明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

春季都大会を駆け足で振り返る -日大三高野球部2022-

2022年04月28日 | 高校野球
今から20年以上前、阪神タイガースがセ・リーグBクラスの常連だった時代。
月亭八方さんだったかな? よく覚えていないが、とにかく関西の芸人が語っていたエピソード。
とある大衆居酒屋。この日も阪神は負け、TV中継を観ていた店内の客たちも落胆。
すると、興奮したひとりのおっさん客が「あのボケ、アホんだら…」と、選手や監督を罵り始めた。
わめき散らすおっさんに対し、別の男性客が同意するかのように「まったく、阪神はアカンなあ」とつぶやく。
すると、おっさんは喜ぶどころか、「ナニ、もういっぺん言ってみい! ワシの前で阪神の悪口は許さんで!」と激昂。
怒りの矛先が自身に向けられ、戸惑った男性は、「アンタが先に言うたんやんか…」と反論するも、
「じゃかあしい! ワシはええんや!」と開き直るおっさん。…こんなファンが関西中におるんやから、阪神も大変ですわ。


芸人さんの創作かもしれないけど、こんな阪神ファンは実在しそうな気がする。
というか、「阪神」の部分を「日大三」に変えれば、このおっさんは、ほぼ私である
拙ブログではここ数年、三高野球部の試合について、シロウト目線で好き勝手にリポートしてきた。
不甲斐ない試合をした際は、批判することもたまに(しょっちゅう?)あるが、他人が三高を批判するのは、異様に腹が立つので、
「仰るとおりっス。三高情けないっス」のようなコメントは、もう送ってこないでほしい。
あと、私に同意しているようで、実は持論(たいした意見ではない)を述べたいだけのコメントや、
私に質問しておきながら、その後はやはり、ダラダラと自己主張しているコメントなども、今後は一切無視する。
私自身はこれからも、怠惰なプレイや態度を目にしたときは、拙ブログで容赦なく指摘するつもりだが、
それらはすべて母校愛に基づくものであり、選手やチームが憎くて書いているのではないことは、ご理解いただきたい。

今回は、春季都大会での結果を中心にリポートしていく。今春も、球場はすべて八王子。
三高は2回戦からの登場で、4月6日に行われた初戦は、二日酔いのため観戦に行けず…母校愛はどうした!?
春季東京都大会2回戦 日大三13-2都江戸川 ※5回コールド
 ※日大三高野球部応援掲示板より拝借

都立相手だし、どうせ勝つだろうと楽観視していたが、4回までリードを奪われていた模様。
5回に江戸川が投手を代えた途端、三高が12点を奪う。その継投、接待麻雀のようで怪しいな。
三高打線は4回までの12アウトのうち、フライアウトが10個。今年も「フライヤーズ」かよ。

2日後の3回戦は、ちゃんと起きて八王子球場へ。直前に雨が振ったが、まだ桜が残っていた。


入口からすぐの場所にある短い坂道を上り、


外野席からグラウンドを見下ろす。今年も球春到来!


バックネット裏の席に陣取り、三高のノック練習を眺める。外野陣のバックホームが、例年より遅い気がした。


この日の相手は早大学院。過去にはベスト4進出などの実績もあるが、負けることはないだろうと、油断していた。
だが、三高打線はこの日も元気がなく、背番号6の相手投手に抑えられ、7回まで無得点。
序盤はフライばかり、後半はゴロを放ったが、打った瞬間アウトとわかる、ボテボテの凡打ばかり。
「2月頃、コロナ陽性者が出たため練習不足」「エース矢後は投げられない状態」
試合中、観戦仲間から上記情報を聞かされた。そうか、じゃあ負けても仕方ないか…なんて絶対に思わないぞ。
いかなる理由があっても、日大三は東京では常勝であるべきチームのはず。
3回戦あたりで、しかも失礼ながら強豪でもない相手に、負けてもらっては困るのである。
「どんな形でもいいから勝て!」という私の怨念に近い願いが伝わったのか、8回表、早大学院のエラーが3個飛び出し逆転。
接待にしてはヘタすぎる、八百長のような(←言葉を選べ)展開で辛勝。
春季東京都大会3回戦 日大三2-1早大学院


試合中、選手の声はあまり出ていないし、まるで5回コールドで敗れた、秋の久我山戦を観ているようであった。
冬を越すと急成長を遂げるのが三高の特徴だったのに、ここ数年は、あまり進化が見られないのはどうしたことか。
それでも、これでベスト16進出が決定。夏の西東京大会のシード権は確保した。

3回戦から2日後の4回戦、相手は昨春も対戦した、兄弟校の日大鶴ヶ丘。一昨日より桜は散ってしまったが、


球場がある富士森公園の花壇には、今年も色とりどりの花が咲いていた。



※上記2枚、花の名前はもちろん知らない

湿っていた三高打線もようやく開花し、17安打・11得点でコールド勝ち。
春季東京都大会4回戦 日大三11-4日大鶴ヶ丘 ※8回コールド


次戦の準々決勝は1週間後。相手はこれまた昨秋の準々決勝で対戦済みの東海大菅生。
ここまでは、背番号10の松藤と、11の安田が主戦を務めたが、菅生打線には通用しなそう。
試合当日、やや緊張しながら球場に到着した私が目撃したのは、投球練習をしている背番号20の投手。


この日の先発は、昨年までベンチ入りすらしていなかった、左サイドスローの20番佐藤であった。
投球練習を見たところ、球にスピードは感じられず、よくいえば軟投派タイプだが、並の投手に見えなくもない。
公式戦初登板の投手を起用するとは、ダメ元かヤケクソか…そんな私の不安を裏切り、佐藤は好投。
MAXは130kmで、基本は90~120前半。鋭い変化球があるわけでもなさそうだが、菅生が凡打を繰り返す。
5回1死まで無安打、7回1失点と、5回コールド負けの心配も解消する大健闘。
小倉監督は基本的に、相手の裏をかいたりするタイプではなく、いわゆる奇襲先発は、滅多にやらない。
「高校野球ドットコム」の記事によると、「3月の練習試合でいいピッチングをしていた」という監督談話があった。
そうだとしても、菅生はなぜ打てないんだ? という、私と同じ疑問を抱いていた方がいた。菅生の若林監督である。

日刊スポーツの記事では「最初から逆方向を狙えば何の問題もないのに(中略)いつでも打てると思っていたのか」とご立腹の様子。
「何の問題もない」は、明らかに佐藤を軽視した発言。「いつでも打てると思っていた」のは監督自身だろう。
ベンチではおそらく、「あんなヘボ投手、なんで打てねえんだバカ野郎!」などと、選手を罵倒していたに違いない。
佐藤降板後は安田が登板し、案の定追いつかれたが、最終回に金澤のタイムリーで再び勝ち越し。
金澤はこの日、3安打を含め全打席出塁の大活躍。敬遠されるかと思ったので、勝負してもらいラッキー。
この日の三高打線は12残塁(苦笑)だったが、毎回のように塁を賑わせ、相手にプレッシャーを与え続けた。
一方の菅生は9回裏、無死一塁でバントせず強攻するも、走者を進められず無得点。
フライアウト連発、エラーで失点、そして拙攻と、普段の三高みたいな試合運びで、自滅といえる結果であった。
春季東京都大会準々決勝 日大三3-2東海大菅生


ベスト8で三高以外の西東京勢はすべて敗退し、夏の大会、日大三の2年連続第一シードが決定!
試合中は終始、手に汗握っていた私だが、校歌演奏の撮影時は、さすがにゴキゲンであった。


次の相手は二松学舎か。昨年も2戦2勝だったし、甲子園でボロ負けしたチームだから大丈夫だろう…
などと失礼な印象で迎えた準決勝。途中まで3点のリードを奪うも、8回に追いつかれ、
最終回はキャッチャーの川崎が公式戦初登板を果たすも、無念のサヨナラ負け。


それでも、秋大会に続く東京都ベスト4。大会序盤の苦戦を考えればよくやった方だ。
ただ、さっきも書いたが、三高は単なる強豪ではなく、東京では「常勝」を宿命づけられたチームのはず。
選手たちはそれを忘れないでほしい。ここ数年、私自身も忘れるときがあるけど(笑)。

以上、春大会の結果を駆け足で振り返った。個々の選手の魅力や特徴は、夏大会開幕までに改めて紹介する。
今年こそ、三高グラウンドで行われる練習試合も観戦に行かなくてはな。
あと、最後に繰り返すけど、相手するのがメンドーなコメントは、もう送ってこないでください
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蕎麦と中華の二刀流 豊田『大黒屋』

2022年04月24日 | 定食、食堂
南口を出てすぐの場所に、『ふじ』という穴場居酒屋&食堂がある豊田駅。
北口にも良店があるのではと、駅周辺を探索したところ、さっそく気になるお店を発見。
派手な色合いだが、郷愁も感じられる外観で、どうやら蕎麦と中華の二刀流の様相。
お店の名前は『大黒屋』。以前紹介した三鷹の中華食堂もそうだけど、東京には同名の飲食店が結構ある。
こちらが外観。カラフルなファザードには、「きそば」と「中国料理」の文字。


青、黄、赤という、『ブックオフ』みたいな配色に違和感を覚える方もいるだろうが、私はあまり気にしない。
店内中央には、個人客用に区分けされた大きなテーブルがあり、両脇に4人用テーブル席。
提供する商品は、予想以上に多彩。以下でメニュー表を掲載していく。
まずは蕎麦屋部門から、そば・うどん類。温かいの冷たいの、きしめんまである。


そして、普通の蕎麦屋さんにあるような丼物やカレー、さらに定食やサラダも。


こちらは中華屋部門。定食、麺類・ご飯類。定食はどちらのジャンルも、150円引きで単品注文が可能。


なお、中華は別のページに、(2~3人前)と記された大皿料理や、料理2品+定食のセットメニューもある。
「えびのチリソース煮」は定食1300-150=1150円だが、大皿だと2200円。2人前だとしてもちょっとお得。
最後に、ドリンク・おつまみ類。キンミヤボトルもあればいいのに。


「和」のそば・うどん・丼物に、「中」の麺・飯・一品料理、さらに「洋」のカレーやサラダまで。
大黒屋さんのように、和洋中揃ったお店は、昭和の時代にはたくさんあった。
飲食店の専業化及び細分化は、仕込みなどの人件費や、食材ロスなどを削減できるメリットもあるが、
こちらのような、選ぶ楽しみがある「なんでも屋」さんが減ったのは、個人的にはさみしい。

初訪時に注文したのは、「瓶ビール中びん」530円、「ぎょうざ」450円、壁紙メニューの「もつ煮込み」500円。
まずはキリンラガー、数分後に、平たいお皿に盛られた煮込みが登場。


オーソドックスな味付けで、値段の割には量が多い。卓上に七味がないのが残念(後述)。 
続いて、餃子が焼き上がった。お皿には「中国料理 大黒屋」と印字。元々は中華屋さんだったのかな。


餃子も、オーソドックスな具材と味付けで、醤油ナシでもウマかった。
もつ煮も餃子も、なかなかのクオリティで、ゴキゲンになったところでシメのお食事。
他店ではあまり見かけないメニュー、「かつカレー南蛮」うどん950円を頼んでみた。
こちらのお店は出前もやっており、配達専門の店員さんが、出入りを繰り返している。
その割には店内の料理提供が早いのに驚かされる。カツカレーうどんもすぐ出てきた。


トロミのある汁は熱々で、冷めるまで少し待ったら、カツの衣もうどんも、ふにゃふにゃになってしまった。


でも、昔のうどん屋さんって、このように腰のない麺が多かったよ(例:『山田うどん』)。
そういえば、「香りごま」という個人的に未知の小袋が付いてきたので、


開封してみたところ、ごま入りの七味であった。卓上にもあったので、もつ煮にも使えばよかった!


麺とカツをたいらげ、辛味の加わったカレー汁をズズっとすすり、お会計。
お釣りと一緒に、「次回100円割引券」をいただいた。会計1500円につき1枚、もらえるらしい。


他にも食べてみたい料理がたくさんあるので、数日後に早くも再訪。割引券の使用期限が1ヶ月以内だったし(笑)。
この日は和のツマミで飲み、中華でシメることに。まずは「じゃこ天」280円と、「生ビール大ジョッキ」780円、


さらに「すきやき定食」の単品1050円を追加注文。我ながら豪勢だな。


じゃこ天は、自家製ではないと思うが、すぐに出てくるし安価なのが嬉しい。
一方のすきやきは、専用の高級肉などは使用せず、ごくフツーの肉(苦笑)。糸こんにゃくが巻いてあるのがいいね。


生玉子を溶き、お肉や野菜を浸して食べる。わかってはいたけど、白米が欲しくなるな。


「ホッピーセット(白)」480円に切り替え、すぐに焼酎の「なか」250円もお替わり。


焼酎は意外と多く、氷入りとはいえグラスの半分。なので結構酔ってきた。


すき焼きを残した状態で、シメの「ラーメン」600円と「小ライス」200円を追加。


ラーメンは予想どおり、飲んだあとに最適な、懐かしいタイプの醤油味。


小ライスはラーメンのお供ではなく、すき焼き&生玉子と一緒に食べるために頼んだ。
前回の『牛米 悟空』のときと同様、小さいお茶碗で自家製牛丼を作るのは難しい。


大黒屋さんは、年配の常連客が多い印象だが、この日の私の対面には、若い男性が着席。
彼も常連なのか、慣れた様子で「天丼大盛とメンチカツ単品」という、ハイカロリーかつ珍しい組み合わせを注文。
甘辛いタレの天ぷらと、ソース味のメンチを、すごい速さで食べ進めていく。コイツ、さてはプロだな(←なんの?)。
若者に負けず、私もすべて食べ切ったところでお会計。この日は、100円割引券を2枚いただいた。

そして最近、3度目の訪問。前回とは逆に、中華で飲んでから、和でシメることに。
まずは、最近の推し商品らしい「えびと卵の炒めチリソースかけ」単品830円で、白ホッピーを飲む。


エビチリ単品より320円安く、玉子好きの私にとっては、こちらの方がありがたい。

※オムレツ状の玉子にエビチリがかかる

もう1品は、野菜不足解消のため、「豚肉と野菜の味噌炒め」=回鍋肉の単品750円を注文。
回鍋肉は肉料理のカテゴリーかもしれないが、ご覧のとおりキャベツ、人参、ネギ、玉ネギ、ピーマンと野菜たっぷり。


野菜だけでなく油もたっぷり(笑)なので、皿を傾け油を避けた。甘辛い味噌ダレのお陰で、酒が進んだけどね。


だいぶカロリー摂取したので、シメはシンプルな「もり」550円を、きしめん+50円でお願いしたら、
カツカレーうどんと同様、すぐに出てきた。和の麺類は提供がスピーディーだ。


一般的なきしめんより薄い麺だが、食感ものど越しも上々。この麺でラーメンも食べてみたい。
試しに、残った回鍋肉ダレに付けてみたが…これはイマイチであった。


和洋中と豊富な品数を揃えた大黒屋さんだが、どの料理も平均点以上で、ハズレがないのは素晴らしい。

ホール担当の女性店員に「こちらは創業何年ですか?」とたずねたところ、「ええと…少々お待ちください」と言い、
厨房に戻り職人たちに聞いて回っていると、店主らしき方が奥から登場し、「もうすぐ60年かな」と教えてくれた。
60年とはいわず、70年、80年…と末永く続けていただきたいお店である。
会計時、前回もらった100円割引券2枚を、ダメ元で「使えますか?」と聞いてみた。
「他の割引券との併用は出来ません」と記されているので、本来は1枚しか使えないのだろうが、特別に認めてくださり、
さらに今回は、1枚にまとめた「200円割引券」を発行してくれた。ありがとうございます!


今回の券も当然、割引期限は1ヶ月以内なので、近日中に4度目の訪問をするだろう。
どうも、お店の術中(?)にハマっているようだが、ウマいモンが食えるのだから不満はないよ。



大黒屋
東京都日野市多摩平1-4-12
豊田駅から徒歩約5分
営業時間 11時~21時半
定休日 木曜
ツイッターでの名義は大黒屋そば店
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玉子! 肉! メシ! の専門店 国分寺『牛米 悟空』

2022年04月19日 | 定食、食堂
約5年前に紹介した、川崎市高津の煮込み専門店『タイガーワン』


以前、島田店主(お店での呼称は「職長」)から聞いたのだが、こちらのお店は、島田さんの他にオーナーがおり、
その方は、煮込みとご飯だけのお店をやりたかったらしいのだが、
現場を任された島田さんが助言し、お酒やドリンク、おつまみも置くようになったらしい。
だが、アルコール類も「第三のビール」200円、「缶チューハイ」250円など儲けの出ない価格で、
私の大好きな「ウーロンハイ」にいたっては100円! しかもこれらのお値段、現在も据え置きの模様。
安価ゆえ経営は厳しいようで、最初の訪問時、2533150=煮込みサイコーと記されていた目標時間(画像参照)が、
いつの間にか1414881=いよいよヤバいに変わっていた。この場合のヤバいは当然、悪い意味だ。


売上に貢献したいのだが、この撮影時から数ヶ月後に訪問した際、焼酎の濃いウーロンハイで記憶をなくし(この店2度目)、
迷惑かけちゃったかなあ…と不安になり、足が遠のいたところで、コロナ禍になってしまった。
最近、お店のツイッターを確認したところ、つい先日6周年を迎えたものの、数字が0210881に変化。
0210の読み方はわからないが、881=ヤバい状態は続いているようなので、
近日中にタイガーワンへ行き、煮込みで軽く一杯やってくるつもりだ。出禁になっていないことを祈る!

冒頭で触れた、オーナーが理想とした「煮込みとご飯だけのお店」はおそらく、世田谷区駒沢の『かっぱ』だと思われる。
メニューは煮込みとご飯、あとはお茶漬けと漬物だけで、営業は夜からなのに、酒は提供していない。
それでも、連日行列ができるほどの繁盛店で、「孤独のグルメ」漫画版でも、『らっぱ』名義で描かれた。
私は食べたことがないのだが、その煮込みが相当ウマいということを、写真や伝聞で認識している。

さて、ここでハナシは飛んで、とある日の白昼。国分寺を歩いていたとき、下記の看板を発見。


どうやら、牛肉煮込みとご飯を出す店のようで、目的のお店が混んでいたらここに来ようと考えていたが、
すぐ近くの目的地『フジランチ』の店頭に、珍しく行列がなかったため、迷わず入店。
とはいえ、そのお店も気になったので、数週間後の夜に再訪・入店してみた。
店名は『牛米 悟空』で、「卵と牛とお米の専門店」らしい。


上記キャッチコピーを、私流の下品な呼び方に変換し、今回のブログタイトルにさせていただいた。

主なメニューはこちら。ビールと玉子がある以外は、先述した駒沢かっぱとそっくりである。


入口ドアを開けると、店内はカウンター席のみ。マジメそうな男女の店員に、端っこの席へ案内された。
先客は食事だけのようだが、私は「牛煮」(大)880円と「追加卵」100円で、「ビール(小瓶)」650円を飲むことに。
まずはアサヒスーパードライの小瓶が到着。650円と割高なので、チビチビ飲む。
煮込みの提供に少し時間がかかるようなので、卓上の「牛米悟空ガイド」(仮称)を眺めながら待つ。


数分後、煮込みと生玉子、さらに「こちらサービスです」の漬物が、木製のお盆に乗せられて登場。


大きく深いお皿に入った、牛煮の具材は牛肉、豆腐、こんにゃくの角切り。


豚肉やモツを使わず、豆腐とこんにゃくを入れ、縁のギリギリまで盛る見た目も、かっぱの煮込みと同じである。
だがこちらには、かっぱにはない生玉子がある。しかもこの玉子、後述するが高品質のモノらしい。


まずは国産牛肉使用の煮込みをひと口。生姜の風味がするため、一瞬しぐれ煮を思わせたが、
甘味はそれほどなく、塩分もそんなにキツくない。ただし、時間が経過すると、脂分を感じるようになる。
続いて、溶いた生玉子に付けてみる。食べる前からわかっていたけど、やっぱりウマい! 


さっきの写真では見えなかったが、煮込みにはちゃんと、豆腐も入っている。


ビールを飲み終わったが、煮込みはまだまだ残っているので「すみません、追加でご飯をください」。
ちなみに、あとから来た夫婦客がビールを2本注文したら、店員さんが「1本しか冷えてません」と謝っていた。
飲む客が少なく、あまり用意していないのかもしれない。しばらくして、追加の「羽釜ご飯」(並)250円がきた。


かっぱのご飯は並でも大盛サイズとの評判だが、こちらはちょっと多い程度。
ただし、煮込みの大盛は本当に大盛で、半分食べてもまだ下記画像くらい残っている。きっと並も多いのだろう。


こちらのご飯は、羽釜効果なのかほどよい柔らかさで、誰もが納得する炊き加減。
牛肉と豆腐を乗せ、さらに溶き玉子をかけて、自家製ミニ牛丼を作ろうとしたのだが…
お茶碗が小さく、盛り付けがうまくできず、見苦しいビジュアルになってしまった。反省。


牛丼といえば、必ずかける七味を、こちらの煮込みにも振りかけてみた。紅生姜もあるといいのに。


汁は少し残ったが、具材と米はキレイにたいらげ「ごちそうさまです」。お会計は1880円。
ビールを飲まない方は、「玉子かけごはんのもと」と称するしょっぱい薬味が付き、ご飯も1杯お替わりできる、
「悟空セット」1250円がオススメ。最近はみそ汁も付くようになったとか。
煮込みの感想をまとめると、見た目に反し上品な味だったね。
あと、個人的にはもう少し熱々の方がいいかな。冷めると脂分がさらに強くなるので。

調べたところ、悟空さんは玉子料理がウリの『eggg cafe』(えぐぅカフェ)というお店の支店で、
最初の方で載せた看板画像にも、黄色い丸に「eggg」(えぐぅ~)の文字を重ねたマークが記されている。
本体のカフェでは、特別に育てられた鶏が産む高品質の玉子を使用し、オムライスなどを提供している。
その玉子は、悟空のレジ横でも売られていたが、私の手には届かない高価格であった(←大げさ)。
悟空さんが、煮込みの味付けが上品だったり、酒類が少なかったり、さほど多くないご飯をHPで「大盛」と告げているのは、
カフェの主流客である女性を意識し、顧客ターゲットにしているからではないかね。

補足情報その1 つい最近、お店の前を通りかかったところ、
半熟の味玉が入った「幸せの煮卵爆弾おにぎり」180円を、土日限定・30個限定で店頭販売していた。


補足情報その2 さらに、月替わりのランチメニューとして、
フォアグラ・ハンバーグ・半熟玉子を乗せた「牛米ロッシーニ丼」税込1650円も数量限定販売していた。


この日の私は悟空に入店せず、すぐ近くにある、系列店のえぐぅカフェ国分寺店に初入店。


注文したのは、お店自慢の料理2品を味わえる、「オムパンケーキセット」1430円。
まずは「半熟オムライス(デミグラスソースがけ)」単品1045円がやってきて、


その後、焼き上がりに20分ほどかかる、と告げられた、「ふわふわクラシックパンケーキ」880円のハーフサイズが登場。


味よりなにより気になったのが、店内の雰囲気。内装がかわいらしいのは当然として、
補足情報その3 グループ店の『eggg cafe』は、ほぼ女性客しかいない!
冗談ではなく、若い女性ふたり組が大半で、たまにカップルがいる程度。おっさんのひとり客は完全アウェイだ。
まるで甲子園球場の阪神応援側に入ってしまった巨人ファンのようで、周囲ではなく自分自身を憎みたくなる始末。
とっとと喰ってとっとと会計し、急な階段を転がり落ちるように駆け下り退散。
ただ、薄汚いおっさん客に対しても、スタッフの皆さんの対応は常に親切であった
悟空さんもそうだったけど、egggグループは接客がしっかりしていることは、伝えておきたい。
店員さんが拒んでないのならば、私自身甘いモノは大好きだし、他にも食べたいメニューがあったので、
えぐぅカフェには今後も通い、このブログでも紹介したいのだが…あの環境ではさすがに難しいな。



牛米 悟空(うしごめ ごくう)
東京都国分寺市本多1-5-3 B1
JR、西武線国分寺駅から徒歩約5分
営業時間 11時~21時 ラストオーダーは20時半
定休日 火曜
※『eggg cafe』国分寺店は、東京都国分寺市本町2-12-4 3F
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元ヤングを魅了するチャーハン 板橋『創作町中華 やんぐ』

2022年04月15日 | 中華食堂
よく見ているブログのリンク先、のさらにリンク先にたどり着き、とある記事を眺めていたところ、
魅力的なチャーハンの画像に出くわした。そのお店の名前は『やんぐ』で、最寄りはJR板橋駅。
ちょうど、埼玉在住の友人と飲む約束をしていたので、「板橋飲み」を提案し、行ってみることに。

お店の正式名は『創作町中華 やんぐ』で、『やきとん やんぐ』というお店の系列店らしい。
夜の部は18時開店だが、もう少し早い時間から飲みたかったので、まずは17時開店のやきとん・やんぐで一次会。
ホロ酔いになったところで、中華のやんぐへ移動。移動時間は15秒という至近距離だ。
  ※入口の様子

店内はカウンター席のみだが、2階にも席がある様子。我々は入店してすぐ右側に着席。
厨房の作業を間近で拝める、個人的に「アリーナ席」と呼んでいる好位置だ。


こちらが、料理のレギュラーメニュー。この他にも、日替わりメニューがいくつかある。


こちらは裏側のドリンクメニュー。中華食堂というより、居酒屋っぽい品揃えである。


私は「白ホッピーセット」490円に、初入店の中華屋さんでは必ず頼む餃子と、冒頭で触れた魅力的なチャーハンを注文。
「いきなりチャーハン!?」と友人は驚きながらも、「黒ホッピーセット」490円と、
壁に貼ってあった「もやジロー」をオーダー。そらジロー風キャラのイラストがかわいい。


まずはホッピーセットが登場。1軒目のやきとん店もそうだったが、焼酎がなかなか濃い。

※イラスト入りのグラスはオリジナル?

しばらくすると、もやしとキャベツを茹で、そこに背脂、細切れチャーシュー、おろしニンニクを乗せる、
もやジロー480円が完成。いわゆる『ラーメン二郎』のアタマ部分だ。


背脂も多いが、ニンニクはさらに多い。最初、ポテトサラダでも添えてあるのかと思ったよ。


酒のススム組み合わせで、他の客も注文していた。ただ、ニンニクのせいで、翌日は胃腸がしんどかった。
続いて、「ぎょうざ」400円が焼き上がった。最初はそのまま、次からはニンニク(もやジローのを流用)醤油で食べる。


いつものように、皮を破って中身を撮影。ニラの刻み方が荒く(苦笑)、たぶん自家製だろう。


そして、このお店を訪れる気にさせたメニュー、「チャーシューチャーハン」880円が満を持して登場!


チャーシューチャーハンという商品自体は、他の店でも見かけたことがあるが、
刻んだチャーシューが加わるだけで、一般的なチャーハンと何ら変わらないケースばかりであった。
こちらのように、デカい肉片を5個も積み重ねた、チャーシューを主役扱いするタイプは珍しい。

※横アングルはさらに迫力が増す

さっそく取り分け、パクついたところ、チャーシューは柔らかくジューシューで、なによりチャーハン自体がウマい!


具材は玉子、ネギ、私の大好きなナルト。さらに食べ進めていくと、細切れチャーシューもちゃんと入っていた。


ややしょっぱい気もするチャーハンだが、甘味を含むデカいチャーシューと一緒に食べるとちょうどよく、
ホッピーのおツマミに最適。当然のように「すみません、ナカください!」となった。「金宮焼酎(中)」は290円。

また、店内で流れるBGMも、30年ほど前のヒット曲が続く、元ヤング(笑)にはたまらない選曲。
有線ではなく、店主自身のセレクトらしい。お陰で、隣席にいた同世代の客と、意気投合してしまった。
その後も、「ウーロンハイ」や「北海道コーン茶ハイ」どちらも460円などをお替わりし、気分よく飲んでいたのだが、
いかんせん1軒目もこちらも焼酎が濃かったため、私は会話の途中で船を漕いでしまう始末。
メシも酒も受け付けられそうになく、友人に「ゴメン、酔った」と謝り、この日は退散。

数日後、今度はひとりで再訪問。またまたアリーナ席に陣取り、最初はやはりホッピーセット。
料理は1本から頼める「春巻」180円と、


これまた大好物の「豚きくらげ玉子炒め」780円を注文した。


春巻の中身は、椎茸たっぷりの濃い味付けで、醤油ナシでも美味しい。


KTIこときくらげ玉子炒めは、最初の画像では確認できないが、当然豚肉も入っている。


味自体は悪くないが、具材の一体感に乏しい。KTIはやはり、荻窪『啓ちゃん』が世界一だな。
ホッピー中とコーン茶ハイをお替わりし、次のおツマミを注文することに。
「チャーシューエッグ」850円も気になったが、豚肉&玉子はKTIとモロ被りなので、
下記の日替わりメニュー(一部レギュラーと重複)から、「チキンなんばんタルタルソース」680円を選択。


鶏モモの一枚肉を三等分し、玉子主体のコロモを付けて油に投入。1度取り出し放置したのち、2度揚げしていた。
プロの調理作業を眺めるのは面白く、それだけでコーン茶ハイを1杯飲み終えてしまった。
他にも、別の客が頼んだ「ホイコーロー」780円は、炒めるときにラーメンのスープも使用することや、
助手のアンちゃんが、刻んでいた人参をうっかり床に落とす様子(笑)などを、ライブで見ることができた。

千切りキャベツに鶏肉を盛りつけ、たっぷりのタルタルとネギを乗せ、最後に甘酢タレを注ぎ、チキン南蛮タルタルが完成。


こちらは横アングル。タルタルと野菜は冷たく、チキンと甘酢タレが温かいため、コントラストが面白い。


鶏肉は柔らかく仕上がっており、タルタルなしでもウマいはず。※以前は「唐揚げ」というメニューがあった
ただし、タルタルソースは不要どころか、これだけでも酒が飲めるため、絶対に必要である。
3杯目のコーン茶ハイを飲み終え、だいぶ酩酊&満腹になってきたが、せっかくなのでシメのお食事を。

さっき書き忘れたが、チャーシューチャーハンに付いてきたスープもウマかったため、麺類を試してみることに。
チャーハンは醤油味のスープだったので、今度は塩味のスープ=「塩ラーメン」580円をオーダーしてみた。
麺を茹でている間に、丼にスープを注ぎ、食塩を2度投入。えっ!?
化学調味料は気にならないが、大さじ2杯の塩は、高血圧ゆえさすがにビビる。
立川『チキント』のように、醬油ラーメンには醤油ダレ、塩ラーメンには塩ダレを入れて作ると思っていたが、
塩をダイレクトにぶち込むとは…私が知らないだけで、この調理法の方が主流なのかな?

数分後、麺と具材が盛りつけられて、塩ラーメンが完成。丼はやや小さめのタイプ。


若者には足りないかもしれないが、私のような元ヤングの「飲んだシメ」としては、適量かもしれない。
スープは当然しょっぱかったが、「塩を大さじ2杯」の割には…という印象。
ここより塩分のキツいラーメンを多数知っているので、ちょっと怖くなった。
余ったチキン南蛮タルタルも投入してみたが、塩ラーメンとの相性は、あまりよくなかったね。


麺や他の具材は平凡だったが、チャーシューは前回のチャーハンに乗ったものと同様、なかなかウマかった。
さすがにスープは残したが(笑)、他はほぼたいらげて、「ごちそうさまです」。

元々は焼きトン店だったのを、中華食堂にリニューアルしたやんぐさん。
「街中華」ファンとしては、このような業態変更は本当にありがたい。働いている方々も、比較的若い世代だし。
こちらの繁栄に触発され、居酒屋から中華屋さんに転身する店が出てくるかも…? 
創作料理も面白く美味しく、ヤング・元ヤング関係なく、要注目の中華屋さんである。



創作町中華 やんぐ
東京都板橋区板橋1-19-1
JR板橋駅から徒歩約1分 地下鉄新板橋駅や、東武線下板橋駅からも徒歩圏内
営業時間 11時半~15時、18時~22時 昼は14時半、夜は21時ラストオーダー
定休日 日曜、月曜
※近所の『やきとん やんぐ 本店』は東京都板橋区板橋1-20-1

※2022年6月に閉店、『miso noodle 板橋パーコーパーコー』に業態変更しました
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時空を超える中華食堂 所沢『栄華』

2022年04月04日 | 中華食堂
似非レトロではなく、本当に懐かしい雰囲気のお店に心惹かれるわたくし。
今回紹介する『栄華』さんは、私が知る限り、もっとも「古き良き日本」を感じさせるお店である。
場所は所沢駅を出て、プロぺ通りを突っ切り、ちょっと進んだファルマン通りにある。
なお、プロぺはプロペラ、ファルマンは日本で初めて飛んだ飛行機の名称とのこと。
日本で初めて飛行場を開設した、航空発祥の地・所沢市らしいネーミングである。

ファルマン通りに到着した私は、いつの間にか飛行機ではなく、タイムマシンに乗せられていた模様。
近くにはタワーマンションも見えるのに、目の前にはなぜか、昭和の食堂が建っている。


初訪問時は、その、あまりにもオールドファッションすぎる外観(←言葉選んでるよ)に、
同行した友人と思わず顔を見合わせ、「どうする?」「…やめておこうか」と、入店することなく退散し、
近所の老舗中華食堂『早池峰亭』に行った記憶がある。

それから数年後、ネット記事や他人のブログなどで栄華さんの情報を入手し、
所沢在住の友人(さっきの友人とは別人)と、昼間の明るい時間に再訪してみることに。
ファルマン通りから入る脇道に、下記のサビついた看板があり、下部分の矢印に従い数歩進めば、


最初に紹介した、真っ赤なファザードの店舗がある。時刻は13時頃。意を決して入店。
女将さんに「お好きなお席にどうぞ」と声をかけられ、入口近くのテーブル席に座らせていただく。
昼酒を楽しんでいる先客がいたので、我々も遠慮なく、「ビール」(大瓶)700円と「レモンサワー」400円を注文。
ドリンクと一緒に、冷奴のお通しが出てきた。


料理の注文をする前に、店内壁に掲示してあるメニューを紹介。
まずは、我々のテーブルのすぐ横にある、ご飯ものや定食など。右端の「ライス」は250円。


こちらは、先客の退店後に撮影した、麺類や一品料理。「ラーメン」400円は格安だが、近年まで350円だったとか。
 ※毎度のことながらピンボケ失礼

まずは「野菜いため」400円と、「餃子」250円×2を注文。
しばらくすると、焼き上がった餃子が、市販のタレと一緒に提供され、


その数分後、野菜炒めもやってきた。お皿に謎の粉末が付着しているが、気にしない。


こんがり焼かれた餃子は、中身がほぼ野菜でニンニクもちゃんと効いている。
野菜炒めは、シャキッとした歯応えが残っている。家庭では出せない、強火で仕上げる中華食堂ならではの味わいだ。
こりゃイケる、と酒が進み、友人はレモンサワーを、私はウーロンハイ400円を追加注文。
目の前のTVでは、選抜高校野球を放映していた。野球を観ながら飲むビールは格別だね。


あと、TVの周辺に置いてある、旧式のラジカセが泣かせる。ウチにも昔、こういうのがあったなあ。
しばらくすると、調理を終えた旦那さんが、厨房から出てきて、我々と一緒に高校野球を観戦。
中継中の試合の状況や、地元埼玉勢の勝ち上がりなどを質問されたので、応じていたところ、
「オレも昔は、野球やっていたんだ」と言い残し、店内の奥に引き返すと、
下記のメダルを持ってきてくれた。「大宮の草野球チームで試合したときにもらった」とのこと。


メダルには「1961」と印字。今から61年前(昭和36年)だ。旦那さんの現在の年齢を聞いたら…ビックリ!
あの御歳で、鍋振りなどの調理をこなし、バイクで出前にも出かけるとは…。
旦那さんはさらに、当時使っていたという木製バットも見せてくれた。普通の袋に無造作に入れてあったので、
友人が「ちゃんとした箱とかで保管した方がいいのでは…」と告げる。申しわけないが、私もそう思った。

※袋からバットを取り出し、周囲のお客にも披露する旦那さん

「こちらのお店は、なんかの映画の撮影にも使われたんですよね」と私が質問すると、
旦那さんは「よく聞いてくれた!」とばかりに、下記の看板を持ってきてくれた。


暗くてわかりづらいが「検察側の罪人」という作品で、二宮和也や吉高由里子が来店したらしい。
さらに、テレビ東京「モヤモヤさまぁ~ず」ロケ時の記念撮影と、サイン色紙も見せてくれた。


その裏には、放映後にテレ東から送られてきた、「取材の御礼」の手紙もあった。
文の内容については明かさないが、テレ東のスタッフは誠実である。これからも「アド街」とか観るよ!

ここで女将さんも会話に加わる。旦那さんも自分も福岡県の出身で、同じ中学校で、お見合い結婚で…と、
初入店の我々に対しても、いろいろと語ってくれた。女将さん自身も野球好きのようで、
地元の西武ライオンズや、親類が通っていた日大二高の試合も、よく生観戦しているらしい。
「日大二は数年前、決勝まで行ったんだけどねえ…」という女将さんに、「2009年ですね」と即答する私。
「あら、よく覚えてるわねえ」と驚かれたが、私もその試合を球場で観ていたので。
ちなみに、結果はこちら。まあ、OBが優秀だからねえ…ムフフフ。

しばらくして、友人がツマミの追加を提案し、「麻婆豆腐をください」と、女将さんにお願いしたところ、
旦那さんに聞こえないよう小声で「あまりおススメできない」と教えてくれた(笑)。これ、書いたらマズいかな。
忠告に従い、「うまに」750円に変更。八宝菜というか、中華丼のアタマ部分、といった料理だ。


さっき頼んだ、野菜炒めと重なる具も多いが、妙に歯応えのいい食材が入っている。
くわいかと思ったら、なんと山芋であった。中華の食材に使われるのは珍しいよね。


お話し好きの女将さんに、「ラーメンも餃子もなぜこんなに安いんですか?」と質問をしてみた。
「あの人(旦那)が値段上げないって言うもんだから…もう何年も前から変わっていない」だって。
事実、これは壁に貼ってある、雑誌に紹介された記事のコピーだが、


「昭和40年からの営業で、お店は当時のまま」と文頭で説明し、最後にメニューを紹介しているが、
ラーメン350円、餃子(6個)250円、チャーハン550円、他と、先述したようにラーメンだけ50円値上げ。
旅行雑誌「じゃらん」に掲載された記事のようだが、発行は1999年!


消費税率や物価が上昇する中、23年間値上げしていないのである!
女将さん曰く「チャーハンはサラダを付けるようになったから、むしろ値下げ」と補足。
そういえば、別の壁メニューには「御飯物には生野菜(サラダ)が付いてきます。」との説明があった。


栄華の旦那さんも女将さんもおそらく、客が野菜不足にならないよう気遣ってくれているのだ。
そもそも昔の飲食店は、客と店員の関係が、今よりも親密であった。
愛想の良し悪しはともかく、学生や若者客には「しっかり勉強しなさいよ」「野菜残すんじゃないよ」などと、
叱咤激励してくれるおばちゃんや、厨房から声掛けしてくれるオヤジさんがいたものである。
チェーン店が増え、飲食店では注文や会計など、最低限の会話しかなくなった現在において、
こちらのご夫婦のように、コミュニケーションを取ってくれる方がいるお店は貴重である。
栄華さんは、店舗内外の見た目や料理の価格たけでなく、お客との距離感も昭和のままであった。

おふたりとの会話で酒が進んだが、その後、電話を受けた旦那さんが「急用ができた」とのことで、突然の店じまい。
2時間ほど滞在し、結構酔っぱらっていたので、ちょうどよかった。「また来ますね」とご夫婦に告げて退散。
その後『百味』で飲み、カラオケで歌い、私も友人もベロベロになり解散。
酔った友人が、私に有り金を預けやがったので、数日後、返金するため再び所沢へ。待ち合わせ場所は当然、栄華さんだ。
再度タイムマシンに乗り、昭和40年から変わらぬたたずまいのお店へ。

「前回はゴメンなさいね」と謝る女将さんに、気にしないでくださいと返答し、ふたりともさっそくウーロンハイを注文。
おつまみとして、私は「ワンタン」400円、友人は「焼肉定食のオカズ単品」を注文。
ワンタンは、想像どおりのビジュアル。具材はワンタン、チャーシュー、メンマ、ナルト、小松菜にネギ。


焼肉単品は、お店推奨の「生野菜」がたっぷり。なお、定食だと800円だが、単品の価格は不明。


ひと口もらった焼肉は、生姜の風味と甘じょっばいタレが相まって、めちゃくちゃウマかった。肉だけお替わりしたい!
一方、私が頼んだワンタンも、なかなかの絶品。醤油味のスープは、油は少なく臭みもなく、
けれども味に物足りなさはない、余計なモノを抜き去った、徹底した引き算のスープだ。
このスープ、炒飯とかご飯もののお供に最適だと思う。同額の「ラーメン」も、絶対ウマいだろうね。
主役のワンタンは計10個も入っており、昭和らしい、中身のひき肉が不在のモノ(笑)もあったが、


それはそれで、うどんのようで美味しく食べられた。400円という安価ながら、大満足である。
追加オーダーとして、前回から気になっていた、「麻婆豆腐」をお願い。
女将さんに「他とはちょっと違うけど…いいの?」と再確認されたが、「構いません!」と応える。
しばらくして、お肉とシメジが入った、栄華風麻婆豆腐が登場。単品価格はこれまた不明。


会計時、焼肉と麻婆の合計が1300円と判明したので、どちらも定食800円・単品650円かと予想される。
肝心の味の方は…トマトケチャップ由来のためか、辛くはなく甘酸っぱいテイスト。
女将さんが忠告したとおり、明らかに一般的な麻婆豆腐とは異なるテイストであった。

今回も女将さんと会話し、所沢市長がよく来店すること、最近、扇風機をやめて冷房を設置したこと(夏場は大変だった様子)、
たまに娘夫婦が手伝いに来てくれるが、彼女たちにも本業があるので、後継ぎはいないこと、なども教えてもらった。
後継者問題は、どのお店も抱えている悩みである。廉価チェーンがはびこり人件費も高騰する時代において、
労働時間が長く、薄利多売(特に栄華さんは)で儲けが少なく、しかも夏場はクソ暑い、
街中華を引き継ぎ、心身ともに健康な生活をしていくのは、相当大変なはずだから。
栄華さんの営業が、一日でも長く続くことを願いながら、我々はウーロンハイをお替わりしまくった。
時間はどんどん過ぎていき、22時を超えた。食べログでは22時閉店と記載されていたが…。
旦那さんに閉店時間を聞いてみたところ、「お客さんがいる間は閉めない」だって。
これぞ昭和の飲食店! と感激したものの、さすがに申しわけないのでお会計。
常連らしき客が残っていたし、店主が許してくれるとはいえ、あんまり長居するのも悪いしね。

店を出ると、プロぺ通りにはいつものように、バカそうな呼び込みが跋扈している。
時空を超えて現世に戻ってきたことを、イヤでも再認識させられる瞬間である。嘆かわしいねえ…。



栄華
埼玉県所沢市御幸町2-15
西武線所沢駅から徒歩約8分
営業時間 11時~22時くらい
定休日 不定休
※繰り返しになるけど、ご夫妻のためにも、極端な長居は避けてください
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『山田うどん』で飲み喰いしてきた。

2022年04月01日 | そば、うどん
最盛期には280店、現在も160もの系列店が存在する、埼玉発祥のうどんチェーン『山田うどん』
ガキの頃から、「安いうどん屋さん」として認識していたが、入店したことはほとんどない。
理由は、うどんにあまり興味がなかったのと、徒歩圏内及び行動範囲に店舗がなかったから、だ。
車どころか免許も持っていない私にとって、ロードサイドに店舗の多い山田うどんは、文字どおり遠い存在であった。
同様の理由で、以前紹介した『どさん子』も、なかなか行く機会がなかった。
多摩地区で唯一の残存どさん子、西武柳沢駅前店の廃業は、実に残念である。

山田うどんには、中学生のとき一度だけ、部活で他校に遠征した際、先輩に「昼メシ付き合え」と強引に誘われ入店。
腹が減ってなかったので、餃子だけを注文。価格は確か200円くらい。当時、一番安いうどんが180円くらいだった。
割高に感じたその餃子は、皮が硬くて、全然ウマくなかった。

少年時代から月日は流れ…すっかり中年になった私は、餃子だけでなくうどんも好きになっており、
双方が食べられる店として、山田うどんを思い出し、初めて自分の意思で訪問を決意。
入ったのは、立川駅から徒歩だと30分以上かかる幸町店。東大和市で飲んで、歩いて帰る途中だったかな。
注文したのは「餃子」250円と、「ざる相盛り」480円。


約30年ぶりとなる山田うどん餃子は、値段はさほど変わっていないものの、味自体は良化。
過去の印象が悪すぎたのかもしれないが、そこそこウマい餃子になってる。
相盛りのソバだけ先に食べ、餃子とうどんを記念(?)撮影。ソバの味はフツーであった。


そして、こちらのメイン商品であるうどんは、妙に柔らかく歯応えもなかった。
その頃は、腰のある讃岐うどんの名店を巡っていた時期だったので、特にそう感じたのだろう。
とはいえ、「山田うどんはそういうモノだ」と知っていたので、不満はなかった。
最後はツユに、餃子とラー油を一緒に入れて食べてみたが、やはりイマイチだった。


自発的入店から数ヶ月後、清瀬駅前に居酒屋業態の『県民酒場ダウドン』がオープン。
こちらで何度か飲み喰いし、今年の1月に初めて温かいうどん=「たぬきうどん」を食べたのは以前記した。


ただし、ダウドンのうどんは、ツユは黒くなく麺も全粒粉入りと、既存店とは異なるらしかった。
文末では「近いうちに山田うどんの本体にも行かなくては」と書いたことだし、
数日後には、黒いツユの温かいうどんを食べるため、武蔵村山市の『シャトー洋菓子店』でケーキを買った帰りに、
近くの村山学園店に寄ってみた。屋号が『ファミリー食堂 山田うどん食堂』に変更してからは初訪問となる。
前にも書いたが、「食堂」の重複が気になって仕方がない。

早く帰宅し、ケーキを冷蔵庫にしまいたいので、飲酒などで長居はせず食事だけ。
注文したのは、一番安い「たぬきうどん」280円と、「ミニかき揚げ丼」350円。


具材はワカメ、ネギ、天かす、そして東日本ならではの黒いツユ。


ひと口すすれば、ほど悪い(←ほど良いの対義語)甘じょっぱさ。そしてうどんは、やはり腰がなくソフトな歯触り。
だがこれこそが、讃岐うどんはもちろん、武蔵野うどんとも無縁だった私が、昔から食べ慣れているうどんである。
昼メシ代を浮かすため、学食にいた友人に「ひと口ちょうだい」とねだり、ひと口どころか大量にすすったうどんや、
競馬で負けて、わずかに残った小銭を確認し、半ベソかきながらすすった駅の立ち食いうどんなど、
いろんな思い出が甦る、懐かしいテイストなのである。ロクな思い出がない気もするが。
ミニかき揚げ丼は、かき揚げを玉子でとじるタイプ。玉子とぶっかけメシが好きな私には、最適のサイドメニューかも。


会計時、「春巻1本無料券」をもらったが、有効期限が1ヶ月だったので使用できず。
天ぷらや大盛無料券でなく、レギュラーメニューにはない春巻をサービスするのが謎である。

その数日後、数年ぶりに立川市の幸町店に徒歩で向かった私を待っていたのは、まさかの臨時休業!


「日本一臨時休業に出くわす男」を自称する私だが、年中無休のチェーン店でくらうとは…(泣)。
まあ同じ通りには、私が愛してやまない『パワー軒』があるので、予定を変更し、濃厚ラーメンをすすることに。
「魚介豚骨醤油らーめん」780円を、+100円の味噌で作ってもらった。パワー軒の味噌ラーメンは本当にウマい。


それからさらに1ヶ月以上たった先日、まん防も明けたので、今度は一杯飲もうかと、懲りずに徒歩で幸町店に向かう。
以前紹介した『たこ焼き たけちゃん』の屋台は、この日はお休み。
食堂としてオープン予定の店舗には、下記の貼紙があった。なんとか4月中には開業してほしい。


しばらくして、山田うどん幸町店に到着。3月にメニューが変わったらしく、たぬきうどんは310円に値上げ。
先述したメニューも現在は、餃子280円、ざる相盛り550円、ミニかき揚げ丼360円にそれぞれ変更されていた。
この日はまず、「ビール中瓶」490円と、パンチ(もつ煮)の辛口版「赤パンチ」470円にコロッケ160円を注文。
ちなみに、普通の「パンチ」は420円、通常200グラムより少ない、130グラムの「ミニ赤パンチ」310円もあった。
すぐにビール(アサヒスーパードライ)が出てきて、その直後に、お盆に乗せられた赤パンチが登場。


以前、ダウドンで食べたパンチと同じく、具材はモツ、メンマ、こんにゃく。
ビリ辛の赤パンチは、ビールとの相性も当然◎。ホッピー&焼酎が飲みたくなるね。
山田うどんは最近、タンメン専門店も出したみたいだけど、煮込み専門店も出せばいいのに。
なお、主なドリンク&おつまみメニューはこちら。私の好きなホッピーやウーロンハイがなくて残念。


しばらくしてコロッケが揚がった。正式名は「彩の国黒豚コロッケ」で、ソースとともに登場。


黒豚由来なのかはわからんが、コロッケ自体は確かに美味しかった。けれども、1個160円という価格は疑問である。
山田うどんは廉価チェーンというイメージがあるので、「かき揚げ天ぷら」190円も、やや違和感がある。
秋津の立ち食いソバ店『木曽路』のように、「50円にしろ」とは言わないけどねえ…。

※天ぷら2個とコロッケで、50×3=150円

フォローするわけではないが、付属のソースが意外とウマかった。香味野菜の風味が効いていたし。


山田うどん独自の特製ソースかな? 「ブルドックソース」みたいな一般的な商品だったら恥ずかしいな。

うどんは温かいのも冷たいのも食べたので、この日はラーメンを食べてみることに。
いろいろ種類もあったが、一番オーソドックスな「昔ながらのしょうゆラーメン」490円を選択。
ただ、ご飯ものと一緒に頼むとお得なようなので、「かつ丼」640円とのセット価格330円で注文。


どちらもハーフサイズなどではないので、相当な食べ応え、そしてカロリーがありそう。


ラーメンは、具材のナルトが端っこ部分で小さすぎる。ナルト愛好家としてガッカリだ。


醤油味のスープがこれまた、学食や社食で出てきそうなタイプ。平打ちの麺がよかっただけに、もったいない。


かつ丼の方は、かき揚げ丼と似たような味付け。トンカツの厚さはなかなかのもの。


ラーメンのスープは残したが、他は全部たいらげた。また医者に「糖質を減らせ!」と怒られちゃうな…。
会計時、今度はカニクリームコロッケor揚げしゅうまいの無料券をいただいた。


これまた、グランドメニューにはない商品だが、どちらも私の好物なので、今度は使用させてもらうかな。

山田うどんは屋号だけでなく、時代とともに、メニューを少しずつ改良している。
野菜を使用した、女性客向けの新商品を提供する一方で、昔からの主要客である、肉体労働者やドライバー、
さらに腹ペコ学生や無駄メシ食らいのオッサン(自分だ)向けの、ガッツリメニューが充実しているのが嬉しい。
いろいろと不満も述べたが、私にとっては今でも、「うどんのチェーン店」といえば山田うどんである。
『丸亀製麺』や『はなまるうどん』などには負けず、これからも頑張ってほしいよ。


※山田うどんこと、山田食品産業株式会社のHP→https://www.yamada-udon.co.jp/
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