなよって?
ちなみに、お店のメニューがこちら。クリックすると大きくなるよ。
    

「焼ギョウザ」の上には「鍋貼児」と中華風の表記もある。「肉ネギイタメ」は「爆肉」って表すのか。
「五目ウマニ(八宝菜)」は1100円と、餃子と比べると高く感じるが、昔の中華食堂は、一品料理はこれくらいの価格だったよ。

しばらくして、チャーハン(炒飯)が、スープとともにやってきた。


玉子、チャーシュー、グリンピースと具材は少数精鋭。ただし、味はしっかりついており、満足度が高い。


続いてタンメン(湯麵)も運ばれてきた。塩ラーメン風の白湯スープにたっぷりの野菜。


さっきの水餃子でわかっていたが、やっぱり丼が大きい、そして深い。


チャーハンと比較すると、タンメンはやや味が薄め。野菜からけっこう水分が出ているのかな。
濃い味が好きな私は、チャーハンの方が気に入ったが、高血圧で野菜嫌いでもある私は、タンメンを選ぶべきだろう。
レンゲで米粒をガツガツかきこみ、ハシで麺をズルズルすすり、時にはスープをズズッと飲み干す。
ビール2本に酎ハイ、餃子を20個をたいらげたあとだったので、食べ切るのに時間はかかったが、
タンメンのスープを少し残した程度で、ほぼ完食。おかげでお腹がタプタプになったが。
お会計をお願いすると、私の暗算より少し安い。どうやら、料理は外税で酒は内税らしい(多分)。
隣のスナックから聞こえる歌のボリュームが大きくなっていく中、「また来ます」と告げて店をあとにした。

それから数日後、日曜日のお昼に再訪。お目当ては、お得なランチ「麻婆トーフ定食 アゲギョーザ付」500円。
麻婆豆腐と、メニューにない揚げ餃子が気になってね。しばらくしてやってきたのが下記写真。


たっぷりの麻婆豆腐に、揚げ餃子4個に千切りキャベツ、ご飯にスープにお新香。500円とは思えないボリュームである。


やや黒っぽい麻婆豆腐は、テンメンジャン由来なのか、意外と甘口。大きめにカットされた豆腐は存在感あり。


揚げ餃子にはケチャップが添えてあり、ラビオリみたい。多めのキャベツには卓上のソースをかけた。
「揚」も同じ餃子を使用しているのだろうが、「焼」や「水」とはまったく異なる印象になるのが面白い。

麻婆が半分、餃子が2個、お新香が少し残っているが、ご飯がなくなったので、ここで瓶ビールを追加。
順序がおかしい気もするが、昼酒の誘惑には勝てず
おかずも全部食べ終わり、ビールも飲み終えたところで、またまた順序が変かもしれないがシメのお食事を。
注文したのは、前回醤油味(水餃子)と塩味(タンメン)のスープを味わったので、今回は「味噌バターラーメン」。
壁のメニューには見当たらないが、同価格だった「バターラーメン」650円がそれに該当するのかもしれない。
味噌ラーメンは、すり鉢状の大きな丼で出てくるのを、先客が食べているのを見て知っていたが、
いざ到着してみると、やっぱりデケエ!


具材はモヤシ、コーン、ワカメ、ひき肉、ネギ、そして四角形のバター。具を炒めてスープで煮込むのではなく、
黄色いちぢれ麺でもないため、いわゆる「北海道スタイル」ではないが、これはこれで懐かしい味噌ラーメンだ。


食べた感想は、バターが意外と多く、見た目に反し味噌テイストがかなり濃い
ランチ定食+ビールのあとだったので、麺は食べ切ったが、モヤシとコーンを少々、さらにスープを残してしまった。
この日のお会計は1810円。ただでさえ安いのに、10円以下は切り捨てのようだ。
せっかくなので、お持ち帰り生餃子(冷凍)も追加購入。200円+外税8%で216→切り捨て210円だって。

※近くの公園のベンチで撮影

数日後、自宅で焼いて、おいしく食べさせていただいた。もちろん、自分で焼いた画像などは投稿しない。

餃子をつまみ、ビールをあおり、周囲の酔客や隣店の歌声に耳を傾け…お会計は格安。
昭和にタイムスリップしたような、緩やかな時の流れを体感すべく、私は今後も珍来さんに通うことだろう。
個人的に、小平~東久留米周辺は未知のエリアなので、もっと探索してみたいね。



珍来 
東京都東久留米市滝山5-12-23
西武線小平駅から徒歩約24分 駅から直角に進むと30分以上かかる
営業時間 11時~20時 
定休日 木曜
※ランチ定食は14時まで
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熊本、博多、八王子、そしてタイ。 西立川『えんの助』

2020年02月09日 | ラーメン、つけ麺など
私の行きつけである、都内某居酒屋の店主は、立川市から通っている。
閉店作業を済ませたあと、終電かそれに近い電車に乗るため、立川駅到着はどうしても深夜1時を過ぎる。
あるとき、同じく立川在住の私に、「あの時間帯でも営業している、おススメのラーメン屋」をたずねてきた。
う~む…ラーメン店4軒が入っている施設「らーめん たま館」は、最近閉店時間が早まったようだし、
『日高屋』や『揚州商人』などのチェーン店や、他の個人店も店主は知っているようだし…
あ、いいお店を思い出した。『えんの助』はどう? 確か2時までやってるよ!
「その店は知らなかった。どの辺にある?」と興味を抱いた様子の店主だったが、
立川駅から歩いて約25分だから、2時にはギリギリ間に合うよ、と応えた私に対し、
「仕事後にそんなに歩きたくねえよ…」と不服そうにつぶやき、会話は終了。あ、やっぱりね(苦笑)。
実際の最寄りは西立川駅。JR青梅線で立川からひと駅だが、深夜1時台は青梅線は動いていない。
営業時間がこちら。私も深夜に飲み食いしたことはあるが、20時台に行くことが多いかな。


えんの助さんが提供しているのは、臭みはないがコクのある豚骨ラーメン
アクセスが良いとはいえない場所で、もう15年も営業しているのだから、その実力は説明するまでもない。
個人的に、西立川方面に行く用事がなかったため、訪問回数はそれほど多くなかったが、
数年前から営業時間が延び、さらに夜限定の一品料理(=酒のツマミ)も始めたと知り、最近は利用頻度が増えている。
数年ぶりの入店となったのが昨年の夏。アルコール類は控え、まずは久々にラーメンを試してみようと、
入口すぐの券売機で、一番目立つところにある「とんこつ」600円(注:当時)のボタンを押した。
食券を確認した店主が、数分後に「ハイお待ち~」と出してくれたのがこちら。


あれっ、以前はなかったはずの、黒いマーブル状のマー油がかかっている。
卓上に設置されたメニューを見てみたら、「とんこつ」の上に(熊本ラーメン)の表記が!

※上記メニュー表は最近、つまり2020年2月現在のもの

以前食べたのは、もう少し博多風というか、白いスープだった記憶があるのだが、これはこれで美味しい。
京王多摩川の『山水亭』が閉店した(詳細はこちらの後半部で)今では、多摩地区では貴重な熊本ラーメンだ。

それから数日後、今度は一杯飲んでからラーメンでシメるべく再訪問。
券売機で「ビール中ビン」と「餃子」の券を購入し、ホワイトボードからも、好物の「豚角煮(玉子付)」を注文。


上記メニューは日替わりだが、和洋中とバラエティ豊かな構成だね。
まずは、いかにも味がよく染みていそうな、玉子と大根がついてくる、豚角煮600円が登場。


こちらのチャーシューは、チェリーポークというブランド豚肉を使用しているらしいが、角煮もそうかな?
ビールがすすむ濃い味付けゆえ、餃子が焼きあがる前に、1本空いてしまった。

※餃子は当時300円

ラーメン店だけど、ちゃんと「餃子専用・焼き機」が厨房内にある。ただし、味自体はフツーである。
追加注文したウーロンハイ380円(※しつこいけど当時の価格)を飲み干し、シメの麺類を注文。
この日は(八王子ラーメン)との記載があった、中華そばをチャーシュー麺で。

※「中華チャーシュー」850円(同上)

毎度毎度ダメな写真ですまないが、中央の刻み玉ねぎが八王子スタイル。チャーシューは柔らかいのが5枚。
あと、映っていないけど、麺は細麺のストレート。さっきの角煮の残りも加えてみた。


豚骨とは性格がまったく異なる、魚介の風味も漂う、正統派の醤油ラーメンであった。

次に訪れたのが、消費税増税となった10月以降。全体的に価格が上昇したが、
こちらのお店は、数年前に一部のメニューを値下げしていたため、値上げではなく、5年前くらいの価格に戻った、といえる。
600円→680円になった「とんこつラーメン」も、私の手元にある2015年発行のガイドブックでは700円であった。
なるべく適正な価格で提供しようという、お店の誠実さがうかがえる
この日まず注文したのは、ビール600円と、日替わりメニューの「チンジャオロースー」600円。
作り置きを温めるのではなく、オーダーが入ってから店主がピーマンを刻みパプリカを茹で、肉を炒めて…
店主はひとりオペレーションなのに、面倒なのを頼んで申しわけない。しばらくして、熱々のやつが完成。


お皿は、一般的には餃子に使うようなサイズのもので、量はそんなに多くなく、おツマミに最適。
ただし、この日は帰宅後にやるべき仕事があったので(じゃあ飲むなよ)、ビールはお替わりせず、シメのお食事に。
注文したのは「とん塩ラーメンとチャーシュー丼のセット」900円。それぞれ単品で頼むより60円お得。
こちらが「とん塩ラーメン」。白いスープに中央の梅干し、これこそ私の記憶に残っていた、えんの助のラーメンだ!


豚骨の旨味と甘みのバランスがよく、卓上のニンニクや紅ショウガもよく合う(高菜は辛いので個人的には×)。
昔から100円の価格を維持している替玉も頼みたかったが、今日はチャーシュー丼もあるのでガマン。


こちらも、注文後にチャーシューをスライスしてからサッと炙る、意外と手の込んだ一品。
またまた、残ったチンジャオロースーを乗せると、カラフルなご飯ものになった。

※この盛り付け、センス悪いかい?

以上、ここまでは今回のブログタイトルである、熊本、博多(?)、八王子ラーメンを紹介してきたが、
フィナーレを飾るのは、タイ→「トムヤムクンラーメン」880円だ。
食券を渡す際、「パクチーの有無」をたずねたところ、「入るときもあるけど今日は入らない」と聞いてひと安心。
私と同様、パクチーが苦手な方は、店主が調理準備に入る前に、ちゃんと確認した方がいいよ。
しばらくして、完成したのがこちら。中央のエビ、そしてスープのオレンジ色が鮮やかだ。


具材はエビ、チャーシュー、モヤシ、きくらげ、青ネギ、白髪ねぎ、そして唐辛子。
実は私、辛くて酸っぱいトムヤムクンは、どちらかといえば苦手な部類の料理だったのだが、
ベースとなる、こちらの豚骨スープで酸味がやわらぎ、その分コクが増して…要するにウマい!
東南アジアの料理が好きな人なら、絶対に気に入るはずだ。私もこのラーメンは気に入ったので、
スープにブラックペッパー、刻みニンニク、紅ショウガを加え、さらに「替玉」を赤で追加。


ここの替玉は白と赤があり、唐辛子を混ぜた「赤」と、豚骨トムヤムクンスープは、同じ辛口&オレンジ色ゆえ当然好相性。


麺ふた玉と、スープの96%を飲み干し(←そこまで飲んだら残すなよ)、大満足で「ごちそうさまです」。
いやあ、こちらのお店は「とん塩」が一番だと思っていたが、微笑みの国・タイから意外な伏兵が進出してきたよ。
とはいえ、他にも味噌、つけ麺、まぜそば、担々麺などの麺類、さらには日替わりの「カニコロッケ」「もつ煮」などなど、
未食のメニューも多いので、えんの助さんには今後も通い続けなくては。
たまに見かける、近所の常連さんたちみたいに、いつかは焼酎のボトルキープもできるといいなあ…。



えんの助
東京都立川市富士見町1-28-8
西立川駅から徒歩約5分、立川駅からは徒歩約24分
営業時間 11時半~14時、19時~翌2時 日・祝は23時まで
定休日 木曜
※大盛などの学生サービスあり
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日大三高野球部2020 最後の神宮第二球場

2020年02月07日 | 高校野球
だいぶ遅くなったけど、今さらながら、昨秋の母校野球部の戦いを一気に振り返る。
新チームの主将はセンター渡辺で、サード柳館とファースト大城(夏まではライト)が3・4番打者を務める。
昨年チームでもスタメンであり、夏の西東京大会の準々決勝にて敗れた原因となる、
マズい守備を見せた3人(詳細はこちら)が、今年の主軸となるわけだ。
どうにも縁起悪いが、現時点では彼らを超える選手が見当たらないのも事実。当然、守備には不安を抱える。
投手陣は、エースが左腕の児玉、リリーフが柳館。両者は昨年チームでも登板経験あり。
1年生にも宇山、岡村らの左腕がいて、私は未見だが、ライトの星もいい球を投げるそうで、まずまずの布陣。

私の新チーム初観戦は、8月中に三高グラウンドで行われた、島根・開星との練習試合。
最近の甲子園常連校で、夏の島根大会でも準Vという強豪相手に、15-1と圧倒。


結果的には大勝だが、エラーもなどのミスも見られ、相変わらず個々のプレイは雑な印象があったし、
そもそも、ウチが強いのではなく、相手が弱かった可能性が高い。
試合中も、三高の失策時に「どうしたオラー」などのヤジを飛ばすなど(そのくせ大差負けかよ)、態度も悪かった。
あんなチームに負けたら、まさしく「末代までの恥」である。
※2月8日、例の発言をした監督の復帰が発表された。部員には最低限の礼儀を教えてやってほしい

迎えた秋季東京大会・ブロック予選。勝ち上がった64校が、本大会に進出となる。
ブロック1回戦 日大三23-0文教大付・目黒学院の連合チーム ※5回コールド


キャプテン渡辺の先頭打者ホームランなどで23点を奪い、新チームの初陣を飾る。
試合途中、相手監督が自軍選手のミスを激しく恫喝していたので、「じゃあお前がやってみろ」とヤジってやった。

ブロック2回戦(決勝) 日大三4-0錦城

 
初戦で23点も取り腹イッパイだったのか(←競輪でよく使われる表現)、打線が沈黙し予想外の苦戦。
打撃陣は今年もムラがあり、本大会出場ではまた、昨年のように無名校に負けるのでは、と不安になった。

数日後、東京大会の抽選結果が発表された。無名校どころか、初戦から実力校とばかり当たる、相当キツイ組み合わせ。
また、私の大嫌いなW稲田実業が、部員のハレンチ行為で出場辞退したという吉報…いや、残念なニュースもあった。

1回戦 日大三3-1八王子 
2回戦 日大三2-0安田学園

どちらの試合も台風・雨天による順延があり、球場には応援に行けず。
両校とも、甲子園出場経験のある実力校だが、観戦した仲間に試合内容を聞いたところ、
相手ピッチャーのレベルはそれほど高くなく、要するに投手戦ではなく貧打戦だったそうだ。
3回戦の相手は、最近分が悪い東海大菅生。さすがにこの試合は観戦に出かけた。
ベスト16で当たるのはもったいない好カードゆえ、八王子球場には大勢の観客が詰めかけた。
3回戦 日大三7-5東海大菅生


初回にいきなり4失点し、「オレが観戦に来た途端コールド負けか」と不安になったが、その後はしぶとく守り、追加点を許さず。
攻撃陣も、2回表に二死から、下位打線で1点返したのは大きかったと思う。
試合が進み8回、満塁のチャンスで途中出場の星が、右中間に走者一掃の逆転三塁打。
その裏すぐに追いつかれたが、続く9回表も、二死から死球と二塁打でチャンスを作り、バッターは柳館。
一塁は空いてるし、次の4番大城はチャンスにメタクソ弱いので(この日は5打数ノーヒット)、敬遠も覚悟したが、
菅生バッテリーが勝負してくれたおかげで、勝ち越し2点タイムリーが飛び出した。
その裏の菅生の攻撃は、児玉をリリーフした柳館がきっちり抑え、難敵相手に7-5で競り勝ち。
なんだ三高、やればできるじゃねえかこのヤロウ! ※実際に球場で叫んだヤジ
だが、勝利に浸る間もなく、次戦の相手はこれまた優勝候補の帝京。秋の三高、本当にクジ運が悪い
帝京も、東京屈指の強豪である関東一を撃破しての勝ち上がりであり、この対戦は事実上の決勝戦とも評された。
対決の舞台となる神宮第二球場は、東京五輪後の再開発による解体が決定しており、
今回のブログタイトルにもあるように、日大三-帝京戦が同球場での最終試合となる。
ちなみに、帝京の前田監督は、三高と菅生の試合を、八王子球場の観客席で偵察しており、
名将がどんな三高対策を練ったのか…実に不気味であった。

迎えた11月3日の準々決勝。好カード及び最後の神宮第二ということもあって、早朝から超満員。
この日は2試合が組まれており、第一試合は、日大二-創価。三高らの試合は第二試合である。


こちらの球場を知らない方のために、球場内の風景を簡単に紹介。
プロ野球で使用する神宮第一と比べ、客席とグラウンドの距離が近く、選手への声援(&ヤジ)がしっかり届く。


一塁側は、試合のないときはゴルフ練習場になっている。ちなみに、ここからの観戦は不可。


両翼91メートルと狭く、フェンスも低いのでホームランが出やすい。
グラウンドは、もうすぐ解体するため整備・修復が甘く、ところどころ人工芝が剥がれたひどい状態。
あと、関係ないけど、レフトスタンド後方には、高級中華の『登龍』の広告があるのだが、


こちらの餃子は1人前2100円(しかも外税)もするのである。
1人前5個なので、1個あたり420円。この値段で普通の店の1人前だろう。高級にもほどがある!
HPを覗いたら、麺類も炒飯も1900円~、ランチの定食も2800円~、一番安いピータンですら1700円と、驚愕の価格が並ぶ。
チャイナドレスのお姉さんが、Hなサービスでもしてくれるのか? と疑いたくなるよな(←お前だけだ)。
私は一生足を運ぶことはないと思うので、どなたか、ここの餃子を食べた感想を聞かせてほしい。

さて、第一試合は、終盤に得点を重ねた創価の勝利で終了。


続いて第二試合…と思いきや、どうやら当球場最後の試合ということで、セレモニーをやるらしい。
高野連(?)の連中を中心とした記念撮影に、お偉いさんの挨拶。どうでもいいので画像は縮小版で。
  

気勢を削がれたが、いよいよ注目の準々決勝・日大三-帝京のプレイボールを迎えた。
長年、東京の高校野球を牽引してきた両チームの激突ゆえ、最後の神宮第二にふさわしい好ゲームとなった。
1回裏、三高の4番大城がセンターに大きな打球を放ったが、帝京の主将・加田のファインプレイにより得点ならず。
中盤、三高が無死一、二塁の好機を作るも、送りバント失敗、さらに次の打者がセンターにライナーを放ったが
またもや帝京・加田のファインプレイ→走者飛び出しで併殺となり無得点。一死なのになぜ飛び出すかねえ…。
5回表、帝京が一死満塁と攻め込むも、三高のエース児玉が踏ん張り、後続を断つ。
するとその裏、三高が無死二塁と再びチャンスを迎え、バント失敗もあったが2番熊倉が二塁打を放ち待望の先制点。
なおも二死二塁で、続く柳館の鋭い打球は、またまたセンター加田がダイビングして好捕、惜しくも2点目とはならず。
ちなみにこの打球、「実はワンバウンドしていた説」とともに、
その瞬間の動画もネットで流れていた。私が見た限りでは、どちらにも判断できる難しい打球であったが、
加田がこの試合、それまでに2度ファインプレイしていたことが、判定に影響を与えたのは間違いない。

最少失点にとどめた帝京は、次の6回表に、ヒットと三高のバント処理ミスにより、無死二、三塁のチャンスを作る。
三高のミスは、でこぼこしたグラウンドに足を取られてのものか。両チーム同条件とはいえ、痛いミスだった。
ここで帝京は先発投手に代打を送り、内野ゴロで三塁走者を迎え入れ同点。
なおも一死三塁で、続く打者が初球スクイズを決め、あっという間に逆転。この一気呵成な攻めは、さすが前田監督である。
三高も8回裏には、さっきタイムリーを放った熊倉の三塁打で、無死三塁と同点のチャンスを作る。
しかし、期待の3番柳館は三振。続くチャンスに弱い4番大城は、案の定内野フライで走者を還せず。
試合後、観戦仲間が「あそこはスクイズだった」と悔やんだが、大城のスクイズなんて、絶対失敗するでしょ(苦笑)。
一応フォローしておくと、2回戦の安田学園戦での決勝点は、大城の2点タイムリーだったそうだ。

結局、この回も無得点で最終回へ。表の帝京は二死から、レフトへホームラン性の大飛球を放ったが、
三高のレフト(途中出場)國森がジャンプし好捕。これは珍しい、三高のファインプレイ!
勢いに乗りたい9回裏の三高の攻撃だったが、簡単に二死。ここで國森の代打・伊藤の打球が左中間に。
帝京のセンター加田、この球をなぜか捕れず、三塁打に。最後のチャンスで、打者はキャプテンの渡辺。
菅生戦では大当たりだったが、この日は前田監督の偵察・対策により(?)、ここまでノーヒット。
期待を背負った打席だったが、平凡なレフトフライに倒れ試合終了。名門同士の対決は、帝京に軍配が上がった。


秋季東京都大会 準々決勝 対帝京戦(神宮第二球場)
帝000002000→2
三000010000→1


試合後、最後の試合を戦った両チームが、グラウンドに残り記念撮影。


その前に、三高の小倉監督が、勝者である前田監督に近づき挨拶。


小倉監督は、以前から前田監督を尊敬していたし、名将同士のツーショットにマスコミ陣は大喜びだったし、
実際に私も撮影しておきながらあえて言うが、このシーンには違和感があった。
記念撮影とはいえ、つい数分前に春の選抜甲子園への道が断たれたのだから、
前田さんの方が年長とはいえ、小倉監督がすり寄った(ってのは言いすぎか)のは、残念だった。
もし反対の立場だったら、つまり帝京が負けていたら、前田さんは絶対に小倉さんに近づかず、
口を真一文字に結んだまま、不満げな表情で立ち尽くしていたと思うよ。
まあ、このような小倉監督の勝負に徹しきれない「人の好さ」が、この日の敗因でもあると同時に、
現在の日大三高野球部の魅力でもあるのだから、仕方がない。
監督、これからも応援しますので、どうか三高野球部をお願いします!  次は勝って前田さんに挨拶に行きましょう。

あと、神宮第二球場よ、数々の素晴らしい思い出をありがとう。
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そういう店で 私は食べたい 中神『木偶の坊』

2020年02月02日 | そば、うどん
雨にも負けず 風にも負けず…
東にいい飲食店があると聞けば、すぐに駆けつけ飲み食いしまくる、
そんな私が今回紹介するのは、JR青梅線の中神駅近くにある、手打ちうどん店『木偶の坊』さん。


のれんをくぐり店内に入ると、カウンターと4人テーブル席がふたつ。壁にはなぜかギターが展示してあった。
「いらっしゃいませ!」と大声で迎えてくれた、男性店主がひとりで切り盛りしている。
「お好きなお席へどうぞ」と案内され、カウンター席でメニューブックを開くと、
最初のページに宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」が。店名は、この詩に出てくる「デクノボー」から得たのだろう。
自他ともに認める木偶の坊(=役に立たない人。気のきかない人。 goo国語辞書より)の私は共感する屋号だ。
お酒や一品料理もあったが、まずはお店自慢のうどんを食べようと思い、つけうどんの「肉汁(豚肉)」を注文。
店主は「ハイ、かしこまりました!」とハッキリとした声で返事をし、さっそく調理を開始。
国産の小麦粉だけで打つ自家製うどんを茹で、具材である豚肉を炙り…肉汁うどん850円が完成。


やや茶色っぽい麺は、手打ちならではの不揃いタイプ。一般的な並盛の1.5倍くらいか。


毎度のごとくヘタな撮影のつけ汁は、炒めた豚肉やネギを、さらに弱火で煮込んで仕上げていた。


さっそくつけ汁に浸して喰ってみると…おおっウマい! 
小麦の風味がする歯応えの強いうどんと、濃い味付けのツユや豚肉との相性は抜群。これは素晴らしいうどんだ。
一発で気に入り、お会計時「美味しかったです。また来ます」と告げると、「ありがとうございます!」の大声。
朴訥という表現が当てはまる店主だが、ちょっと声のボリュームが大きい気がする(苦笑)。
ちなみにこの日も、その後の再訪も、私は毎回、自宅から片道45分の距離を歩いている。
電車を使えば、立川から15分もあれば着くのだが、健康面を考慮し、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、通っている。

その後は、ツマミで一杯飲んでうどんでシメたり。以下でこれまでに注文してきた料理を紹介していく。
下記以外にも、焼うどんや温かいツユで食べるかけうどん、海苔巻き+サンマの「秋刀魚のまんま」というご飯もの、
さらには要予約のコース料理まである。店主はレパートリー豊富のようだ。

びんビールが600円、ウーロンハイ480円(少し値上げしたかも?)、種類豊富な日本酒や焼酎は450円~。
アルコール類には300円のお通しが付く。写真は山菜とお揚げを炊いたもの(料理名不明)だ。


まずは「鴨のつくね焼き」550円。つくねの間のシイタケと、右下の味噌ダレが鴨肉とよく合う。


こちらは、注文が入ってから野菜を刻み、さらに粉と水を混ぜてコロモを作る「かき揚げ」500円。


わかりづらいけど、結構なビッグサイズで、プリプリの海老が3尾入っている。塩と天ツユの双方がついてくるのも嬉しい。


もうひとつ揚げ物。これは「鶏のから揚げ(台湾風)」650円。


上記写真右下にある粉が、台湾風のヒミツらしい。シナモンのようなハーブのような…五香粉っていうんだっけ?


私の大好きな「もつ煮」は冬季限定で500円。右はお通しのスパイシー手羽揚げ。


煮込みは野菜もたっぷり入る濃厚タイプ。煮込みすぎてなくなったのか、汁っ気が足りない気がした。
お通しも含め、すべての料理が他の店では食べられない、店主の個性を加えたひと皿に仕上がっている。
店主独自のセンスは、もちろん麺類にも散りばめられている。

こちらは、「クリーミーカレーうどん」850円。


真ん中に卵黄、周囲に生野菜、そして汁なしタイプという、予想外のビジュアル!
後日聞いたら、「鶏カレーうどん」というのが、いわゆる一般的なカレーうどんらしいが、こっちの方が珍しくていい。
うどんをバターで炒め、さらにチーズも入っているので、洋風っぽい仕上がり。黄身を崩すと、さらにおいしい。


続いて紹介するメニューは、まず生卵、刻み海苔、ネギにダシ醤油がやってきて、


あとからうどんに乗せて食べる。そう、TKGのうどんバージョン「卵かけうどん」550円だ。

※一味も振りかけてみた

釜玉とは違い、うどんは締めてあるので、歯応えがある。半分ほど食べて、さらに玉子を追加(たぶん100円)。


カロリー過多だが、私は黄身が大好きなのでね。ちなみに、替玉子だけでなく替玉=麺のお替わりもできるようだ。
卵かけうどん、飲んだあとのシメにピッタリかもしれないね。

忙しくないときに、店主とお話しさせていただいた。なお、店主はこちらの質問には答えてくれるが、
普段は店奥のテレビで流れている、音楽の録画映像を凝視していて、相手してくれない(苦笑)。
店主は、おソバ屋さんや給食調理などを経て、うどんに目覚め、自分のお店を出すことにしたそうだ。
昭島市の中神で開業したのは、うどんやそばを打つのに重要な、水質の良さが理由とのこと。
確かに、昭島市は昔から、人間のガラは悪いが水はいいのである。立川市民に言われたくないか。
あと、店内壁にギターが飾ってあるのはやはり、昔ギタリストだったから。見た目の印象とは違うなあ。
さっき触れた音楽の映像も、私は不勉強で知らなかったが、有名ギタリストのものが流れているらしい。

そして、つい最近訪問した際は、女性の従業員が加わっていた。どうやら、この日から働き始めたらしい。
初出勤ながら、「かき揚げ美味しいですか?」などと声をかけてくれる。店主からは話しかけられたことないのに!
私よりもだいぶ若いが、私より間違いなく社交性があり、接客業は向いていると思う。いい人材を確保したものだ。
「今後ますます繁盛するのでは?」という私の問いかけに、店主は「イヤ~そうなるといいのですか…」とあくまで控えめ。

この日のシメは、まだ食べたことのないソバを希望し、メニューにない「うどんとの合い盛り」を作ってもらった。
ソバも自家製で、茹でる前は双方とも150グラムずつとのこと。結構多いが、なんとか食べられそうだ。
まずはうどんを、続いて茹で時間の短いソバが釜に入れられ、同時に盛りつけられ完成。

※ツユも特別に温めてもらった

う~む、合わせて300グラムとは、茹で上がったら500グラムくらいになるのかな?


さっそく食べてみたら、おおっ、木偶の坊さんはソバもウマい!
ちょっと前に、川口の『因業屋』さんで経験した、温める十割ソバも気に入ったけど、
キュッと冷やして、のど越しを楽しむソバも、やっぱりいいもんだね。
そんなソバをツルっと手繰ったあとに、うどんをガブリと噛み締めるのも、これまたたまらないね。 
さらに、「もり専用」のツユも、温めたからさらに味が強まり、ソバやうどんに負けない。合い盛り大正解だ!
「ここはソバもウマいですね!」と絶賛し、気分良くお会計をお願いし、伝票を確認したところ、
合い盛りは普通の「もり」と同額の700円。私「申し訳ない!」 店主「いえいえ」。
ただし、ビールを2本飲んだのに、バイト女性が1本の価格600円で足し算していたので、それについては自己申告。
店主「すみません、おっしゃる通りビールは1200円でした…」 私「いえいえ」。ドケチの私だが、会計はちゃんと払うよ。

雨にも負けず 風にも負けず…
自家製のうどんもソバもおいしく、一品料理にはそれぞれ個性が光り、
社交性ある女性従業員がいて、マジメで腕が良く、「木偶の坊」という表現には当てはまらない店主がいる。
サウイフミセデ ワタシハタベタイ
というわけで、私は今後も、木偶の坊さんにせっせと(徒歩で?)通うのであった。



お食事処 木偶の坊
東京都昭島市中神町1134-42
JR中神駅から徒歩約3分、立川駅からは徒歩約45分
営業時間17時~23時
定休日 日曜


※残念ながら、2023年7月で閉店なさったようです
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