明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

早い、ウマい、量が多いホイコーロー! 飯田橋『えぞ松』

2020年01月25日 | 中華食堂
以前チラッと紹介した、飯田橋駅近くの老舗食堂『インドール』。
カレー店みたいな屋号なのに、なぜか生姜焼きを推していて、実際にウマかった。
   

そんなインドールさんが、突然閉店してしまったのが昨年の春。


閉店挨拶の「皆様御機嫌よう」のひと言に悲壮感はなく、爽快感すらある。
インドールのおじちゃんおばちゃん、どうかいつまでもお元気で。ごきげんよう。

インドールの閉店は残念だが、大丈夫。すぐ隣には、これまた歴史ある名店『えぞ松』がある。
「えぞ」が付くのだから、サッポロラーメンがウリかと思いきや、一番人気のメニューは「ホイコーロー」
以前紹介した、「肉丼」が名物の茗荷谷『札幌軒』と同じパターンだ。

※写真は炒め肉+チャーシューの「ブーブー丼」

来店客の6割が注文していると思われる、ホイコーロー定食720円の写真がこちら。


名称は定食だが、要するに「ホイコーローライス」である。私は「生玉子」50円を追加して食べる。
ヨコからのアングルがこちら。いつもながらヘタな写真で申し訳ないが、結構な盛り具合である。


私の推測では、ご飯の量は450~500グラム、上のホイコーローも300グラム以上はありそう。
ネット上の意見はまちまちなので、客によって量を変えている(デブには多め、とか)のかもしれない。
食べてみると、テンメンジャンなどの中華調味料ではなく、和風味噌ベースの味付け。
回鍋肉というか「豚肉とキャベツの味噌炒め」という印象。確か『餃子の王将』の回鍋肉も、そういう名称だったな。
実際、具材も肉とキャベツだけで、味付けもシンプルなのだが、それでもメシが異様に進む
生玉子を混ぜ、卓上のおろしニンニクや豆板醤、さらに紅ショウガで味を変えれば、量が多くてもスルスル食べられる。

通は「ホイ」と呼ぶらしい、えぞ松ホイコーローの調理法は、以下の通り。
まずはスープで、ひと口大にカットされた豚肉とキャベツを短時間煮込み、スープだけ元の鍋に戻す。
火の通った肉とキャベツを、味噌ダレと一緒に強火で一気に炒め、メシをよそった大皿に盛りつければ完成。
最初に油ではなくスープで火を通すため、油っぽくなく、スープの旨味も加わる…はず。
さらに、その調理用スープは、お椀に注がれワカメとネギを足し、定食用スープにも生まれ変わる(※さっきの写真を参照)。
客が「ホイ」をオーダーしてから出てくるまで、私が見てきた限りでは最長でも3分。
あるとき、着席するなり「ホイコーロー!」と注文した若者が、後ろを振り返り、壁に貼ってあったメニューを眺め、
再び厨房の方に振り返りながら、「あ、やっぱりチャーハンに変更…」と言いかけたときには、
すでに完成したホイの大皿が、目の前に置かれていた(笑)。その間、約8秒。無論、店員も変更には応じない。
8秒で出てきた理由は、計3人前の注文なら5人前などと、常にオーダーより多めに調理しているから。
あ、書き忘れていたけど、席はカウンターのみで、基本、店員はふたり体制で接客、調理、会計などすべてをこなす。
客とはもちろん、店員同士ですら会話を交わすことは少なく、寡黙というか正直不愛想だが、職人らしくて私はけっこう好き。

えぞ松さんは、ホイコーローだけでなく、どの料理も一般サイズより多め。
たとえば、こちらは、ホイ+目玉焼きを醤油ラーメンに乗せた、「回鍋肉玉麺」820円。


画像だと、目玉焼きが小さく見えるが、そうではなく丼がデカいのである。
上記メニューに半ライス100円を追加すれば、ミニサイズのホイコーロー定食とラーメンが同時に楽しめていい。


こちらは、「意外とウマい ラーメン屋のカレーライス」と店頭でオススメしている「カレーライス」650円+生玉子。

※私が食べたときは590円だった

見ての通りかなりの大盛ゆえ、お皿からカレーソースが、ついでに玉子の白身もあふれてしまった。


カレーはドロッとしていて、何日か寝かしたような濃厚な仕上がり。人参やお肉もたっぷりの家庭的なタイプ。
コクがあるのは、水の代わりに、さっき説明した「ホイコーロー調理スープ」を使用しているからでは?
他にも、チャーハンや麻婆丼を食べている客を見たことあるが、どちらもかなりの量だった。
特に麻婆丼は、回鍋肉玉麺の写真と同じ器を利用しているため、ホイよりキツそうだ。
なので、サラリーマンや女性客は、「ご飯少なめ」と注文する方が多い。まあ、女性客はほとんど見かけないが。
つい最近、味噌ラーメンの麺を豆腐に変える「糖質オフ&タンパク質プラス」メニューを始めたようだが、
そんな糖質なんぞを気にする客は、そもそも、えぞ松に来ないのではないかね。

お酒は、びんビールに日本酒だけ、おつまみメニューは「ぎょうざ」370円の他は、チャーシューとメンマ程度。

※数年前に、ガラケーで撮影

飲みのアテとして選ぶなら、ホイなど定食類の単品がベストかな。ウーロンハイもあればいいのに。
なお、駅の向こう側にある支店(そっちが本店)は、もつ煮込みなどのつまみがあるらしい。

えぞ松の看板メニューは、早い、ウマい、量多いホイコーロー定食で間違いないが、
私がひそかに推奨したいのが、「焼肉定食(豚)」930円だ。
カッコ豚、とあるのは「牛(ぎゅう)焼肉定食」950円という別メニューと区別するため。カッコぎゅう、も親切だね。
そこそこ値段もするから、きっとバカ盛りなんだろうな…とビビりながら注文し、出てきたのがこちら。


ご飯の量こそ一般的だが、千切りキャベツのマヨネーズ、そして主役である豚焼肉がめちゃくちゃ多い。


いったい何枚入っているのか、数えながら食べてみることにした。
なお、お肉1枚のサイズは、それほど大きくない。たぶん、ホイコーローと同じ豚肉を使っているのだろう。


味付けは、ホイの味噌ダレとは異なるけれど、こちらのタレも甘じょっぱく、やっぱりメシが進んでしまう。
15枚食べ終わった時点がこちら。以降も、ちょっと汚い画像が続くがカンベンしてくれ。


大きくない、とはいえ15枚。普通の焼肉定食なら食べ終わっている量だが、まだまだ残りはたっぷり。
なので、この時点で早くもご飯をお替わり。画像左上の空いた茶碗が、その証拠だ。
ライス単品は200円だが、お替わりライスは100円だった記憶がある。サービスしてくれたのかな?
あとね、マヨネーズと合わさったタレが、これまた絶品でね。このタレだけでもメシが喰えるよ。
食後の日雇い労働さえなかったら、もう1杯お替わりしていた。それくらい、この焼肉定食が気に入ったのだ。
こちらが30枚経過。ご飯も2杯食べ終えたが、それでもお肉が残っている!


しつこいが、このあと仕事さえなければ、ビールで流し込んだのに…。数分後、すべての肉を食べ切った。
結果、えぞ松の焼肉定食(豚)、お肉の合計枚数は39! 
肉だけでも推定300グラム、玉ねぎとタレもあるので、実際は400グラム以上だろう。ごちそうさま!

私が尊敬しているライターの鈴木隆祐さんは、自著「東京B級グルメ放浪記」にて、
えぞ松のホイは、コンディションが整わないと挑めないヘビーな食事、と苦労しているのを認めつつ、
「でも、男の意地で、ご飯少なめなんて絶対に頼めない」と断言しておられる。
まったくもって同感だ。私も死ぬまで、ここのホイコーローと焼肉の両定食を、残さず食べる男でありたい。



えぞ松 神楽坂店
東京都新宿区神楽坂1-14
地下鉄飯田橋駅から徒歩約1分、JR飯田橋駅からは徒歩約2分(信号待ちの時間含まず)
地下鉄神楽坂駅からも徒歩約8分
営業時間11時~23時 
定休日 水曜、年末年始
※食べログの営業時間情報は誤り、飯田橋駅を挟んだ向こう側に本店がある


追記 建物老朽化のため、2020年2月末で閉店となるそうです。
追記その2 本店の方も、2021年12月に閉店とのこと。さみしいですね…。
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さようなら金田正一さん

2020年01月21日 | プロ野球
昨年10月、日本プロ野球界屈指の大投手・金田正一さんがお亡くなりになった。
葬儀は身内や関係者だけで営まれ、後日、一般人も参加できる「お別れの会」を改めて開催…と聞いていたのだが、
その会が行われるのが今日1月21日で、一般献花が午後14時から、と知ったのがついさきほど。
東京の西側にある私の自宅からは、会場の帝国ホテルがある日比谷にはもう間に合わない。残念!

※下野新聞のサイトより拝借

金田さんが現役を引退したのは1969(昭和44)年。まだ36歳のときで、選手寿命が延びた現在では、やや早い印象。
プロ入りも早く、高校を中退して17歳で国鉄(現・東京ヤクルト)スワローズに入団すると、
8月デビューながら8勝し、翌年からはエース格に。
すると、弱小球団所属にもかかわらず、14年連続20勝
その後は読売ジャイアンツに移籍し、通算400勝を達成。勝ち星だけでなく、
298敗、365完投、通算5526イニング投球、対広島戦90勝(30敗。昔のカープ弱いね…)、
さらには投手なのに通算本塁打38本、そのうち2本は代打など、今の時代では異次元と思える数字を多く残している。

引退後はロッテオリオンズ(現・千葉ロッテマリーンズ)の監督を務め、さらにOB団体「名球会」の代表となる。
当時の入会条件は「投手は通算200勝、打者は2000本安打」。投手の条件については金田さんが、
「ワシの400勝の半分、200勝もすればええやろ」という鶴のひと声で決まったとの説がある。
これ、事実だとしたらスゴイよ。「超一流選手=オレの半分」と断定したんだから。
しかも、もうひとつの条件として、ひそかに「昭和生まれ」(現在は昭和以降生まれ)を入れておき、
川上哲治さんや別所毅彦さんら、目の上のタンコブ的先輩たちを排除したのは、なかなか狡猾である(笑)。
現役時代の実績は確かに素晴らしいが、それを謙遜することなく、態度や言葉に出してしまうため、敵も多かったと聞く。
しかし、一般人の私にとって金田さんは「面白いおじさん」であり、魅力的な存在であった。

私が生まれたとき、すでに現役引退していた金田さんの肩書きは、タレント兼野球評論家。
巨人軍の主催試合は、必ず日本テレビ系で生中継されていた時代、金田さんは看板解説者であった。
「江川めナニやっとんだ」「定岡はなっちょらんね」「今の采配は話にならん!」などと、
巨人軍の主力選手やベンチの作戦に対し、遠慮することなく批判する姿勢は、読売グループはともかく、
東京育ちなのにアンチ巨人(現在も)だった、少年時代の私を大いに喜ばせた。
先述したように、タレントとしても多くの番組やCMに出演していた金田さんだが、
もっとも私の印象に残っているのは、少年向け野球マンガのキャラクターである。

「アストロ球団」「侍ジャイアンツ」、そして「巨人の星」など、多くの人気マンガで金田さんは、
主人公のアドバイザー、あるいは敵役として、重要な役割を果たしている。モデル代はもらっていたのかな?
たとえば、私が全巻保持している「巨人の星」第15巻では、


ストーリーに関係なく、当時引退した金田さんについて、わざわざ1話を割いた。
もの悲しそうな表情で、引退記者会見の準備をする星と伴のカットから始まり、


金田投手の経歴を、少年読者に向けて簡単に説明。


その後は、主人公・星との回想シーン。


続いて第二の人生について抱負を語るシーン。


上記の2コマで発した、「どあほっ」と「やったるでえ」は、金田さんの2大セリフ(?)であり、
報知新聞(現・スポーツ報知)でも「やったるで!」というタイトルのコラムがあった。


上記書籍は、引退直後に発行された「さよならギッチョ やったるで! 20年」
タイトルのギッチョの他にも、「コジキ」だの「めくら」だのと、現在では不適切とされる言葉が何度も出てくるが、
それ自体が、金田さんが執筆ないし口述した証明になっている(笑)。
当時のスポーツ選手の著書なんて、ゴーストライターが勝手に書いたものが大半だったはずだからね。
この著書については、また改めて拙ブログで取り上げてみたい。

プロ野球のユニフォームを脱いでからも、「やったるで!」精神で活躍を続けた金田さんと、
生涯で一度だけ、お会いする機会に恵まれたのが、今から約20年前。
当時の私は無職ではなく、都内に数店舗ある喫茶店チェーン『銀座ゴッホ』(仮名)で雇われ店長をしていた。
渋谷の桜丘町にあったその店舗に、ある日突然金田さんが、数名の知人とともにやってきたのだ。
ドアを開けて入店するなり、手をあげ「よおっ!」と大きな声で挨拶してくれた金田さん。
いかにも顔なじみの客っぽいふるまいだが、私も他の従業員も、全員が初対面である
喫茶ゴッホは、ちょいと値段が高いこともあり、著名人の来店にざわつくような、品のない客はいなかった。
むしろ、一番下品でざわついていたのが私で、「あっ、か、か、金田さんじゃないですか!」と大声を出してしまい、
バイトの女性従業員たちに「あれは金田さんだぞ! 失礼のないように!」と、己の立場を忘れ、興奮していたのであった。

昭和のアスリートにしては珍しく、嫌煙家だった金田さんは「禁煙席はないのか!」と怒鳴る。
一応、禁煙エリアはあったものの、喫煙席との仕切りはないため、ちょっと不満そうではあったが、
喫茶ゴッホ特有のゆったりとしたソファを、ふたつくっつけて、その間に着席。
当時の金田さんは還暦を超えていたはずだが、身体は縮んでおらず、ソファひとつでは足りなかったのだろう。
TVやマンガで見ていた通り、身体も声も、そして態度もデカい金田さんに、私はさらに感激していた。
同行者の注文は記憶にないが、金田さんが「アメリカン」を頼んだのは覚えている。
当時の喫茶ゴッホのアメリカンは、普通のコーヒーをお湯で薄めただけのものだが、
金田さんはさらに「オイ、お湯だけ入れたカップをもう1杯くれ」と要求し、アメリカンをさらに薄めて飲んでいた。
先述のようにタバコを吸わず、食事も重要視し、昭和20年代からミネラルウォーターを愛飲するなど、
人一倍健康に気を使っていた金田さんゆえ、この薄~いコーヒーにも、独自の信念があったのかもしれない。
同行者たちとは対等に会話しており、旧友のような関係だったと思われるが、金田さんだけだいぶ若く見えた。

落ち着いた頃、私は店をほっぽりだし、サイン用色紙を購入するため、近くの文房具店に走った。
店に戻ると、バイトの女の子が、サービスのお茶を金田さん一行に提供しており、なにやら会話をしている。
あとで聞いたら、以下のような会話があったようだ。
金田さんの知人「お姉さん、この人のこと知ってる?」
バイト「ええ、金田さんですよね。さっきから店長が喜んでおります」
金田さん「ナニ、店長の分際で喜んでるだと?」ここで金田さんは、わざわざ私の方へ視線を向けて、
「どあほ!」の決めセリフを放ってくれた。
あの星飛雄馬や番場蛮らマンガの主人公や、江川卓さんや江本孟紀さん(実際に言われていた)ら実在の選手、
さらには王貞治さんや長嶋茂雄さんら、国民栄誉賞級のスーパースターたちも受けたかもしれない、
金田さんの「どあほ!」をいただけるとは、大変光栄であった
貴重な体験に思わず、「あ、ど、どうもありがとうございます!」と珍妙な返答をしてしまった私に、
金田さんは首を傾げ、「あの若造、やっぱりアホやな…」と言いたげな表情で苦笑いしていた。

その後、お会計となり、レジでさきほど購入した色紙を取り出し、サインをお願いした。
断っておくが、私が勤務していた喫茶ゴッホ渋谷南口店には、多くの著名人が来店したが、
他のお客さんと変わらない接客を心がけていたし、従業員にもそうするよう指導していた。
そのルールを店長が自ら破り、サインをお願いしてしまった唯一の例外が、金田さんである。
「うむ、いいだろう」と金田さんらしい応対(今思うと、自身のキャラを演じていたのかも?)とともに、
私が用意したペンと色紙をひったくり、私の名前をたずね、慣れた手つきでサラサラっと書き終えた。
ここで私は、図々しいことに「何かひと言…“一球入魂”とか入れてください」と、さらなる要求。
金田さんは一瞬だけ考えると、すぐにペンを走らせた。以下がそのサイン色紙だ。


正田君へ 人生ガンバレよ 金田正一 34

失礼ながら、サインをもらった直後は「“人生ガンバレよ”って…なんじゃこりゃ?」と、失礼な感想を抱いていたのだが、
金田さんが歩んできた激動の人生を理解し、私自身も人生の厳しさをわかるようになった現在では、
すごく含蓄のある、ありがたいお言葉に感じられるようになってきた。

金田さん、あのときは本当にありがとうございました。
まだまだ未熟な私ですが、この言葉を改めて噛みしめ、
「どあほ!」と言われないよう、「やったるで!」精神を忘れず、
今後の人生ガンバリます!

※金田正一さんのご冥福を、心からお祈り申し上げます
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太すぎるうどんと奥が深すぎる店主 川口『因業屋』

2020年01月19日 | そば、うどん
川口市に、ものすごく太いうどんを出す、一風変わったお店があることを知った。
その店名は『因業屋』(いんごうや)。なるほど、屋号自体も変わっている。
店名通り、頑固で意地悪なオヤジがいるのかと、ネットでこのお店について調べてみたところ、
屋号の由来について店主が、“「因業」は本来、悪い意味ではない”と語っていたようだが、
それがどんな意味で、どのサイトなのかは忘れてしまった(「食べログ」でないのは確か)。
とにかく、おっかない店ではないようなので、ぶっというどんを食べに川口へと足を運んだ。
お店は、基本年中無休だが、ごくまれに臨時休業もあるらしい。私が初訪問した日がそうだった(泣)。

2度目の訪問となった先日、今度はちゃんと営業していたので、入店することができた。


店内はカウンター5席にテーブル席。厨房にいた男性店主が「いらっしゃい。お好きなお席へどうぞ」と迎えてくださったので、
調理の様子がうかがえる、カウンター席に座らせてもらう。店内清掃は行き届いており、不潔感はなし。
銀色の髪を後ろで束ね、一見怖そうにも感じる店主だが、声のトーンは柔らかだった。
お店のメニューはこちら。写真がヘタなのはいつものことなのでカンベン。まずは麺類。


表記は「そば」だが、ほとんどのメニューが「うどん」にできるようだ。裏面には、お酒やおつまみ類。


そば・うどん店には珍しくワインが豊富で、チーズやサラミなど、ワイン向けのつまみも用意してある。
最近、飲んだあとの食事がツラくなってきたので、酒類は頼まず、いきなりカレーうどんを注文。
店主は調理中にもたびたび、「今日はこれから寒くなるそうですね」などと話しかけてくれた。全然因業オヤジではないぞ。
カレーソースの入った鍋を、ヘラを用いて一定のリズムで何度も何度も丁寧に混ぜ合わせ、
芳香が店内に充満し、店主の手が止まりようやく完成…と思いきや、太いうどんが茹で終わらない様子。まあ当然だわな。
その後、ようやくうどんが丼に盛られ、肉うどん用の具材を煮た鍋(?)から、お肉と煮込み汁をお玉で1杯ずつすくう。
そこへ、さきほどのカレーソースがたっぷりと注がれ、ネギを飾って完成。これが「かれいうどん」1000円だ! 

※わかりづらいけど、丼は深くてデカいサイズ

右側にチラリと見えるモチみたいなのが、例の超スペシャル極太うどんだ。ガキみたいな表現でスマン。
「けっこう辛いですよ」と店主が忠告してくれたが、他に告げるべきことがあるのでは(笑)。
ダシで割らず、ほぼカレーだけでドロドロ状態のスープから、うどんをすくってみた。


ハシとの比較でおわかりだろうが、普通のうどんの8本分くらいの太さで、それが3本入っている。
写真に収めるべく持ち上げたら、カレーが衣服に跳ねまくり。どうにもイキのいいうどんである。
別アングルがこちら。こうして見ると、うどんというより穴子の白焼きのようだね。


うどんをすするのではなく「かじって」みると、小麦の甘い味がした。無論、中心が生、なんてこともない。
なお、店主の忠告通り、カレーは本当に辛かったが、あとから旨味がジワジワくる、クセになる辛さであった。
私がカレーうどんと、文字通り格闘している間、店主は黙々と、メニューにない料理の仕込みをしていた。
その仕込みを気にしつつ、穴子みたいなうどんと肉を食べ終わり、残るはスープだけ。
丼に口を付けて飲もうとしたら(レンゲなどはない)、カウンター越しに「よかったらどうぞ」と、そば湯が出てきた。


そのタイミングで店主に、「カレーも辛くて美味しいですが、とにかくうどんがスゴいですね!」と感想を述べたところ、
「これが本当のうどんなんです」とおっしゃり、さらに「よそのは麦で作った麺でして、うどんのどんではないんです」。
うどんのどん!? 初めて耳にした言葉だ。
「それって、漢字で書く饂飩の飩ですか?」とたずねたが、曖昧な返答しかいただけなかった。
うどんの歴史をたどれば、どんor飩の意味がわかるのだろうか。とりあえず、今の私にはサッパリわからない。
ただ、ここのうどんが、奇をてらったものではなく、店主の信念がこめられた商品であることは理解できた。
あと、「よそのは麦で作った麺」という発言も、あくまで店主の個人的意見であり、自身のうどんに誇りはあれど、
「ウチは本物で、よそは偽物」というような、他店を批判するようなニュアンスでなかったことは断言しておく。
この御方が、同業者を罵り己を上に見せるような、器量の狭い方じゃないのは、会話しただけで理解できた。

とにかく、こちらの店主は、ひと言で表すのが難しい。熟練、洒脱、枯淡、達観、大胆…どの言葉も当てはまる。
そんな奥の深い方と、もう少しお話ししたいと思い、順序が逆だが、ここでびんビールを追加注文。
奥の冷蔵庫から、好きな銘柄を自分で選んで取り出し、店主が鉄製のコップと栓抜き、お通しの揚げたソバを出してくれる。


冷蔵庫の脇には、旅行関連の書籍が多数。そういえば、店内にはワインの空きボトルの他、世界中のお土産らしきものが多数。
店主に「旅行とかお好きなんですか」とたずねてみたら、「そうですね。だからたまにお店も休む」とのこと。
旅行といっても、私の「大阪西成ツアー」のような小規模なものではなく、過去には7ヶ月も休んだことがあるらしい。
「今年の5月にも、1ヶ月くらいフランスに行ってきます。知り合いにそば打ちを頼まれちゃって」。
どうやら、世界中に大勢の知人がいるようだ。店主の人間的深みの理由がわかった。 

そういえば、びんビールのおつまみを紹介していなかった。このとき私が注文したのは水餃子。
さっき、「メニューにない料理の仕込みをしていた」と記したが、その料理こそ餃子であった。
餃子には目がない私が「それは裏メニューですか?」とたずねたら、「イヤ、夕飯のおかず(笑)」だって。
あとでご夫妻で食べるらしい。「餃子お好きですか。よかったら少しお分けしましょうか?」という店主の申し出に、
「ぜ、ぜひいただきます」と遠慮せず食べさせてもらうことに。我ながら、初入店のくせに図々しいと思う。
こちらがその「この日限定・本来はまかないの水餃子」(特別価格500円)。うどんダシで煮込んであり熱々だ。


中身はたっぷりのお肉に、粗目に刻んだ白菜、玉ねぎ、ニラ。玉ねぎの甘みとシャキシャキ感が心地よかった。
写真はないが、「これも使ってください」と、ワインの空きびんに入った、自家製ラー油も垂らしてみた。
そういえば、おそば屋さんなのに、自家製ラー油があるのは珍しいね。

ビールと餃子で、もはや満腹状態だったのだが、上の行で書いたように、ここはおそば屋さんである。
実際、因業屋さんはそばをウリにしているようなので、「せっかくなので、もりそばもお願いします」。
すぐに、ツユと、薬味のわさび、大根おろし、ネギが提供され、その後、冷水で締められたそばがやってきた。
こちらが「もりそば」800円。大きな平皿に、予想以上にたっぷりのおそばが盛られている。


食べきれるかな…と心配していた私に、店主が「残り半分になったら言ってください。温めなおします」と不思議な提案。
よくわかってない私に対し、「ウチのそばは、温めると10倍うまくなるから」だって!
要するに、ラーメン店の「つけ麺・熱盛」のようなものらしいが…10倍ってのは楽しみ。
店主が打った自家製の十割そばは、一般的なものより太めで、平べったくフェットチーネのよう。
普段私が食べている、乾麺や立ち食いソバとは一線を画す、蕎麦粉本来の味がする麺であった。
このままでもじゅうぶん満足できるのだが、提案通り半分食べ終えたところで店主に合図すると、
もう一度麺を茹でる網(=てぼ)にそばを入れ、サッと湯通しし、湯切り後は水で締めず、そのままお皿に再度盛りつけ。
「まずは、ツユに付けず、そのまま食べてください」の指示に従い、まだ温かいそばを口に含んだところ、
「あっ! 全然違う!!」
10倍かどうかはともかく、そばの香りが増幅している。こんなの初めて食べた!
店主によると、「歯触りやのど越しを楽しむなら冷やしですが、蕎麦粉の風味を楽しむなら温かいのに限ります」。た、確かに…。
「日本酒が冷やより燗の方が美味しいのと同じです」。あ、それは私も聞いたことある。「いい酒蔵の杜氏は温めて飲む」って。
ここで私が「普通のおそばだと、ここまで美味しくなりませんよね?」とたずねたら、
「そうです。うちの十割そばだから温めても美味しいんです!」と、誇らしげに答えてくれた。
満腹だったにもかかわらず、大盛りのそばを全部食べ切り、さきほど、カレーうどんのときにも出てきた、
そば湯が再度登場し、ツユに入れて飲み干し、ごちそう様。


こちらの食器は、陶芸家に作ってもらう特注品らしく、このお皿もそうなのだが、先日、何枚かまとめて割ってしまったらしい。
写真のお皿に茶色い線が入っているのは、継いだためである。ただ、安易に捨てないところに、器への愛情を感じるね。
うどん、そば、ワイン、食器、旅行の書物…それに、まかない餃子(笑)。お店の随所に、店主の心が反映されている。
ほんの数時間の滞在で、これほど心地よい気分になったお店は、久しぶりだった。

お会計後、今度は牛肉を煮込み始めた店主。もちろん、それらしき料理はメニューに見当たらない。
聞いてみたら「このあと、“ワインを飲む会”があるので、そのための料理」だそうだ。
こちらのお店では、ワイン愛好家が集まり、イベントを開催することがたびたびあるそうだが、
「これは、近江牛のA5ランクで作るすき焼きで、今日の会費はひとり2万円」。あ、私には手が出ない会ですね(苦笑)。
あの御方が作る高級牛肉のすき焼き、絶対ウマいだろうねえ。

お店を出ると、さっき語っていたように、いまにも雪が降りそうな低気温だったはずだが、
魅力あふれる店主とのトークで、お腹以外も満たされ、心身ポカポカだった私は、全然寒くなかった。
次回は、おつまみでゆっくり飲んで、シメにおそばを食べさせてもらおう。
そういえば、「うどんのどん」についても、くわしく教えてもらわなくては!



因業屋
埼玉県川口市中青木1-11-28
JR川口駅から徒歩約13分、西川口駅からは徒歩約28分
営業時間 12時~15時、18時半~22時
定休日 基本、年中無休だが臨時休業あり
※来店前に要連絡、とのこと
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ブログ変更点のちょっとしたお知らせ

2020年01月07日 | このブログについて
たいしたコトじゃないけど、お知らせ。
拙ブログではこれまで、過去に紹介したお店などについて触れたとき、
詳しくはこちらで→https://blog.goo.ne.jp/shiyoudayuuji と、URLを表記していたが、
一般的なブログと違い、そのURLをクリックしても、リンク先が表示されなかった。
理由はズバリ、私の知識不足である。

なので、今までは下記のように、
https://blog.goo.ne.jp/shiyoudayuuji/e/91e85833cf49f05d980d2141f92df2e9
(クリックしても当該ページには飛べません)


「クリックしても~飛べません」と、お断りの文を入れて、やり過ごしていた。
ところが本日、偶然にも「クリック飛ばし」のやり方がわかったため、上記の文も、
https://blog.goo.ne.jp/shiyoudayuuji/e/91e85833cf49f05d980d2141f92df2e9

URLにピンク色(?)がつき、クリックすれば当該ページ、2018年10月2日のブログが表示されるようになった。
ただいま、新着順から随時再編集中であり、近いうちに全投稿のクリック飛ばしが可能になる予定だ。
ただし、対象となるページは、私のブログ記事や、紹介したお店のHPやTwitterなどのみで、
店舗をクリックしても、食べログページに飛んだりはしないのであしからず。
以上、できることはなるべく改善していこうと思っているので、今後も当ブログをよろしくお願いします。

…と、ここで終わらせてもいいのだけど、せっかくなので、令和2年の初外食を掲載しておく。
お店は、立川駅南口にある『伝説のすた丼屋 立川店』。いわゆる「すた丼の店」だ。
注文したのは、期間限定の「“牛・豚・鶏”の夢のトリプルコラボ丼」(※HPより)という、
牛焼肉、とんかつ、鶏唐揚げをひとつの丼にまとめた「トリプルすたみな爆肉丼」だ!


ネーミング、内容、そしてビジュアル。どれをとってもバカ丸出しである。
あ、バカ丸出しってのはホメ言葉だからね。これで990円はお得だし。
一応上から撮影したのも2枚。けっこうキャベツも多いのでヘルシー…なワケはないか。
  
※クリックすると大きくなるよ

いざ食べようとすると、どこから手をつけても肉かキャベツがこぼれる。できれば取り皿がほしいね。
唐揚げは、ややしょっぱい大きめサイズが3個、焼肉は、玉ねぎとニンニクの芽と一緒に、甘辛いタレで炒めてある。
で、正直余計だと思ったのが、とんかつにベットリと付着しているガーリックマヨネーズ
ニンニク風味が重なるし、ただでさえクドいのだから、普通のマヨネーズがよかったなあ(←たいして変わらないのでは?)。
おまけに、ひと口サイズだと思っていたそのとんかつが、焼肉と玉ねぎに隠れていただけで、
実際は大きめのとんかつだったため、かなりウンザリ…いや、ビックリ。


ガリマヨと大量の肉に苦しみ、途中で食べるスピードがやや鈍ったが、なんとか完食。
満腹感はもちろん、肉を喰った、という満足感もかなりのものだ。
肉がさらに増える「W盛り」+360円もあるそうなので、大食漢の方は挑んでみては。
蛇足だけど、この日のみそ汁は、具材がもやし2本のみと、異様にショボかった。以前からそうだっけ?

ついでに令和2年の初餃子は…友人と入った、居酒屋『テング酒場 川越店』の「餃子」。
正月から飲もうとしたら、チェーン店しか開いてなかったので。確か10個で480円くらい…そんなに安くないかな?


「自家製」らしく、味は悪くなかったけど、どこかで食べた記憶のあるテイスト。
さっき、HPでメニューを再確認してみたけど、「水餃子」はあるけど「焼餃子」が見当たらない。
年末に売れ残ったのを焼いたのかな…まあ、焼き餃子とは元々、そういう食べ物だからいいけどさ。
久々に入った『天狗』系列の居酒屋は、接客も悪くなかったし、心地よく飲めたよ。

最後に、川越の街を探索していて、私の心をつかんだ風景として、
「パの電灯が消えたパチンコ屋」の写真を掲載。


いいトシこいて「わ~チンコだ~!」とはしゃぐ、精神年齢の低い私を振り返らせたのは、
私を説教するかのように音色を響かせる、川越名物「時の鐘」であった…というのは真っ赤なウソである。
鐘の鳴る時間は1日4回と限られているらしいし、そもそもパチンコ屋とは場所が離れているからね。

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銀座の老舗喫茶店の閉店を嘆く

2020年01月01日 | その他
年が明けたけど、喪中ゆえおめでとうの挨拶は控えさせていただく。
今年も、前回の日記(ケイリングランプリ)には触れることなく(泣)、無関係な話題から始める。

私がよく見るサイトに、「開店閉店.com(ドットコム)」というものがある。
文字通り、全国各地区から投稿された、店舗や施設の開店・閉店情報が掲載されているサイトで、
主に私がチェックするのは、「閉店情報→東京」カテゴリー内の“飲食店”である。
個人的に嫌いなチェーン店、たとえば『ワタミ』(←名前出すなよ)の閉店に喜ばされる反面、
かつて訪れたことのある、個人経営飲食店の廃業を知り、驚き悲しむケースの方が圧倒的に多い。
特に昨年は、私が好きだった食堂、ラーメン店、居酒屋の閉店が多かった気がする。
中でも最大のショックが、銀座の喫茶店『珈琲 蕃(ばん)』が、大晦日に閉店していたことだ。

※「開店閉店.com」サイトに投稿された、@okada_yoshihiroさんのツイートより

こちらのお店は、銀座3丁目にある、いわゆる【純喫茶】。
店名通り多彩な珈琲に、紅茶やジュースなどの飲み物のほか、ケーキやトーストなどの軽食類も提供。
銀座にしては価格が安く、いまどき珍しい「全席喫煙可」でもあり、コーヒーマニアや愛煙家たちで、連日にぎわっていた。
こちらがお店の外観。2019年3月、日刊ゲンダイの記事より拝借。黒塗りの看板が渋い。

(C)日刊ゲンダイ

ゲンダイの取材に応じたお店関係者は、「東京都の禁煙条例」に困惑している様子だった。
突然の閉店との関連は謎だが、愛煙家ではない私も、こちらの店がなくなるのはさみしい。
とはいえ、コーヒーが苦手で、喫茶店で時間をつぶす習慣もなく(時間つぶしなら飲み屋を選ぶ)、
まして銀座に行く機会も少ない私は、こちらのお店を利用したのは、ほんの数回。
なので写真も、だいぶ前に立ち寄った際にガラケーで撮った下記のものだけ。


こちらのメニューは「メロンクープ(Melon Coupe)」という名前で、
私が愛飲する、毒々しい色のメロンソーダ(←愛飲するなよ)とは異なる、高級メロンシェイクのような飲み物であった。
近所にウインズもあり、タバコOKのため利用客の大半はオッサンだったが、私にとっては居心地のいいお店であった。

ここから唐突にハナシは変わり、お正月らしい内容に…なることはなく、
特撮番組「ウルトラ」シリーズの話題に。本当に唐突かつ正月と無関係でスマン。
だいぶ前にも書いたが、私はガキの頃から怪獣特撮ものが好きで、特にウルトラシリーズのファンだった。
夢中で見たのは『ウルトラQ』~『ウルトラマン80』までの昭和時代だけだが、そこそこ詳しいと自負している。
ただし、今回語るのは怪獣ではなく、ウルトラヒロイン=女性キャラだ。
一番有名なのは、『ウルトラセブン』のアンヌ隊員(ひし美ゆり子さん)だろうが、

※詳細は拙ブログ地球を守る中華食堂!? 調布『台北飯店』で確認を

私がもっとも敬愛し、なにより誰よりも美貌だと信じて疑わないのが、『ウルトラマンA』の美川隊員である。
下記画像は、今でもなぜか保持している、「ウルトラマン大百科」内のページを撮影したもの。

(C)ケイブンシャ

「あ、この左端の女性、見たことある」という方もいると思うが、
残念ながら、左端は南夕子隊員で、ウルトラマンAに変身する方。つまり別人である。
彼女(芸名は星光子さん)もきれいだが、私が愛してやまない美川のり子隊員は、一番右側にいる御方である。
わかりやすいよう、彼女がアップになっている画像も紹介しよう。
どうだい、この美しさ!


もちろん、隊員姿じゃないときも美人!


画質や撮影者(私)の腕が悪く、美川隊員の美しさを、うまく伝えられないのが無念。
また、彼女は声もステキでね。身体全体から漂う気品が、画面越しでも伝わってくるんだよ。
よかったら、「ウルトラマンA 美川隊員」で画像&動画検索し、彼女の美しさを確かめてみてくれ。

とにかく、ウルトラヒロインの最高峰は美川隊員!
これは、○牛丼は吉野家 ○カップ焼きそばはペヤング ○食べロガーはクズなどと同様、
私が常日頃から繰り返し述べている、絶対に譲れない持論のひとつである。
彼女の魅力について、詳しく語りたいところだが、ここで再び、冒頭の銀座の喫茶店に戻ることにする。

昨日閉店した、『珈琲 蕃』のオーナーは未見の私だが、オーナーの奥様にはお会いしたことある。
その奥様こそ、美川隊員を演じた、西恵子さんだったのである。
美川隊員が働く喫茶店がある! その情報を知った私が、すぐにお店に向かったのが今から約10年前。
当時は食べログを見ることもなく、「ウインズ銀座の近く」という情報だけを頼りに周辺をさまよい、
ようやくお店を発見したとき、ひとりの女性が「じゃあお先にー」と従業員に声をかけ、店を出ていった。
今のは…美川隊員だよな!? やはり情報は本当だったのだ。
憧れの女性が通り過ぎるのに声もかけられず、やるせない気持ちのまま入店し、紅茶を飲んでその日は退散。

数日後、前回よりもう少し早い時間に訪問してみたら、おお、美川隊員がエプロン姿で働いていらっしゃる。
しかも、私が着席したテーブルに、お冷とおしぼりを持ってきてくれたではないか。
絶好のチャンスを迎え、さすがの私も勇気を振り絞って話しかける。「あ、あ、あの…み、美川隊員の御方ですよね」
よく覚えていないが、私は緊張すると、裸の大将のような話し方になる。
このときもそうだったと思うが、西さんは気持ち悪がることなく「はい、そうです」と笑顔で返答してくれ、
「よくいらしてくださいましたね」とまでおっしゃってくれた。ああっ、来てよかった!

ファンがよく来店するのか、西さんは慣れた様子で、当時の思い出など、いろんなことを聞かせてくれた。
図々しく、サインをお願いしたら快諾してくださった。これが、そのサインだ。


「正田さん江」がうれしくて、今見ても涙がちょちょぎれそう。
その後、店内にある西さん関連のグッズや雑誌などが設置してあるコーナーに案内していただき、
さらに記念撮影にも応じてくれた。あの瞬間の感想はもちろん↓
ああっ、生きててよかった! だ。


写真右側、黒いコートの男=私は、感極まり泣きそうな顔をしていて見苦しいのでカット。
ウルトラマンA放映時、24歳だった西さんだが、その後も美貌を保持しているのには驚かされた。
異次元人ヤプール(※注)の策略により、彼女の周囲だけ時間が止まっているのかもしれない。
(※注)ヤプールとはウルトラマンAに出てくる敵で、「西さん写真」の背後ポスターにいるやつ
そんな彼女を前にした私は、あたかも「きれいなお姉さんの前でモジモジする思春期の少年」のようであった。

その後も何度か通ったが、お客さんも多く、西さんも忙しそうだったので、「あ、ど、ど、どうも」と会釈するのみ。
さっきキモイ表現をしたように、彼女の前では思春期少年(&裸の大将)となってしまう自分が恥ずかしく、
最近はお店に足を運んでなかった。まあ、いつでも会えると思っていたからねえ。
『珈琲 蕃』の閉店に関する、詳しい情報を求め、同じくウルトラヒロインで西さんと親交もある、
先述のアンヌ隊員こと、ひし美ゆり子さんのブログを、昨夜拝見したところ、
やはり閉店は事実だったが、そこには、ひし美さんと一緒に微笑んでいる、西さんの画像があった。
つい最近、ウルトラ関連のイベントに、当時の俳優陣が出演したらしい。
お店は閉店したが、西さんは10年前と変わらずお元気そうで、ファンとしてうれしい。
せっかくなので、ひし美さんのブログ記事の「いいね!」ボタンを押しておいた。
彼女は著名人ゆえ、ボタンを押した私のことなんか気にしないだろうが、万が一、私のブログをのぞきに来たら、
最初に表示されるのが、前回の「ケイリングランプリ」投稿。これは不気味だろうなあ。

以上、わざわざ元日につづった今回のブログ。言いたかったことを改めて繰り返すと、
○美川隊員はステキ ○『珈琲 蕃』の閉店は残念
あともうひとつ。○今年も当ブログをよろしくお願いします、だな。
コメント (4)
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