明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

戦いが終わり、年が開ける。

2022年12月31日 | ギャンブル
年々、月日が経つのを早く感じる。2022年も、あっという間に大晦日になってしまった。
私の場合、だいぶ前から実質的な大晦日は、競輪グランプリが行われる12月30日である。
前日29日は、決戦に備え自宅でレース研究…などはせず、行きつけのお店の忘年会に行ってきた。
長時間飲み続け、途中居眠りしちゃったりして、「もう帰れ」となったので、大人しく退散。
帰宅後、テレビの電源を入れると、たまたま映った番組に、元スワローズの八重樫幸雄さんが出演していた。


若い頃の我々は、草野球やソフトボールの授業などで、彼のオープンスタンスをマネしたものである。
「八重樫さん、ちょっと痩せたけどお元気そうで…」と思った直後の記憶がない。どうやら寝てしまったらしい。
朝方、スポーツジャーナリストの務めとして、競輪グランプリの原稿を書き上げるも、二日酔いがきつく二度寝。
なお、原稿とは前回ブログのことなので、もちろん報酬はない(嘆)。

昼頃、さすがにもう家を出なくては…と布団から出るも、前夜の酒が残っており、まともに歩けない。
トイレに駆け込み、便器に向かって数回えずいたあと、ようやく自宅を出る。外の空気が冷たくて気持ちいい。
今年のグランプリは平塚開催だが、入場制限あるし交通費かかるしで、当初から行く予定はなく、
私のホームバンクである、立川競輪場の場外発売を利用することに。
 ※撮影は12月31日

さすがはグランプリ。普段は閑古鳥の場内にも、大勢のファンが詰めかけていた。
二日酔いなので、まずは医務室で胃薬をもらおう…としたが、入口に鍵がかかっている。
私に気付いた女医(というかバアさん)があわてて出てきたが、「胃薬? ないです」と即答し、すぐに入口ドアを閉める。
年々、ファンサービスの質が低下している立川だが、とうとう胃薬もくれなくなったか。
近年の立川競輪場で働いている職員は、客を歓迎するどころか、明らかに迷惑がっている。
今年の競輪CMのキャッチコピーは、「こんなスポーツ、他にないだろ?」であるが、
ファンの来場を拒む立川競輪場こそ、「こんなプロスポーツの施設、他にないだろ?」である。
ただ、客の受け入れを嫌がっている場は、立川以外にもありそうなのが、競輪愛好家としてツラい。

グランプリの車券を購入し終え、逃げるように競輪場から立ち去る。
相変わらず体調不良だが、まだ帰宅はせず、立川屈指のパワースポット『パワー軒』に足を運び、勝利を誓う。
ちなみに、競輪場からパワー軒は、徒歩だとシラフでも30分以上かかる。
正門から出るルートを選び、来春まで公演中の「木下大サーカス」のテントを横切り、


多摩都市モノレールの本社近くを通過中、点検中らしきモノレールが、社内の敷地を徐行運転しているのを発見。


向こう側の歩道からの撮影、しかもヘタでわかりづらい画像だが、地上を走るモノレールの姿は貴重である。
なんだか、ドクターイエローに遭遇したような、幸運に恵まれそうな予感。しばらくすると、パワー軒に到着。
さっそく、長年食べ続けている「塩豚骨らーめん」(並)830円の食券を購入し、「ワンタン」150円を現金で追加注文。
二日酔いでも迷わず、券売機に“超こってり”と記載してあるメニューを選ぶ、自分が誇らしい。
しばらくして、塩豚骨ワンタンメンが登場。どうも、普段よりスープがこってりしている。


体調悪く、量が少ない(小)にしようかとも思ったが、さすがのウマさ。並で正解…イヤ、(中)にするべきだったか。
ワンタンは小ぶりだが、全部肉入りで計7個。150円では安すぎるクオリティだ。


あと、ワンタンの奥に見えるチャーシューが、肉の厚みも脂の乗りも史上最高レベル。シラフで食いたかった(苦笑)。
こってりスープはさすがに残したが、麺と具材は完食。パワースポットでパワーみなぎるラーメンを食べ終え、
競輪グランプリの的中を確信し、意気揚々と帰宅。
パワー軒さん、今年も1年、ありがとうございました。

昨日のブログの予告どおり、私の◎は5番車松浦悠士。9人中6番人気と、人気薄なのもありがたい。
ただし、○の1番車古性優作や、×の9番車脇本雄太らも購入。手本引きでいえば、
松浦が大(大勝ち)、古性が中(やや勝ち)、脇本が止(チョイ浮き)か角(取りガミ)だ。
「手本引き」の説明はしないので、知らない方は身近な大人に聞いてね。詳しい人はたぶんロクデナシだけど(笑)。

レースでは、松浦が周回中から北日本分断策に出る。見知らぬ展開に、競輪初心者はさぞビビったに違いない。
残念ながら、松浦は守澤太志に絡まれ失速(守澤は失格)。早めに巻き返した脇本が、その横を通過していく。
新田祐大を捲り切り先頭に立つと、直線ではマーク古性との一騎打ちに(注:私の目には郡司浩平の姿が入っていない)。
「踏めぇ~!!」「差せ~!!」
古性の1着を願い、上記最大フォント級の絶叫で後押しするも、脇本の末脚は最後まで鈍らず、押し切ってのV。
ゴール後は思わず「(脇本)強えぇぇぇ…」と感嘆の声が漏れた。そんなファンが全国に大勢いたはずだ。
脇本よ、素晴らしいレースをありがとう。個人的には2着の方がよかったが。
わずか数分間、されど濃密すぎて酸欠になりそうな、数分間の激闘が終わった。
酸欠にはならなかったが、喉が裂けるほど叫んだので、一日たった今も、ラッシャー木村のようなかすれ声だ(苦笑)。

そして本日、脇本の1着も押さえていたので、再び立川競輪場へ。結果はプラス5千円チョイ。まあ負けなくてよかった。
払い戻し機の脇には、どこかのバカが捨てたハズレ車券の山があった。


こんな車券、来るはずねぇじゃねえか…とあきれる買い目ばかりだが、
私も今回、ほぼありえない三連単5-3-全通りなどを購入しているので(恥)、他人を笑う資格はない。
払い戻し後は今年もまた、バンクで練習している選手たちを見学していくことに。


上記、バイク誘導しているふたりのうち、前を走るのは女子選手だった。
バンク中央には、男女の選手が待機している。大晦日でも、競輪選手は休まず練習するのだ。


相変わらず顔と名前が一致しないが、彼ら彼女らが、来年も活躍してくれることを願ってやまない。
おっと、来年もっとも活躍してほしい「競輪界の王者」に、祝福のエールを送らなくては。
脇本雄太選手、グランプリ優勝&年間賞金王、おめでとうございます。
 
※競輪HPより拝借、隣は藤原紀香さん

最後に、今年も拙ブログをご覧いただき、ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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今年も当たれ! 「ケイリングランプリ2022」

2022年12月30日 | ギャンブル

今から20年以上前、宝島社から発売された競輪のムック本に、ファン同士の座談会記事が掲載されていた。
その中でグランプリについて、「中止になった年なんか、これじゃあ年越せないって、怒ってた奴がヤマほどいたからな」
という意見に対し、「あるから、年越せない人もいるんじゃないの(笑)」と突っ込んだ方がいた。正論である。
グランプリのせいで大金を失い、わびしい年始を迎える羽目になるファンもいる。私もそのひとりだ。
そんな、過去に何度も泣かされてきた競輪グランプリが、今年も本日、平塚競輪場で行われる。

拙ブログ開設以降のグランプリ予想を振り返ると、
6年前→新田祐大本命→誘導員早期追い抜きで失格
5年前→諸橋愛本命→最終4コーナーで落車失格
4年前→平原康多本命→最終2センターでまたまた落車
3年前→平原康多本命→後方から追い込むも3着惜敗
2年前→平原康多本命→番手絶好も、捲り選手を張り自身も外へ膨れてしまい、無念の5着
そして迎えた昨年。正直さほど自信はなかったが、お気に入りの選手・古性優作を本命視。
関東勢を追走し、最終バックから捲りを放つと、直線では後続を引き離す完勝劇での優勝、そして的中!
翌日のブログでは、「最終2センターの時点で、彼(青・4番車)の勝利を確信」と記したが、
なにせ的中に慣れていないので、一瞬身体が固まってしまい(苦笑)、絶叫したのは直線に入ってから。
グランプリ32度目の挑戦で、4度目の払い戻し。そのうち1回は取りガミなので、黒字になったのは3度目。
私自身は33度目だが、中止を除くと開催自体は37度目となる今年のグランプリ。出場メンバーは以下の9名。

1 古性優作  100大阪
2 郡司浩平  99神奈川
3 新山響平  107青森 
4 守澤太志  96秋田 
5 松浦悠士  98広島  
6 平原康多  87埼玉
7 新田祐大  90福島 
8 佐藤慎太郎 78福島
9 脇本雄太  94福井 

並び予想③748-⑨1-②、⑤、⑥

北日本ラインは、これまでなら佐藤が、同県新田の後位を主張していたはずだが、守澤に譲って4番手。
新田が早めに自力に転じれば、前を走る守澤が佐藤のためにも仕事せざるを得ないため、4番手でもチャンスありと読んだのか。
あるいは、守澤が4番手だと北日本を裏切り、郡司マークを主張しかねないから、それを防いだのかもしれない。
近畿両者の前後と、残る3車が単騎なのは予想どおり。
逃げるのは新山だろうが、昨年の関東3車+古性のように、4車でスンナリ出切ることはないはず。

レース展開もいろいろと考えてみたが、はっきりとした結論は出ないため、つい先日ヒントをもらいに、
コロナ禍以降ご無沙汰していた、下高井戸のうどん店『JAZZ KEIRIN』に久々の訪問。


上記画像はお店HPより拝借。なお、ジャズケイリン年内の営業は終了、年明けは6日(木)から。
以前紹介しそびれた6番車、「緑の煮込みうどん」の豚肉バージョン930円を食べたあと、

※商品名は「白緑の煮込みうどん」。豚肉使用の「白肉うどん」+鶏肉の「緑の煮込みうどん」が由来

ウーロンハイ450円を飲みながら、ジャズと競輪を愛してやまない店主と、グランプリについて語った。
我の強い競輪愛好家同士ゆえ、異なる見解や予想もあったが、共通したのが以下の3点。
○脇本の早めの巻き返しはありそう
小倉競輪祭の予選のような、「8番手に置かれて不発」はさすがにないはず。
○別線の飛び付きは番手ではなく、3番手もありうる
実際、今月25日の伊東温泉記念決勝では、九州ライン3番手を奪った野原雅也が優勝している。
○単騎勢で最初に動きそうなのは松浦
平原は以前のようなタテ脚はなく、郡司は動かずに脚を溜めそうな印象。
店主は上記理由で、「郡司が狙い目かも…」とおっしゃってた。無論、本番で予想を変えるかもしれないが。
私も昨年、直前で平原のアタマを追加した。結局、余計な出費になったのだが。

ジャズケイリン店主との活発な意見交換(?)を経て、導いた私の結論は、北日本ラインの優勝はない、だ。
赤板で新山がスパートするが、単騎勢や近畿コンビは引かず、イン競りや追い上げで分断を狙うだろう。
間違っても、深谷知広がバカ逃げし、番手の金子貴志があっさり勝った、グランプリ2013(立川)のようなことはないはず。
タイミング的に、飛び付かれそうなのは、新田ではなく3番手の守澤のような気がする。
現在、追込みで戦っている守澤は、最大の武器はタテ脚の鋭さで、ヨコはそんなに強い印象はない。
また、ペースを緩めたら、脇本か単騎の誰かのカマシもあり得るので、新山は緩めず踏み続ける。
新田も、自分のために駆けてくれた新山に報いるためにも、早めに仕掛けざるを得ない。
競輪祭決勝の新山と同様に最終2コーナー、あるいはもっと前から飛び出すかも。
そんなに長い距離を踏めば、さすがに末脚が鈍る。そのとき、新田後位から直線で末脚を伸ばすのは、
持久力のある松浦かなあ…と考えている。
1年間、あっ旋を休まずこなし、競輪祭のあとも、他の8人はグランプリに直行したのに、
松浦だけは地元広島記念に参戦し、しっかり結果(優勝)を残してきた。
こういう選手こそ、誰よりも報われるべきだし、最後の最後ににイイ思いをさせてやりたいのだが、
毎年、どうでもいいヤツが勝つのがグランプリだからねえ。

私の展開予想を改めて。①新山逃げるも誰かが飛びつく。松浦ではなく、他の単騎ふたりかもしれないし、
ひょっとしたら、脇本が前受けで突っ張り、古性が新田か守澤をどかし、脇本を迎え入れるかも。
②新山の番手が発進。一応、新田だと思うが、飛び付いた誰かの可能性も。
③直線に入り番手が失速。3番手か、その後ろあたりで脚を溜めていた選手が、一気にゴールへ駆け抜ける。
その選手こそが、松浦ではないかと私は予想。印を打てば、
◎松浦○古性×脇本△新田▲郡司「注」平原となる。

実力日本一の脇本だが、好位で脚を溜めて直線勝負…は考えられず、早めに新山か新田を叩きそう。
さすがに、このメンバーの二段駆けを捲るのは容易ではなく、マーク古性が恵まれるはず。
昨年、儲けさせてもらったし、松浦だけでなく、古性からも買いたい気持ちはある。
もちろん、西武園オールスターのように、脇本が古性を寄せ付けず、圧勝してしまうケースもある。
さっきから、新田や守澤の苦戦を予想しているが、北日本勢結束からの二段駆けは、成功率が高い傾向にある。
逆に南関東の場合は、全滅するケースが多い気がする(笑)。統計を取ったわけではなく、あくまで私の主観であるが。
スンナリ番手回りの可能性もある、新田はさすがに無印にはできず、△評価に。
下半期、もっとも安定していたのは郡司だが、単騎戦では勝ち切るまでには至らないと判断。
グランプリ13度目の挑戦となる平原は、頑張ってほしいので「要注意」扱い。今年こそ、1着では買わない予定だが…。

最近は4番車が3年連続優勝しているため、守澤も人気になりそうだが、先述したように狙われそうな位置だし、
先輩佐藤の分まで仕事もしなくてはならないため、個人的には危ないと思っている。
佐藤は下半期はやや不調だし、マーク屋の4番手はキツイ。新山は昨年の吉田拓矢と同様、逃げてビリになるだろう。

車券は5番松浦から三連単全通り56点…ではなく、今年は3番の新山だけ抜かし、42点にしようかな。
去年は車単も押さえておいたので、3着郡司が無印だったけど、儲けることができた。
今年もオッズを凝視し、松浦-古性の車単5-1なども押さえるつもりだ。

最後に毎年恒例、私の本命選手・松浦悠士の画像と、インタビューの抜粋(一部偽装)を転記。


「練習の感じが良かったので、仕上がりの不安はなくなりました。平塚は軽くて走りやすいバンクという印象です。今年は単騎戦になり、相談できる仲間もいないし不安はありますが、正田さんが応援してくれるし、作戦をしっかり考えたいと思っています」

古性も買うけど(苦笑)、一番期待しているのは松浦だ
初のケイリングランプリ2年連続的中のためにも、精一杯応援するぞ!

数日前には、『一ツ橋大勝軒』で大盛ラーメンを食べてきた。

※「チャーシューワンタンメン・味玉付き」1580円

そして当日は、今年も立川屈指のパワースポット『パワー軒』で食事をする。これで大勝利間違いなし!
下記画像は、先日食べた「長浜ラーメン」650円+「味噌味」100円。

※写っていないが、「うずら玉子」120円と、長浜らしく「替玉」100円も追加した

ついでに、パワー軒のツイッターに載っていた、年末年始の予定も転記しておく。


終わりよければすべてヨシ! 今年も当たれ、ケイリングランプリ!!

※グランプリのレースの模様は、本日16時頃から日テレ系で放送予定
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寒い夜だから…背脂ラーメン 立川『あらしん』

2022年12月25日 | ラーメン、つけ麺など
世間はクリスマスなのに、拙ブログは例年、ペヤングとかダブル炭水化物などについて語っている。


上記画像は、2年前のクリスマスに食べた、国分寺『淡淡』の「チャーハン+ラーメン」690円。
現在は10円値上げしたようだが、それでも700円と安い!

今年紹介するのは、よりによって背脂ぎっとりラーメン
大量に振りかけられた、真っ白な背脂が、ホワイトクリスマスを連想させるかも(←させねえよ)。
そのお店とは、12月12日にオープンしたばかりの立川『あらしん』
 
※お店ツイッターより。「あの女性」の正体は謎

店名の由来は、創業者の「アラ」イヒロミチさんと、ムタ「シン」ゴさん、双方の名前から。
このおふたりは、やはり両者の名前が由来となった、人気ラーメン店『ムタヒロ』も営んでいる。
ムタヒロについてはこのときに、2号店の『鶏そば ムタヒロ』について少しだけ触れた。


2号店はつい先日、『鮭節と鶏の中華そば』にリニューアルしたため、上記画像の「ダハハ鶏塩そば」は、今はない模様。
ムタヒロは多摩地区を中心に10店舗あり、各支店ごとに味やコンセプトが異なるため、ファンも多いはず。
あらしんのオープン初日は、長い行列ができていたが、ムタヒロの常連客も多数並んでいたと思われる。
健康志向の近年において、背脂ラーメン一本で勝負するお店に、行列ができるのはスゴイことだ。

開店から一週間ほど過ぎたある日。行列もだいぶ落ち着いただろうと、あらしんさんに入ってみることに。
夜営業開始時間の直後に訪問したのだが、10ある客席のうち、8つがすでに埋まっていた。
まずは入口の券売機で食券を購入。さっき「背脂ラーメン一本で勝負」と記したように、
メニューは「ラーメン」と「ラーメン 大」、「めし」と「瓶ビール」、追加の「生玉子」と「ネギ増し」のみ。
ラーメン850円とめし150円の食券を購入し、カウンター奥の席に座る。
噂には聞いていたが、開店してから日が浅いのに、早くも床が滑る。背脂恐るべし!

丼に醤油ダレ、おろしニンニク、魔法の白い粉を投入したのち、スープを注ぎ茹で上がった麺と具材を盛り付け、
トドメに大量の背脂をチャッチャと振りかけ、現在のあらしん唯一のメニュー・ラーメンが完成。


至る所に背脂がちりばめられており、表面がギラギラと輝いている。
横アングルはこちら。普通サイズの丼の縁にも、背脂がこびりついている。


先に到着していた、めしにはタクワン付き。背脂スープをかけるのが前提なのか、硬くパサついている。


さすがはムタヒログループ、スープぶっかけご飯愛好家の心情を、よく理解した炊き加減だ。

レンゲでよくかきまぜてから、スープをすくう。濃い醤油スープには、背脂の粒がびっしり。


ひと口すすると、背脂の甘味より、醤油ダレのしょっぱさが勝る。
やや太めの麺も、タレに染まってしまいソース焼きそばのような色に。ズルっとすすれば、やっぱりしょっぱい。


具材はチャーシュー、メンマ、ネギ、モヤシ、茹で玉子半分。
チャーシューは薄いが、5枚ほど入っている。玉子も回収し、いつものようにラーメン丼を作成。


途中で卓上のおろしニンニク、コショウ、一味をふりかけ、店員さんにお願いし、おろしショウガもいただく。


私は苦手なので使わないが、スープの塩分を薄めるのには、卓上のお酢が有効かも。
とにかく、脂っこくしょっぱいので、メシがどんどん進む。『武道家』のように食べ放題だったら、3杯はイケそうだ。
ラーメンを食べ終えたあとは、スープをかけてご飯も食べ切り、「ごちそうさまです」。見苦しい画像で失礼。


冬場は乾燥する時期だが、大量の脂のお陰で、リップクリームは当分いらない(笑)。
喉が渇き、すでに何度か継ぎ足したコップの水を一気に飲み干し、滑って転ばないよう、慎重に出口に向かう。
お店を出たらすぐ、足を自動車のワイパーのように左右に振り、靴底の脂を地面に擦り付ける。
繁華街なのに、ひとりでツイストを踊ってるみたいで、なかなか恥ずかしかったぞ。

数日後には、別の場所で飲んだあと、シメを食べるために再訪。
今回の注文は、ラーメンと生玉子50円。ただし、ラーメンは「醤油ダレ少なめで」作ってもらうことに。
この日の席の前には、スープの大鍋があったが、フタも背脂まみれである。床が滑るワケだ。


数分後にはラーメン+生玉子が登場。


スープをすすると、注文どおりタレを減らしてくれたようで、初回ほどはしょっぱくない。
他のお客さんは、別容器で薄めるための割スープをもらっていた。そんなサービスもあったのか!
玉子を溶いて、すき焼きorつけ麺のようにして食べる予定だったが、どうしても「めし」の誘惑に勝てず、追加注文。

※めしは現金での追加購入可、今回はタクワン抜きで注文

玉子を中央にした、チャーシュー丼を作ったのだが、モタモタしているうちに、卵黄が底に沈んでしまった。


この日も、麺とめしをズルズルバクバクたいらげたが、さすがの私も、スープは少し残して退散。


冬を乗り越えるには、適度な脂の補給も必要だからね。あくまで適度、だが。

今回のブログタイトル、90年代の某ヒットナンバーからわざわざ拝借した理由はふたつ。
ひとつは今書いたように、「寒い夜だから、背脂を補給し元気に過ごそう」の意味。
もうひとつは「寒い夜だから、入口のドアを閉めろ!」だ。

あらしんさんの入口ドアは自動ではなく、しかも少々重いため、両手でしっかり閉めないと隙間が空く。
なので、来客→ドア空きっぱなし→店内に冷風という場面に、わずか2度の訪問で、計5回も遭遇した。
前にも述べたが、私はドアを閉めない人間に、異様に怒りを覚えるのである。
冷たい風が吹き込む、冬の寒い夜ならばなおさらだ。
1回目は別の客が、当事者に「寒いので閉めてください」とお願い。
2回目は外待ちの客を確認しにいった店員が、ついでに閉めて戻った。
3回目は先客が開けっ放しにしたのを、後から入店してきた客が閉めた。
4回目は誰も閉めないので、やむなく私が席を立ち、閉めに行った。
5回目は、ムタヒロの常連なのか、店員と顔見知りの客が来店し、券売機で食券を購入してから着席し、
店員にお土産なんぞを渡している間、ずーーーーーっとドアが開いているのに、店員も知人の来訪を喜んでいて気付かず。
普段の私は、飲食店などの従業員には必ず敬語を使っているが(なので、使わないヤツを軽蔑する)、
妙に腹が立ったので、その客と談笑していた店員に、「ドア閉めてよ!」と、やや強めの口調でお願いしてしまった。
無論、この発言は例の客への抗議の意味合いも含まれている。「今入ってきたお前、ドアくらい閉めろバカ!」とね。

コロナ禍ゆえ、換気のためドアを開けている店もあるが、現在のあらしんさんには、そんな習慣はない。
なので自分に落ち度はないと思っているが、店員さんにクレームを付けたカタチになり、少々気まずいので、
あらしんさんにはしばらく自主出禁だ(泣)。飲んだあとのシメに、背脂ラーメン+ライスは最適なのだが。

皆さんも、こちらのお店を訪れた際は、ドアがしっかり閉まるのを確認してから入退店してほしい。

※店の外から見たドア

これは寒い夜だけでなく、昼でも他の季節でも、そもそも他のお店でも、守っていただきたいマナーである。



ラーメン あらしん
東京都立川市錦町2-1-1
JR立川駅から徒歩2分少々、モノレール立川南駅からも同じくらい
営業時間 11時半~15時、18時~23時、日曜は21時まで
定休日 なし
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大きな丼に年末の大勝利を誓う 一橋学園『一ツ橋大勝軒』

2022年12月22日 | ラーメン、つけ麺など
このときに紹介した、38年前のラーメンガイドブック(?)にも載っていた、『一ツ橋大勝軒』
雑誌「散歩の達人」サイトの投稿によると、“角地にたたずむ小さなお店(中略)1969年からこの場所にある”とのこと。
創業から38年どころか、今年で53年目を迎えた老舗店だが、“1969年からこの場所にある”は誤りで、
開店当初は別の場所(住所は学園西町1-20₋7)にあり、途中で現在の角地(学園西町1-20₋2)に移った模様。
こちらはお店の全体図。中央の黄色い看板に、


現在の住所が記してある。なお、「食べログ」に記載の住所も、以前のものである。


店看板には“永福町発祥”の文字と、本店の住所も掲載してあるとおり、こちらの大勝軒は「永福町系」である。
大勝軒もいろいろあり、もっともメジャーなのは「丸長系」、あるいはそこから派生した「東池袋系」で、
過去に紹介した、『中野大勝軒』は丸長系、西国立の『日の出屋』は東池袋系に該当するらしい。

※『日の出屋』の「中華そば」730円。13時半以降は今も550円!

以下で両者の違いをざっと説明する。本当に「ざっと」なので、多少の違いはカンベンしてほしい。
○丸長・東池袋系が太麺なのに対し、永福町系は中細縮れ麺。どちらも量は多いが、永福町系は並でも麺2玉が基本。
○丸長・東池袋系のスープより、永福町系の方が煮干しが効いており、さらにラードが入るため、最後まで熱々。
○丸長・東池袋系では人気の「つけ麺」類は、永福町系ではあまり見かけない。

他にも、丸長系の方が安い(はず)、永福町系には柚子の皮が入る、レンゲと丼がデカい、などの違いもあるが、
私自身がこの系統をあまり利用したことがないので、該当しない系列店もあるかもしれない。ゴメン。

上記で個人的に特筆したいのが、並でも大盛級の量と、熱々のスープ
細麺だけど2玉なので、食べ応えがあるのだが、あわてて啜ると、熱々スープに舌をやられる。
なので猫舌の私はゆっくり食べるが、スープは冷めることなく、最後まで美味しく食べられる。
以上、前置きが長くなったが、ここから一ツ橋大勝軒の実食リポートを記していく。

まずは、卓上メニューを紹介。並「ラーメン」の麺は1.5玉と、永福町系にしてはやさしめ。


ただし、「小」が1玉(玉子入り)で、「中盛」はいきなり倍増の3玉と、一般的な食堂とは小や中の概念が異なる。
なお、冒頭で触れた38年前の書籍によると、当時は「並」が2玉で370円、「中」が3玉半で500円、
さらに「大」もあり、5玉半で700円だったそう。一橋大の学生たちの喜ぶ姿が目に浮かぶ。
現在は「大盛」ラーメンは見当たらないが、1.5玉の並は、+100円で2玉にできる模様。
0.5玉=100円ならば、中盛に+500円で、麺5玉半の大盛を作ってもらえるのかな?
裏側の画像も掲載。「ビール」は瓶ビールだが、注文している客は少なく、私も飲んだことはない。


左端に見えているのが、底が広く厚いため、こぼれにくくヌルくならない、本店と同じ形状のグラス。


冷たい飲料水を提供することも重視していた、本店の方針が受け継がれている。

初訪問時は無理をせず、普通の「ラーメン」+「玉子入」880円にしておいた。
並とは思えぬ大きな丼に、黒い醤油ダレと透明なラードを投入し、たっぷりのスープを注ぎ、麺を泳がせ完成。
お盆に乗せられ、先述した通常より大きめのレンゲと一緒に、ラーメンがカウンター越しに渡される。


横からのアングルを見れば、丼の異様なデカさがわかっていただけるだろう。


麺だけでなくスープもたっぷり入っており、恐る恐るスープをひと口啜ると、
予想どおりラード由来の熱さが舌を襲うが、同時に煮干しの旨味と風味も押し寄せてきて、こりゃウメえ!
麺とスープを交互に啜り、「熱い!」「ウマい!」「たまらん!」と、心の中で叫びまくる、この快感。
具材は大きめのチャーシュー、メンマ、ナルト、ネギに追加の味玉。昔風の固茹でかと思ったら半熟だった。


1.5玉の麺もすぐにたいらげ、スープを少しだけ残し、「ごちそうさまです」。お会計後は、丼の乗ったお盆を店主に手渡し。
若い頃の小野寺昭さんに似た風貌の店主から、「ありがとうございました」の挨拶を受けて退店。
ちなみに、私の「あの人は○○に似てる」は、周囲から同意を得られないことの方が多い。

数ヶ月後、とある日の日曜に再訪。初回は閉店間際だったので並ばず入店できたが、この日は先客が4名並んでいた。
背後には西武線の踏切があるが、歩道は狭いため、これ以上の行列ができた場合、どう並ぶのかは謎である。
数分待ってようやく着席。この日は奥様らしき女性がお手伝いしていた。
今回は前回の倍量、麺3玉の「中盛ラーメン」1300円にすると決めていた。
通常のラーメン丼よりさらに大きい器が、よりたっぷりのスープと麺を受け入れ、運ばれてきた。


さっきのラーメンには映ってなかった柚子皮が、チャーシューの上にちょこんと乗っている。
この前と同様、横アングルも撮ったが、器がデカすぎてレンズに収まらず。


カウンター内で準備されていた、私の中盛丼(手前)と、普通の丼が並んでいる様子も撮ったが…ズーム失敗でブレブレ。


ヘタクソな写真ばかりで申しわけないが、とにかく、前回よりもさらに大盛だということを理解してもらいたい。

量が多いため、主な客層は若者かと思いきや、大半は私と同世代がそれ以上、いわゆるシニア世代が多い。
女性客はさすがに(小)を頼むが、男性客のほとんどは、通常の1.5玉を注文している気がする。
そんな、人生の先輩たちが「腹八分」を心掛け、上品に麺を啜る中、下品な私は「腹十二分」の中盛に挑む。

※ちょっと角度を変えて撮影してみた

中盛+500円とは結構な増額だが、麺が倍、チャーシューも倍の2枚で、メンマもたぶん倍増、スープも増えている。
麺1.5玉=300円、チャーシュー1枚100円、スープとメンマ増しが100円と考えれば、適正価格と言えよう。
ただ、中盛は醤油ダレの割合が少ないのか、前回より味が薄く、その分煮干しの苦みを強く感じた。
それでも、快調に麺を消化していった私だが、食べ進めていくうちに、「ウマい!」が「キツい…」に変わっていく。
結局、スープ以外は残さず食べたが、中盛は予想以上にしんどかった。味の感想も、「並盛の方がバランスがいい」で、
『吉野家』の牛丼が、並盛がもっとも肉と飯のバランスがいい(※あくまで個人の感想です)のと同じである。

この日、中盛に悪戦苦闘していた私の隣席には、もう還暦は過ぎていそうなご夫婦がいた。
旦那さんが普通のワンタンメンを頼み、奥さんは小ラーメン。提供後、旦那さんが奥さんにワンタンを分けていた。
長年、こちらに通っていると思われる、仲良しご夫婦の微笑ましい様子に、ちょっと感動させられたよ。
私が旦那さんの年齢になったとき、どうせ隣に奥さんはいないだろうけど(泣)、
ここを訪れた際は、小ラーメンではなく普通のラーメンを食べられるほど元気でいたいね。

そしてつい最近、毎月恒例の【『なにや』チャーシュー購入】の帰りに、近所の一ツ橋大勝軒に立ち寄る。
なお、なにやさんは、年明けは4日からの営業。年内はたぶん、月曜以外は営業…だったかな?
今回は「中盛チャーシューメン」と並ぶ、こちらのお店の最高額商品となる、
「チャーシューワンタンメン」1500円を味玉付き+80円で注文。


ひょっとしたら1580円という額は、私の人生史上最高額ラーメンかもしれない。
具材でスープがあふれるからか、中盛用のひと回り大きいサイズの丼で提供された。
チャーシューは4枚プラス。さっきの中盛もそうだったけど、ロールしたバラ肉と、ロース肉の2種を使っている。


チャーシューは昔懐かしい、ややパサついた歯応えで、肉々しさが残っているタイプ。
ワンタンは、少量だがちゃんと肉が入ったものが9個。10個入っていたのにひとつ数え忘れたかな?


並との差額700円の内訳は、チャーシュー4枚400円、ワンタン9個で300円になるのだろうが、
具材が多い分、麺が欲しくなったし、私の好きなナルトが抜かれるのが無念。
味だけでなく価格でも、【普通のラーメンがもっともバランスがいい】ことがわかった。

最後に蛇足だが、年末のこの時期は、有馬記念や競輪グランプリなど、公営競技の大レースが控えている。
今回、「大勝」軒で食事できたことは、何よりのゲン担ぎになったと思われる。競輪グランプリが楽しみでならない。
大勝利のあかつきには、年明けにこちらのお店で、ビール&ラーメンで祝杯だ…行列客がいるのに飲酒しちゃ迷惑か。



一ツ橋大勝軒
東京都小平市学園西町1-20₋2
西武線一橋学園駅から徒歩約2分、JRなら新小平駅から約22分
営業時間 火~土 11時半~14時、日だけ15時まで、ただし売り切れ早じまいあり
定休日 月曜
※店主に聞いたところ、閉店1時間前までに来店した方がいいようです
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「いまどきな~んと?!」この価格! 国分寺『うな太郎』

2022年12月16日 | 定食、食堂
最近、いろんな食料品の値段が上がっている。
ハンバーガーや牛丼の価格変更は、よくニュースになっている反面、元値が安いのでダメージは少ない。
私がもっとも憂いているのは、近年の「ウナギ」の価格である。
ハンバーガーなどは、ほんの数十円程度だが、うな丼なんて、毎回数百円単位で値上げしている。
私がたまに通っていた、地元で評判の鰻屋も、初訪問から数年間で、千円以上高くなった。
稚魚の不漁や、生育にかかる費用の高騰など、やむを得ない理由があるのはわかるが、
万年金欠の私にとって、最近のウナギは、ちょっと手が出しづらい価格帯である。

ウナギは、蒲焼、白焼、串焼、う巻きなどの食べ方があるが、
私はやはり、一番ポピュラーな、蒲焼+ご飯の「うな丼・うな重」が好きである。
【お手頃価格のうな丼・うな重】で、私が真っ先に思い浮かべたのが、大塚の『うな鐵(てつ)』。
同名のウナギ屋は、都内にいくつかあるようだが、私が入ったことがあるのは大塚店のみ。
そちらのうな丼は、私が食べた当時も今も、お新香・味噌汁付きで1杯440円!
安価の理由は、下記画像のとおり、「ウナギ抜き」だからである(笑)。


正しい商品名は「うなぎのタレ玉子かけご飯」で、うな丼とはやや異なるかもしれない(←異なるだろ)が、
甘辛いタレをまぶしたご飯に、私の好きな生玉子をかけて食べるのだから、満足度はかなり高い。
なお、さすがの私もタレご飯だけを注文したのではなく、その前にお酒や蒲焼も頼んでいるので、念のため。

【お手頃価格の、「蒲焼が乗る」うな丼・うな重】ならば、国分寺の『うな太郎』だ。
店頭の看板には「いまどきな~んと?!」と、今回のブログタイトルと同じ文言が記されている。


かつては、このキャッチコピーと一緒に、「うな丼」の価格を記した貼紙(?)があったはず。
私の最も古い記憶は、「いまどきな~んと?! うな丼600円」だが、500円の時代もあったかも。
はっきり断定はできないが、600円だったのは、たぶん今から20年ほど前。
当時でも破格のうな丼だったが、その後は700円、800円…と、徐々に価格が上がっていき、
気付けば画像のように、貼紙はなくなり、別枠のメニュー用紙に価格を記載するようになった。
現在のうな丼は1430円。他店と比べれば安いが、「いまどきな~んと?!」と驚くレベルではないかも。

お店の前は何度か通っていたが、初めて入店したのは2011年。
軽く飲み食いしたあとのシメに頼んだ、「うな丼」のガラケー画像が残っていた。味噌汁付きで当時980円。


蒲焼のサイズは、廉価チェーン『宇奈とと』の「うな丼」よりも大きく、味と質は当然、上回っている。
ただ、小さい蒲焼とはいえ、20年前がワンコインの500円で、現在も590円でうな丼を提供している、
宇奈ととの営業方針は素晴らしいと思う。利用する気はないけど(笑)。

うな太郎さんも、個人店とは思えぬサービス価格だが、それでもウナギはやはりウナギであり、
調子に乗って注文していると、居酒屋や中華食堂のような、お手頃価格では済まない。
また、飲んだあとのシメとしても、ウナギよりはラーメンなどを選びがちだし、
お店周辺には『武道家』『紅』『淡淡』などの名店が揃い、夜の閉店時間も早いため、
気付けば11年間もご無沙汰してしまい、今年ようやく、久々の訪問を果たしたのであった。

ランチタイム終了間際にお邪魔したので、飲酒はせず食事のみのオーダー。
卓上にあった食事メニューがこちら。普通のうな丼の他にも「上」や「ダブル」、さらに「うな重」などもある。


安いのはうな丼だけでなく、メニュー表下段の定食や丼も、610円~という安さ。
そのお得な定食の中から、「牛皿定食」(並)を選び、ホールのおばちゃんに告げる。
カウンター席が空いているのに、ひとり客の私をテーブル席へ案内してくれたり、
「お茶は温かいのと冷たいの、どちらにしますか?」とたずねてくれたりと、おばちゃんはなかなか親切だ。
鰻屋さんは、高級かつ緊張感漂うイメージがあるけど、こちらのお店はアットホームな雰囲気である。

牛皿は、牛丼チェーンのように作り置きだと思っていたが、厨房の旦那さんは、注文後に煮込み始めた様子。
数分後、ご飯、味噌汁、お新香がセットになった、牛皿定食が完成。


牛肉独特の旨味や、玉ネギのシャキシャキ感が残っており、やはり作り置きではなかった。


ひと口食べてみれば、間違いのない味。後述するが、うな太郎さんはウナギ以外の料理もウマいのだ。
続いて白米にパクつくと、ご飯自体が美味しい! 牛皿より先に食べ終えてしまったので、
迷うことなくご飯をお替わり。ついでに「生玉子もらえますか?」とたずね、付けてもらった。


伝票を見たら、生玉子は50円、追加ご飯は220円であった。「ライス大盛」80円の方がお得だったね。
残った牛皿と玉子で、自家製ミニ牛丼を作成。お米の質がいいから、当然ウマい。


七味も振りかけ、ガツガツとかき込み、満足・満腹で「ごちそうさまです」。
会計時、おばちゃんに「ご飯があまりに美味しくて…」と、昼営業の終了時間ギリギリになったことをお詫びし、
「今度は夜、ウナギを食べに来ます」とも告げて、この日は退散。

つい最近、約束どおり夜の時間帯に、3度目の訪問。
こちらは、さっき載せた食事メニューの反対側。「ライス」は220円と記してあった。


まずは「ビール(中びん)」620円と、鰻串から「塩焼」430円、「きも焼」220円、「かぶと焼」200円に、
最初の訪問時に、うな丼を食べる前にも注文していた、「しょうが焼」の単品510円をオーダー。
さっき書いた、「後述する、ウナギ以外のウマい料理」の正体である。 ※11年前は480円だった
まずは、千切りキャベツの上に、豚肉が段々に重ねられた、しょうが焼きが登場。


おばちゃんに「マヨネーズ要りますか?」と聞かれ、「お願いします!」と即答。


豚の脂身由来の甘味と、生姜タレの甘じょっばさが混合し、11年前と変わらぬウマさ!
さらに、タレとマヨが絡んだ、付け合わせのキャベツが、これまた絶品!


以前、橋本『よしの食堂』のときにも書いたが、野菜嫌いの私も、「焼肉タレ+キャベツ」は喜んで食べる。
すぐにビールが空いたが、酒だけでなく、ご飯もススムと思われる。このしょうが焼が510円とは!
現在、『松屋』の「豚生姜焼」単品でさえ530円なのだから、うな太郎さんのは破格。
個人的には、しょうが焼こそ「いまどきな~んと?!」と、驚嘆・称賛すべき商品だと思う。

数分遅れて、串焼3種も登場。上からかぶと、きも、ウナギ塩である。


かぶとは小骨が多く苦手なのだが、こちらのは柔らかく蒸されているのか、骨が気にならなかった。
きもは独特の風味と苦みが、いかにも滋養強壮効果がありそう。
塩焼は、いわゆる短冊で、ホロリと崩れる柔らかな身と、軽い塩分の組み合わせが絶妙。

ビールから「ウーロン割」460円にチェンジしていたのだが、ウナギにはやはり「日本酒」だろうと、
1合460円を熱燗で追加。銘柄は「多摩自慢」だと思う。口当たりがよく、すぐに酔いが回った(笑)。


しょうが焼も串焼もたいらげ、日本酒を半分残した状態で、いよいよシメのウナギを頼むことに。
初回が「うな丼」だったので、今回は「うな重」2240円を選択。ご飯が美味しいので、+40円で「中盛」にした。

数分後、先にお新香が来て、少し遅れてから肝吸いと、うな重が運ばれてきた。


フタを開け、蒲焼ちゃんとご対面。うな丼のよりも大きく、期待が高まる。


串焼と同様、口の中でホロリと崩れる柔らかい蒲焼を、美味しいご飯がしっかり受け止める。
タレは、私好みのくどく甘ったるい味ではなく、万人受けしそうなサラッとした辛さ。
ブレちゃったけど、こちらが断面。ご飯中盛だが、そんなに多くはない。まあ+40円だしね。


淡泊な風味の肝吸いは、単品だと250円。口直しと酔い覚まし(?)に最適。


味噌汁より200円高い肝吸いも付くし、うな重の2240円という価格は、うな丼よりお得かも。
というか、味噌汁がいまどき50円というのもスゴイ。牛丼チェーンより安いではないか。
久しぶりに専門店のウナギを食べて、心もお腹も満たされたところでお会計。

滞在中、20代と思われる若者客が複数来店。その中には大学生風の単独客もいた。
あの若さで、鰻屋にひとりで入るとはたいしたモンだ…と思ったが、彼の注文は「焼肉丼を肉とご飯大盛で」だって。
彼らにとってうな太郎さんは、普段使いできる大衆食堂なのだろう。
懐具合は学生レベル(泣)の私も、うな太郎さんなら気軽に利用できる。
次は「しょうが焼定食・肉ダブルのご飯大盛」か…あ、「特うな重」も食べたいな。



うな太郎
東京都国分寺市本町2-3-4
JR、西武線国分寺駅北口から徒歩約2分半
営業時間 11時半~14時半、17時~22時半
定休日 木曜
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この看板を見たら、当然入店する 国立『餃子王』

2022年12月09日 | 中華食堂
私は自動車免許を持っていないので、近隣の市でも知らない道がたくさんある。
昨年、北府中の『どさん娘』で飲んだ帰り、駅に向かわず周辺を散歩していたら、未知のエリアに来てしまった。
今どこにいるのかわからないまま、それでもさまよい続けていると、住宅街の中に突然、食堂を発見。


夜間、しかも写真がヘタでわかりづらいが、看板には『餃子王』の三文字。いい屋号だ。
「餃子の大将」を自称する者として、この看板を見て素通りはできぬ。
さっそく入店すると、厨房ではお父さんが待機し、カウンター席ではお母さんが休憩中。
テーブル席もあったが、私もカウンター席に座らせていただき、とりあえずビールと餃子を注文。
「ビール」は、個人的に好きなキリンラガーの中瓶で600円。
しばらくして、「餃子」が焼き上がった。1人前6個で当時320円、現在も330円と割安である。


餃子は、普通サイズより大きめで、ニラとニンニクがほどよく効いた、昔ながらの正統派。
「餃子王」の屋号はダテではない、美味しい餃子である。
ビールがなくなる頃、ご夫婦の息子さんらしき店員が、出前配達から戻ってきて、閉店の準備を開始。
こちらのお店は、20時閉店らしい。入店時はすでに19時半を過ぎていたので、残念ながらお会計。
とりあえず、現在地がわからないので(恥)、「国立駅と西国分寺駅、どちらが近いですか」と質問すると、
息子さんが「国立の方が少しだけ近い」と、駅への道順も教えてくれたので、お礼を述べつつ退散。
店員さんたちの愛想もよく、また来たいと思えるお店であった。道に迷って正解(笑)。

説明が遅れたが、こちらのお店は餃子専門店ではなく、中華食堂である。
気になる料理があったので、数ヶ月後に再訪。夕方の明るいうちに到着したので、店頭を撮影し直し。


入店し、卓上メニューを撮影したのだが、最近少しだけ値上げしたようなので、こちらも後日撮り直した。
表面(?)は麺類、ご飯類など。「ラーメン」は50円値上げしたが、480円とまだまだ安い。

※黄色い枠内の閉店時間は、現在とは異なる

裏面は餃子などの一品料理、定食、ドリンクなど。


このときは、帰宅後に仕事をするため、飲酒は控えお食事のみの注文。
前回から頼もうと決めていたのが、“当店オリジナル麺”と記載されていた「焼肉バンバンラーメン」780円。
「焼肉ラーメン」でも気になるのに、「バンバン」まで追加されては、
昔のプロレスファンとしては、頼まずにはいられない。ちなみに元ネタは下記のレスラー。


彼自身が制作した、入場曲の歌詞「♪バ~ンバ~ンビガロ~」を、心の中で口ずさみながら(ウソ)完成を待つ。
蛇足だが、実際の発音は「ベーム、ベーム、ビゲロウ」だ。※本当に蛇足
ただ、もう一品欲しくなり、メニューを再チェック。理想は半チャーハンだが見当たらないので、
悩んだ挙句、普通の「チャーハン」580円と50円しか変わらない、「五目チャーハン」630円をチョイス。
しばらくすると、やや大きめの丼で、焼肉バンバンラーメンが登場。


醤油味のラーメンに、白髪ネギと普通の青ネギとコーン、そして焼肉がたっぷり盛られている。


麺はオーソドックスな中細麺。慣れない「麺リフト」を撮影したら、案の定ブレてしまった。


醤油スープに、強火で炒めた肉の旨味と香ばしさが加わり、なんとも食欲をそそる。
バンバンの由来は聞きそびれたが、ネーミングどおり勢いを感じるラーメンだ。
しばらくして、五目チャーハンが登場。カラフルな見た目である。


普通のチャーハンの具材は、玉子、チャーシュー、ナルト、ネギの4種だが、
五目にはさらに、細かく刻まれた人参、ピーマン、竹の子が加わる。玉ねぎもあったかな?
五目ならぬ七目(推定)のチャーハンは、パラパラでもしっとりでもない、「ざっくり」という印象。
味付けは濃すぎず適度で、ラーメンのスープをすすっても、喉が渇く心配はなし(ただし、腹は膨れる)。

唐突だが、【個人的な記憶 その1】 立川にはかつて、『サンモリノ』という喫茶店風の食堂があり、
人気メニューはナポリタンだったが、ガキの頃の私が一番好きだったのは、エビピラフであった。
私の人生初ピラフでもあった、そのエビピラフには、ピーマンが入っていたため、
ここの五目チャーハンのような、刻みピーマン入りのご飯を口にすると、当時の懐かしい記憶が甦る。

【個人的な記憶 その2】 コロナ禍以前の大衆食堂には、漫画雑誌が置いてあるのが常であった。
客層は当然大人なので、「少年ジャンプ」などはなく、置いてあるのは基本、青年誌。
私の記憶では、置いてある雑誌のトップ2は、「漫画ゴラク」と「ビッグコミックオリジナル」。
特にオリジナルは、系列誌のビッグコミックやビッグコミックスピリッツより、なぜか多く見かけた。
餃子王さんは、昔ながらの中華食堂なので、しっかりビッグコミックオリジナルが置いてある。
せっかくなので(?)、食べかけの五目チャーハンと記念撮影。


久々に読んだので、「釣りバカ日誌」以外は知らない漫画が大半だったが、なかなか面白い作品もあった。
続きを読みたくなったが、上記雑誌の発売日は、2020年4月3日であった(笑)。

閑話休題。最近、食が細くなった私だが、焼肉ラーメン&半ではない全チャーハンには、やはり苦戦。
途中で炒飯と焼肉のコラボを楽しんだりして、ラーメンのスープ以外はどうにかたいらげた。


前回、帰宅後にお店の位置を調べたところ、国立、北府中、西国分寺、谷保、どの駅からもそこそこ遠い。
それでも、お店ツイッターによると、「住宅街の一角にあり小さな店舗ながら今年で50年になります!」とのこと。
投稿は7年前から途絶えているので、今年で57年目かもしれない。
アクセスは決して良くないのに、お店が長年続いている理由は、出前注文の多さ。
この日は、店内の客は私ともうひとりだけだったが、出前の電話がジャンジャンかかってくる。
お母さんが電話を受け、お父さんは鍋を振り、息子さんは配達に出かけ、戻ってきたら再び出発…とかなり忙しそうだ。
ただ、どんなに手が離せなくても、会計時は店員さんが揃って「ありがとうございま~す」と挨拶してくれるのが嬉しい。

そして最近、3度目の訪問をしてきた。立川から徒歩で向かったが、距離があるのでおススメはできない(苦笑)。
私が愛飲するウーロンハイなどの焼酎類がないので、今回もキリンラガーをオーダー。
おつまみは、“11~3月限定”の「もつ煮込み」580円と、以前普通の餃子を食べたので、今度は「水ギョーザ」580円を。
まずはもつ煮込みが、ちょっと変わった形状だけど、冷めにくそうな器で登場。


ラーメンなどに使うスープも混ぜているのか、中華独特の匂いはするが、もつの臭みは皆無でイケる。
続いて、野菜などと一緒にスープに入った、水ギョーザが提供された。


ラーメン用の丼で出てきたので、煮込みと比べるとずいぶん大きい。


水餃子には、五目チャーハンと同様、人参、ピーマン、竹の子が入り、さらに玉ねぎやキクラゲも。
スープの味はかなり薄口なので、ラー油などを入れさせてもらったし、途中で煮込みもゲスト参戦。


餃子は「焼き」と同じのはずだが、水餃子の方が中身のニラが鮮烈に香った。ミディアムレアなのかも。
ビールを2本飲み、器の割には具だくさんのもつ煮と、器どおり量の多い水餃子をたいらげ、そろそろシメのお食事を。
注文したのは、バンバン焼肉ラーメンと同様、他店にないメニューとして注目していた、「ミソ焼きそば」670円。
夕飯どきで出前の注文も重なる中、お父さんが作ってくれたのがこちら。


キャベツ、モヤシ、豚肉など、焼きそばではよく見る具材の他、人参、コーン、玉ネギ、ひき肉に、海苔とネギも。
コーンとひき肉は、味噌ラーメンを踏襲したのかも。具材と中細の麺には、味噌の香りと風味がバッチリ。


画像では判別できないだろうが、これは間違いなく、味噌焼きそばなのである。
塩分はきつくないので、飲んだシメにも最適で、すぐに食べ終わり「ごちそうさまでした」。
会計時にダメ元で、「私の家、立川なんですけど、出前してくれますか…?」とたずねたが、やはりNGであった。
出前範囲を聞いたが、地元民ではない私にはよくわからず(申しわけない!)。ただ、決して広くはない様子。
それでも出前が殺到しているのが、餃子王さんの人気と実力を証明している。

個人的に悪印象しかないウーバーイーツや、他の出前サービスも利用したことはないし、たぶん今後もしない。
だが、現在では出前を実施している個人店は珍しく、私の地元で出前可能なのは、ビザ屋やファミレスくらい。
餃子王さんのウマくて温かい中華料理を届けてもらえる、近所の方が本当にうらやましいよ。



餃子王 国立店
東京都国立市東3-19-1
JR国立駅から徒歩約17分、北府中、西国分寺、谷保の各駅からも約20分はかかる。立川駅からは45分…。
営業時間 11時~20時 19時45分ラストオーダー
定休日 月
※国立店と名乗るのは、かつては国分寺で営業していたから
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老舗の名店を掘り当てた! 河辺『幸泉』

2022年12月01日 | 定食、食堂
地元の図書館で借りた、今から38年前の1984(昭和59)年発行の書籍「多摩の評判ラーメン 名物ラーメン」。
掲載されている100軒のうち、現存するのは21軒。※詳細はこちら→(前編後編)
その21軒の中でもっとも惹かれたのが、-楽しいメニューがいっぱい-と紹介されていた、青梅市の『幸泉』
さっそく青梅線に乗り、最寄りの河辺駅から店舗に向かったところ、下記の看板がお出迎え。


ラーメン本に載っていたのに、食べログでは現在、「とんかつ店」に区分されているのは知っていたが、
「とんかつ みそかつ まぜそば つけ麺 ほうとう」と、ウリの商品が複数あるようだ。
最近のメニューを紹介する前に、書籍に載っていた商品も転記しておく。

「サハリン」750円→名前の由来は“サッポロを通り越しておいしい”で、とにかく具だくさん。
カニ、ホタテ、コーン、キャベツなど、全20種類の野菜と魚介類を山盛りにした、バター風味の鍋焼きラーメン。
「白雪らーめん」600円→味噌スープにホワイトソースを合わせた斬新なラーメン。
「スタミナ鍋らーめん」950円→生卵、豆腐、餃子などの具材の他、赤まむしの粉末も加えて鍋で煮込んだラーメン。
「おしんラーメン」600円。当時流行していたNHKのドラマ「おしん」が由来の大人気メニュー(詳細は不明)。
「趣味でラーメン屋やってますから。遠くから来てくれるお客さんもいるし、よそと同じものやってもしょうがないでしょう」
という店主・伊藤幸男さんのコメントも納得のレパートリーで、奇抜なメニューを好む私が、興味を持ったのは当然である。

店内に入ると、奥様と思われるおばちゃんに、テーブル席へ案内された。小上がり席や幼児用のイスも用意されている。
メニュー表などはなく、壁に貼ってある「お品書き」から選ぶ。


上記画像の麺類の他、定食、酒類、一品料理などいろいろ揃っていて、


別の壁エリアには、ほうとうやナポリタンなども掲示してある。


いろいろあって迷ったが、ファーストオーダーは「ビール中」500円と、
大好物の「手作りニンニク餃子」5ヶ300円に、「マーボー豆腐」500円を選択。
まずはお冷やと瓶ビール&グラス、そしてケースに1本だけ入れられたハシが提供される。


数分後、まずは麻婆豆腐がラー油と一緒に登場。中央の粉末は、すりゴマだった。


辛さはなく、すりゴマのせいでむしろ甘い。ラー油より七味が欲しかったな。
しばらくすると、今度はお酢と醤油とともに、餃子がやってきた。


見た目も味わいも家庭的だが、けっこうニンニクが効いていておいしい。
なので、「餃子鍋」650円を追加。おばちゃんがオーダーを伝えると、厨房から店主が出てきて、
「味付けは、こってりとあっさり、どっちがいい?」とたずねられたので、「こってりでお願いします」と返答。
私が見た書籍の取材からは38年たっているが、気さくな笑顔は掲載当時と変わらず。

※書籍の紹介ページを撮影

2本目のビールを飲んで待っていると、お盆に乗せられた餃子鍋と、レンゲ・とんすいが登場。

※餃子鍋には、具材やご飯・麺も追加できる

「熱いんで気をつけてね」というおばちゃんの忠告どおり、鍋がグツグツと煮立っている。
なので餃子をとんすいに取り分け、少し冷ましてから頬張る。塩味のこってりスープがウマい!
餃子以外の具材は、玉ネギ、人参、半熟味玉半分、そして下記画像のオカワカメ


「オカワカメ」という珍しい食材を私が知っていた理由は、近くにオカワカメ本体と説明文があったから(笑)。


食感はワカメに似ているが、海草ではなくツルムラサキ科の植物で、栄養価も高いらしい。
幸泉さんが自家栽培し、他の料理にも使用している、自慢の食材のようだ。

腹八分に近かったが、せっかくなのでシメを食べて帰ることに。
基本のラーメンと思われる、「中華そば」450円と「正油ラーメン」500円の違いをおばちゃんに質問したところ、
「中華そばは麺がひと玉、正油ラーメンは1.5玉」とのことなので、中華そばを選択。
確かに、中華そばには“軽食”の二文字が添えられていたが、ひと玉あるのならば、決して軽くはない。
というか、どちらのラーメンも、いまどき450円と500円は安いよ。
しばらくして、中華そばが運ばれてきた。具材はネギ、チャーシュー、味玉半分、そしてオカワカメ。


麺はひと玉なので、丼サイズも普通。ただ、予想外だったのがスープの色。


昔ながらの、醤油色した黒いスープが出てくるかと思いきや、やや濁りのあるきつね色のスープ。
豚骨特有の匂いと、コクや旨味もしっかり感じるラーメンで、飲んだあとのシメに最適(?)。
腹十分目を超えたが、麺と具はしっかりたいらげ、スープを少々残しただけで完食。
お会計を済ませたところで、持参した例の書籍を取り出し、「これを見て来ました」と夫妻に告げた。


店主は「おお~懐かしいなあ~。ずいぶん昔の本だよねえ」と驚いた様子。
ちょうど手が空いていたようなので、先述したメニューについて聞かせてもらった。
「サハリンってのは、本来は850円だったのに、本に載るからってサービスで100円引いちゃった。
食材も使いすぎて、(750円では)全然割に合わない。当時でも1000円、今なら2000円以上もらわなきゃ」。
「おしんラーメンってのは、ドラマに出てたアレよ」。大根めしのことですか? という私の返答に店主はうなずき、
「大根だけじゃさみしいから、けんちん汁みたいに具だくさんにして、さらにご飯も入れたラーメンだった」とのこと。
大根など煮込み野菜だけでなく、麺と一緒にご飯も入っていたとは! 栄養失調のおしんも食べたかったはず(涙)。
「昔から、いろんなメニューを出しているから、(常連客には)あのときのアレ作ってくれって、たまに言われるよ」。
私もいつか、ホワイトソース入りの白雪らーめんを作ってもらいたいものだ。

この日は4種の料理を食べたが、どれも安く美味しく、しかも個性的
「よそと同じものやってもしょうがないでしょう」という、店主の哲学は今も健在だった。
変わったラーメンを出すお店という、イロモノ的な先入観を抱いていたが、期待を上回る名店であった。
38年前の書籍のお陰で、温泉ならぬ幸泉、幸せの泉を掘り当てることができた(←うまいコト言ったつもり)。

他にも気になるメニューがあったので、数日後には早くも再訪。
まずは瓶ビール中と、最近の主流メニューであるとんかつを食べてみることに。
注文から数分後、「とんかつ定食」単品が、ソースやレモンとともに登場。


千切りキャベツの上に乗せられたとんかつは、カリっとした歯触りで、なかなかの分厚さ。

前回日記の最後にも掲載

ビールから「ウーロンハイ」350円に変更し、とんかつを食べ終えたところで、この日のシメに。


頼んだのは「カボチャほうとう」900円。数分後、餃子鍋と同様に、鉄鍋に入った一式がやってきた。


ほうとうだけをアップで。幅広の麺は自家製らしい。


具材は、主役の北海道産カボチャに、豚肉、白菜、人参、玉ネギ、しめじ、絹さや、オカワカメなど。


中華そばとは別に作った、醤油味のほうとう用スープを、麺が吸い込んでウマさが増幅。


鉄鍋のせいで最後まで熱々で、野菜たっぷり、栄養たっぷり、味にも大満足の逸品であった。
お会計時、店内のどこにも記載されていない、とんかつ単品の価格が判明。
「とんかつ定食」が780円なのに、単品はなんと480円! 思わず「安すぎますよ」と突っ込んでしまった。

初訪問から短期間なのに、早くも3度目の訪問。すでに店主には名字と居住地、そして苦手な食材も告げてある。
餃子鍋提供時の「こってりorあっさり」のように、店主は味の好みや苦手な食材などを聞いてくれるのだ。
この日はビールと「からあげ」500円、そして前回はなかった「豚もつ煮込」500円を注文。
壁メニューでは、「フロふき大根」「もつほうとう」なども追加されていた。


屋号どおり、店主のアイデアは泉のごとく湧いてくるのか、メニューは頻繁に変わるようだ。
まずは煮込みが、ラーメン丼くらいの大きな器で提供される。500円なのに量が多すぎ!


大根がやや苦手だと告げたところ、代わりに豆腐を入れてもらった。他の具材はモツ、こんにゃく、玉ネギなど。
ドロドロ系ではなくサラサラ系の煮込みだったので、飽きることなく食べ切ることができた。
続いては、生姜やニンニクで味付けされた、鶏もも肉使用の「からあげ」が完成。


普通のラーメン屋さんや中華食堂で出す揚げ物料理は、油切れが悪い場合が多いのだが、
こちらはとんかつも推しているだけあって、揚げ物の油っこさは皆無。鶏唐揚げもジューシーで、ビールが進んだ。
シメの食事は、塩(餃子鍋)、豚骨醤油(中華そば)、醤油(ほうとう)のスープは食べたので、
今回は味噌を試したくなり、“みそバター風味”との説明がある「しじみらーめん」780円を選択。


丼は中華そばよりやや大きめサイズ。具材はたくさんのしじみの他は、ネギにオカワカメのみとシンプル。
バターの脂肪分や、味噌の塩分は控えめ。そもそも、こちらの料理はどれも濃すぎずほどよい塩梅
なので、味噌バタースープは全部飲んでしまったし、しじみも意地汚く、全部ほじくって食べた。


この日も、すべての料理に満足し、お会計の安さで再度満足。またまた、店主とお話しさせていただいた。
「今は住宅もたくさんあるけど、開業した頃は、小学校ができたくらいで、周辺には何もなかった」そうだ。
そんな好環境とはいえない場所で、長年営業を続けている、幸泉さんの実力はやはり侮れない。
あの本に載っている店は、今ではほとんど残っていません、と告げたところ、
「ここも、もう閉めるべきなんだろうけど、やめたら俺、ボケちまうし…」と冗談を口にする店主。
実際は、店主も奥さんも元気そうだし、料理のアイデアも次々と湧いてくる様子なので、閉業は当分先のことだろう。
私自身も、未食及び未知のメニューが多数あるし、幸泉さんには今後も通い続けるつもりだ。



幸泉
東京都青梅市河辺町8-13-11
JR青梅線河辺駅から徒歩約11分、小作駅からは徒歩約18分
営業時間 11時半~14時45分くらい、17時~20時くらいまで、19時半ラストオーダー
定休日 木曜
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