明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

真っ黒なツユに興奮の厚肉 飯田橋『豊しま』

2018年12月31日 | そば、うどん
昨日の日記で、私がケイリングランプリの本命に推した平原康多は、最終2センターで落車。
最近4年間で、私が本命にした選手は、大差ビリ、失格、落車失格、落車。
今年も不的中に終わり、「デスノート予想」伝説は継続中だ。
さて、競輪のことは忘れて、大晦日らしくおソバ屋さんについて語ろうか。

と言っても、今回紹介するのは、立ち食いソバのお店。飯田橋にある『豊しま』さんだ。


チェーン店『富士そば』などの店舗とは違い、入口にドアはなくのれんだけ。
なので、日雇い労働の出勤で、こちらのお店の前を通ると、ダシのいい匂いがダイレクトに伝わってくる。
ほぼ毎朝二日酔いでヘロヘロ状態の私(←ダメ人間)を、元気づけてくれるような、たまらない芳香である。
ダシの匂いではガマンできず、ある日の労働の昼休みに、初めて入店してみた。
お店の看板に書いてあるように、こちらのウリは「肉そば」らしいが、店内には写真の貼紙も。


「元祖・厚そば」680円。肉が赤字になってるのもいい。
おススメの「厚肉」を、最近ハマってる「うどん」で注文したら、さすがは立ち食い店。すぐに出てきた。

※毎度毎度、ピンボケですまん

ウホッ、厚肉という表現に偽りのない、スペアリブのような肉ではないか。
大きな角煮の入ったラーメンはよく見かけるが、こんなにデカいサイズ、しかもうどん・そばでは珍しいのではないか。
厚肉は、甘辛いタレでよ~く煮込まれており、期待通りの味・柔らかさ・食べ応えだ。
そして、肉以外の特徴としては、「関東風」とお店が自負する(最初の写真参照)、真っ黒なツユ。
関西の人は嫌がるらしいし、私自身も讃岐うどんのような、薄い色のダシも好きだけど、
ガキの頃によく食べていた立ち食いソバ屋のツユは、このような真っ黒の濃い口だった。
このカツオと醤油ベースのダシに、例の厚肉の旨味が加わるのだから、ウマいに決まってる。
うどん自体は、立ち食いそば屋でよく使われている、ごく普通の茹で置きタイプだと思われる。


この白いうどんが、だんだんと黒いツユに染まっていくのも見どころ(?)だ。
麺と肉は当然たいらげ、揚げ玉が溶け、健康にはよろしくなさそうなツユも、ついつい飲み干してしまった。
豊しまさんには数日後に再訪し、今度は「厚肉」を「そば」でオーダー。


ソバもやっぱり、すぐ提供できるように茹で置きで、やや柔らかめのタイプ。
麺にクセがない(コシもないが)ことが、厚肉や真っ黒ツユのインパクトをより高めているのかもしれない。

こちらのウリである「肉そば」は、厚肉ではないタイプもある。
肉は薄目、というか普通の形状で、適度に脂が乗っている。揚げ玉つきで480円。
写真は「冷やし肉ソバ」580円に「生玉子」90円をトッピング。玉子、意外と高いね。


冷やしだと、麺が冷水で締めてあるので、ほどよい歯応えがある。
ただし、当然のようにいつもの温かい濃い口真っ黒ツユではなく、なんだか物足りない。
さらに、冷たいツユと生玉子の相性はかなり悪い。玉子好きのくせに、なんで食べる前に気付かないんだよ。
お肉自体も、冷たいと脂が固まっちゃうし、肉そばは温かいのに限るかな。

豊しまさんは、店内壁にメニューが表記されているのだが、いわゆる「かけそば」が見当たらない。
ただ、「たぬき」「きつね」、そして「玉子」が330円なので、先述の玉子追加90円から、あるとすれば240円になるのだろう。
他は「天ぷら」350円、「天玉」440円、冷やしが各100円増しで、あとは「おにぎり」各110円に「いなり寿し」80円。
計算すると、天ぷらトッピングは110円か。90円のたぬきよりだいぶお得だよね。
普通の肉トッピングは、差額を考えると240円…あ、揚げ玉(たぬき)も入っているから150円になるのかな。
同じ理屈で厚肉トッピングは350円。700円でダブルを頼みたいけど可能なのかな。丼からあふれそうだけど。
あふれるといえば、こちらの「大盛り」。値段は+240円。ちょっと高いな、と思うよね。
理由は麺が倍、つまり2玉使用するから。要するにかけそば×2だ。
丼も、大盛り専用のデカいやつを使う。写真は「肉そば」+天ぷら+大盛りで計830円。


上からじゃ、大きさがわかりづらいから横からの写真も。


これじゃ、余計わかりづらいか。今回のブログ、ダメな写真ばかりで本当にゴメン。
とにかく、大きな丼にソバが2玉入っているのだけは理解してほしい。


肉、天ぷら、ソバ2玉ではカロリー摂取過多かと思い、揚げ玉は遠慮しておいた(←ナニを今さら…)。
さすがに2倍だと、食べても食べてもソバが減らない。中間の「+120円で1.5玉」の中盛りが欲しいところだ。
欲しいといえば、おにぎりやいなりではなく、「ホカホカの白飯」かな。
できることならば、厚肉トッピングをダブルで注文し、ひとつはご飯に乗せて、一気にかきこみたいよ。

ここ数年の私は、「食事はゆっくり落ち着いて楽しみたい」と考えるようになったため、
食べてすぐに退店しなくてはならず、イスもない立ち食いソバ店は、ほとんど利用しなくなっていた。
同じ理由で、イスはあっても牛丼屋など回転重視の店も、明らかにヒマそうな時間帯にしか行かなくなった。
幸か不幸か、サラリーマン時代のように、仕事に追われて食事の時間を削ったりすることもないしね。
なので、13時は過ぎていたとはいえ、昼時に豊しまさんに通ったのは、かなり珍しいケースである。
理由は、ここまで散々触れてきた、「濃いツユ」と「厚肉」という興奮があったから。
やっぱり、オンリーワンのメニューってのは、飲食店に必要だよね。

冒頭で書いたように、本日は大晦日であり、年越しソバを食べる方も多いことだろう。
年越しに「厚肉ソバ・大盛り」を食べたら、よい年を迎えられること間違いなさそうだが、
ビジネス街にある豊しまさんは、今日はおそらく営業してないと思う(笑)。あと、明日の元日もね。
いずれにしても、今日で2018年も終わり。皆さまよいお年を!



豊しま(とよしま)
東京都新宿区下宮比町1
飯田橋駅から徒歩約2分、神楽坂駅からも徒歩圏内
営業時間 月~金 6時半~18時半、土は15時まで
定休日 日曜と、大晦日も多分やってないと思う
※江戸川橋駅近くにも支店あり
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たまには当たれ! 「ケイリングランプリ2018」

2018年12月30日 | ギャンブル
1年で唯一、競輪がスポーツ紙の一面を飾る(飾らない新聞もあるが)、
ファン待望のビッグレース・ケイリングランプリの日がやってきた。
私にとっては楽しみでもあり、毎年大金を失うユウウツなイベントでもある。

これまで28回挑み、2回しか儲けたことがなく、特にここ数年は惨敗続き。
○4年前→5人のBOX買い→誰も3着までに入らず
○3年前→稲垣裕之本命→赤版先行で大差のビリ
2年前→新田祐大本命→誘導員早期追い抜きで失格
昨年→諸橋愛本命→最終四コーナーで落車失格
自分でも恐ろしいほどの「デスノート予想」である。
今年あたりは、私が買った選手が、大きな事故に見舞われるのではないか、と不安になっている。
たとえば、レース中にウンコを漏らしちゃうとか…。
不幸=ウンコたれという、小学生レベルの発想は、我ながら情けない気もするが。

しょーもないハナシはさておき、今日のグランプリの出走メンバーを紹介。
12月30日 静岡競輪場 第11R ケイリングランプリ2018

1 三谷竜生 101奈良
2 浅井康太 90三重
3 脇本雄太 94福井
4 新田祐大 90福島
5 村上博幸 86京都
6 清水裕友 105山口 
7 平原康多 87埼玉
8 武田豊樹 88茨城
9 村上義弘 73京都 

周回予想③195-⑦8-②-④-⑥

日本選手権以降の走りを見たら、脇本には逆らえないだろう。
ただし、彼は再来年の東京オリンピックを目指し、自転車競技に熱心で、「競輪第一」ではないのが気に喰わん。
合宿と称し、グランプリの前夜祭も参加しなかったし、来年も競輪場で見かけるケースは少なそう。
グランプリ王者は、翌年はチャンピオンユニフォームをまとい、競輪界の代表として振る舞うことが望まれているのに、
自転車競技の練習や遠征ばかりで、競輪のレースに出てこないようでは、困るではないか。
なので脇本には、今回のグランプリは遠慮してもらおう。同じ理由で新田も消し。
残る7人のうち、近畿の3人は、脇本のおかげでグランプリに出られた印象が強く、王者にふさわしいとは思えぬ。
武田も、3月のウイナーズカップ以外、まったくいいとこなかったし、清水はまだ若すぎる。
浅井は、小倉競輪祭の決勝で、後輩の柴崎に前を譲り、自身は援護に回るような発言をしておきながら、
勝負処で容赦なくインをすくって勝ったのが、どうにもシャクにさわったので、やっぱり消し。
すると…残るのは平原しかいない。
7番の1着で三連単全通り、今年はこれで勝負だ!
脇本が売れすぎていて、スジの7-8が50倍もつくのが悲しいね。まあそれは武田のせいでもあるが。

最後に毎年恒例、平原の画像を競輪HPから無断拝借し、専門紙などに掲載されていたコメントを一部抜粋して掲載。


「今年は納得できるレースがなかった気がするが、やるべきことがここにきて、ようやくつかめてきた。
この舞台で、自分がどれだけ“競輪”ができるか楽しみ。
とにかく優勝できるよう、すべてを出し切って、正田さんに儲けてもらいたい」


そうか、私のためにすべてを出し切るか。よく言ってくれた(←もちろん言ってない)。
「ケイリン」や「KEIRIN」でなく、「競輪」なら平原が一番強いはずだ。
優勝あるのみ。ガンバレ平原!
あと、くれぐれもウンコを漏らさないようにな。

※グランプリのレースの模様は、16時頃から日テレ系で放送予定
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ほっこり酒場の絶品コロッケ 荻窪『ほしたけ食堂』

2018年12月23日 | 居酒屋・バー
コロッケが好きだ。
色合い、形状、風味、そして「コロッケ」という響き…どれをとっても愛らしいではないか。
フランスの「クロケット」から発想された、ホワイトソースを使うクリームコロッケもいいが、
じゃがいもをベースにした、日本のコロッケが大好きだ。
ご飯のオカズになり、お酒のおつまみになり、お子さんのオヤツにもなり、
さらにはうどん、ソバ、カレーのトッピングや、サンドイッチの具材にもなる、なんとも頼もしい存在。
そんなコロッケを私は常日頃から愛し、居酒屋のメニューにあれば、だいたい頼むことにしている。
蛇足だが、ものまねのコロッケさんのネタ「歌いながら鼻クソほじる野口五郎」も大好きだ。本当に蛇足でスマン。

ある日、荻窪でハシゴ酒をしていたとき、『ほしたけ食堂』というお店を発見。
オープンしたばかりのキレイなお店で、店内はテーブル席3つとカウンターが4席。
キッチンには快活なおばちゃんたちがいて、風貌の冴えない一見客の私でも、温かく迎え入れてくれた。
お店の雰囲気がよかったので、その後も何度か立ち寄らせてもらい、数回目の訪問時に、
遅まきながら、それまでにも何度か食べていた、自家製コロッケのおいしさに気付いた。


数日後、初めてシラフで訪問し、コロッケを改めてオーダー。


正式名(?)は「こだわりコロッケでほっこり」。球型サイズ2個に生野菜が添えられ450円。
ビールのグラスと比べるとわかるように、なかなかの大きめサイズなので、1個での注文も可能。
やや硬めのコロモの中身は、ほぼじゃがいもだけのシンプルな構成。


じゃがいものなめらかな食感にバターの風味が合わさった、一見素朴だが実際は手の込んだ逸品だ。
このコロッケを気に入った私は、空腹で訪問したときは、ほぼ毎回頼んでおり、
先日はポテトサラダと同時に頼む、「じゃがいも被り」をやってしまったくらいだ。

※サラダの正式名は、玉子も入った「タマポテサラダ」

コロッケだけでなく、ほしたけ食堂さんのウリは手作りのお料理。
時期によって変動はあるが、常時20種類ほど。下記写真は、とある日のメニューだ。


どのお料理も200~500円くらいのお手頃価格。ご飯・みそ汁セット250円もあり、定食にもできる。
居酒屋形態の営業ゆえ、アルコール類も多数用意されているが、お食事だけの利用も歓迎とのことだ。
飲み物の価格は生ビール500円、サワー類350円、ホッピー430円、ソフトドリンク250円、ほかに日本酒やワインなども。

以下では、これまでに撮りためた料理の一部を紹介する。
こちらは日替わりのクイックメニュー「肉豆腐」350円。


カウンターの上に、ひと皿ずつラップをした状態で置いてあり、注文が入るたびに温めて提供。
大皿に盛った料理を小出しするやり方だと、ホコリなどが入る心配があるから、小分け+ラップするのはいいね。
酒を飲ませるための過剰な味付けではなく、ほどよくやさしい風味なのは、女性店主ならでは。

こちらも日替わりの「牛スジ煮込」350円。牛スジも野菜もよ~く煮込まれていて、ホッピーに合う。


レギュラーメニューからは、(皮も手作り)と黒板に書かれた「水餃子」350円。餃子マニアの私も納得のモチモチ感。


こちらも、(どこか懐かしい)との説明がある、ほんのり甘口の「玉子焼」250円。


下記の「ユーリンチー」は私自身は一期一会のメニュー(なので値段も忘れた)。


鶏肉はもちろん、たっぷりのタルタルソースも、いいツマミになったよ。
ここからは、お食事メニューをふたつ紹介。まずは「焼そば」のソース味450円。私は未食だが塩味もある。


キャベツ、もやし、豚肉を使用した、王道のソース焼きそばだ。中央の青海苔と紅ショウガがまぶしい。
「焼きうどん」は、一般的な醤油味もあるが、私が好きなのは「ナポリタン風うどん」500円。


玉ネギ、ピーマン、ソーセージを炒め、ケチャップを絡めた、色鮮やかなオレンジのうどん
粉チーズをたっぷりかけて、一気にズルズルすすりこむ。パスタとは異なる、うどんならではの食感がいい。

コロッケをこよなく愛し、ナポリタンで口の周りを真っ赤に染める、
そんな子どもみたいな私が、ほしたけ食堂さんに希望していたのが「カレー」。
肉豆腐や牛スジ煮込み、さらに写真はないが肉じゃがや豚角煮などから、煮物が得意なのはわかっていたし、
カレーも絶対おいしいのを作ってくれるだろうと思ってね。
「絶対売れますからぜひ作ってください」「ライス抜きのカレーで飲む客もいるはずです(←私だ)」
「万が一余っても、私が全部食べます」などとムチャなお願いを続けた結果、最近ついにカレーが加わった。
私が食べたのは「チキンカレー(辛口)」550円で、写真のライス抜きは350円。


店主いわく「今週はチキンだけど、先週ポークカレーをやって、お客さんに好評だった」とのこと。
「ホラ、人気あったでしょう」と得意満面の私。味覚はお子ちゃまだけど、飲み客が喜ぶメニューは知っているつもりだ。
ダテに連日飲み歩いてないし、ダテにお腹出てないし、ダテに高血圧じゃないし…悲しくなるのでこの辺でやめる。

ほしたけ食堂という店名は、店主「たけ」さんと、たけさんのお母様「ほし」さんの名前を合わせたと聞いた。
その「ほしたけ母娘」が仕込む料理は、本当の意味での「おふくろの味」「家庭的な味」なのである。
実際は、薄汚いオヤジが調理しているケースが大半である、チェーン居酒屋の「おふくろの味」とは一線を画す、
真心のこもったお料理の数々と、おばちゃんたちの温かい接客に、ほっこり癒されること間違いナシ。
みなさんもぜひ一度、足を運んでみてほしい。無論、コロッケのオーダーは忘れずに!



ほしたけ食堂
東京都杉並区天沼3丁目30-10-5
荻窪駅北口から徒歩約3分
営業時間 18時~22時半
定休日 日、月、年末年始ほか


※残念ながら、2019年3月に閉店なさりました
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多彩な種類の馬蹄型餃子 国分寺『谷信』

2018年12月10日 | 餃子
「餃子の王様」、あるいは「餃子の大将」を自称している私が、
一番ウマいと思っている餃子は、去年当ブログでも書いた、国分寺の居酒屋『ぴぐもん』のもの。
   ※左から焼き餃子、揚げ餃子、ぴぐもん鍋

昨年夏、諸事情により閉店したことを知った私は、新たな絶品餃子を求め、再び国分寺界隈を探索。
以前紹介した『ハルダイニング』も、そのときに見つけたお店だ。
   ※左からミートソース餃子、きのこペペロン餃子、2種のチーズ餃子

そんなある日、国分寺駅北口を出て、東側の通りを進んだ奥に、餃子をウリにしているらしいお店を発見。
店頭に飾ってある提灯には、『餃子酒場 谷信』の文字が。
名称は「酒場」だが、ガラス張りの店内はバーのようで、個人的には苦手な雰囲気だが、思い切って入ってみることにした。

カウンター席のみの店内には、店主らしき男性と若い女性店員が。「お好きなとこへどうぞ」と案内されて着席。
各席に設置されたメニューを見ると、ビンビール550円、ホッピー450円、サワー類400円など、普通の価格でひと安心。
こちらがフードメニュー。写真がピンボケなのは毎度のことなので、カンベンしてほしい。


まずはホッピーと、基本の味だと思われる「谷信餃子」の焼きと、「鶏ガラスープ餃子」を注文。
すぐに女性店員が、ラー油の入った容器と、口直しのガリを添えたタレ用小皿を持ってきてくれた。


数分後、谷信餃子が焼きあがった。一般的なものより大きめのサイズが5個で400円。


焼き色にムラもなく、食べる前からウマいのがわかる餃子だ。
まずは、何も付けずに1個食べてみると…肉多めで味がしっかりしていて、タレがなくてもイケる。
しかし、この餃子の一番の特徴は、その形状だろう。


具を包んだ皮の両側をくるっと丸め、馬の蹄(ひづめ)を模している
個性的なのは餃子だけでなく、自家製ラー油とガリも同様。特にガリは、ジューシーな餃子と好相性。
続いて、鶏ガラスープ餃子のレギュラー600円(ハーフサイズもあり)が運ばれてきた。


ふわふわ玉子のスープに、ゆでた餃子が入っている。なるほど、これもウマいな…とムシャムシャ喰っていたら、
店主らしき男性が「あの…以前『ぴぐもん』でお会いしましたよね?」と声をかけてきた。
思い出せない私(失礼)に対し、「自分、厨房で働いていました」と店主。ああ、言われてみればそうだ!
常連扱いされるほどは通っていなかった、私の顔なんてよく覚えていてくれたなあ。
改めてメニューを確認してみたら、しそ、エビ、チーズ、4種盛りなどは、ぴぐもんにもあった餃子ではないか。

その後、店主の手が空いたときを見計らって、いろいろ聞かせてもらった。
ぴぐもんでの勤務中、今度は自らがオーナーの店を出すことを決意したこと、
場所は多摩地区で探したが、知人も多い国分寺を選び、こちらのお店を昨年11月にオープンさせたこと、
店名の「谷信」は、店主の名字(谷口)とお母様の名前(信子さん…だったかな?)が由来、などなど。
そういう、「母子の絆」みたいなハナシ、私大好きでね。応援したくなるよ。
そんな谷口店主のお店・谷信さんが、私の行きつけとなったのは言うまでもない。

以下では、その後に食べたメニューの一部を紹介していく。
こちらはさっき書いた、「焼き餃子 4種盛り」400円。


基本の「谷信」、「しそ」、「エビ」、「出汁ネギ」。エビは尻尾が飛び出ているからわかるね。
「焼き」だけでなく、「水餃子」もオーダー。餃子自体は同じだろう。


こちらは、チーズを中身でなく上からかけた、「チェダーチーズ餃子」450円。


馬蹄型餃子だと、こういう乗せモノが収まるからいいね。もちろん、濃厚チェダーチーズとの相性はバツグン。

そしてこれは、レギュラーメニューにではなく、“本日のおすすめ”ボードに記されていた「きのこたっぷり水餃子」。


値段は覚えてないけど500円くらいだった、はず。メニュー名の「きのこたっぷり」も実際は違うかも。ゴメン。

谷信さんのスゴイところは、餃子以外にも逸品が多いこと。こちらはマカロニサラダ300円。


お皿は小さいが、こんもり盛り付けられている。餃子が焼きあがるのを待つ、お通し代わりに最適。
こちらも、先述のおすすめボードにあった、「牛スジ煮込み」500円。


一緒に提供される七味はもちろん、卓上の柚子胡椒を溶いてもウマい。
というか、柚子胡椒無料提供って、かなりありがたいよね!?

メニューには、肉味噌を使ったツマミがいくつかあるが、私はピーマンを選択。
子供の頃は苦手だったのに、我ながら大人になったなあ…などと、いいトシこいて感慨に浸っていたら、
出てきた「肉みそピーマン」320円は、ちょっと予想外のサイズ!


店主曰く「仕入れ値が安かったので…」と、豪快に盛りつけられた、生ピーマンのデカいこと。
マヨネーズと肉味噌をたっぷり付けて、苦みと酸味としょっぱみが合わさったピーマンをバリバリ喰らうこの快感。
お行儀悪いけど、余ったマヨと肉味噌は、当然のように餃子にも使わせてもらう。


この肉味噌は、ツマミにも餃子の薬味にもなるから、単品でも頼めるといいな。今度相談してみよう。

以前勤務していたぴぐもんの影響を感じさせながらも、馬蹄型餃子や各種おつまみなどから、
独自の改良やオリジナリティがうかがえ、引き出しも多そうな谷口店主。
過去にはアボカドなどの変わり種餃子も出していたようだし、季節限定のメニューにも期待してよさそう。
バーのようなオシャレな店舗には不釣り合いな私だが、今後も通わせていただこうと思う。



餃子酒場 谷信
東京都国分寺市本町2-4-5 千成ホテル「味の名店街」フロア内
国分寺駅北口から徒歩約3分
営業時間 17~23時LO
定休日 火、ほか不定休
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中国宮廷も好んだエメラルド色の麺 一橋学園『なにや』

2018年12月01日 | ラーメン、つけ麺など
つい1ヶ月ほど前、このブログで取り上げた、長崎ラーメンのお店『西海』


こちらのお店の存在を知ったのは、2000年に双葉社が発行した「石神秀幸 21世紀ラーメン伝説」という書籍。
当時、テレ東「TVチャンピオン」のラーメン選手権などで活躍していた、石神秀幸が企画・監修したムック本だ。
関東4県のお店200軒とともに、店主のデータなども紹介されており、ずいぶん参考になった。
その後、彼のラーメン本は双葉社から毎年発行されるようになり、2003年度版では袋とじ内にて、
取材でお世話になった店主たちをこき下ろす(実名は出してないがバレバレ)、
という大胆不敵なコーナーを企画し、案の定、何人かの店主を激怒・落胆させてしまったらしい。
ネットでの匿名投稿でなく、自身の名前を冠した書籍でやるとは…まさか袋とじならバレないと思ったのかね。
そんな、非常識でアンチも多く、おまけに前科もある石神(なので「さん付け」はしない)のことは、
今では私も大嫌いなのだが、ラーメンの評論活動を始めた当初は、いい仕事をしていた…気がする。
冒頭で触れた西海も、彼の本を目にしなければ、知るのはもっと遅かったはずだし。

その2000年発行・石神ラーメン本は、現在も捨てることなく保持しており、
西海の紹介記事には、「この店は行った」ことを示す○印が残っている。我ながらカワイイな(←そうか?)。
その、西海の真下で紹介されていたのが、一橋学園駅からほど近い『なにや』さん。
麺にほうれん草を練り込んだ、緑色の翡翠(ひすい)麺を使用したラーメンがウリらしいが、
一番安いと思われるラーメンが800円(当時でもやや高い)だったため、貧乏な私は訪問をためらってしまった。
あれから18年たったつい先日、たまたま小平方面に立ち寄る用事があったので、
ちょうどいい機会だと思い、なにやさんに初訪問していくことにした。

お店にたどり着くと、「中国宮廷麺 なにや」のノレンがあり、そして入口側の壁には写真の貼紙が。


「700年前の麺」「中国紫禁城で食された」「カンスイ・保存料未使用」「ラーメンの味とは異なります」…?
店主は日本人のはずだが、経営者が大陸の人に変わってしまったのかと心配になった。
おそるおそる入店すると、接客担当のおばちゃんだけでなく、厨房からも「いらっしゃい」の声。
厨房から挨拶してくれたのは、石神本で見た店主と思わしき男性。ピリピリした雰囲気はなく、ひと安心だ。
店内はコの字カウンター席のみで、オーダーは、店内壁に貼ってある写真付きメニューから選ぶ。
私が注文したのは、例の本に載っていた、基本メニューと思われる「中国麺」850円。
壁の写真を見る限り、なかなか具だくさんなのだが、18年前から50円しか値上げしてないのはうれしい。
もうひとつ気になったのが、写真の「手打三色大餃子」540円(1個180円で2個から応じてくれる)。


皮が三色とは珍しい。自称「餃子王」として、これは食べないわけにはいくまい! 
しばらくすると、まずは餃子がやってきた。壁の写真と同様、本当に色鮮やかだ。


裏返してアップにするとごらんの通り。大きすぎて、タレ用の小皿からハミ出しちゃうね。


何も付けずにかぶりつくと、うほっ、口内で肉汁がほとばしる!
2個目をハシで割ってみたのがこちらの写真。もったいないから、皿にこぼれたツユも、もちろん飲んだぞ。


色の正体は緑がほうれん草、オレンジは人参との噂だが、オレンジ部分はピリ辛だったので、唐辛子も入っているかも?
失礼ながら、見た目重視で大きいだけの餃子かと思いきや、味もよかったのでビックリだ。
続いて、メインの中国麺が登場。こちらも、壁写真と寸分たがわぬ具だくさんでありがたい。


白菜、人参、きくらげ、茎ワカメ、メンマ、玉子、チャーシュー2枚。これで850円はむしろ安いではないか。
具の下に潜むのは、700年の伝統を誇り、中国の宮廷も愛した自家製の翡翠麺!


色とりどりの具材にエメラルド色に輝く麺、これぞまさに中華麺の宝石箱や~。
醤油ベースのスープは、ひと口めは淡白かと思いきや、あとから甘味と旨味がほのかに感じられる。
過剰なしょっぱさがなく、一般的な醤油スープと比べてやさしい味わいなのは、フルーツも使っているからだとか。
このスープだけでなく、こちらの料理はすべて化学調味料は不使用らしい。
バカ舌の私が、いわゆる「無化調」のラーメンをウマいと感じるのは珍しい。
あ、店頭の貼紙に「ラーメンの味とは異なります」とあったように、ここの麺料理はラーメンとは別物なのか。
他にも美味しそうな麺料理が多数あったので、すぐに再訪を決意した。

数日後、足取りも軽く再訪し、まずは餃子で一杯やることにした。
ただ、なにやさんのメニューは麺料理と餃子、それに「ビール」と「冷酒」のみで、
チャーハンどころかライスもなく、当然、普通の中華食堂にあるような、ツマミになる一品料理もない。
しかしご安心あれ。お酒を頼んだ客には、写真のお通しが無料で付いてくるのだ。


中華風くらげ、奈良漬け、燻製チャーシュー、人参に青菜。お通しにも手抜かりナシなのはさすが。
プレミアムモルツの中ビンに、豪華なお通しが付いて600円とは、なかなかお得ではないかな。
しばらくしたら餃子が焼けたので、びんビールがさらに進んだので、もう1本お替り。
すると驚いたことに、お通しのお替りもきたぞ!


中華屋さんで、酒類にお通しを出してくれる店は何軒か知ってるが、1本ごとに付くのは初めてだ。
しかも、私が最初のお通しで、苦手な奈良漬けを残していたのを見ていたのか、代わりに豚角煮を追加してくれたよ。
お店のお気遣いに感激しつつも、だんだんお腹がキツくなってきたので、シメの麺料理をオーダー。
この日は、こちらの麺料理では唯一の塩味である「麺菜」850円を。


メニュー名を表わすかのようにたっぷりの野菜、そしてまたまたチャーシューが2枚。
さっきの中国麺のときに書き忘れたけど、ここのチャーシューは抜群にウマイ
店内で食事せず、お持ち帰りチャーシューのみを買いにくるお客さんも多いのだが、それも納得。
写真はないけど、この麺菜にも翡翠麺を使用。塩味のスープも、無化調とは思えぬほどしっかりした味で満足。

なにやさんの味にすっかり魅了された私は、その後も店内で飲み食いするだけでなく、
お持ち帰り餃子やチャーシューを購入するため、足繁く通った。
麺類もいろいろと食べたが、ぜひ紹介したかったのが、「和牛霜降り肉すき焼麺」だ。


普段の白菜、メンマ、人参、きくらげ、味玉半分だけでなく、店内でも販売しているチンゲン菜が入り、
さらに「すき焼き」らしく、柔らかく煮込まれたA4ランクの牛肉、長ネギ、白滝、さらに、
殻に日付を記載したシールが貼ってある、高品質な生玉子がついてきて1500円。
ちょっと高いが、そこはなにやさん、ちゃんと納得できる味に仕上げてくれている。


牛肉、白滝、翡翠麺。間違いなく、ラーメンの概念を超えた料理といえよう。
生玉子は別皿で、すき焼きのように牛肉を浸して食べた。こんなの、うまくないワケがないよね。


麺料理は常時12~15種類ほど。季節によってメニューが変わるようだ。
今回紹介した中国麺や麺菜はいつもあるが、牛すき焼き麺はないときも(代わりに豚すき麺があったりする)。
夏季は、高価なフルーツを用いた冷やし中華も提供しているらしく、店内には写真のメニューも!


スイカやメロンの果肉を乗せるだけでなく、器としても利用するとは。
「要予約」、なにより「時価」というのが気になるが、ぜひ食べてみたいものだ。
当ブログでは、1度紹介したお店については再び書かない、というのが基本ルールだったのだが、
「メロン冷やし」ほか、魅力的なメニューが多い『なにや』さんは、いつかもう1度紹介させていただくつもりだ。
ただいま、上記の時価・冷やし中華を御馳走してくれる、スポンサーを絶賛募集中!



中国宮廷麺 なにや
東京都小平市学園西町1-26-25
西武多摩湖線一橋学園駅から徒歩約2分
営業時間 火~金11時半~14時半、17時半~19時半 土日祝は通し営業
定休日 月、ほか不定休あり
※終業時間はあくまで目安とのこと
コメント (3)
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