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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

敗因はおそらく… -日大三高野球部2021 完結編-

2021年08月31日 | 高校野球
今日で8月も終わるのに、先月の母校野球部の試合について、まだ記していなかった。
単に、負け試合ゆえ筆が進まなかったのもあるが、敗戦という結果について、私なりに考えを巡らせていた面もある。
以下では、自称スポーツジャーナリストの私が、約1ヶ月間の熟考で導き出した、敗戦理由を記していく。
なお、わかっているとは思うが、以下の内容はすべて、私の想像・妄想に基づくもので、確たる証拠はない。
そもそも、1ヶ月間の熟考という表現自体もウソである。

まずは試合の結果から。ここまでの勝ち上がりについては、こちらを参照してほしい。
7月29日 準決勝 対国学院久我山(東京ドーム)
三011000010→3
久02010100X→4

 (C)日刊スポーツ

このときボヤいたように、準決勝の入場券を買えなかった私は、やむなく自宅でTV観戦。
以下で、準決勝の経過を簡単に、三高側の目線で振り返ってみる。
当日、安焼酎の麦茶割を飲みながらという、怠惰な観戦態度で書き留めたメモを、ほぼ忠実に転記した。
表(先攻)が日大三で、裏(後攻)が国学院久我山。試合の流れに無駄な記述もあるが、ご了承願いたい。

1回表 先頭星のポテンヒット2塁打でチャンスも、斎藤バントできず、その後も凡退で無得点。今日も貧打か…。
1回裏 三者凡退に抑えたが、宇山はやはり、空振りが取れない。
2回表 フライ連発で2球で二死。しかし鎌田がまさかの先制アーチ。ドームは球が飛ぶ?
2回裏 先頭打者四球で招いたピンチを、センターフライ→星の落球で追いつかれる(記録は安打)。
その後も下位打線に安打を重ねられて逆転。頼むよ宇山…。
3回表 星が汚名返上のソロホームラン。やはりドームは球が飛ぶ。その後はフライ2発。三高ここまで、9アウト中6つがフライ
3回裏 二死からヒットを打たれるも、4番と6番から三振を奪った(この日3個目)。
4回表 三者凡退。TV解説者の「久我山エース、無駄なボール球がない」という指摘に同感。
4回裏 二死からタイムリー3塁打を浴び、早くも二度目のタイムも、どうせたいした助言はあるまい。
その後のピンチは土屋の好守備で凌ぐ。
5回表 2、6、8、9番が自動アウトでは苦しい。この回は8番からで、やはり三者凡退。
5回裏 この回も二死2ストライクから被安打で満塁に。三者凡退で流れを作りたいのに。ここまで宇山、球数多し。
6回表 二死から井坪が安打も無得点。久我山エース、本当に無駄なボールがない
6回裏 先頭打者がサード川島のエラーで出塁。一死一三塁となり、内野ゴロの間に痛い失点。
7回表 川島の見逃し三振はボール臭かった。ツキもない。三者凡退だったが安田に代打策はなかったか。
7回裏 初回以来の三者凡退。流れが来るか。しかし次回は宇山から。
8回表 宇山に代打朝倉を起用。四球で久々の無死からの走者。星も安打でつなぎ一三塁。
斎藤の浅い外野フライが犠飛となり、1点奪うも後続断たれる。
8回裏 岡村が登板。ベンチから視線を送る宇山、泣きそうな表情。先頭を四球で出塁させるも、なんとか抑えた。
9回表 1点を追う最終回。土屋初球打ちでフライアウト。代打山岡サードゴロも悪送球で出塁。
ヘッドスライディングしなければ二進できたのに。鎌田サードゴロで走者入れ替わり二死一塁。
代打に一発屋の林。よくボールを見て3-1と打者有利のカウントとなるも、ライトフライで敗戦。

上記の赤字部分が、私が重視したポイントだ。
以前から指摘していたフライアウトの多さは、最後まで修正できなかった。
観戦仲間のひとりが、「ドームは屋根が白く、フライが見づらいので、三高打線には有利かも」
という冗談を口にしていたが、反対に2回裏に三高のセンターが打球を見失い、1点奪われたのは皮肉。

2、6、8、9番が、他の試合も含め、ほとんど出塁できなかったのも痛かった。
9番は投手ゆえ仕方ないが、他の打者は、打順や選手自体の変更を考えるべきではなかったか。
無論、1、3、4、5、7番だって、バカスカ打っているワケではないので、得点力不足はやむなし。

久我山のエース高橋は、終始落ち着いた様子のピッチングで、いわゆる「ムダ球」がないまま9回を投げ切った。
一方、三高のエース宇山は球数が多く、「抑えなければ」という意識が強かったのか、余裕を感じられなかった。
カウント0-2から、バカのひとつ覚えのように1球外すなど、バッテリーへの配球指導に問題はないのか。

数年前の露骨な早実びいきには閉口させられたが(※これは妄言ではなく事実)、
この試合の審判は公平だったと思う。三高に有利なストライク判定もあったし。
相手外野手のファインプレイなど、「ツキ」に恵まれなかったと感じたが、ツキ=運も実力のうちだからね。
なお、実際に生観戦していた方の証言によると、久我山外野陣は、打者によって守備位置を変えるなど、
ちゃんと三高シフトを組んでいたそうだ。こういう情報は、TV観戦じゃわからないからね。
三高外野陣はどうせ、相手の研究はしていないはず。やはり久我山の勝利は、運ではなく実力だったようだ。

私が一番ガッカリしたのは、8回裏に、ベンチで泣き顔の宇山が映し出された瞬間。
半ベソの理由は不明だが、ひょっとして「敗戦を覚悟」!? そうではないと信じたいが、その可能性が高いような…。
今大会の東西東京大会出場校選手名簿で、日大三の欄では、主将の山岡が「大会への抱負」を述べており、
「~一戦一戦全力で諦めず、粘り強く戦っていきます」と締めている。
これは今年だけでなく、例年の主将も「最後まであきらめず」「粘り強く戦う」などと語っていた。
その割には、劣勢時はあきらめたような態度が頻繁に見受けられるのが、ここ数年の三高である。
有名バスケ漫画のセリフじゃないけど、「あきらめたらそこで試合終了だよ」
1点しかリードされていないのに、エースに泣き出されては、チームの士気が下がるではないか。

確かに、秋・春の都大会で準優勝できたのは宇山のお陰であるし、彼が絶対的なエースだったのは認める。
夏の大会も、「オレが抑えなきゃ、チームは勝てない」と気負い、必死に投球していたのだろうが、
そんな彼のプレッシャーを、周囲が和らげることができなかったのか。
久我山の高橋が、平常心で好投しているように見えただけに、なおさら宇山との差を感じてしまった。

準決勝について語ってきたが、そろそろブログタイトルにある、真の「敗因」について述べることにしよう。
直接的原因は、久我山のエースが、ムダ球もなく、終始落ち着いた様子、あるいは平常心で好投したことだが、
そうさせた間接的原因は、「三高に威圧感がなくなったこと」に他ならない。

わざわざ書くことではないが、日大三は高校球界では全国レベルの強豪で、知名度も抜群。
例に出して悪いけど、東海大菅生なんて、東京以外では知らない方も多いはずで、「スガオ」と読めない方もいるだろう。
その点「日大三」は、小学一年生で習う漢字ばかりなので、誰でも読める(笑)。
読み書きはともかく、戦前から甲子園に出ていた三高は、21世紀に入ってから2度も全国制覇を遂げ、
強豪校としてのグレードがさらに上がり、対戦校には試合前から、一種の威圧感を与えていた…と思われる。

ここからは、すべて私の想像ではあるが、東京にある高校野球部約260チームのうち、
三高との試合では、半分のチームが対戦前からあきらめ、そのまた半分は試合序盤、残りの半分は中盤で戦意を失う。
さらに残りのチームのほとんどが、「あの三高と好勝負!」「あの三高に勝つ!」などと、
結果はともかく、「あの三高」と特別視しながら戦っているはず。
相手が強く意識し、気負い、平常心を失い、自滅してもらう。それこそが三高の必勝パターンであり、
さっき記したように、久我山エースが平常心で、三高エースが気負って投げていたのは、通常とは逆なのである。

私が見た限り、三高を特別視せず、平常心で戦っているように感じたチームは、
21世紀以降の西東京ではほんの数校。近年では菅生が、そのうちの一校の仲間入り。ウチが勝てないワケだ。
準決勝は生観戦していないので、ベンチの雰囲気などが確認できないため断言できないが、
今後は久我山も、「三高を意識しない側」に加わってきそうな気配がある。困ったモンだ。
繰り返すが、準決勝の主な敗因は、三高の威圧感の消失である。
いかんせん、独善的な意見で説得力に乏しいが、「威圧感」については、また改めて語ってみる予定だ。

先週の土曜日、来春の甲子園推薦がかかる、秋季東京都大会・一次予選の抽選が行われた。
今年のチームが3年生主体だったので、1・2年生の新チームがどこまで戦えるのか未知数とはいえ、
とりあえず相手関係から、三高の予選突破はまず間違いない。というか、秋季大会でコロッと負けてしまうようでは、
東京中のチームが、「もはや三高、恐れるに足らず」と、呑んでかかってきそうな予感。
そうならないためにも、2022年度チームには結果を出していただき、新たな威圧感をまとってほしいものだ。

「日大三高野球部2022」につづく


追記 
書き忘れていたけど、記念すべき東京都高野連初の東京ドームでの試合。
初ホームラン・初打点・初得点を記録し、歴史に名を刻んだのは日大三の鎌田! 
鎌田よ、いい思い出をありがとう。今後の野球人生に幸あれ!

コメント (2)
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八王子ラーメンの雄『NAGAHAMA』

2021年08月19日 | ラーメン、つけ麺など
先日、八王子でのランチを紹介したとき、
私にとって「八王子のラーメン」とは、『桜島』『壱発』『NAGAHAMA』の3店である、と主張した。
2年前に閉店した『桜島』さんと、 ※画像は「味噌バターラーメン」


今年の4月頃に、「チャーとろラーメン」を食べた『壱発』さんは、


すでに拙ブログで取り上げたので、今回は『NAGAHAMA』さんについて語ってみる。
なお、『長浜らーめん』という店名表記もあるが、他の類似店と区別するため、ローマ字表記にする。

私がこの店を知ったのは90年代末期。友人に「ウマい豚骨ラーメンの店がある」と教えてもらい訪問。
お店の場所は、八王子駅からは少し歩く万町にあり、路駐で食べにくる客も多かった。
濃厚な豚骨スープに細いストレート麺を合わせ、麺は硬さが選べてお替わり「替玉」もできる、
博多スタイルのラーメン店が、多摩地区には少なかった時代ゆえ、お店は連日大繁盛。
私自身も、都内の人気店『なんでんかんでん』よりも、安くてウマいと気に入り、※当時はラーメン500円
八王子で飲んだ帰りや、友人宅での徹マンの休憩時間に、何度か食べに行ったものである。 
早朝まで長時間営業していたが、どの時間帯にも行列があった。

ただ、常に混雑しているためか、ろくに清掃はしておらず、卓上はいつも汚く不衛生。
路駐が多いように、客層はよろしくなく、そんな客に負けず劣らず、店員の応対もひどい(嘆)。
ラーメン自体は気に入った私も、他の諸条件が劣悪すぎて、一時期通うのをやめており、
久々に訪問したら、豚骨スープに魚介風味が加わっていた!

はっきりとした時期は覚えてないけど、豚骨+魚介に変わってから、もう16年くらいは経過しているはず。
食べログとか個人ブログなどには、いまだに「こんなの博多・長浜ラーメンじゃない!」なんて怒ってるヤツがいるけど、
「まだそんなコト言ってるのかバカ!」とツッコんでやりたい。
NAGAHAMAは魚介を含むことは、この数年間、いろんな人間が訴え続けてきたから、
伝聞やネットですでに知っているはずなのに、わざわざ文句つけるなんて、白々しいというか稚拙だよ。
ただ食べロガーの場合は、文章力も読解力もないし、友人も少なそうだから(笑)、本当に知らない可能性もあるな。

これは未確認情報だが、NAGAHAMAの創業者は、福岡でなく別の長浜という町(四国?)の出身で、
「“博多長浜”とは名乗っていないので、どんなラーメンを出そうが問題ナシ」という擁護論を聞いたことがある。
確かに、今年京王八王子駅近くで開業した店舗には、店頭看板に「本場」「豚骨最強」とは記してあるが、


「九州」や「博多」とは、どこにも書いていないので、なんら問題はない…のかな。
なお、NAGAHAMAは万町の店舗が本店だったが、八王子の梅坪という地に移転し、その後閉店。
現在は八王子バイパス店、相模原店、世田谷店の3店が同グループで、京王八王子の店舗は、どうやら別会社の傘下らしい。
最近新設した本家ツイッターを見ると、「この3店舗以外は無関係です」と、露骨にヨソ者扱いしてる。
かつては中野駅の近くにも支店があったが、こちらも昔あった、NAGAHAMA公式サイトでは無視していた。
また、八王子市内には『長浜家』と名乗るお店があり、店主は万町本店の元店員との噂もあるが、詳細は不明。

さて、魚介風味が加わったNAGAHAMAラーメンだが、前の方が良かったという意見も当然あったが、
私は「これはこれでウマいではないか」と、好印象。以前と同様、替玉を2回注文し、スープも飲み干した。
その後は、来店頻度は減ったが、八王子球場での試合観戦後に立ち寄ってみたところ、
昼間の時間帯だったからか、態度の悪い店員はおらず、普通の若い男女がマジメに働いていた。
万町の本店で食べたラーメンは、だいぶ前に撮ったガラケー画像しか残っていない。


同じ日に、餃子と味玉、そしてビールも頼んでいたらしい。母校野球部勝利の祝杯かな。


この頃の「長浜ラーメン」の価格は600円。「ギョーザ」は親愛なる(笑)食べログのデータによると480円だった。
NAGAHAMA餃子は一期一会だが、ごくフツーの味だった記憶がある。

別グループらしい、京王八王子の店舗で、現在提供している「長浜ラーメン 塩」は650円。

※味玉は+100円

画質のせいか、本店の方がスープが濃く見えるが、実際に食べた印象も、京八店の方が若干ライトだった。

さて、先述した「本家3店舗」だが、私が訪問したことがあるのは、八幡山駅近くの世田谷店のみ。
3店舗は独自の進化(?)を遂げており、醤油味と味噌味が基本メニューで、白いスープの塩味はない。
こちらが「とんこつ醬油」。もはや九州ラーメンの面影はない


きくらげの代わりにメンマが入り、一般的な「八王子ラーメン」では必須の刻み玉ねぎも乗っている。
上記画像は数年前、コロナ禍前に入店したときに撮影。当時の価格は600円で、現在は700円らしい。
唯一、長浜らしさを感じさせるのが細麺。繰り返すが、「博多長浜」とは名乗っていないので問題はない。


魚介風味も強く、本店とはずいぶん異なるテイストだが、これはこれで美味しいのである。

最後に、母体とは無関係かもしれないが、ラーメンの見た目だけはかつての万町本店に近い、
京王八王子店を再訪したときの様子をリポート。まずは券売機の写真から。


まずは【つまみ】カテゴリーから「チャーシュー皿」400円と、【トッピング】の味玉100円を注文。


チャーシューはラーメンに使用するものより厚切りで、提供前にバーナーで炙る。
ねぎの上にかけられたタレも、ただ辛いだけでなく、ほんのり旨味や甘味もあり、
ビールが進むひと皿である。あ、「である」じゃなくて「だと思う」だ(笑)。
※追記 このときは緊急事態宣言下で、酒類販売を禁止していた時期だった

おつまみでいい気分に(?)なったあと、シメのラーメンを注文。
前回は塩味を頼んだので、今度は「長浜らーめん 醤油」650円にした。


個人的には、本家の3店舗には入っていない、細切りではないきくらげが好きなんだよね。
醤油ダレが入るため、スープは茶褐色。丼は開口部が意外と広く、見た目より多く感じる。


いつものように、おつまみの残りをプラスし、食べ始めることにした。


醤油ダレと合わさることで魚介風味が引き立つため、塩味よりウマい気がする。
当然のように替玉100円の食券を購入したが、前回乗っていた「チャーシューの端っこ肉」が今回はなかった。


端っこ肉のオマケより気になっていたのが、下記貼紙の一文。ティッシュをよけて撮ればいいのに…。


「替玉注文した客には、スープ継ぎ足し無料」。これは嬉しいサービスだ。
1度ではなんとなく申しわけなかったので、2度目の替玉を注文するタイミングで追加スープもお願い。
だいぶ減った状態の丼を店員さんに渡すと、


替玉と熱々のスープが入った丼が帰ってきた。ピンボケはいつものことだ。


継ぎ足しはスープのみなので「卓上のタレを追加してください」とのことだが、
その前にスープを飲んでみたところ、塩味はないが豚骨のコクはしっかり感じられた。
前菜のおつまみに、麺を計3玉たいらげ、満腹になったところで退散。
本家とは違うのかもしれないけれど、私はここのNAGAHAMAラーメンも好きだ。
隣に4軒、ラーメン店が並ぶ激戦区だが、負けずに頑張ってほしい。

以上、私が選ぶ「八王子ラーメン3トップ」の一角、NAGAHAMAについて語ってみた。
ムカつく部分も含め、思い入れの多い店だから、ずいぶん長くなってしまったが、
これでも、「麺を7玉食べたらTシャツ贈呈」、「中野店はガス爆発で滅亡」、「世田谷店での特別サービス」など、
泣く泣く削った文章もあったので、それらも別の機会に、改めて紹介したい。



NAGAHAMA 長浜らーめん 京王八王子店(※)
東京都八王子市東町1-3
京王線京王八王子駅から徒歩約2分、JR八王子駅から徒歩約3分
営業時間 11時~翌2時 現在は20時閉店
定休日 無休らしい
※「京王八王子店」は、私が付けた仮称であり、実際の店名ではありません
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再び「とつげきラーメン」を求めて 中野『寿楽』

2021年08月16日 | 中華食堂
昨年夏、中華チェーン『天下一』の「とつげきラーメン」について書いた。詳細はこちら





とつげきラーメンは、現存する天下一では代々木八幡店でしか提供しておらず、
天下一自体も店舗数を減らしているため、このまま「幻のメニュー」になってしまうのでは…と危惧したものである。
追記 数日後、代々木八幡店の閉店が判明!

該当記事に対し、「ねぎみそらーめん」と名乗る方から、以下のコメントが寄せられた。
(前略)中野駅南側のラーメン専科 寿楽に行きましたが、トツゲキラーメン有りました!
天下一から別れたラーメン専科なので、同じ系統かも知れませんね。


おおっ、ありがたい情報提供! ねぎみそらーめん様、ありがとうございます。
さっそく「中野 寿楽」で検索。確かに、メニューに「トツゲキラーメン」がある。
天下一と寿楽の関係は初耳だったが、さっそくお店に駆けつけた。

こちらが『寿楽』中野店の外観。看板には天下一でもよく見かけた、「ラーメン 餃子専科」の文字が。


お店の場所は、以前紹介した『中野大勝軒』の裏側あたり。
店の存在は知っていたが、年季の入った外観(言葉選んでるよ)が気になり、利用したことはなかった。
入口で消毒を済ませ、カウンター席に座る。厨房には、ベテラン風の職人がふたり。
酒類は販売休止時期だったため、いきなりトツゲキラーメン680円を注文。
麺類には+200円で「半チャーハン」(ご飯類には+200円で「半ラーメン」)が付けられるので、そちらもお願いした。
主なメニューは下記のとおり。こちらが麺類・ご飯類。下部分が切れちゃってゴメン。


こちらは裏面。定食類、一品料理、ドリンクなど。


ラーメン420円、最高値の定食でも800円と、全体的にお手頃価格だが、メニュー上部分には、さらに衝撃の一文が!


◎うれしいサービス 餃子2ヶ付き!
↑久々に最大文字で表記してみたが、餃子好きにとってはまさに◎=二重丸のサービスである。
この餃子は、すぐに出せるよう、まとめて焼いたものを専用鉄板の上で保温しており、
トツゲキラーメンや半チャーハン、さらにお新香と一緒のお盆で提供された。


餃子は、味やサイズは普通で、焼き置きらしいフニャッとした歯触り。まあ、無料だしね。


半チャーハンは、本当に半分くらいのサイズ。焼豚ではなくハムを使用し、ほんのり化学調味料の味。


ただ、ご飯はちょうどいい硬さに炒められており、具材との混ざり具合も最高。いいチャーハンである。
そして、お目当てのトツゲキラーメンのアップがこちら。


餃子の中身を玉子でとじたものを、塩ラーメンと合わせるのが、私が知っている天下一の「とつげきラーメン」だが、
寿楽さんでは、肉団子状に丸めた生のひき肉を、ニラと玉ねぎと一緒にスープで煮込み、最後に溶き玉子を加えていた。
鷹の爪も入るスープは、オレンジ色でちょいピリ辛。川崎発祥の「ニュータンタン麺」みたい。


原材料は類似しているが、完成形がやや異なっている寿楽風とつげきラーメン。
途中でサービス餃子のひとつを投入し、天下一スタイルとの融合を試みたが、特に意味なし(笑)。


お通し餃子が気に入ったので、酒類が解禁になったらまた来ようと決めた。

再訪したのは、一時的に酒類提供がOKだった、7月上旬。
さっそく「瓶ビール」450円と、大好きな「肉と玉子とキクラゲ炒め」の単品をオーダー。
すぐにビール中ビンと、サービス餃子2個がやってくる。これだけで1本飲んじゃう客もいそうだ。


まもなく、チャーハンと同様に手際よく炒められた、KTI=キクラゲ玉子炒めが登場。


上記画像だとキクラゲが多めに見えるが、実際は肉と玉子もバランスよく組み合わされていた。
食べてみると、どの食材も最適な状態に炒められており、濃い味のタレとしっかり絡む。
先客が頼んだ、「肉と野菜のカレー炒め」もウマそうだったし、寿楽さんは炒め物がオススメかもしれない。

ビールをお替わりするタイミングで、餃子も追加。当然サービスの方ではなく、メニューに載ってる「餃子」の方だ。
すると、サービス餃子を保温している鉄板とは別の鉄板で、新しい餃子を焼き始めてくれた。
さすがに有料の餃子は、焼き置きをそのまま出すような仕打ちはしないよね。
しばらくして、単品餃子がやってきた。1人前6個で400円。


冷めたサービス餃子を食べている、周囲の客に見せびらかすように頬張ってやったが、多分誰も見ていない(泣)。

飲み食いしてお腹いっぱいになってきたので、締めることに。
醤油味のスープを欲したので、「ワンタンメン」を選択。これで580円とは、昭和価格だよね。


具材はチャーシュー、メンマ、ノリ、ほうれん草、ネギ、そしてワンタン。
特筆したいのが、ひき肉がどのワンタンにも入っていること。


昭和の時代は、皮から肉がこぼれ落ちた、「具なしワンタン」が主流だったのに。 ※あくまで個人の感想です
懐かしい醤油味のスープは少し残したが、あとは全部食べ切り、大満足で「ごちそう様です」。

トツゲキラーメンを食べることはできたし、サービス餃子も寿楽飲みも体験した。
けれども、最初の方で触れた「天下一と寿楽の関係」は、まだ謎のままである。
気になるならば、聞けばいい。というワケでつい最近、3度目の訪問を果たした。

酒類提供禁止期間ゆえ、この日は食事のみ。ご飯メニューから「スタミナ丼」680円をお願いしてみた。
まずはお肉だけを炒め、ニラは炒めず油通しし、タレをかけて卵黄を乗せ…スタミナ丼が完成。
お新香とスープ、そしてサービス餃子も当然付いてくる。


スタミナ丼の器も大きいし、これで680円は安すぎるでしょ。


食べてみると、いわゆる「すた丼の店」とは異なり、ニンニク風味はせず、甘じょっぱいタレの味が主体。
愛しの黄身ちゃんを崩し、肉やご飯などと絡めて、レンゲで一気にかき込めば…昇天するほどウマい。
ポイントは、ニラの存在感。炒めていないから、シャキッとした歯応えが残っている。
全部たいらげ、しっかりスタミナが付いたところでお会計。そして、職人さんに取材…というか雑談。

「あの、ここ寿楽さんって、天下一ってチェーンと関係あるんですか?」という私の質問に対し、
店主と思われる方の職人さんが、「イヤ、あそことは関係ない。全然別ですよ」とご回答いただいた。
寿楽という店舗はいくつかあるが、中野店はとりあえず、天下一とは無関係らしい。
職人さんが引き続き、いろいろ語ってくれたので、喜んで耳を傾けることに。
「寿楽も昔は都内に20店舗くらいあったんだけど。今は5~6店くらいかな。やっぱり人材がいなくてね…」
労働時間も長いし、夏は暑くて大変ですからね、と私が相槌を打つと、
「そうそう、昔はこんなに暑くなかったけど、最近は厨房にいられない」
確かに、強い火力での炒め物や、麺を茹でる大量の熱湯などにより、真夏の中華厨房は地獄と化す。
「毎年、夏になると体調を崩す」と嘆く職人さんに、まだまだ元気そうに見えますよ、と返答したら、
「まあオレの場合、夏場は(酒を)飲みすぎるのが原因だけど」と告白し、ガハハハと笑い始めた。
私もつられて笑い、「また来ますんで、どうかお元気で!」と告げて退散した。

近年、「街中華」と呼ばれる食堂がどんどん減っている。最大の理由は後継者問題であり、
次が廉価チェーンやコンビニなど、ライバル店の台頭による売上減だと私は考えていたが、
実は最近の日本の猛暑も、理由のひとつかもしれない。
寿楽さんも大変だろうが、店主らしき方が元気に酒飲んでるみたいだから(笑)、しばらく安泰であろう。
緊急事態宣言が明けたら、また【寿楽飲み】を復活させるつもりだし、
今回ブログの主題でもあった、「とつげきラーメン」探索の旅も再開予定だ。
どうやら、埼玉の寿楽にも「とつげきラーメン」があるらしいし、『天下一』と『寿楽』の関係についても知りたい。
拙ブログでは引き続き、とつげきラーメン及び天下一チェーンの情報を、お待ちしております。



中華料理 寿楽
東京都中野区中野3-32-10
JR中野駅から徒歩約4分、地下鉄新中野駅からも徒歩圏内
営業時間 11時~22時、土日祝は21時まで 最近は20時閉店
定休日 年末年始ほか、ごくごくたまに不定休
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幻の中華街から引き継がれた逸品 立川『陳建一麻婆豆腐店』

2021年08月12日 | スイーツ、おやつ
私の地元立川市には、『グランデュオ立川』という駅直結のビルがある。
オープンしたのが1999年で、当初は「立川中華街」と呼ばれたフロアがあった。
 (C)グランデュオ立川

要するに、中華料理店ばかりのレストラン街で、フロア全体も中華風の装飾が施され、
中華の食材や雑貨を扱うお店や、ちょい怪しげな中華風占術(?)のコーナーもあったはず。
開業当初は、バカなTVや雑誌が、「横浜の中華街にも匹敵」などと報じていたが、
横浜の方々だけでなく、地元住民ですら「そんなワケねーだろ!」とツッコんだものだった。
肝心の料理は、大半のお店が高くはないが安くもなく、マズくはないがウマくもなく、
際立った特徴がなく、接客は当然よろしくなかったため(←安定の立川クオリティ)、
21世紀に入ると私は利用しなくなり、気付いたら立川中華街はなくなっていた。

現在のグランデュオ立川には、「ごちそうダイニング」という名称のレストラン街があり、中華料理店が3つある。
その中のひとつが、今回のテーマである『陳建一麻婆豆腐店』
他の2店は知らないが、こちらのお店は立川中華街時代から存在し、人気を誇っていたお店で、
中華街滅亡後も、同じフロア内で営業を続け、連日多くのお客さんで賑わっている。
調べたところ、支店が全国に5店舗あるようだが、最初の開業は立川店であった。

屋号からおわかりだろうが、こちらは中華の鉄人でおなじみ、陳建一さんが手掛ける麻婆豆腐のお店。
単なる名義貸しではなく、レシピを考案したようなことが、かつてのお店メニューに記してあった。
オープン当初は、「日本初の麻婆豆腐専門店」とアピールしており、
専門店らしく料理のメニューも、「麻婆豆腐セット」「ザーサイ」「杏仁豆腐」の3種しかなかった。
なので当時は、着席した途端、「麻婆豆腐セットでよろしいですね」と確認されたものである。
その麻婆豆腐セットは、当初の価格が1000円、22年たった今は1200円。
メインの麻婆に、ご飯、スープ、ザーサイ、追加用の調味料(後述)が付いてくる。


丼や茶わんではなく、平皿に盛られたご飯に、カレーライスのように麻婆をかけて食べる。
ご飯はお替わり自由(現在はスープも)だったので、私は毎回、3皿は食べていた。
お店の看板商品である麻婆豆腐は、なかなかの辛口。ご飯が欲しくなるワケだ。


唐辛子由来のヒリヒリする辛さではなく、それまでに経験のなかった痺れる辛さ。
その要因が山椒(花椒)にあると、これもお店のメニューで説明してあり、
さらに刺激を求める客のために、追加用の香り山椒としびれ山椒、四川唐辛子が小皿で提供されていた。
現在は小皿ではなく、小瓶に入ったものが卓上に置かれている。


20世紀末期はまだ、麻辣(マーラー)なんて概念が世間に知れ渡っておらず、
麻婆豆腐自体、「丸美屋」や「マボちゃん」などで作るものしか知らない立川市民(私だけか?)にとって、
陳建一シェフ考案の麻婆豆腐は、未知との遭遇であり、オンリーワンの味であった。

そんな陳建一麻婆豆腐店だが、実は私、立川中華街と同様、21世紀は足を運んでいなかった。
今回のブログ画像はすべて、今年撮影したものだが、実に21年ぶりの入店だったのである。
ご無沙汰してしまった最大の理由は、いつも混んでいたから
コロナ禍の最近こそ待たずに入れるが、以前はほとんどの時間帯で、店頭に行列があった。
並んで食べるにしては、千円はややお高いし、ご飯がベチャベチャでウマくないなどの不満もあった。
あの頃は、お替わりさせないため、わざとマズく炊いているのか、と疑ったほどである。
久々に食べたら、ほど良い炊き具合になっておりひと安心。当然のようにお替わり。


麻婆豆腐も変わらず美味しかったし、厨房もホールも豊富に人員を確保しており、サービスも問題なし。
さすがは、移り変わりの早い立川で、20年以上営業しているだけのことはある。
メニューも増えたようなので、次回はそちらも食べてみようと思い、その日は退店。

つい最近、陳建一麻婆豆腐店に21世紀2度目の訪問。
注文したのは、新メニューとして加わっていた「エビチリセット」1600円。
+200円で「水餃子」が付けられるので、そちらもお願いした。
エビチリセットは、麻婆豆腐セットと容器こそ違うが、ご飯、スープ、ザーサイの組み合わせ。


上の画像にザーサイが写っていなかったので、あとから来た水餃子と一緒に撮影。


水餃子は「スープ」と「ゴマ」との選択で、スープにしたのだが、セットのカップスープと同じ味だった(苦笑)。
期待していたエビチリは、思ったほど辛くはなく、溶き玉子も入ったマイルドな仕上がり。


ビールなどのお酒と合いそうなタイプではあるが、麻婆豆腐ほどはご飯が進まず。
それでも、水餃子を浸して食べたりして、「ご飯お替わり、さっきの半分でお願いします」と1.5杯食べた。

※水餃子はお肉主体であった

中華の鉄人・陳建一さんは、お父さんの陳建民さんも有名な料理人で、
それまで知られていなかった中華料理の数々→麻婆豆腐、エビチリ、そして私の大好きな回鍋肉などを、
日本人の口に合うようにアレンジし、家庭でも作れるおかずの一品として広めたそうだ。
こちらのお店でもいつか、ご飯が進みまくる「ホイコーローセット」を発売してもらいたいな。

ここまで、こちらの麻婆豆腐とエビチリを紹介したが、今回タイトルの「引き継がれた逸品」は、麻婆豆腐ではない。
ブログカテゴリーが、「中華食堂」ではなく「スイーツ、おやつ」だと気付いた方はおわかりだろう。
そう、私が推奨するこちらの逸品とは、スイーツの杏仁豆腐なのである。


既述したように、こちらの麻婆豆腐は、個人的には未知の味わいであったが、
デザートの「ぷるぷる杏仁豆腐」(正式名)も、予想外のビジュアルかつ美味で、さらに衝撃を覚えたものである。

今から20年以上前の杏仁豆腐は、白い寒天みたいなものが、フルーツと一緒にシロップ漬けで提供される、
下記画像のような「フルーツポンチ」に似たものが一般的だった。フルーツポンチって、もはや死語かな?


その白い寒天には、サクランボや「ドクターペッパー」のような、不思議な香りがついていたが、
その正体は杏仁=アンズのタネの中身で、杏仁豆腐独特の芳香を出すそうだ。
陳建一さんがレシピを考案したとされる、こちらの杏仁豆腐は、
フルーツポンチタイプではなく、プリンやヨーグルトのような形状で提供された。
適度な甘さのシロップが少々かかり、真っ白ではなく、ベージュがかった色の杏仁豆腐は、
とろけるようになめらかで、華やかな杏仁の香りが口内に広がる。


辛く痺れる麻婆豆腐を食べたあとの口直しにも最適な、素晴らしいデザートであった。

感激するほど気に入った私は、その後もこちらのお店を訪問するたび、杏仁豆腐は欠かさず頼んだ。
価格は当時が300円で現在は375円。麻婆豆腐と合わせると、ランチにしては高額になるため、
ある日の私は、店員さんの「麻婆豆腐セットでよろしいですね」という、いつもの問いかけに、
「いや、杏仁豆腐の単品、以上で」と返答し、杏仁豆腐だけを食べて帰ったことがある。
麻婆豆腐セットの用意をしていた、厨房の職人がムッとしたのを見逃さなかった。
その次の訪問時は、ムッとされないよう、杏仁豆腐だけでなく麻婆豆腐セットもオーダー。
ただし、「杏仁豆腐は2個でお願いします」とダブルで注文したところ、
店員さんや周囲の客に、「なんだか気持ち悪い客」認定されたような気がした。
自意識過剰かもしれないが、その日以降はなんとなく通いづらくなり、21年間ご無沙汰したわけである。

そして今回、エビチリセットを食べ終わった際、久しぶりに杏仁ダブルとご対面。


エビチリセットには、+200円の水餃子と同様、杏仁豆腐も+100円で追加できる。
なので「追加100円杏仁」に、さらに「定価375円杏仁」も頼んでみたのだ。
何べん食べても美味しく、何べん食べても飽きることがなく。2個どころか5個くらいまとめて食べたい。
陳建一杏仁豆腐は私にとって、最高の中華デザートである。
こちらでは、昔から麻婆豆腐のテイクアウトはあるが、杏仁豆腐はやっていないのが残念だ。

さっきも書いたが、「麻辣」タイプのカラシビ麻婆豆腐が珍しくなくなったのと同様に、
とろけるタイプの杏仁豆腐も、今ではすっかりメジャーになり、コンビニなどでも買えるようになった。
なので、若い世代の方が陳建一麻婆豆腐店で食事をしても、感激は薄いかもしれないが、
私自身は、「立川中華街」の存在は忘れても(笑)、こちらの「ぷるぷる杏仁豆腐」を忘れることはないだろう。



陳建一麻婆豆腐店 立川
東京都立川市柴崎町3-2-1 グランデュオ立川7F
JR立川駅直結 エレベーター次第ですぐ入れる
営業時間 11時~22時 ラストオーダーは30分前
定休日 基本なし
※現在は20時閉店、アルコール提供なし
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太太が作り旦那が運ぶ中華食堂 西立川『銀星』

2021年08月06日 | 中華食堂
今も続けている、【近所の飲食店を巡る(ただし、近所=徒歩60分圏内)】シリーズ。
さすがにこの時期は、60分歩くのはしんどいので、近場のお店に入店するケースが増える。
ただ、立川駅周辺の飲食店は、安くもなくウマくもなく、そのくせ店員の態度が悪い店が多い。
店員のレベルが低い最大の理由はおそらく、立川の伝統である客層の悪さ(苦笑)。
チンピラ、ヤンキー、泥酔者、競輪ファンに競馬ファン…確かに、まともに接客するのがバカらしくなるよな。
とにかく、駅周辺はダメ店員&ダメ客の店ばかり(やや誇張)だが、少し歩けば『らんぶる』さんのような良店も存在する。
今回紹介するのも、立川駅からはちょっと歩いたところにある『銀星』さん。
「ちょっと」と言いつつ、歩くと25分ほどかかるが、青梅線の西立川駅からは4~5分で着くよ。


入ってみたところ、他にはない料理や調味料が楽しめたので、その後も何度か通っている。
こちらのお店、以前はおそばやうどんも提供していたそうだが、現在のメニューは、ほぼ中華料理のみ。

※卓上メニューの表面

初訪問時、お店のおじちゃんにうどんの有無をたずねたところ、「私が体調を崩してから、やめたんです」とのこと。
うどん好きとしては残念だが、餃子や中華も同じくらい好きなので問題ナシ。
当時は酒類提供OKだったので、まずは「キリンビール中ビン」500円と、「焼餃子」400円をオーダー。
すぐにおじちゃん…というか旦那さんが、客席からは見えない奥の厨房にいる、現料理長(?)に注文を通す。
現在は彼がホール担当で、調理担当は中国出身の奥様らしい。一般的な中華食堂とは男女逆なのが面白い。
なお、今回のブログタイトルの「太太」とは、中国語で「奥様」という意味である。

数分後、無料お通しのポテトサラダに、餃子用のラー油と黒酢が運ばれてきた。


読めない漢字がいくつも記されている、黒酢は当然中国産、ラー油はおそらくお店特製。
卓上には市販のラー油も置いてあるが、香りも辛さも明らかに別モノ


ピーナッツらしき豆が入っているのが特徴。 なお、お皿の「一心楼」の屋号は謎。
今調べたら、お店の間近に「一心楼ビル」という建物があるようだが、過去に同名の中華屋さんがあったのかな。
ポテトサラダで1本飲み終わり、2本目の途中でようやく、餃子が焼き上がった。


立派な羽根を付けるのに、時間を要したのであろう。個々の大きさは普通であった。


手作りと思われる餃子は、強烈なインパクトはないものの、さっきのラー油を付けると格段にウマくなる。
個人的には苦手な黒酢だが、ちょびっと垂らしてみたら、ラー油や餃子の味を引き立たせる。
次に頼んだのは、ホワイトボードに書かれた日替わり定食から、「肉とチンゲン菜炒め」のオカズだけを注文。
ありそうで滅多にない料理だが、こちらはすぐに出てきた。女性料理長、手際がいいね。


シャキッと火が通ったチンゲン菜と、豚肉やキクラゲとの歯応えの違いが楽しめる。
チンゲン菜はビタミン豊富で、高血圧予防になるカリウムも多い。いい注文だ、と自画自賛。
そこでやめておけばいいのに、シメのお食事を追加。高血圧には禁物のカロリー過多である。
「麻婆ラーメン」とで悩んだが、「担々麺」をチョイス。お値段はどちらも800円。
出てきたのは、予想とは異なるビジュアルであった。


具材はひき肉とチンゲン菜などの青菜のみ、というのが一般的な担々麺だと思うが、
こちらはモヤシ、ニラ、人参も入っている。鷹の爪も見え隠れするが、辛さは控えめ。
あと、縮れた麺の食感がイイ! この麺ならどんなスープでも合うだろう。


途中で、例の自家製ラー油を入れると、辛味とコクが増す。これを使うため、麻婆ラーメンと迷ったのだ。


まだ食べたことはないけど、このラー油は麻婆豆腐とも、絶対にマッチするはず。
スープもほぼ飲み干し、すっかり満腹になったところで「ごちそう様です」。
旦那さんに「また来ます」と告げて退散。奥様は、とうとう一度も客席に顔を見せなかった。
接客と調理の役割分担が決まっているのかもしれないが、ちょっとさみしい。
余談だが、お店に入ると左側の壁には、日本地図が描かれたカレンダーを掲示してある。
一方右側には、奥様の故郷である中華人民共和国の地図が貼ってあるのだが、中国の方が何倍もデカい
地図の大きさと同様、旦那さんに代わって料理長になったから、奥さん自身の態度もデカいのでは…
というのが誤解だったことは後日判明する。

料理自体は良かったので、銀星さんにはその後も、飲み&食事に何度か利用している。
餃子類を頼むと、例のラー油が付いてくるので、「水餃子」を頼み、お通しの冷奴にも使ってみたりして。


辛さがほどよい、この「ピーナッツ入りラー油」、瓶詰して売ってほしいよ。
「水餃子」は、焼餃子よりやや小さめサイズで300円。


モチモチした皮の中身は、ほぼお肉のみ。酸味が苦手な私でも、ラー油より黒酢の方が合うと感じた。
点心類はハズレがなさそうだと思い、別の日には「春巻」450円も頼んでみた。


餃子は両方とも手作りだろうけど、春巻はどうかな? 銀星さんにしては独自性が見当たらなかったし。
この日のシメには、ワンタンを注文したので、銀星の点心メニューはほぼ制覇。
シメは「ワンタン」単品700円ではなく、壁に貼られた「今日のおすすめ」から、


「ミニワンタンとチャーハン」…を頼んだ数分後に、「ミニワンタンと玉子丼」に変更。
中華風の玉子丼に、なんだか興味をそそられたので。
メニューにはない、天津丼に似たヤツかな、と想像していたところで、セットが登場。


ワンタンは、ミニではなくハーフに値する量。ちゃんとお肉の入ったワンタンに、飾り切りされたカマボコなどが加わる。


醤油ラーメン風のスープはやや薄味。振り返ってみると、こちらの料理は、どれも味付けが濃くない。
そして、フタをされたまま提供された玉子丼は…おなじみの和風スタイルであった。


食べてみると、そばツユのような和風の味付けで、具材は玉子と玉ねぎ長ねぎに青ノリ少々と、いたって普通。
実は銀星さん、メニューには「玉子丼」や「カツ丼」など、以前のおそば提供時代の商品も残っている。
調理法は当然、旦那さんが奥様に伝授したのを、アレンジせずにそのまま出しているのだろう。
日中友好(夫婦なので当然だが)に感激しながら、ガツガツ・ズルズルと一気にたいらげ、
いつものように旦那さん相手に会計をしていると、奥様が厨房から出てきて私に会釈した。
初めて見た女性料理長は、笑顔の素敵な方であり、旦那さんとはかなり、年の差があるように見えた。
言葉も文化も異なる地で、年上の旦那さんが病で倒れたときは、彼女も相当ショックだったはず。
それでも、夫やお店を見捨てて帰国することもなく、新料理長として厨房を守ってきた奥様は、実に立派な方である。
料理の味付けが濃厚すぎないのも、旦那さんの好みや体調に合わせているのかもしれない。

さらに後日、私の大好きな「五目ラーメン」750円を食べたときのこと。


先述した縮れ麺や飾り切りカマボコ、そして野菜に玉子にチャーシューと、豊富な具材に舌鼓を打ち、
いつものようにお会計を済ませたところ、入口ドアがすでに閉まっている。
その際、厨房を通って裏口から出てくれという指示に従い、初めて厨房内をチラ見したところ、
まな板には、仕込み作業中のチャーシュー(ウマそう!)など、いくつかの食材が並んでいた。
豊富なメニューの大半を、奥様ひとりで仕込むのだから、厨房からは出られないのも当然。
接客をしないことや地図の大きさから、態度がデカいなどと勝手に誤解していた、自分の浅はかさを猛省している。
太太こと奥様、銀星さんの厨房を守ってくれてありがとうございます
さっきも書いたが、日中友好を象徴する食堂兼居酒屋として、銀星さんには今後も通わせていただく。
機会があったら、メニューに載ってない、キクラゲ玉子炒めとか作ってもらいたいな。



銀星(ぎんせい)
立川市富士見町1-33-9
JR西立川駅から徒歩約3分、立川駅からは約24分
営業時間 最近はたぶん11時~15時、17時~20時 以前は21時までやってた
定休日 火曜
※餃子などテイクアウトメニューあり
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高校野球・西東京大会初のドーム決勝…をやむなく観戦

2021年08月02日 | 高校野球
東京五輪の影響で神宮球場が使えず、今年の高校野球東西東京大会は、準決勝以降は東京ドームで実施。
観客は上限5千名で、入場券は全席「チケットぴあ」のサイトで前売り。
普段、ネットで買い物をしない(というかできない)私は、準決勝のチケットを手に入れられず。
どうにか、キャンセルで再発された券を買う「リセール」で、決勝戦のチケットだけは購入できたのが準決勝前日。
決勝のチケットが無駄にならないように、明日は絶対に勝ってくれ!
上記青部分は前回日記の結び、母校の日大三高野球部に向けた激励であったが、
準決勝で日大三は無念の敗戦。TV観戦しながら悶絶したのは書くまでもない。

ゲン担ぎに八王子では「カツ」を喰いまくったし、試合前日も「大勝」を願い、
立川の『大勝軒』で、写真の「特製もりそば」950円を食べたのになあ…。


「特製」は普通の「もりそば」に+170円で、パサついたチャーシュー1枚と白髪ねぎが追加され、ゆで玉子が味玉になる。

※つけダレから救い出してみた

正直、お得感の乏しい特製で、これが母校敗戦に影響した…というのは、私の勝手な妄言だ。
試合中は、酒をがぶ飲みしながら、喜怒哀楽・毀誉褒貶を繰り返したため、終了直後は泥酔状態でバタンキュー。
だが数分後には、悔しさと大量の寝汗で、すぐに目覚めてしまう始末。
そうだ、リセールで買った決勝のチケットを、私も他人に販売しなくては、と調べてみたら、
すでに発券したチケットは、リセール不可と判明。ああ、無知ゆえの失策…。


あわてて、「メルカリ」に登録してみたものの、発送や手続きがメンドくさくなってやめた。
チケットは当日、東京ドーム周辺で売りつけるか、ダメなら自分が入場しようと決め、その日はさらに飲酒を重ねた。
毎年のことながら、母校野球部と競輪グランプリ敗戦後の酒は苦い!

迎えた8月2日。私にしては早起きし、サラリーマンたちと一緒に通勤電車に乗り、都内に向かう。
普段の東京ドームでのライブや試合ならば、JR水道橋駅を降りた直後に、
「チケットゆずってください」などと書かれた紙を持っているファンが数名立っているのだが、
この時勢で、しかも観客上限5千名の高校野球では、そんなファンを見つけられぬまま、入口まで来てしまった。


少しは来ていると思われたダフ屋すらも、おおっぴらには活動しておらず。
一応、それらしき風貌の方を見かけたが、「ダフ屋さんですか?」と聞いて、違っていたら失礼だしね(笑)。
巨人戦などを販売するチケット売り場では、係員さんと何やら話し込んでいるおっさんがいた。
あとで聞いてみたところ、「当日券は売らないのか」と質問されたそうだ。
「私は逆に、そういう当日券を買ってくれる方を探している」と告げたところ、
「申しわけありませんが、東京ドームのエリア内では、お客さん同士の券の売買は禁じておりまして…」
要するに「券のない人と会わせるような、協力はできない」ということだ。残念。
その後も数分間待機してみたけど、どうも券を欲しがってそうな人は見受けられず、
転売をあきらめ、私も行列に並び入場することにした。そもそもチケットに「転売禁止」と記されていたしね。
こうして私は、記念すべき東京ドーム初の高校野球都大会決勝を、やむなく観戦したのである。「やむなく」は失礼か。

私が買ったのはS席で、前から13列目。三高が入る予定だった、一塁側の席を選んだはずだが、
なぜかバックネットの真裏で、前から13列目。ドームには何度か野球観戦に来たが、過去最高の席だ。

※写真がヘタだが、ホームベースが間近にあった

一番高いSS席(4000円)は、もうちょっと上の方にあるらしく、角度的にはそっちの方が観やすいようだ。
横並びに8人座れ、席自体の幅は広くなかったが、実際に座っていたのが私を含め3人。
他の列も、せいぜい4人くらいしか着席していなかった。わざと、間引いて販売したのだろう。
密ではないし、ドーム内は日差しもなく、空調も効いていて涼しかったので、快適に観戦できたよ。
とはいえ、私は今後も都大会の大一番は、暑くて狭くて不快でも、神宮球場で観たいね

予定より少し遅れたが、決勝戦のプレイボールが告げられる。


たまたまかもしれないが、この日、私の周囲に座った方々は、試合中はほとんど声を発さず。
せいぜい、隣の仲間と小声で会話する程度で、「大声は控えて」という観戦マナーを守っていた。
私も拍手を送るだけで声は発していなかったが、これがもし三高の試合だったら、
「よっしゃあ!」「ナニやってんだ山岡!」(←個人攻撃はよせ)などとマスク越しに大声を出し、ひんしゅくを買っていたはず。

ああ、そういえばここまで、試合をする高校を記載していなかった。
一塁側が国学院久我山で、三塁側が東海大菅生
菅生に春夏連続で甲子園に行かせるのはシャクなので、三高を破った久我山を応援していた。

先行は久我山。初回に菅生のエラーと安打を絡め、2点を先制。しかし、その裏、菅生もすぐに1点を返す。
3回裏、左中間への打球をレフトとセンターが相互接触。幸運なランニング本塁打となり、菅生が追い付いた。
この一打で流れが菅生に傾き、その後も3ラン本塁打などで加点。
ライトスタンドの久我山応援団も、例の曲(♪「一本だーせよ」、ってやつ)を繰り返し演奏し鼓舞する。


余計なお世話だが、久我山の応援歌は、智辯和歌山の魔曲「ジョックロック」のように、
ここぞ! の場面でのみ使用した方がいいと思う。※智辯和歌山高校、甲子園出場おめでとうございます
そういえば、レフトスタンドの菅生側もそうだけど、学生たちは入場料いくらだったのかな。もしかしてタダ?
ちなみに、2階席と3階席は、客を入れず空席だった。


5回終了時点で久我山3-7菅生。守備のいい久我山に対し、菅生は積極的に次の塁を奪いに行く。
レフト前ヒットで一塁ランナーが三塁到達とか、センター前ヒットを二塁打にするとか。
さっき書いたランニング本塁打も、三高の打者だったら、三塁ストップだったかも。
菅生は7回からふたり目の投手、最終回には3人目を投入する、プロのような継投。
投手の疲労対策として、先発-中継ぎ-抑えといった役割分担を、高校野球界にも持ち込むべきなのかもしれんが、
そんなのは選手層の薄い公立校には無理だし、個人的にはあまり好きになれない。
8回表が終了し、久我山の敗色が濃厚になったところで、席を立った。


結局、8回裏にも得点を追加した菅生が、8-3で快勝。西東京代表として甲子園に向かうこととなった。
仮にもし、三高が勝ち上がっていたら…三高1-10菅生くらいだったかな? 
東海大学菅生高校、優勝おめでとうございます

彼らが歓喜の輪を形成している頃、私は水道橋駅近くの人気立ち食いソバ店『とんがらし』にて、
写真の「選べる3種の天盛り」うどん680円を食べていた。


選べる3種は、紅生姜と玉ねぎのかき揚げ=「べにたま」と、「えび4匹」と「えび4匹」をチョイス。
海老天を2回選んで8匹にしたのが、我ながら大胆というか下品というか…(恥)。
揚げたて・茹でたてのウマいうどんで、接客もヨシ。このお店も、また改めて紹介したい。
※追記 とんがらしは残念ながら、2022年3月に閉店しました

帰宅後は、西東京決勝の数時間後に、やはりドームで行われた東東京の決勝戦・二松学舎vs関東一をTV観戦。
エース秋山の投打にわたる活躍で、二松が5-1で勝利。関一のエースから5点も取るとはスゴイ。
二松学舎大学附属高校、優勝おめでとうございます
ウチが2回勝ってる二松には、ぜひ甲子園でも頑張っていただきたい…と負け惜しみを記しておく。

最後に。今回のドームでの試合は既述したように、夏場にもかかわらず観戦自体は快適であった。
ただ、高校生の額は知らんが、一般入場客の3000円、3500円、4000円という額は暴利であろう。
しかも、チケットぴあの手数料とかで、330円余計に取られたし。
また、密を防ぐためなのか、当日券を販売せず、前売りオンリーにしたため、
私のようなマジメな(笑)高校野球ファンが準決勝を観戦できず、その一方で、転売屋を儲けさせてしまった。
メルカリでは、明らかに定価以上の額で取り引きされていたけど、どうせ高野連は「我関せず」だろ。
そもそも、今日の試合だって、球場内で観たかったのに入れなかった、久我山ファンもいたはず。
転売もできない、間抜けなアナログおやじ(私だ)にチケットを買われたばっかりに…本当に申しわけない。
来年からは前売りはやめて、以前のように当日券を売ってもらいたい
ダメならせめて、中央競馬のように、当日のキャンセル申し込み場&キャンセル待ち希望者の売場を作ってほしい。
いずれにせよ、どの業界でもこれ以上、転売屋をのさばらせちゃダメだ!
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